こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。12月5日、ハワイにてQualcommのイベントが開催され、その席上、ARM版Windows 10が正式に発表されました。Windows 10にARM版(つまり、IntelのアーキテクチャーによるCPUではない、ARMのCPU上で動作するWindows 10)が追加されるという情報はみなさんすでにご存知のことと思います。今回は単にCPUとOSだけではなく、実際に製品が発表された、というところが大きいと思います。
製品はHP、Lenovo、ASUSからリリースされる予定になっていますが、12月5日に発表されたのはASUSとHPのARM版Windowsノート(2 in 1)です。この記事ではASUSの「NovaGo (TP370QL) 」を紹介したいと思います。
1.スペック
ウインタブでは製品のスペック表を掲載する際、Windowsマシンは「青枠」非Windowsマシン(ほとんどAndroid)は「緑枠」にします。NovaGoはWindowsマシンなので青枠です。しかし、CPUはIntelでもAMDでもなく、QualcommのSnapdragonです。それもハイエンドの835。なんとなく感動してしまいました…。で、OSはWindows 10 S(少なくとも現時点ではWindows 10 Proに無償でアップグレード可能)です。
NovaGoにはいくつかのバリエーションが存在し、RAMは4GBから8GBまで、ストレージは64GBから256GBまで、各種選べます。
あえてARM版Windowsをリリースするメリットについて、
・モデムをCPUに統合しているSnapdragonはLTE(通信回線)との親和性が高く、製品開発が容易。LTEありきの製品が作れる
・Snapdragonはスリープ時のバッテリー消費が少なく、バッテリー稼働時間が長くなる
・スリープからの復帰が高速
という点が挙げられています。実際NovaGoはバッテリー稼働時間がメーカー公称値でなんと22時間ありますし、LTEにも対応します。同時に発表されたHPの製品も同様にLTEモデルです。
Intelプロセッサーを搭載する製品とのパフォーマンス差については、この記事では何とも言えません。ただ、ARM版Windows上では、基本的に32ビットのWindows向けアプリケーションはほとんどが動作する、とされていますが、エミュレーションによって動作することになりますので、常識的にはIntelアーキテクチャーのCPUよりも不利かと思われます。そして、それが「どの程度なのか」ということこそ気になりますけど、それは使ってみないと何とも評価のしようがないですよね。
話をスペック表にもどします。ディスプレイは13.3インチのFHD解像度(1,920 × 1,080)で、タッチ対応です。また1,024段階の筆圧に対応するASUSペンもサポートします(同梱されるかは不明)。
また、この製品はLTEモデルなのでSIMスロットが付いていますが、デュアルSIMです。ひとつは通常のNano SIM、もうひとつはeSIM(一枚のSIMで複数のキャリアと契約できる)で、microSDスロットも兼ねます(つまり、microSDを使用する場合はSIMスロットはひとつしか使えません)。
2.筐体
この製品はキーボード非分離・ディスプレイ360度回転型の2 in 1です。そのため、通常のノートPC形態のほか、タブレットモードやスタンドモード、テントモードに変形して使用することができます。
筆圧対応のASUSペンをサポートし、当然Windows用のイラストアプリ各種も動作するはずですので、イラスト用途にも使えそうですね。
ただ、正直な感想として、デザイン面では特に新しいものはありません。これは正面画像で、ベゼル幅も細くなっていますが、モバイルノートPCではこれよりベゼルの細い製品はたくさんありますので、目を引く、という感じでもないですね。決して悪いということもありませんけど。
筐体色は「Sky Grey」という名称のグレーのみです。また、厚さも14.9 mm、重量も1.39 kgとモバイル利用には十分なサイズ感になっていると言えます。
でも、しつこいですけど、Snapdragonを搭載しているからといって、「ひと目でそれと分かる」デザインではないですし、それでいいんでしょう。
