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Galaxy Note FEの実機レビュー ー 悲劇の「Galaxy Note7」の復刻モデル。美しいデザインは今でも魅力的です

Galaxy Note FE 実機レビュー
こんにちは、かのあゆです。Twitterのフォロワーさんより2017年発売の「Galaxy Note Fan Edition(FE)」をいただいたので、今さらですが実機レビューさせていただきたいと思います。Galaxy Note FEは本来であれば「Galaxy Note7」として日本国内でもドコモ、auから2016年に投入される予定でしたが、Note7は先行して販売されていたグローバルモデルでバッテリーの設計ミスによる致命的な不具合(爆発事故)が発生していたことに伴い、製造中止となってしまいました。

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その後、余ったGalaxy Note7のパーツに安全対策を行ったバッテリーを搭載して、その名の通り「ファン」向けに一部地域で販売されていたのが「Galaxy Note FE」です。

1.スペック

スペック表

   Galaxy Note FE SM-N935S
OS Android 7.0 Nougat
最終はAndroid 9 Pie with One UI 1.0
CPU  Samsung Exynos 8890
RAM  4GB
ストレージ  64GB
ディスプレイ  5.7インチ(2,560 x 1,440)
LTEバンド LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/25/26/28/38/39/40/41
SIM  nanoSIM
ネットワーク IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
入出力  USB Type-C、MicroSDカード、3.5mmイヤホンジャック
カメラ  イン5MP/アウト12MP
バッテリー  3,200 mAh
サイズ  153.5 x 73.9 x 7.9 mm
重量  167 g

コメント

Galaxy Note7は国内でもキャリアモデルとしてドコモ、auから販売されていたGalaxy S7 Edgeと同じくAndroid 6.0 Marshmallowがプリインストールされていましたが、Galaxy Note FEは2017年モデルとして再販されたため、初期搭載OSがAndroid 7.0 Nougatに変更されており、最終的にAndroid 9 Pieまでアップデートされています。Android 9 Pieではそれまでの「Samsung Experience」から名称変更した「One UI 1.0」が独自UIとして採用されており、現在販売されているGalaxyスマートフォンと変わらない使い勝手になっています。

CPUはSamsung Exynos 8890です。Galaxy Note7ではQualcomm Snapdragon 820搭載モデルも用意されていましたが、Galaxy Note FEでは韓国向けモデルがベースとなっているため、Exynosが採用されています。RAMは4GB、内蔵ストレージは64GBで、MicroSDカードによるストレージ拡張にも対応します。

ディスプレイは5.7インチサイズで、解像度はWQHD+(2,560 × 1,440)です。パネルにSuperAMOLED(有機EL)が採用されており、2021年現在の基準で見ても美しい表示を実現しています。

カメラはイン5MP、アウト12MPという構成です。アウトカメラはシングルレンズ構成で、Android 9 Pie with One UI 1.0にアップデートされてもAIによるシーン識別機能は利用できないままですが、同時期に発表されたGalaxy S7 Edgeと同じく、この世代のモデルとしては初となる「デュアルピクセルレンズ」を採用しており、十分美しい写真を撮影可能です。またインカメラは当時Galaxyシリーズ初だった虹彩認証に対応しています。

ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/acとBluetooth 4.2に対応しています。バッテリー容量は3,200 mAhで、Qualcomm Quick Charge 3.0とSamsung Adaptive Fast Charging、USB PDによる急速充電とqi規格のワイヤレス充電に対応します。

2.筐体と使用感

筐体

前面
今回本体のみ譲渡していただいたので画像はありませんが、本来はACアダプター、専用ケース、イヤホンが同梱されています。前面はGalaxy S7 Edgeと同じくエッジディスプレイが採用されています。かのあゆ自身それまで使っていたXperiaからGalaxyメインに移行したきっかけとなったのはS7 Edgeでしたが、今見てもこのデザインは完成度が高いと思っています。下部には指紋認証センサーを兼ねたホームボタンとナビゲーションキーが配置されています。

背面
背面です。標準だと下部に「Galaxy Note FE」のロゴが配置されているはずですが、この個体に関しては幻の「Galaxy Note7」の背面パネルが移植されています。当時Galaxyといえばこのデザインでしたが、今となっては懐かしく感じられてしまいますね・・・

左側面
左側面にはボリュームボタンが配置されています。

右側面
蛍光灯が写り込んでしまい、お見苦しくなってしまいました。すみません。右側面には電源ボタンが配置されています。

上部ポート
上部にはSIMトレイがあります。

下部ポート
下部には3.5 mmイヤホンジャック、USB-Cポート、Sペン(ホルダー)があります。GalaxyのフラッグシップモデルでUSB-Cポートを初採用したのはNote7からになる「はず」でした。

システム

アプリ一覧

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レビュー機はすでに最終バージョンとなるAndroid 9 Pie with One UI 1.0にアップデートされた状態となっていました。プリインストールされているのはGoogle純正アプリとSamsung独自アプリ、韓国ユーザー向けのアプリとなります。

ライブメッセージ

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Galaxy Noteシリーズならではともいえる「Sペン」は健在で、One UI 1.0ではGalaxy Note8以降で利用できる「ライブメッセージ」の作成にも対応しました。画面オフメモに対応したのもGalaxy Note7からとなります。

