こんにちは。かのあゆです。Verneeの最新ミッドレンジスマートフォン「M6」をレビューさせていただきたいと思います。本端末は昨年ウインタブで実機レビュー済みの「M5」のマイナーチェンジモデルに相当し、ディスプレイが従来の16:9縦横比から昨年からトレンドになっている18:9縦横比に変更されているのが特徴となっています。
Vernee M5 - 5.2インチ、ちょうどいい大きさ、ちょうどいい性能、抜群に美しいデザイン、そして激安価格!(実機レビュー)
かのあゆ自身もVernee端末は以前「Apollo」をレビュー済みで、その品質の高さは確認済みでしたが、今回も非常に完成度の高い一台となっています。この製品は中国の通販サイト「TOMTOP」に提供していただきました。TOMTOPにはこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます。
1.スペック
初期搭載OSはAndroid 7.0”Nougat”をベースにVerneeが独自カスタマイズを施した「VOS」が搭載されていますが、内容的にはほぼ「素のAndroid」そのものとなっています。
Verneeの公式商品ページでは「Android 8.1”Oreo”ベースのVOSが搭載されている」という記述がありますが、現時点ではAndroid 7.0ベースのシステムが組み込まれた状態で出荷されています。
ただし、今後OTAアップグレードの予定はあるようで、海外情報サイト「Root My Galaxy」によると「一部の情報源によると2018年11月にAndroid 8.0へのアップデートが実施される予定」という情報もあります。
[Current Status] Vernee M6 Official Android Oreo 8.0/8.1 Update : Root My Galaxy
いずれにしても今後OSのメジャーアップデート自体は計画されているようですので期待してよさそうです。
搭載CPUはMediaTekのMT6750で、スペック的にはエントリー~ミッドレンジクラスのものとなっており、後述するAntutu Benchmarkでのベンチマークスコアもそれなりのものとなっていますが、RAMが4GB搭載されており、OSに関してもVerneeが独自チューニングを行っている成果が出ているのか、ベンチマークスコア以上に軽快に動作する印象でした。
内蔵ストレージも現在のハイエンドクラスのスマートフォンと同じく64GBと大容量のものが搭載されており、大容量アプリのインストールにも十分対応することができるようになっています。もちろんmicroSDカードによるストレージ拡張にも対応しています。
カメラに関しては旧モデルのVernee M5と同じくインカメラが8.0MP(ソフトウェア補間後13MP)、アウトカメラが13MP(ソフトウェア補間後16MP)というスペックとなっており、この価格帯のスマートフォンとしては画質のほうもなかなか健闘していると思います。
ちなみに非常に重要かもしれないので一応記載しておくと従来のヘッドフォンジャックはしっかり搭載されています。
2.デザイン
付属品はマニュアル、液晶保護フィルム、microUSBケーブル、ACアダプター(海外仕様)、純正TPUケースとなっています。
純正TPUケースに関しては出荷時の時点ですでにM6本体に装着済みとなっており、なかなか高品質なものとなっていました。本端末用の専用ケースがどれだけ出回っているかは不明ですが、とりあえずすでに付属している純正TPUケースでも十分対応できそうです。
レビュー機の筐体色はブラックでした。前面デザインに関してはVerneeの公式写真素材ではS8以降のGalaxy端末によく似た超狭額縁デザインとなっていましたが、さすがに実機はそれとは異なり上下ベゼルがやや太めのものとなっています。
ただしそれでも18:9縦横比のディスプレイを搭載していることには間違いなく、なかなかスタイリッシュなデザインとなっているのではないでしょうか。正直かなりかっこいいです。
背面デザインは前モデルであるM5のものを継承しています。
カメラ周りにZenfoneシリーズで見られる「スピン加工」が施されており、こちらもなかなかスタイリッシュなデザインとなっています。筐体は金属製で安っぽさが全然ありません。もともと低価格な製品ということもありますので、非常に満足感は高いです。
指紋認証センサーに関しては非常に押しやすい位置に配置されており、Galaxy S8のように「間違ってカメラレンズに触れてしまう」ということも一切ありませんでした。非常に理想的な配置だと思います。
また指紋認証の精度も非常に高いものとなっていました。
左側面はSIMカードスロットが搭載されています。
SIMスロットはnanoSIMx2のデュアルSIM仕様となっており、microSDカードと排他仕様となっています。
なお、今回検証することができませんがDSDSにも対応しています。
右側面は電源ボタンとボリュームボタンが配置されています。
本体上部には3.5mmヘッドフォンジャックが搭載されています。