3.価格など
ASUS NovaGoは2018年前半の発売を目指しており、予定価格はRAM4GB/ストレージ64GB版が599ドル(約68,000円)、RAM8GB/ストレージ256GB版が799ドル(約9万円)とのことです。残念ながら日本での発売は未定です。
ARM版Windowsのメリットである「長時間稼働/LTEとの親和性」というのはいいとして、あとはパフォーマンスですね。同価格帯のIntel CPU搭載製品と比較して、おそらくは負けちゃうと思うんですけど、「どの程度」の差なのか、というのが大きいと思います。それとまあ、手にとってみて「おお!」って言いたい、というのもありますけどね…。
4.関連リンク
ASUS NovaGo TP370QL:ASUS公式サイト(英語)
コメント
約1.4kgという重量は正直どうかと思うんですよね。Always connected pcとか、常識外れのバッテリー持ちとか言ってる以上ずっと持ち歩くものとして考えてるはずなので…そもそもスナドラ835自体もそう安くないはずですから搭載機は8万くらいするでしょうし、もしそうなら価格差を考えると逆にx86系搭載の普通のPCを買ったほうが…とか。
現時点で64bit版のアプリに非対応という話も、人によっては懸念材料となるかも…
バッテリー削ってもうちょっと小型軽量のものがほしかったかな…
価格がかなり安めなのはいいですね
今発表するならSD835じゃなくSD845がよかったのに。常に繋がるモバイル性の高いPC目指すなら不要な機能削ってOSの容量軽くする努力もしてくれ。後x86のDLLしか動かないのにRAM8GBってのがよくわからない。
OSはARM64bitネイティブなのでメモリ8GB使える
ARM windowsは確かにwin32のexeファイルをサポートしてるが、UWP対応なら64bit仕様のプログラムまで動いたはず
計画上はwin64のexeまでサポートするらしいし、現状はアーリーアクセスのインディーズゲームみたいなもんやぞ
ただ、そもそもARMコアの利点はインテルの半分のTDPで同等のベンチマークスコアを出すことなので、GPD WINのような手持ちUMPCや、7インチ以下のタブレットPCのような小型端末に搭載されてからが本番
基板やその実装自体はスマホ用のをそのまま流用できるんだから昔に比べるとコストもリスクも格段に低い
難点はそんな高性能スマホをある程度量産していて、なおかつそんな面白端末に素早く飛び付くのがもはや中華企業しか居ないことだが……
最近、CubeMixPlus買ったんですが、その後継機が出るとしたら、
こういうタイプになるかもですね。
ARMに最適化されたWindowsなら、パフォーマンス期待できそうだし。
1年も前の機種ではあるんですけど、CubeMixPlus、コスパに感動しますね。
10インチタブなのにマトモにアプリが動くWin機!
ATOM機とは桁違いで。
やっぱり、IntelはBay Trail以降シリーズの名前変えるべきだったんだよな・・・
初期のネットブックのイメージが強すぎて『Atom = まともに動かない』って印象があまりにも広まり過ぎた。
後期のAtomは良いCPUなのに。
自分は今回の発表はちょっと心配になったかな
動画再生とかLTEとかCPU以外の話が中心でクワルコムの印象が良くなかった
バイナリ変換ゆえにワッパや絶対性能は期待されてないとはいえ
微妙すぎるベンチが事前に世間に伝わっているので
今更一切触れないのは不自然すぎる
PCメーカーのプロダクトも微妙
一番理想はARMならではの実装面積を活かした斬新かつ高度な変態性で新機軸
それが無理ならcherrytrailでやってきたありきたりな8インチ継続でもいい
intelと同じ2in1作って横比較でarmが勝てるとは思えない
スペック表 USB Type-Aですよ
性能はCherryTrail以上Core i3以下らしいからPentium N4200くらいなのかな?
ある程度動く様になったらモバイルノートはこっちに移行なのかな。
最初は大変でもsnd一回乗れば開発自体は大したことないだろうし。iPad がモバイルノート向けにも足を伸ばしているのと、windows がiPad の様にも使える様になるのどっちが早いかなぁ