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ストレージ容量

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工場出荷時のストレージ容量です。システムが使用している容量は12.6GBで、空き容量は51.4GB程度です。

ソフトウエア情報

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国内キャリア版Galaxyでは2回のOSアップデートを受け取り終わった後、比較的短期間でセキュリティアップデートが打ち切りとなってしまいますが、グローバル版は地域によって異なるものの、比較的長い期間セキュリティアップデートが提供されます。レビュー機のAndroidセキュリティパッチは「2021年8月1日」のものが適用済みとなっていました。

ディスプレイ

現行Galaxy Note20 Ultraでは6.9インチサイズまで大型化しましたが、Galaxy Note7までは5.7インチサイズのディスプレイを採用していました。当時としてはこれでもかなり大型に感じられたのですが、今見てみるとコンパクトに感じられます。

上にご説明したとおり、パネルはSamsungお得意のSuperAMOLED(有機EL)を採用しています。解像度もWQHD(2,540 × 1,440)と広く、画質に関しては現在のスマートフォンと比較しても見劣りしません。エッジディスプレイは現在でも否定的な意見が見受けられますが、個人的には見た目的にも美しくかなり気に入っていました。

スピーカー

現在販売されているGalaxyのフラッグシップモデルではAKGがチューニングを行ったステレオスピーカーが搭載されていますが、Galaxy Note8まではモノラルスピーカーを搭載していました。現在メイン端末として使用しているGalaxy Fold SCV44やサブ機として保管しているGalaxy S9 SC-02Kと比較してしまうと(音質は決して悪くないのですが)少し物足りなさを感じてしまいます。

一方Galaxy Note10で廃止となってしまった3.5 mmイヤホンジャックが搭載されており、Dolby Atmosには対応していないものの既存の圧縮音源をハイレゾ相当にアップグレードしてくれる「UHQ アップスケーラー」も利用可能なのでお気に入りの有線イヤホン・ヘッドホンを接続すればデジタルオーディオプレイヤー代わりとしても十分活躍してくれると思います。

カメラ

カメラUI

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カメラサンプル

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カメラのUIは現在販売されているGalaxyスマートフォンとあまり大きな差はありません。ただし、「Bixby Vision」は使えるものの、AR絵文字やナイトモードなどに関しては残念ながら利用することはできません。

カメラサンプル

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カメラサンプル

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Galaxy S7シリーズよりカメラ性能が大幅に強化され、当時デジタルカメラにしか採用していなかった「デュアルピクセル」を初めて採用していたこともあり、明るい場所の撮影に関しては今でも十分「いける」印象です。上でご説明したとおりナイトモードは搭載されていませんが、夜景も明るい写真を撮影することが可能です。ただし現在販売されているミッドレンジクラスの端末、例えばPOCO M4 Pro 5GOnePlus Nord CE 5Gと比較するとさすがに暗所での撮影はノイズが目立ちます。

3.性能テスト

Antutu Benchmark

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参考:
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
Realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316

日本国内で販売されるはずだったGalaxy Note7はSnapdragon 820搭載ですが、Galaxy Note FEでは韓国向けモデルがベースとなっているためExynos 8890が搭載されています。

GPUとして採用されているARM Mali-T880がVulkan APIに対応していないため、Antutu 3D BenchではなくAntutu 3D Bench Liteでの計測となりましたが、3D関連のベンチマークが完走しなかったためGPUの項目のみ「0」点というスコアを計測してしまっています。そのため実際の総合スコアはもう少し高くなると思われます。

現在ではミッドレンジクラスの性能になってしまっており、3Dゲームのプレイは厳しくなってしまっているものの、そのほかの用途では今でも十分快適に動作してくれています。国内版Galaxy S7 EdgeはOSアップデートのたびパフォーマンスが低下していく点が気になりましたが、Galaxy Note FEでは特にそのような現象も発生していません。

4.まとめ

タイミング的にGalaxy Note8がグローバル発表される直前に韓国やマレーシアなど、一部地域のみで限定販売されたこともあり、日本国内の中古市場でも見かけるのは“まれ”なレアモデルです。かのあゆはこのFEを他に2台所有(うち1台は譲渡)していたのですが、1台は落下事故により起動不良となり、もう1台はコンディションがよくないジャンク品として購入したため、まともに動く個体はこれが初めてということになります。

Galaxy Note7に関しては公式サイトにある「Galaxyの歴史」ページやGalaxy Harajuku内で展示されている歴代Galaxyスマートフォンコーナーの展示などで今回のFE含め「なかったこと」にされることが多い悲運の端末ですが、2021年現在でもその美しい筐体の魅力は色あせることがありませんし、バッテリーの不具合さえなければ2016年後半のGalaxyフラッグシップとして高い評価を受けていただろうことを考えるといろいろと残念です。

そのNoteシリーズも今年は発売がスキップされてしまい、来年にはGalaxy S22シリーズに統合されてしまうという噂も出ています。SシリーズやZ Fold3でSペンがサポートされてしまったため、もはやNoteシリーズを残す必要もなくなってしまったのかもしれませんが、毎年後半に投入される新型Noteシリーズを楽しみにしていた一人としては少し寂しく感じてしまいます。

5.関連リンク

Galaxy Note8 SC-01K レビュー - 中古価格もこなれてきた国内では久々となるGalaxy Noteシリーズを購入しました!(実機レビュー:かのあゆ)

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