ASUSがオンライン開催中のCES 2021にて13.4インチ・コンバーチブル2 in 1タイプのゲーミングノート「ROG Flow X13 GV301」を発表しました。モバイルノート、いやモバイル2 in 1で中身はゲーミングノート、という時点で興奮してしまいますよね?価格や発売時期は未定ですが、個人的には「これ日本で発売しなくてどうすんの!」と思える製品なので、遠からずASUSジャパンから発売のアナウンスがあるものと勝手に確信しております。
1.スペック
ROG Flow X13 GV301 | |
OS | Windows 10 Home/Pro |
CPU | Ryzen 9 5900HS / Ryzen 9 5980HS |
外部GPU | NVIDIA GeForce GTX1650(4GB) |
RAM | 32GB(オンボード) |
ストレージ | 1TB M.2 2230 NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.4インチ (3,840 x 2,400) タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1(推定) |
入出力 | USB 3.2 Gen2 Type-C × 2、USB 3.2 Gen2 、オーディオジャック、XG Mobile用コネクタ |
カメラ | Webカメラ(720p) |
バッテリー | 62Whr |
サイズ | 299 × 222 × 15.8 mm |
重量 | 1.30 kg |
ROG Flow X13には現在公表されているだけで2つのバリエーションモデルがあります。また、ASUSの公式サイトを見ていると、おそらく他のバリエーションモデルも用意されているとも読めますが、ここでは開示されている2つのバリエーションモデルについてご説明します。
モデルごとにOSのバージョンとCPUの型番が異なります。上位モデルの「ROG Flow X13 GV301 GV301QH-K5243R」はPro版OS/Ryzen 9 5980HS、「ROG Flow X13 GV301」はHome版OS/Ryzen 9 5900HSという構成です。
CPUのRyzen 9は(これもCESで発表されたばかりの)Zen3アーキテクチャを採用する最新鋭モデルで、いずれも8コア16スレッドの超高性能版です。とはいえ、ウインタブではまだ見たことも聞いたこともない型番ですし、搭載機のベンチマークスコアもわからないので、具体的なお話はできません。でもまあ、Ryzen 4000番台のパフォーマンスから類推して、今日のところは「恐ろしく高性能」ということでいいでしょう。
GPUはGeForce GTX1650です。CPUが超最新、超高性能なのに比較して「大したことないじゃん」って思いますよね?
しかし、GTX1650というのは「PC本体に内蔵されているGPU」です。この製品はXG MobileというGPU Box(eGPU)が用意され、XG Mobileには最高でGeForce RTX3080の搭載が可能です。
「I have a dream(キング牧師かよ!というツッコミを希望)」というほど大それたものではありませんが、出張先や旅行先でオンラインゲームをプレイするのだ!というのはある意味ロマンだと思います。従来からeGPUがオプションで用意されるノートPCはありましたが、その多くは「eGPUの接続を解除すると、とたんにIntel UHD Graphicsになってしまう」というものでした。この場合、eGPU(GPU Box)を一緒に持っていかないとロマンの実現が難しくなってしまいます。その点、このROG Flow X13なら、「eGPUがなくともGTX1650」ですし、eGPUを接続すればハイエンドマシンに変身します。非常に贅沢な仕組みとも言えますが、素晴らしい!とも言えます。
ディスプレイは13.4インチのIPS相当の液晶、解像度は3,840 × 2,400の4K、タッチ対応で、リフレッシュレートは60 Hzです。アスペクト比は16:10なので、一般的なノートPC(16:9)よりも若干縦に長い形状です。また、スペック表は開示されていませんでしたが、1,920 × 1,200解像度、リフレッシュレート120Hzのモデルも存在するようです。
開示されている4Kディスプレイは「sRGB:116%、Adobe:86%、DCI-P3:85%」という説明もありましたので、クリエイターのニーズにも応えられる発色性能と思われます。
入出力ポートはモバイルノートとしては標準的な数になっていますが、USB Type-CはGen2規格ですし、XG Mobile用の専用コネクタも装備されています。なお、有線LANポートとSD(microSD)カードリーダーは装備されていないようです。
バッテリーは62Whrと大きめのものが搭載されていますが、ゲームプレイをするのであればACアダプターは必須でしょう。
サイズはとてもゲーミングノートとは思えないくらいにコンパクトです。そこらへんの13.3インチコンバーチブル2 in 1と比較しても遜色のないタテ・ヨコサイズと重量に収まっていますので、本当に「出張先や旅行先でゲームができる」と思います。ただし、ACアダプターは100Wということなので、(ASUSでは非常に軽くてコンパクトだと言っていますが)一般的なモバイルノートのアダプターより少々大きめだと思います。
2.筐体
正面から見たところです。画像を見る限り「ちょっとディスプレイが縦方向に長い、普通のモバイルノート」という感じです。悪い意味でなく、超高性能PCというイメージは感じられないですね。
天板です。溝状の模様が入っていて、やや立体的な造形です。左下のプレートは「虹色に輝く」そうです。
キーボードです。もちろんバックライトは搭載されますが、バックライト色は「控えめに白だけ」とのこと。キーピッチは不明ですが、キーストロークは1.7 mm、Nキーロールオーバー(複数のキーを同時に押してもすべて認識される)で「フルサイズキーボード」という説明がありました。
なお、最近ASUSは日本語配列のキーボードを設定しないケースが散見されますので、ひょっとするとこの製品も「英語配列のみ」となる可能性がありますね。
コンバーチブル2 in 1筐体なので、タブレットモード、テントモード、スタンドモードにして使うこともできます。テントモードでは冷却効率がアップしますし、スタンドモードはゲームコントローラーを使う際に便利そうです。また、詳細は不明ですが、この製品はペン入力も可能ということなので、タブレットモードでのイラスト、マンガ制作にも使えると思います。
非常にわかりにくいですが、側面と入出力ポートの構成です。画像左側が右側面、右側が左側面ですね。電源ボタンは右側面にあり、指紋センサーも兼ねます。また、左側面にはXG Mobile用のコネクターも装備されています。
薄型のモバイルノートでゲームプレイをする際に心配になるのが冷却性能です。この製品はデュアルファンを搭載し、他のROG PCと同様に冷却面にかなり気を使っていますので、心配しなくても大丈夫そうですね。
3.価格など
ASUS ROG Flow X13 GV301の価格や発売時期は1月13日現在、明らかになっていません。日本人受けしそうな、非常に素晴らしいパッケージングの製品だと思いますが、お値段のほうもそれなりに覚悟する必要があるんだろうなあ、と思います。
日中は超高性能なビジネス・モバイルノートとして、オフタイムにはゲーミングノートとして、ときにはタブレットモードで絵を描いたり、テントモードで動画鑑賞と、まさに一台でなんでもこなせる製品だと思います。13.4インチというモバイルなサイズにぎっしりメカを詰め込んだ、とても魅力的なノートですね!
4.関連リンク
ROG Flow X13 GV301:ASUS製品ページ(英語)