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dynabook GA/ZY レビュー - 13.3インチで重さは1キロ未満、Dynabookらしさはそのままに価格を抑えたビジネスモバイルノート

dynabook GA/ZY レビュー
Dynabookのモバイルノート「dynabook GA/ZY」の実機レビューです。「GA」というのは従来のDynabookのノートPCラインナップにはなく、2024年秋モデルとして発売された「新顔」です。Dynabook Directのみで販売されるWebオリジナルモデルで、家電量販店などでは販売されていません。搭載CPUはDynabookとしては珍しくAMD Ryzenシリーズですが、Ryzen 8000シリーズ、Ryzen AI 300シリーズと言った新しい型番ではなく、少し前の「Ryzen 7030シリーズ」で、そのぶん価格が低く抑えられています。

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なお、このレビューはメーカーよりレビュー機をお借りして実施しています。

ここがおすすめ
・13.3インチで重さ1キロ切り、「持ち運びたくなる」サイズ
・Dynabookらしい、クセがなくて使いやすいキーボード
・バッテリー駆動時間が長く、出先で終日使える
・Intel版のGZシリーズよりもずっと安価
ここがイマイチ
・CPUがRyzen 7030番台とやや古い
・スピーカーの音質は「実用品」レベル
・ディスプレイ品質はIntel版のGZシリーズよりも低い
販売サイトはこちら
この製品は「特別サイト」から安く購入ができます。特別サイトのアクセスにはIDとパスワードが必要です。
【特定サイト限定】クローズドサイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
※上記特別サイトの画面上部にある検索窓に「GA」と入力して検索すると簡単に製品を探せます

1.概要

スペック表

  dynabook GA/ZY
OS Windows 11 Pro
CPU AMD Ryzen 5 7530U/Ryzen 7 7730U
外部GPU なし
RAM 16GB(LPDDR4x-4266)デュアルチャネル対応
ストレージ 256GB/512GB PCIe SSD
光学ドライブ なし
ディスプレイ 13.3インチ(1,920 x 1,080)
ネットワーク Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1
入出力 USB3.2 Gen2 Type-C × 2、USB 3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSDカードリーダー
カメラ Webカメラ(92万画素)顔認証対応
バッテリー 動画再生 約7時間
サイズ 306.0 ×210.0 × 17.9 mm
重量 956 g

※レビュー機は「Windows 11 Pro/Ryzen 7 7730U/RAM16GB/512GB SSD」という構成でした。

コメント

OSはWindows 11 Proのみが設定され、CPUはRyzen 7 7530U/Ryzen 7 7730Uを選べます。いずれもZen3世代の型番なので、決して低性能ということはありませんが、他社でRyzen 8000番台搭載の製品が多数発売されていますし、Ryzen AI 300シリーズ搭載機もぼちぼち出始めているので、CPUの型番が非常に気になる、という方には少し残念かもしれません。

GA/ZYはIntel CPU搭載のdynabook Gシリーズ(カタログモデル)/GZシリーズ(Webオリジナルモデル)と同一筐体と思われ、タテ・ヨコ・厚さは全く同じ、重量が956 gとGシリーズの875 gよりも若干重くなっています。筐体色は「オニキスブルー」のみで、Gシリーズに設定のあるパールホワイトはありません。

では、筐体の外観から見ていきます。

2.外観と使用感

ACアダプター

dynabook GA/ZY ACアダプター
ACアダプターはやや小ぶりなサイズで出力は65W、電源ケーブル込みの実測重量は237 gと、モバイルノートとしては「普通くらい」です。

天板と底面

dynabook GA/ZY 天板
天板です。筐体色はオニキスブルーで「黒に近い、濃いネイビーブルー」という感じの色ですね。GA/ZYは軽量化のために筐体素材にマグネシウム合金を使用しています。軽いだけでなく堅牢性も備えており、Dynabook独自の非常に厳しい耐久テストをクリアしています。

dynabook GA/ZY 底面
底面です。通気口とゴム足がありますが、特に変わったところはないですね。ちょっと見にくいですが、画像上部(使用時には手前側になります)左右にスピーカーグリルがあります。GA/ZYはステレオスピーカー搭載です。