近年上位モデルのスマートフォンではイヤホンジャックを廃止する端末も増えてきていますが、まだまだ現役の規格ですので廃止されずに搭載されているのはうれしい限りです。
下部にはmicroUSBポートとスピーカーが配置されています。
近年ミッドレンジクラスのスマートフォンでもUSB-Cを採用したスマートフォンが普及してきていることもあってM6もType-Cに統一してほしかったというのが正直な感想ではあります。
スピーカーに関してはモノラルスピーカーとなっており、ボリュームが小さめではあるものの十分な音質を確保しています。
3.使用感
システム
搭載OSは前述の通りAndroid 7.0”Nougat”をベースにVerneeが独自カスタマイズを加えた「VOS」を搭載していますが、標準ランチャーは「Launcher 3」となっており、そのほかの要素に関してもほぼ「素のAndroid」そのものといっていい内容となっています。
プリインストールアプリに関しても「素のAndroidに含まれている標準アプリ+Googleアプリ群」のみというシンプルな構成になっており、特にVOSならではの独自アプリなどは搭載されていません。
ただし、設定をよく眺めてみると端末をポケットに入れた際に誤動作を防ぐための「ポケットモード」や「モーションジェスチャー」など素のAndroidには搭載されてない項目が含まれています。
また、M6では18:9縦横比のディスプレイを採用しているため、Galaxy S8などと同じくアプリをフルスクリーンで動作させるための設定メニューも用意されています。
従来の16:9縦横比のディスプレイでの動作を前提にしているアプリに関してはフルスクリーンモードをオンにしてしまうと正常に動作しないアプリもありますが、動画アプリやゲームアプリなどではM6の大画面を最大限活用することができるようになります。
初期出荷時のシステムソフトウェアの容量は430MBと非常にコンパクトにまとまっており、「VOS」という名称ではあるものの実質「素のAndroidそのもの」とみても良さそうです。
空き容量もかなり空いているので大容量アプリのインストールも十分対応可能となっています。
システム情報ではVOSとしてのバージョンが「1.0.0」となっており、Androidセキュリティパッチに関しては2018年3月5日と比較的新しめのものが適用済みとなっています。
前述の通り今後M6に関してはAndroid 8.1ベースのシステムにアップグレードされる予定となっています。
カメラ
カメラアプリのUIはMediaTek CPU搭載スマートフォンやタブレットでよくみられるものとなっており、パノラマ撮影モードやHDR撮影、セルフィー撮影でのビューティモードなど、必要最低限の機能は抑えられています。
アウトカメラに関しては13MPのものをソフトウェア補間で16MPまでアップコンバートしているとのことで、このクラスのスマートフォンとしては十分な画質を実現している印象です。
暗所での撮影はさすがにノイズが目立つものの、予想以上に健闘している印象です。
カメラの品質に関してはミッドレンジクラスのスマートフォンとしてはなかなか健闘しており、ブログやSNSで使用する分にはこれでも十分活躍できそうです。
4.ベンチマーク
今回もベンチマークテストに関してはサンプル数が多いAntutu Benchmarkの旧バージョンである6.2.7と、最新バージョンのAntutu Benchmark 7.0.7で計測しています。
Antutu v6.2.7
参考:
LeEco Le Pro 3(Snapdragon 821): 161,331
LeEco Le Max 2(Snapdragon 820): 135,484
Lenovo ZUK Z2(SnapDragon 820): 132,410
UMI Z(Helio X27): 110,070
Vernee Apollo(Helio X25): 93,251
Elephone S7(Helio X25): 92,543
CHUWI Hi9 (MT8173) : 71,371
Ulefone T1(Helio P25): 67,409
Ulefone Armor 2(Helio P25): 66,331
Ulefone T1 Premium(Helio P25): 64,775
Xiaomi Mi A1(Snapdragon 625): 63,577
Blackview BV8000 Pro(Helio P20): 63,473
DOOGEE MIX(Helio P25): 61,975
DOOGEE Y6 MAX(MT6750): 45,070
CoolPad Max A8(Snapdragon 617): 43,832
Elephone P8 Mini(MT6750T): 42,593
VOYO i8 Plus(MT6753): 39,030
Nomu S10 Pro (MT6737T) : 37,349
Xiaomi Redmi Note 5 (Snapdragon 435) : 36,439
※マウス MADOSMA Q501(Snapdragon 410): 35,663
T-bao X101A(MT8783): 34,370
