こんにちは、ゆないとです。1月11日からオンラインで開催されているCES2021において、ASUSの新製品が発表されました。ゲーミングノートPCやマウス・キーボード、モニター、グラフィックボード(ビデオカード)の新モデルです。
今回はその中から、ASUSのゲーミングブランド”ROG”の新製品「Zephyrus G14/G15」の2機種を紹介します。いずれも現行モデルがありますので「モデルチェンジ版」ということになります。ちなみに現行のG14は私も愛用しています。今回ご紹介する後継モデルはAMDのモバイル向け”Ryzen 5000シリーズ”やNVIDIAの最新GPU”GeForce RTX 30シリーズ”が搭載され、「ついにノートPCでもストレス無く4K/60fpsでのプレイが可能になるかも」ということで、今から期待しかありません。
1. Zephyrus G14
スペック
Zephyrus G14 | |
カラー | Moonlight White/Eclipse Gray(AniMe Matrix搭載版あり) |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 4800HS/Ryzen 7 5800HS/Ryzen 9 5900HS |
外部GPU | NVIDIA GeForce GTX1650(VRAM:4GB)/RTX3060(VRAM:6GB) |
RAM | 8GB(Max:24GB)/16GB(Max:32GB) |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe PCIe3.0 SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ |
14インチ FHD(1,920×1,080) IPS液晶(Pantone認証), リフレッシュレート:144Hz 14インチ QHD(2,560×1,440) IPS液晶(Pantone認証), リフレッシュレート:120Hz、DCI-P3:100% |
キーボード | US配列、バックライトあり |
ネットワーク | Wi-Fi 6(IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1 |
入出力 | 3.5mmオーディオジャック、HDMI 2.0b、USB 3.2 Gen2 Type-C ×1、USB 3.2 Gen1 Type-A ×2、USB 3.2 Gen2 Type-C ×1(DisplayPort/Power Delivery/G-SYNCをサポート) |
カメラ | なし |
オーディオ | ビルトインマイク、0.7Wツイーター ×2、2.5Wスピーカー(smart AMP technologyサポート) ×2 |
バッテリー | 76WHrs(4-cell Li-ion) |
サイズ |
324 x 220 x 17.9mm(AniMe Matrix非搭載機) 324 x 220 x 19.9mm(AniMe Matrix搭載機) |
重量 |
約1.6kg(AniMe Matrix非搭載機) 約1.7kg(AniMe Matrix搭載機) |
カラーは現行モデルと同様に白色と暗灰色の2種類で、名称も変わらず「ムーンライトホワイト」と「エクリプスグレー」です。また、天板にたくさんのLEDを搭載し、ライティングでアニメーション表現なども可能な”AniMe Matrix”版もあります。そのため、カラーだけで4種類が存在することとなります。
OSは「Windows 10 Pro」を搭載するようですが、国内版ではHomeエディションになる可能性も高そうです。
CPUはAMD製の最新モバイル向けCPU「Ryzen 7 5800HS」「Ryzen 9 5900HS」を採用しています。Ryzen 5000シリーズを早く実機で体感してみたいですね。また、公開されているスペック情報では、現行モデルにも搭載されている「Ryzen 7 4800HS」という1つ前の世代のCPUのモデルもありました。価格を抑えたモデルとして出てくるのかもしれません。
外部GPUにはNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 3060」を搭載します。ノートPC向けのRTX30シリーズもまた、CES2021で発表されたばかりの最新の型番です。ノートPC向けのRTX 3060はFHD・ウルトラ設定のゲームを90fpsでプレイできると謳っており、十分な性能は発揮してくれそうです。この他、GTX1650を搭載するモデルもラインナップされています。
RAMは8GBのモデルと16GBのモデルがあります。製品ページのスペック表には16GBのモデルの場合”16GB DDR4 on board”という記載があることと、”Max Capacity:32GB”という記載があることから、「オンボードで8GBもしくは16GB、空きスロットに最大16GBを追加可能」ということだと思います。ちなみに現行モデルだと8GBがオンボードで、バリエーションモデルによって空きスロットに8GBが搭載され、合計で16GBになっています。
ストレージはどのモデルも1TBのSSDでNVMe接続のものです。今年リリースされる製品は徐々にPCIe4.0のものも増えてくるのではと思っていますが、PCIe3.0を採用しているようです。
ディスプレイは14インチ非光沢、IPS相当の液晶を搭載しています。FHDでリフレッシュレートが144Hzのモデルと、QHDでリフレッシュレートが120Hzのモデルがあります。現行モデルよりもリフレッシュレートが向上しています。特にQHDの方は120Hzとなりゲームでもより高いfps設定でプレイができるようになります。また、QHDモデルの方はDCI-P3が100%のため、クリエイターにも向いています。ゲームのみか、クリエイティブなこともするかでより明確に選択ができるようになって良いですね。