側面

dynabook GA/ZY 前面

前面

dynabook GA/ZY 背面

背面

前面と背面にはポート類やボタン類はありません。背面に通気口(排気口)があるのみです。

dynabook GA/ZY 左側面

左側面

左側面です。画像左からUSB3.2 Gen2 Type-C × 2、HDMI、USB 3.2 Gen1 Type-A、イヤホンジャックがあります。2つのUSB Type-Cポートはいずれも映像出力とUSB PDに対応し、本体への充電/給電もType-Cポートを使います(どちらのポートでも充電できます)。

dynabook GA/ZY 右側面

右側面

右側面です。画像左からmicroSDカードリーダー、USB 3.2 Gen1 Type-A、有線LANポート、セキュリティロックスロットです。Dynabookの製品らしく、ポート構成は超軽量モバイルノートとは思えないくらいに充実しています。外資メーカー製品だと1キロを切る筐体で有線LANポート搭載、という製品は見かけませんねー。

ディスプレイ

dynabook GA/ZY ディスプレイ
ディスプレイは13.3インチのノングレア(非光沢)タイプで解像度は1,920 × 1,080です。アスペクト比(画面の縦横比)は16:9で、最近の新製品で増えている16:10ではありません。

ノートPCのディスプレイ発色品質について、「45%NTSC」「100%sRGB」と開示されているのをよく見かけます。クリエイター向けのPCではこれ以外にも「Adobe RGB」とか「DCI-P3」といった指標も用いられますが、圧倒的によく目にするのが「45%NTSC」と「100%sRGB」ですね。非常にざっくり書くと前者が「普通」、後者が「高発色品質」です。

DynabookのノートPC上位モデルには「IGZOパネル」が使われていることが多く、これは私の経験上「100%sRGBかそれ以上」くらいの高い発色品質です。一方でGA/ZYのディスプレイには「IGZO」の表記はなく、実機の発色品質も特に高いとは言えません。このレビューで手持ちのモニター(27インチIPS液晶、100%sRGBのもの)と目視で比較しましたが、「少々くすんで」います。原色が淡く見えるんですよね。なので、GA/ZYの発色品質は「45%NTSC相当」と思われ、「並」の品質であると評価します。ただ、「汚い」というわけではなく、ビジネスに使っていて不満を感じるようなことはありません。しっかり色を識別したいとか、できるだけ鮮やかなものが欲しい、という方、現在使っているPCが有機ELパネルであるとか100%sRGBであるとかの場合はちょっと不満を感じるかもしれないです。

※液晶ディスプレイは、液晶パネルの特性や製造工程により、各製品で色合いが異なる場合があります。

キーボード

dynabook GA/ZY キーボード

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dynabook GA/ZY キーボード

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GA/ZYのキーボードは「86キー(JIS配列準拠)、キーピッチ:19 mm(一部のキーを除く)、キーストローク:1.5 mm」と開示されています。バックライトはありません。キーピッチ19 mmというのは標準のサイズなので、狭苦しさはありません。またキーストローク1.5 mmはノートPC用のキーボードとして「普通~若干深め」くらいです。

Dynabookをはじめとする日本の大手メーカーはキーボードのチューニング(調整)にかなり力を入れています。GA/ZYのキーボードもキートップ中央にわずかなくぼみがあって指のかかりが良くなっていたりしますし、押下圧(キーの重さ)も「ちょうどいい」感じなので、非常にタイピングがしやすいです。ビジネスで使っていても疲れを感じにくいと思います。

筐体その他

ヒンジ180度開口

dynabook GA/ZY ヒンジ最大開口
GA/ZYのヒンジはこのように180度開口します。

dynabook GA/ZY 画面回転ユーティリティー

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また、「dynabook画面回転ユーティリティ」という機能(アプリ)が入っていて、「Ctrl + Alt + ↑/↓」で画面を反転(上下を逆にする)させることができます。180度開口した状態で画面を反転させれば向かい側にいる人と画面共有をすることができ、ビジネスや学校でのミーティングやグループワークの際などにはとても便利です。

