中国のスマホメーカー、DOOGEEが大容量バッテリーを搭載するアウトドアスマホ「S59 Pro」を発売しました。システムスペックはあまり高くはなく「エントリークラスのいいほう」くらいなのですが、大容量バッテリーにより、長時間の稼働が可能になっているのが魅力です。
1.スペック
DOOGEE S59 Pro | |
OS | Android 10 |
CPU | MediaTek Helio P22 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 5.71インチ(1,520 × 720) |
LTEバンド | B1/2/3/4/5/7/8/12/17/19/20/28A/28B |
SIM | Nano SIM × 2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | イン16MP/アウト16MP+8MP+8MP |
バッテリー | 10,050mAh |
サイズ | 161 × 80.2 × 18.3 mm |
重量 | 340 g |
OSは中華スマホとしてはまだ最新と言っていいであろうAndroid 10、CPUはHelio P22です。P22はAntutu Ver.8のスコアがおよそ9万点なので、スマホとしての基本操作やニュースアプリ、SNSアプリなどを使うぶんには問題ありませんが、ゲーム用としては少々心もとないです(意外にいろんなゲームは動きますけどね)。
RAMは4GBと、現状だと「エントリーレベル」、ストレージは128GBと、比較的余裕のある容量になっています。また、SIM2と排他となりますが、microSDカードリーダーによるストレージ拡張も可能です。
ディスプレイは5.71インチのHD+解像度で、最近のAndroidスマホとしてはやや小さめのディスプレイサイズ、解像度もやや低めです。
ちょっと余談いいですか?最近気づいたんですが、私が動画のサブスクを利用する際に使っているタブレットはWideVineのセキュリティレベルがL3なので、NetflixではHD画質(720p~1080p)を使えないようです。しかし、私、視力が悪いせいか、それとも年齢のせいか、HD画質ではないということに気が付かず、鬼滅の刃のアニメを全話観て感動していました。
日頃からノートPCの実機レビューでは、(自分の視力に自信がないので)複数のディスプレイに同じ画像を表示させ、レビュー機と横並びで比較して画質の評価をしているのですが、プライベートで動画を観る際には全然無頓着だったんですね。なので、スマホのディスプレイでもFHD+(例:2,300 × 1,080など)とHD+(例:1,520 × 720など、この製品が該当)の画質の差に気づかない可能性があります。ただ、このへんは個人差が大きいはずなので、個人的には「5.71インチでHD+なら十分なのでは」と思いますが、人によっては「FHD+でないとちょっと不満」と考えるかもしれません。
話をDOOGEE S95 Proに戻します。この製品、技適の有無は不明ですが、通信バンドに関しては「グローバル対応」ですね。日本の主要バンドもカバーしています(ただし5G対応はしません)。
カメラも悪くないと思います。最近だと100ドル台半ばくらいの中華スマホでもアウト側に48MPカメラを搭載している例が見られますが、この製品の最大カメラ画素数はイン、アウトとも16MPです。でも、このくらいの画素数でも十分キレイに撮影はできますよね。センサーもSamsungのようですし。まあ、中華スマホの場合、概してカメラ画質は期待通りにならないことが多いですけど。
この製品のセールスポイントであるバッテリーはなんと容量10,500 mAh。メーカーによれば待受768時間(32日!)、動画再生18時間、ゲーム18時間の利用が可能とのことです。この容量であればキャンプなどに持っていってもバッテリー切れを心配しなくて良さそうです。ただし、リバースチャージ(この製品をモバイルバッテリー代わりにして、他のデバイスを充電する機能)については説明がありませんでした。正直リバースチャージができるかどうかって、かなり気になるところですが…。
サイズは5.71インチサイズのスマホとしてはもちろん大きいですが、特に厚みと重量がすごいです。タフネスな筐体に加え、大容量バッテリーを搭載しているというのが340 gという重量になってしまった理由でしょう。
2.筐体
展開図がありましたので、これを使ってご説明します。前面は「一応」水滴型ノッチになっていますが、上下左右ともベゼル幅が太く、はっきり言って水滴型ノッチにする必要があったのかなあ、上部ベゼルにカメラレンズを配置してくれたほうが良かったなあ、などと思います。ちなみに前面ガラスはCorning Gorilla Glassです。
背面はアウトドアスマホらしいゴツさを感じますね。「IP68」の文字も入っていますが、もちろん高いタフネス性能を誇ります。左側面にはショートカットキーも装備されています。このキーには、ユーザーがフラッシュライトやスクリーンショットなど、任意の操作を割り当てることができます。また、右側面には電源ボタン、音量ボタンがあり、中央付近に指紋センサーも装備されています。この製品は指紋認証と顔認証に対応します。
上面にはイヤホンジャック、下面はUSB Type-Cポートがあり、いずれもパッキンで覆われています。この「ポートをパッキンで覆う」という仕様については賛否があり、ネガティブな意見としては「経年でパッキンが緩んでしまったり、壊れてしまうと防水性能がなくなる」というものがあります。パッキンの耐久性については不明ですが、
大手メーカー製のPCの製品ページのように、「電源ボタン20万回」とか「USB抜き差し1万回」といった耐久テスト結果も記載されていました。
それと、これは多くのアウトドアスマホが対応している機能なのですが、「手袋をした状態で操作可能」です。私の作業場所はやたらと寒く、「手袋をして記事書こうかなあ」などと思っていたところなので、この点はちょっとうらやましいと感じます。
筐体色はご覧の3色です。アクセントカラーが異なるだけで、基調色はすべてブラックですね。特にオレンジが目立つ感じです。
3.価格など
DOOGEE S59 Proは中国の通販サイトBanggoodで販売中で、1月4日にプレオーダーがスタートし、139.99ドル(14,695円)です。この記事を書いている最中の価格が199.99ドル(20,993円)でして、これだと「ちょっと高いかな」と思っていたのですが、139.99ドルで購入できるのなら一気に割安感が出てきます。
これまでご説明してきたとおり、この製品は「エントリースペックでストレージ容量は大きめ、超大容量のバッテリー搭載」というパッケージングなので、特に「バッテリー容量」をありがたいと感じるかどうかがポイントになりそうです。また、その場合「リバースチャージ可」ということが明示されているかどうか(この製品では明示されていません)でも評価が変わってくるかもしれません。
普段使いに向かないとまではいいませんが、やはり「アウトドア用」として光る製品だろうと思います。
4.関連リンク
DOOGEE S59 Pro:Banggood