PIPO N8 (MTK8163A): 32,223
ZOJI Z7(MT6737): 30,616
Ulefone U008 Pro(MT6737): 30,103
※Cube WP10(Snapdragon 210): 29,273
VKWorld Mix Plus(MT6737):27,127
※ドスパラ Diginnos Mobile(Snapdragon 210): 23,785
※FREETEL KATANA 01 (Snapdragon 210) : 22,724
※印はWindows 10 Mobile機
Antutu v7.0.7
参考 :
Samsung Galaxy S9 SM-G960F (Exynos 9810): 250,018
Samsung Galaxy S8 Duos SM-G950FD (Exynos 8895) : 194,363
Samsung Galaxy S8 SC-02J (Snapdragon 835) : 194,096
Sony Xperia X Performance F8132 (Snapdragon 820) : 157,502
Chuwi Hi9 (MT8173) : 88,330
Huawei P10 Lite(Kirin 658) : 78,986
Nomu S10 Pro (MT6737T) : 51,425
T-bao X101A (MT8783): 40,933
VKWorld Mix Plus (MT6737) : 44,558
PIPO N8(MT8163A):39,785
ベンチマークスコアに関しては正直MediaTek MT6750を搭載していることもあってMT6737Tを搭載しているNOMU S10 Proよりも高めのスコアを計測するだろうと予想していたのですが、結果としてはv6.2.7、v7.0.7ともにNOMU S10 Proのスコアを若干下回るという結果となりました。
ただし、実際の動作パフォーマンスは非常に快適で、Antutuのベンチマークの計測値以上にサクサク動作しており、通常動作に関しては特にパフォーマンス不足と感じることがなく、ゲームに関しても十分なクオリティで快適にプレイすることができました。
推奨環境がハイエンド端末を要求するような超重量級のゲームをプレイするような用途では厳しいでしょうか、割と3Dゲームに関しても動いてくれる印象でした。
搭載RAMが4GBというのが効いているのかもしれませんが、Verneeが搭載している「VOS」に関しては見た目の操作感よりこういったパフォーマンス面でのチューニングメインでカスタマイズを行っているのかもしれません。
Antutuのベンチマーク結果に関してはあくまで参考値程度で、非常に高いスコアをたたき出している端末でも実際のパフォーマンスは大幅に落ちるという端末も使ったことがあるのですが、今回のM6に関しては逆の意味でベンチマークスコアと実際の体感速度が異なるという結果になっています。
とにかくAntutuが計測しているベンチマークスコア以上に軽快に動作します。
5.まとめ
Vernee M6は現在TOMTOPにて143.99ドル(約16,343円)で販売中となっています。
基本スペックが共通で、すでにウインタブでレビュー済みとなっているVernee M5がかなり完成度の高い端末という評価だったこともあり期待していたのですが、予想以上に完成度の高い一台となっていました。
スペック的にはエントリー~ミッドレンジクラスで、Antutuベンチマーク上のスコアも決して高いスコアをたたき出しているわけではないものの、ベンチマークで計測されるスコア以上にサクサク動作しており、VerneeのVOSに関しては見た目こそ素のAndroidそのものであるものの、パフォーマンス面のチューニングに関してはかなり優秀な印象を受けました。
デザイン面に関しても近年のトレンドとなっている18:9縦横比の液晶を採用しており、なかなか所有欲を満たすデザインとなっています。
とにかくデザイン、カメラ性能、動作パフォーマンスなどすべてにおいてバランスが取れており、現在販売されているミッドレンジクラスの中華スマートフォンの中でお勧めできる一台となっています。
6.関連リンク
Vernee M6 - 5.7インチSIMフリースマートフォン、あのシンプルな大人向けスマホ「M5」が縦長ディスプレイに!
Vernee M6 : Vernee
Vernee M6 4G Smartphone 4GB+64GB : TOMTOP
コメント
レビューありがとうございます。
GearbestやVernee公式サイトにはB19対応の表記が
ありますが、TOMTOPには見当たりません。
実際はどうなんでしょうか??
B19対応を期待しつつ、TOMTOPで購入済、受け取り待ち中です。
M6が届いたので、早速、エンジニアモードで対応バンドを確認しました。
結果的にはGEARBESTのバンド表記(FDD-LTE B1/B3/B5/B7/B8/B19/B20,TDD-LTE B38/40)が正しいです。(メーカー公式サイトのバンド表記はB5が抜けています。)
B19対応でデザインも造りも良いし、良い買い物でした。