スピーカーとマイク

まず、スピーカーの音質ですが、「それほど良くない」です。大手メーカーではHarman KardonやJBLなどの音響メーカーとコラボしたスピーカーを搭載する製品がありますが、Dynabook GA/ZYに関してはそういったものはなく、独自の音響アプリも入っていません。

dynabook GA/ZY

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「Realtek Audio Console」というアプリである程度は音質の調整はできますが、ハードウェアとしてのスピーカーが実用品レベルなので、調整による音質改善にも限界があります。作業中に低音量でBGMを流すくらいなら悪くありませんが、じっくり音楽を聞きたくなるような品質ではありません。

dynabook GA/ZY Webカメラ

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dynabook GA/ZY ノイズキャンセリング

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Webカメラについては「dynabookミーティングアシスト」、マイクは「Realtek Audio Console」で各種設定が可能です。いずれもAIによる補正ができ、カメラでは背景画像の設定や明るさ自動補正、顔位置の自動調整ができますが、Copilot+ PCほど多彩な機能(目線の補正など)はありません。また、マイクもAIノイズキャンセラーによって自分の声以外の雑音を消してくれます。

個人的には「ここまでアシストしてくれれば十分」だと思います。ビジネスの場で必要以上に自分の顔をよく見せる必要もないですよね?

3.性能テスト

ベンチマークテスト

dynabook GA/ZYはビジネスPCなので、パフォーマンスを高められるような機能はありません。そのため、Windowsの電源設定を「最適なパフォーマンス」にし、付属のACアダプターで電源に接続してベンチマークテスト「CINEBENCH 2024」「3D Mark」「Crystal Disk Mark」を実施しました。

dynabook GA/ZY CINEBENCH 2024
CPU性能のみを測定するCINEBENCH2024のスコアです。

参考:過去データの一部抜粋
Core i7-14700:122、1,177
Core i9-13900H:117、687
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Snapdragon X Elite:108、1,038
Ryzen 7 8845HS:106、956
Ryzen 9 7940HS:106、914
Core Ultra 7 155H: 105、964
Core 7 150U:102、387
Core Ultra 7 155U:101、533
Ryzen 7 8840U:99、573
Ryzen 5 8645HS:98、585
Core Ultra 5 125U:95,533
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

このテストのシングルコア、マルチコアの項目ではグラフィック性能は関係なく「素のCPU性能」となります。IntelがCore Ultraをリリースしてから事情が変わりましたが、以前は「シングルコアではIntel優勢、マルチコアではAMD優勢」という傾向が見て取れました。

dynabook GA/ZYのスコアを過去データと比較すると、シングルコアが低く、マルチコアはCore UltraのU型番と同等レベル、Core 7 150Uよりは高いスコアとなりました。

事務系や営業系のビジネス利用ではほとんどの作業に影響するのはシングルコアのほうですから、Core Ultra搭載機やRyzen 8000シリーズよりも多少処理能力は落ちます。…ただねえ、Microsoft Officeとか、メジャーなオフィス系アプリを使う場合の体感差はほぼ皆無のはずですけどね…。私なんかはExcelとかを使うならRyzenよりも低性能なIntel N100とかでも全く不満はないですし。

ただし、よりPC負荷の高いアプリを使う場合は多少の体感差が出てくると思います。

dynabook GA/ZY 3D Mark
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。このテストではGPU性能がスコアに大きく影響しますので、GeForceなど外部GPUを搭載するPC(ゲーミングノートなど)のスコアが圧倒的に高くなります。外部GPU非搭載の製品の場合は内蔵GPUの性能差でスコアが変わってきます。

参考:過去データの一部抜粋
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 7 8840U:2,399、5,533、21,757
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,658、4,709、14,122
Core 7 150U:1,233、2,904、11,118
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
※Core 7 150UのスコアはRAMがシングルチャネルのもの