入出力としては、HDMI、USB Type-Aが2つ、Type-Cが2つ、オーディオジャックを搭載しています。ポートの数は現行モデルと変わりありません。この構成で私も十分に使えています。同時に発表されたHDMI2.1に対応した4Kディスプレイ”Swift”をせっかくなら使いたいなと思いましたが、残念ながらこちらのHDMIバージョンは”2.0b”です。また、NVIDIAのGPUから映像出力したい場合はHDMIではなく、USB Type-CからDisplayPort接続をする必要があります。「Webカメラなし」というのは現行モデルから変わっていません。必要に応じ、外付けのものを用意することになります。
サイズや重量は前モデルと大きく変わりません。ゲーミングノートPCとは思えないくらい非常にコンパクトな筐体で、AniMe Matrixを搭載していても1.7kgと、持ち運びが無理とはならないくらいです。
外観
天板です。このカラーはムーンライトホワイトです。天板の斜め半分に大量の穴が空いており、AniMe Matrix搭載版はそこにLEDが埋め込まれていてアニメーションや時間などを表示ができます。非搭載機では穴が空いているのみですが、うっすらと虹色に輝いています。この部分は現行モデルにはありませんでしたので、非搭載機でも見た目の楽しさというものは体感できそうです。左下にはROGのロゴなどが印字されたプレートが埋め込まれています。下部は凹んでいるように見えますが、これは排熱のためです。
AniMe Matrix版はこのようになります。現行モデル同様LEDは単色のようです。動くキャラクターや文字、時間やバッテリー残量などを設定できるので、新鮮な気持ちで使え、つい周囲に見せびらかしたくなります。こちらのカラーがエクリプスグレーです。
少し見づらいですが四隅にそれぞれ大きめの脚が付いており、しっかりと安定して置くことができそうです。底面には吸気のためのスリットが広く取られています。
ディスプレイはベゼルが細く、迫力ある画面表示が楽しめます。Webカメラが無いぶん、上部ベゼルも細くなっておりスタイリッシュに感じます。下部には”ROG ZEPHYRUS”と印字されていて、光のあたり具合で控えめに見えるようになります。
キーボードです。キーの形状、レイアウトなどは現行モデルと変わらないですね。キーの色は本体カラーに合わせたものになっています。キーボード面上部の排気口中央にロゴが描かれている部分や、両脇のスピーカーグリルに色がついているところは現行モデルとは異なります。1色だけとはならずアクセントとして良いと思います。
入出力ポートの配置はこのようになっています。画像上部が左側面、画像下部が右側面です。配置も現行モデルと同様です。左側面には電源ジャック、HDMI、USB Type-C、3.5mmオーディオジャックがあり、右側面にはUSB Type-C、USB Type-Aが2つ、ケンジントンロックがあります。
G14は底面から吸気、背面と左右側面から排気という構成になっています。現行モデルは確かに発熱しやすいものの、すぐに冷えるので冷却性能は高いと思っていましたが、新モデルはどうなるのでしょうか。4つのヒートパイプや201個のヒートシンクフィン、81枚から84枚になった極薄ブレードで構成されたデュアルファンなどのおかげで現行モデルよりも冷却性能はパワーアップしているようです。
そして、遂にASUSのAMD CPU搭載機でもサーマルグリズリー製の液体金属のCPUグリスを塗布するようになるそうなので、現行モデルでそうなることを期待していた人には朗報ではないでしょうか。現行モデルの時に少し話題となりましたが、ASUSはこの液体金属を正確に塗布するために専用の設備を導入しています。
2. Zephyrus G15
スペック
Zephyrus G15 | |
カラー | Moonlight White/Eclipse Gray |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 4800HS/Ryzen 9 5900HS |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX3060(VRAM:4GB)/NVIDIA GeForce RTX3060(VRAM:6GB)/RTX3070(VRAM:8GB)/RTX3080(VRAM:8GB) |
RAM | 16GB(Max:32GB) |
ストレージ | 512GB/1TB M.2 NVMe PCIe3.0 SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ QHD(2,560×1,440) IPS液晶(Pantone認証), リフレッシュレート:165Hz、応答速度:3ms、DCI-P3:100% |
キーボード | US配列、バックライトあり |
ネットワーク | Wi-Fi 6(IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1 |
入出力 | 3.5mmオーディオジャック ×1、HDMI 2.0b ×1、USB 3.2 Gen2 Type-A ×2、USB 3.2 Gen2 Type-C ×2(DisplayPort/Power Delivery/G-SYNCをサポート)、RJ45 ×1、microSDカードリーダー ×1 |
カメラ | なし |
オーディオ | ビルトインマイク、2Wツイーター ×2、2Wスピーカー(smart AMP technologyサポート) ×4 |
バッテリー | 90WHrs(4-cell Li-ion) |
サイズ | 355 x 243 x 19.9mm |
重量 | 約1.9kg |
カラーはG14と同じ種類、同じ名称で、ムーンライトホワイトとエクリプスグレーです。AniMe Matrixの搭載はありません。
