ASUSが11月24日に発表した有機EL搭載PCのうち、16インチのハイエンドマシン「ProArt Studiobookシリーズ」をご紹介します。ASUSのプレスリリースによれば「ノートパソコン」となっていましたが、この製品の上位モデルは「ワークステーション」と呼ぶべきだと思います。また、高いシステムスペックだけではなく、クリエイターにとって使いやすい機能をたくさん搭載しています。
目次
1.ProArt Studiobook スペック
スペック表
ProArt Studiobook 16 OLED | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 5800H/Ryzen 9 5900HX |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GeForce RTX3070 Laptop |
RAM | 16GB/32GB |
ストレージ | 512GB/1TB SSD(PCIe 3.0 x4接続) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 16.0インチOLED(3,840 × 2,400) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB 3.2 Gen2 Type-C × 2、USB3.2 Gen2 × 2、、HDMI、オーディオジャック、LAN(RJ45)、SDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 駆動時間約7.5-7.9時間 |
サイズ | 362 × 264 × 19.9-21.86 mm |
重量 | 2.35 kg |
ProArt Studiobook Pro 16 OLED | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | Intel Core i7-11800H/Xeon W-11955M |
外部GPU | NVIDIA RTX A3000 Laptop(6GB) RTX A5000 Laptop(16GB) |
RAM | 32GB/64GB |
ストレージ | 1TB/4TB SSD(PCIe 3.0 x4接続) 4TB SSDはRAID0(2TB×2) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 16.0インチOLED(3,840 × 2,400) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen2 × 2、、HDMI、オーディオジャック、LAN(RJ45)、SDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 駆動時間約7.6-8.9時間 |
サイズ | 362 × 264 × 19.9-21.86 mm |
重量 | 2.35 kg |
バリエーションモデル
ProArt Studiobook 16 OLED
・H5600QM-L2149W:Ryzen 7/RTX3060/16GB/512GB
・H5600QM-L2150W:Ryzen 7/RTX3060/16GB/1TB
・H5600QR-L2155W:Ryzen 9/RTX3070/32GB/1TB
ProArt Studiobook Pro 16 OLED
・W7600H3A-L2008W:Core i7/RTX A3000/32GB/1TB
・W7600H5A-L2X02X:Xeon/RTX A5000/64GB/4TB
※左からCPU/GPU/RAM/SSD
※W7600H5A-L2X02XのOSはWindows 11 Pro for Workstations
※W7600H5A-L2X02XのRAMはECC対応
コメント
ProArt Studiobookシリーズは全5バリエーション展開で、外観はほぼ同じですが中身が「めちゃめちゃ違います」。ざっくりいうと、ProがつかないほうはCPUがAMD RyzenでGPUがGeForceと、割とおなじみの構成、ProのほうはCPUがIntelでGPUが「GeForceがつかない」RTX(Quadro系)です。特にProの最上位モデル(W7600H5A-L2X02X)のスペックが飛び抜けていて、CPUがXeon、RAMはECCメモリー、ストレージは2TB×2のRAID0構成ですから、「完全にワークステーションのスペック」で「プロ仕様」です。
ディスプレイは全モデルとも16インチの4K有機ELです。先日ウインタブでも実機レビューをしたVivobook Pro 16X OLEDと数値上はほぼ同じで、
・100% DCI-P3
・133% sRGB
・PANTONE認証取得
・VESA認証 Display HDR
・最大輝度550nit
・コントラスト比1,000,000:1
・テュフ・ラインランド認証取得のブルーライトカット機能
・応答速度 0.2ms
こんな感じです。Vivobookとの発色性能の違いについてはよくわかりませんが、ウインタブで「圧倒的」と評価したVivobookよりも劣っていることはないでしょうね。
入出力ポートは充実しています。USBポートは合計で4つ、すべてGen2規格以上(Pro版のみThunderbolt 4も装備)、Vivobookにはなかった有線LANポートも装備し、SDカードリーダーはmicro規格ではなくフル規格です。この製品、おそらくプロカメラマンの人も使うんでしょうから、SDカードリーダーがフル規格になっているのは歓迎されることでしょう。
サイズはVivobook Pro 16Xよりも若干大きく、重くなっています。重量も2.35 kgと、結構な重さですね。スペックを考えれば仕方ないんでしょうけど。
2.ProArt Studiobook 筐体
正面画像や天板の画像を見る限り、特に変わった感じはしないですね。ベゼル幅は比較的細く、デザインのいいスタンダードノート、という感じです。
普通じゃないのはキーボードです。真っ先に目が行くのがタッチパッド左にあるダイヤル。Vivobook Pro 16Xのタッチパッド内にあった「DialPad」を物理ダイヤルにしたものです。ただ、おそらくVivobookのDialPadよりも機能は充実していると思われます。ASUSによれば「Adobe Photoshop、Premiere Pro、Lightroom Classic、After Effects」などのソフトウェアに対応し、さらに「Microsoft ホイールデバイスに対応しており、Windows のホイールの設定ページからもツールメニューのカスタマイズが可能」とのことです。
ASUS Dial以外にもすごいところがあります。タッチパッドは「3ボタン」ですし、なんと「タッチパッドを板タブに」できます!最大1024段階の筆圧に対応するそうです。
側面と入出力ポートの配置です。通気口がポートっぽい形状なので、やたらとたくさんのポートがあるように見えますが、実際は「普通に多め」くらいですね。USBポートが高規格なので、クリエイターの大容量データ伝送も高速にこなせるでしょう。
3.ProArt Studiobook 価格など
ASUS ProArt Studiobookシリーズは12月中旬の発売予定で、ASUS Storeで表示されている価格は下記のとおりです。
ProArt Studiobook 16 OLED
・H5600QM-L2149W:Ryzen 7/RTX3060/16GB/512GB:199,800円
・H5600QM-L2150W:Ryzen 7/RTX3060/16GB/1TB:299,800円
・H5600QR-L2155W:Ryzen 9/RTX3070/32GB/1TB:349,800円
ProArt Studiobook Pro 16 OLED
・W7600H3A-L2008W:Core i7/RTX A3000/32GB/1TB:429,800円
・W7600H5A-L2X02X:Xeon/RTX A5000/64GB/4TB:649,000円
※税込み価格
さすがに「Pro」はお値段もProですね。一方でProではない、GeForce搭載モデルのほうはスペックや凝った筐体仕様の割にそこまで高くはない、という感じです。ただ、どちらかと言うとクリエイター向けの製品であることは間違いないというか、3Dグラフィックとか動画編集の仕事をしている人に向く製品だと思います。
4.関連リンク(ASUS Store)
「ノートPCも有機EL」の時代へ。:ASUS Store
ProArt Studiobook 16 OLED H5600QM (H5600QM-L2149W)
ProArt Studiobook 16 OLED H5600QM (H5600QM-L2150W)
ProArt Studiobook 16 OLED H5600QR (H5600QR-L2155W)
ProArt Studiobook Pro 16 OLED W7600H3A (W7600H3A-L2008W)
ProArt Studiobook Pro 16 OLED W7600H5A (W7600H5A-L2X02X)