Google Pixel 6aの実機レビューです。2022年6月の発売からまもなく1年を迎え、次期モデルとなるPixel 7aの登場も噂されていますが、購入しやすい価格帯でありながら高い性能を備えており、今からでも購入をおすすめできる製品です(今回のレビュー品はかのあゆの購入品です)。
・安価ながら上位モデルと同じCPU(Google Tensor)を搭載
・キャリアモデルでも余計なプリインストールアプリなし、ブートローダーアンロックやベータ版OSの導入も可能
・美しいOLEDディスプレイ
・誰でも簡単にきれいな写真を撮影できるカメラ
ここがイマイチ
・OSアップデート保証期間は3回とやや物足りない
・ディスプレイのリフレッシュレートは60Hz表示に留まる
販売サイトはこちら
Pixel 6a:Googleストア
Pixel 6a:イオシス(中古端末)
目次
1.Pixel 6a スペック
スペック表
Google Pixel 6a | |
OS | Android 12 |
CPU | Google Tensor |
RAM | 6GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 6.1インチOLED(2,400 x 1,080) |
LTEバンド |
5G: n1/2 /3/5/7/8/12/14/20/25/28/30/38/40/ 41/48/66/71/77/ 78 5G mmwave: n257/n258/n260/n261 LTE: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/17/18/19/20/25/ 26/28/29/30/32/38/39/40/41/42/46/48/66/71 |
SIM | nanoSIM + eSIM |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB Type-C |
カメラ | イン8MP/アウト12.2MP + 12MP |
バッテリー | 4,410 mAh |
サイズ | 152.2 x 71.8 x 8.9 mm |
重量 | 178 g |
コメント
工場出荷時にプリインストールされていたOSはAndroid 12でしたが、2022年9月にはAndroid 13の配信が開始されています。またブートローダーのアンロックが必要になりますが、先日開発者向けにリリースされたAndroid 14のプレビュー版も導入可能です。OSアップデート保証期間は3年までなので、Android 14までは更新できる予定です。ただSamsungやOnePlusなど、OSアップデート保証期間を「4回」に延長するメーカーも登場していることを踏まえると、Pixelシリーズもそろそろ延長してもいいではないか、と感じますね。
CPUはGoogle Tensorです。Pixel 6/6 Proと全く同じものが搭載されており、Snapdragon 888に匹敵する性能を持ち合わせています。RAMは6GB、内蔵ストレージは128GBで、MicroSDカードスロットはありません。
かのあゆが購入したのはauで販売されているキャリアモデルとなりますが、基本的にはGoogleストアなどで販売されているSIMフリー版と同一の仕様となっており、国内4大キャリアの通信バンドをカバーしているほか、eSIMにも対応しています。
バッテリー容量は4,310 mAhで、USB PDによる急速充電をサポートします。
2.Pixel 6a 筐体と使用感
付属品はUSB-C to Cケーブル、データ移行用のクイックスイッチアダプター、SIMピン、マニュアル等のペーパー類です。SIMフリー版、キャリア版ともにACアダプターは別途用意する必要があります。
前面です。ディスプレイはパンチホールノッチで、左右が湾曲していないフラットディスプレイを採用しています。左右ベゼルがやや太めに感じられますが、全体的に安っぽさは感じられません。強化ガラスは旧世代のコーニング・ゴリラガラス3なので、傷が付くのが不安ならば液晶保護フィルムやガラスフィルムを一緒に購入しておくことを強くおすすめします。
背面です。前面と同じく素材はゴリラガラス3で、所有欲を満たす美しいデザインに仕上がっています。カメラバンプ部が特徴的ですが、Pixel 6/6 Proと比較すると若干Pixel 7シリーズに近い形状に変更されています。筐体色は「セージ」「チョーク」「チャコール」の3色がありますが、かのあゆは発表時から印象的だったセージを選択しました。
左側面にはSIMトレイ。
右側面には電源ボタン、ボリュームボタンがあります。
上部にはマイクが配置されています。
下部にはUSB-Cポート、スピーカーがあります。
システム
PixelシリーズはAndroid OSのリファレンス端末という位置づけを兼ねていることもあり、基本的には素のAndroid OSに準じたUIです。標準ランチャーは「Pixel Launcher」です。
既に環境構築してしまった後なのでスクリーンショットは省いていますが、プリインストールされているアプリはAndroidシステム標準とGoogle純正アプリのみとシンプルです。au、ソフトバンクから販売されているキャリア版もこの点は同じで、キャリア独自アプリは一切プリインストールされていません。
基本的には素のAndroid OSなのですが、Pixelシリーズならではの機能も組み込まれています。高度なAI処理能力を備えるGoogle Tensorを活用した「リアルタイム翻訳」機能もその一つです。あらかじめ言語ファイルをダウンロードしておくことにより、端末がネットワークに接続されていない完全オフライン環境でも翻訳機能を利用できます。
ジェスチャー機能も用意されており、スマートフォンを伏せるだけでサイレントモードを有効化したり、純正カメラアプリ使用時に端末をひねることによりイン、アウトカメラを切り替えることが可能です。
ストレージ容量は128GBのみが設定されています。写真やドキュメントなどはGoogleフォトやGoogleドライブ(クラウドストレージ)に保存することを前提にしており、かのあゆの場合あくまでサブ端末として使用しているので環境構築後も空き容量は余裕がありますが、MicroSDカードを備えていないこともあり、メイン端末として使うのであれば少々心もとないかもしれません。出来れば256GBモデルも用意されていればよかったのですが…。