CPUは「Ryzen 9 5900HS」か「Ryzen 7 4800HS」です。G15も前世代のRyzen 7モデルが設定されています。現行の4000シリーズはIntel製CPUに大きな差をつけていましたが、2021年でも十分は性能を発揮してくれることでしょう。G14と比べて5000シリーズのRyzen 7がありません。
外部GPUは選択肢が豊富です。発表されたばかりのノートPC向けRTX 30シリーズ3種類から選択ができます。RTX 3080はQHD・ウルトラ設定のゲームが100fps以上で、RTX 3070はQHD・ウルトラ設定のゲームが90fpsでプレイが可能と謳われています。RTX 3080搭載機の価格は2000ドルからになるようなので、日本だと30万円前後になりそうな予感がしますね。なお、デスクトップPC向けと比べるとやはりVRAMなどいくつかの部分で抑えめになっています。また、日本での仕様がどうなるかわかりませんが、RTX 3060搭載モデルはVRAMが4GBのものと6GBのものがあるようです。
RAMはどのモデルも16GBで最大32GBに対応しています。場合によっては32GBモデルも用意されそうですね。ストレージはモデルによって異なり、NVMeのPCIe3.0というのは同じですが、512GBと1TBのモデルがあります。
ディスプレイは15.6型とゲームなどが見やすいサイズとなっています。外部ディスプレイがなくとも見やすいサイズとなるとこのくらいだと思うのですがどうでしょうか。どのモデルもQHDのIPS液晶で165Hzのリフレッシュレート、応答速度3msとゲームプレイでも快適です。QHDでRTX 3060だとどのくらいのゲームが快適にできるのかは気になるところですが、おそらく高解像度で快適に楽しめるでしょう。また、DCI-P3は100%のため写真や動画編集にも向いています。
入出力ポートですが、サイズが大きいことを活かして、RJ45やmicroSDカードリーダーなども備えています。その他、HDMI 2.0b、Type-Aが2つType-C、オーディオジャックがあります。G15もG14と同様で、NVIDIAのGPUから映像出力したい場合は、対応するType-CからDisplayPortへ出力する必要があります。それ以外は、CPUのグラフィックスであるRadeonからの出力となります。Ryzen 9 4900HSのG14でHDMI経由で外部ディスプレイへ出力してプレイしましたが、(この場合内蔵グラフィックスになるにも関わらず)高設定でも意外に快適だったので驚いたことを憶えています。
オーディオはG14よりも強化されています。サイズも大きくなるためより大きなスピーカーが搭載できるからでしょう。2Wのツイーターが2基、2Wのスピーカーが4基も搭載されます。迫力のあるサウンドが楽しめそうですね。
重量は約1.9kgで、2kgを切ります。15.6インチのハイスペックマシンとしては非常に軽いと思います。
外観
ベゼルが非常に細くなっていて、ゲームや動画鑑賞ではコンテンツにしっかり集中できる没入感を得られると思います。G15もWebカメラは搭載していません。15.6インチというサイズですし「あってもいいのでは?」とは思いますが、無くして少しでもコンパクトに、ディスプレイへの没入感を高めるというコンセプトはかっこいいですね。
G15はAniMe Matrixモデルはありませんが、似たような天板デザインをしています。斜め半分に大量のドット穴が空いています。ライティングではないと思いますが、虹色のラインが数箇所斜めに入っていて見る位置によって変化などがあるのでしょうか。何もないマットな部分、ドット穴、虹色のラインと3種類の異なるポイントがあり見た目を楽しむことができますね。
入出力ポートは左側面(画像右側)に電源ジャック、HDMI、RJ-45、USB Type-A、USB Type-Cが2つ、オーディオジャックがあります。右側面(画像左側)にはUSB Type-A、microSDカードリーダー、ケンジントンロックが配置されています。基本的には左側に集中していてケーブルの配線などがしやすそうで良いですね。画像では斜めになっているのでわかりにくいですが、背面側に近いところに配置されている脚はやや高く、自然にキーボードが傾斜するようになっています。G15も底面側で吸気をするので、空気の通り道が広くなるメリットもありそうです。
3. まとめ
ROG Zephyrus G14/G15はまだ発表されたばかりで、日本での発売などはアナウンスされていません。しかし、現行モデルは日本でも発売されていますので、遠からず日本発売のアナウンスがあると思います。期待して待ちましょう。
G14、G15ともに順当に進化していることが感じられる構成だと思います。ASUSのゲーミングノートはZephyrus、Strix、Strix SCAR、TUF Gamingなどたくさんあり迷ってしまいますが、このZephyrusシリーズはスペックだけではなくてデザインでも楽しんだりできて、隅々まで堪能できるところが良いですよね。私は今年もZephyrus G14を購入すると思います。そのくらい気に入っているので新モデルが待ち遠しいです。
ちなみに、今回の発表は動画で行われましたが、その中で映っていたアナウンス用のゲーム「ROG CITADEL XV」がSteamでリリースされています。一人称視点(FPS)でプレイヤーを操作して、ASUSのコンセプトが反映されたルームを見学する、そんなゲームです。最新のゲーミングノートPCや周辺機器がゲーム内でも再現されているようなので、興味がある方はインストールしてみては如何でしょうか。
4. 関連リンク
ASUS CES2021 プレスリリース トップページ
Zephyrus G14(製品ページ – 英語)
Zephyrus G15(製品ページ – 英語)
ROG CITADEL XV(Steamページ)