ASUSが10月16日に発売を予定しているWindowsポータブルゲーミングPC「ROG Xbox Ally」「ROG Xbox Ally X」が東京ゲームショウで展示されます。ASUS公式サイトに特設ページが公開されており、スペックとバリエーション展開についてはほぼ明らかになっていますので、発売に先立ち、また東京ゲームショウに先立ち、製品の概要をご紹介します。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Home |
CPU | Ally:AMD Ryzen Z2 A Ally X:AMD Ryzen AI Z2 Extreme |
RAM | Ally:16GB (LPDDR5-6400) Ally X:24GB (LPDDR5X-8000) |
ストレージ | Ally:512GB SSD Ally X:1TB SSD ※PCIe 4.0 x4接続、NVMe/M.2 ※「アップグレードが容易」との説明あり |
ディスプレイ | 7インチIPS (1080p) 120Hz ※1,920×1,080解像度 |
無線通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4 |
ポート類 | USB4 Type-C (PD対応)※ USB 3.2 Gen 2 Type-C (PD対応) microSDカードリーダー オーディオジャック ※Ryzen Z2 AモデルはUSB 3.2 Gen 2 |
カメラ | なし |
バッテリー | Ally:60 Wh / Ally X:80 Wh |
サイズ | 290.0×121.0×27.5 – 50.9mm |
重量 | Ally:670g / Ally X:715g |
2. バリエーションモデル
ROG Xbox Ally:Ryzen Z2 A/16GB/512GB
ROG Xbox Ally X:Ryzen AI Z2 Extreme/24GB/1TB
3. OS/CPU
特設ページがあるとはいえ、まだまだ全容が把握できないROG Xbox Ally/Ally X。特にCPUの性能が気になるところですよね。AMD公式サイトに搭載CPUの情報がありましたので掲載します。
コア数/ スレッド数 |
ベースクロック/ブーストクロック | TDP/cTDP | GPUアーキテクチャ/GPUコア | NPU TOPS | |
Ryzen AI Z2 Extreme | 8 (Zen5×3、Zen5c×5)/16 | 2.0GHz/5.0GHz | 28W/15-35W | RDNA 3.5/16 | 50 |
Ryzen Z2 A | 4 (Zen 2)/8 | 2.8GHz/3.8GHz | 15W/5-20W | RDNA 2/8 | 非搭載 |
Ryzen Z1 Extreme | 8 (Zen4)/16 | 3.3GHz/5.1GHz | 28W/9-30W | RDNA 3/12 | 非搭載 |
Ryzen Z1 | 6 (Zen4×2、Zen4c×4)/12 | 3.2GHz/4.9GHz | 28W/9-30W | RDNA 3/4 | 非搭載 |
ROG Xbox Ally Xが搭載するRyzen AI Z2 ExtremeとROG Xbox Allyが搭載するRyzen Z2 Aは「中身が全くの別物」です。Ryzen AI Z2 ExtremeはCPUがZen5、GPUがRDNA3.5と最新のアーキテクチャが使われていますが、Ryzen Z2 AはなんとZen2/RDNA2です。また、Ryzen AI Z2 ExtremeはNPUを内蔵する「AI CPU」、Ryzen Z2 AはNPU非内蔵です。
Ryzen AI Z2 ExtremeとRyzen Z2 AのベンチマークスコアはまだPassmarkで公表されていませんが、Ryzen AI Z2 Extremeについては、NPU以外はRyzen Z2 Extremeと同じ仕様なので、ここではRyzen Z2 Extremeのスコアを掲載します。
ゲーミング性能を知りたいので、Passmarkスコアだとよくわからない、というのはあると思いますがご容赦を。Ryzen Z2 Extremeは特にシングルスレッドで従来型番のRyzen Z1 Extremeよりもかなりの性能アップを果たしています。
…気になるのはやはりRyzen Z2 Aのほうですが、CPUの仕様(アーキテクチャなど)から考えて、Ryzen Z1を下回るのではないか、と思います。ただ、Z2 Aの仕様はSteam DeckのCPUの仕様によく似ているので、Steam Deckを意識した、あるいは(どちらもAMD製CPUなので)Steam Deck用のCPUがベースになっているのだろうと思われます。
4. RAM/SSD
RAMはAllyが16GB(LPDDR5-6400)、Ally Xが24GB(LPDDR5X-8000)と、容量だけでなく規格も異なります。SSDはAllyが512GB、Ally Xが1TBで、特設ページには「アップグレードが容易」という説明がありました。残念ながらどういう構造になっているのかは不明です。
5. 筐体

Xbox Ally

Xbox Ally X
特設ページではAllyが筐体色ホワイト、Ally Xが筐体色ブラックでした。従来のROG Ally Xから大きくデザインが変わりました。左右のグリップ部分の形状はXboxコントローラーがイメージされるものになっています。

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筐体にはXboxボタンがついています。特設サイトの説明では「Xboxゲームバーに機能を集約」と書かれており、ユーザービリティの向上が期待できます。ただ、ASUSの設定アプリ「Armoury Crate」との関連や「Steamなど、Xbox以外のプラットフォーム」との関連については不明です。少なくとも(ゲーム機の)Xboxユーザーには非常に使いやすいのだろうとは思いますが…。
6. 発売時期と価格
ASUS ROG Xbox Ally/Ally Xは10月16日発売予定で、9月9日現在まだ価格は発表されていません。また、海外ニュースサイトにいくつかレビュー記事が掲載されていました。
I tried the Xbox Ally, which nails the one aspect holding Windows handhelds back:PCGamesN
Hands-on with the Xbox Ally and Xbox Ally X — possibly the best gaming handheld ever, still has some big questions to answer:Windows Central
いずれも原文は英語ですが、ブラウザーの翻訳機能でほぼ理解できると思います。PCGamesNの記事は概ね好意的、Windows Centralの記事は不満な点についてもしっかり指摘していました。
私は東京ゲームショウに行く予定にしていますので、実機を確認し、現時点で不明な点をできるだけ明らかにできれば、と思っています。
7. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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