システム情報です。キャリア販売モデルでもブートローダーアンロックを行うことができ、Android OSのベータ版を導入できます。現在は次期バージョンとなるAndroid 14のほか、Android 13 + 機能アップデートのベータ版も導入可能となっており、かのあゆは現在Android 13ベースの最新ベータ版を導入しています。
前述の通りOSアップデート保証期間は3年、セキュリティアップデート保証期間は4年となっていますが、カスタムROMも比較的容易に導入できるので、自己責任にはなりますがGoogleによる公式サポートの終了後も長く使っていけそうです。
ディスプレイ
ディスプレイは6.1インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。パネルは高品質なOLED(有機EL)で、ハイエンドスマートフォンと比較しても画質は劣っていません。ただし差別化のためかPixel 6(90Hz)、Pixel 6 Pro(120Hz)とは異なりリフレッシュレートは60Hz表示に留まっています。
普段使いでは特に気になることはありませんが、2万円台で購入出来るミッドレンジスマートフォンでもリフレッシュレート90Hz表示をサポートするスマートフォンが登場してきていることもあり、この点は少し物足りなさを感じます。なお実はPixel 6aでも仕様としてはリフレッシュレート90Hz表示に対応しており、OS側の制限を解除する手段も存在しますが、保証外となる上に端末に不具合が発生する可能性もあるため、そのまま使用することをお勧めします。
スピーカー
スピーカーはステレオ出力です。Pixelシリーズを使用するのは国内初投入となったPixel 3以来ですが、音質は大幅に向上しており部屋などで作業用音楽を流す用途でも活躍させることが出来ました。
ただしDolby Atmos等のサラウンド機能やイコライザーなどは備わっておらず、この点に関しては少し残念に感じられました。せっかくスピーカーの性能も向上してきているので次期モデルでは是非Dolby Atmosをサポートして欲しいところです。なおPixel 6/6 Proと7/7 Proではアップデートで空間オーディオに対応しています。
カメラ
Pixelシリーズではカメラアプリとして「Googleカメラ」が採用されています。ナイトモードやポートレート撮影モードなどは備わっているものの全体的に最低限の機能のみ用意されており、機能面では物足りなさを感じてしまいます。
カメラのスペックはイン8MP、アウト12.2P(メイン) + 12MP(超広角)です。Pixel 6/6 Pro、Pixel 7/7 Proと比べるとメインレンズのスペックは落とされているものの、まさに「カメラの性能は画素数だけで決まるわけではない」という言葉どおり細かいディティールまでしっかり映し出してくれています。もともとPixelは初代モデルよりカメラ性能の高さには定評がありますが、廉価モデルのPixel 6aでもその点はしっかり継承されています。
Pixel 6aはもちろん飯テロ写真を投稿する用途にも最適です。色合い含めかのあゆが使用してきた端末の中では一番見たとおりに忠実かつ「映える」写真が撮れているように感じました。
「夜景モード」も健在なので薄暗い場所でも明るい写真を撮影可能です。Pixel 6aのカメラは全体的にシーンを選ばずどのような場面であっても美しい写真を簡単に撮影することが出来ます。
3.Pixel 6a 性能テスト
参考:
ROG Phone 6(Snapdragon 8+ Gen 1):1120,013
ROG Phone 6 Pro(Snapdragon 8+ Gen 1):1108,020
Zenfone 9(Snapdragon 8+ Gen 1):1079,196
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
POCO X4 GT(Dimensity 8100):798,752
ASUS ZenFone 8(Snapdragon 888):785,280
POCO F4(Snapdragon 870):658,456
Galaxy S20 SC-52A(Snapdragon 865):655,707
Galaxy S21 SC-52B(Snapdragon 888):624,772
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Huawei nova 9(Snapdragon 778):500,881
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Pixel 6シリーズではGoogle自社ブランドの「Tensor」を搭載しています。ウインタブでこのCPUを搭載している端末をレビューするのは初となりますが、AnTuTu Benchmark v9ではSnapdragon 865/870とSnapdragon 888の中間の総合スコアをマークしています。GPUのスコアもSnaopdragon 888と同程度となっており、5万円台で購入出来る端末の中では最も高い性能を有しています。
RAMは6GBと控えめですが、かのあゆの使い方(WEBブラウジング、SNSの利用、写真撮影など)では特にメモリ不足になってしまうようなことはありませんでした。ゲームはPixel 6aではほぼプレイしていませんが、現在配信されているAndroid向けゲームであれば最高画質で十分楽しむことが出来るでしょう。
4.Pixel 6a レビューまとめ
Pixel 6aは現在Googleストアにて53,900円(税込)で販売中です。キャリアではauとソフトバンクが取り扱っており、発売から半年以上経過した今では新規契約、MNPで2万円台から購入出来るケースも増えてきたほか、中古市場でも3万円後半から購入出来るようになってきています。
円安などの影響を受けている状況下においても購入しやすい端末でしたが、現在ではミッドレンジスマートフォンとほぼ同じ価格帯で購入出来るようになっています。ストレージ容量が少ない点は残念ですが、ハイエンドクラスのCPU性能、どのようなシーンであってもきれいに撮影できるカメラなど、弱点がほとんど見当たらない端末に仕上がっています。安価で高性能な端末を探しているのであれば検討すべき一台だと思います。個人的にも購入して良かったと感じていますし、どなたにもお勧めです。
コメント
間もなく一年?
pixcelは3から6aと使ってます。すごく良いスマホなのに唯一残念なのが、スマホ画面を車のディスプレイオーディオ等に映し出すキャストchromecast機能が無いって処です。