CINEBENCHよりもさらに新型番(Core UltraのH型番やRyzen 8000番台)との差がはっきり出ました。GPU性能に関しては新しいCPU型番と既存の型番の差がかなり大きいことがわかります。GA/ZYが搭載するRyzen 7 7730Uは同世代のIntel CoreやAMD Ryzenと比較すると悪くないスコアになっているのですが、比較対象が軒並み新しい型番なので旗色は悪いですね。

dynabook GA/ZY Crystal Disk Mark
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。最近のノートPCのスコアとしては低めですが、ビジネスPCのストレージ速度としてはこれで十分だと思います。

バッテリー駆動時間

ディスプレイの輝度を70%に、音量を30%に、Windowsの電源モードを「トップクラスの電力効率」にして下記の作業をしてみました。

・画像加工ソフト「GIMP」で簡単な画像加工を約45分
・YouTubeの動画・音楽鑑賞を約20分
・テキスト入力やWeb閲覧を約20分

上記トータル約85分の利用でバッテリー消費は約16%でした。単純計算だと1時間あたり約11.3%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は9時間弱となります。メーカー公称のバッテリー駆動時間は約7.0時間(動画再生時/JEITA3.0)/ 約17.5時間(JEITA2.0)ですから、公称値に対してもかなり良好な結果だったと思います。これだけの駆動時間を確保できるのであれば終日出先での作業が可能、と言っていいでしょう。

発熱とファン音

特にコメントはありませんw いやホントです。文書作成やWeb閲覧、動画視聴ではほぼ無音で、たまにごく小さなファン音が出る程度、ベンチマークテスト中にはファン音が聞こえるものの音量は小さく、神経質な人でもない限り気にならないと思います。

発熱についても同様で、文書作成など一般的なビジネス利用では全く気になりません。さすがにベンチマークテスト中はキーボード面上部が少し熱を持ちますが、発熱によってキーボードの使用に不快感がある、というほどでもなく、ごく常識的な発熱です。

4.レビューまとめ

dynabook GA/ZYはDynabook Directで販売中で、ウインタブ読者は「特別サイト」が利用できますので、通常価格(会員価格)よりも安く購入できます。11月14日現在の特別サイトでの最低価格は104,280円です(Windows 11 Pro/Ryzen 5/16GB/256GBという構成です。ただし、一時的に在庫切れ)。レビューに使用した「Windows 11 Pro/Ryzen 7/16GB/512GB」のモデルは125,180円です。

GA/ZYの製品価格は同じ筐体のIntel版、GZ/HYよりも「ざっくり4万円くらい」安いです。例えばGZ/HYの「Windows 11 Pro/Core i7-1360P/16GB/512GB」というモデルは特別サイトで162,580円です。

GZ/HYに対し「安いなりの理由」としては「CPUの型番がやや古く、性能面で一歩譲る」「IGZOパネルを搭載するGZ/HYよりもディスプレイの発色品質が落ちる」という点を挙げられます。これ以外にも相違点はありますが、使用感を左右する部分としてはこの2点が大きいです。

GA/ZYは「OSがPro版のみ」ということからも、よりビジネス利用を強く意識したモバイルノートである、ということが言えます。ビジネスマンの方や学生さんが一般的な作業に使う場合、Ryzen 7 7730Uの性能は決して低くはなく、また最新型番との体感差もほぼないと思います。PCゲームとかをするのであれば話は別ですが…。また、ビジネスマシンであればディスプレイの仕様を少し落とし、価格を下げるというアプローチも「全然あり」でしょう。これらの変更によりGZ/HYよりもかなり低価格に仕上がっているわけで、十分納得できます。

一方で「13.3インチで重さ1キロ切り」とか「Dynabookらしい、使いやすいキーボード」「堅牢な筐体」といった、Gシリーズ(GZシリーズ)の大きなメリットはそのままですから、非常にコスパに優れた製品だと思います。

5.関連リンク

この製品は「特別サイト」から安く購入ができます。特別サイトのアクセスにはIDとパスワードが必要です。
【特定サイト限定】クローズドサイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
※上記特別サイトの画面上部にある検索窓に「GA」と入力して検索すると簡単に製品を探せます

執筆者:ウインタブ
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
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