こんにちは、natsukiです。個人的に購入した、見た目がド派手で、あからさまに某スマホのデザインを意識した(と言っておこう)タフネススマホ、DOOGEE Blade GTのレビューをお届けします。この製品の特徴は、まず、「軽量な」タフネススマホであること。そして、300g以下のタフネススマホとしては、トップクラスの処理能力を誇ります。下記に、DOOGEE Blade GTを買うに至った、300g以下の「軽量タフネススマホ」の比較考察を載せますが、もともとエントリースペックが多いタフネススマホ界隈で300g以下の製品となると、何かと物足りない部分がある場合も多く、その中でDOOGEE Blade GTは、「普通のスマホとして」バランスのよいスペックと価格のコスパを両立した希少な存在です。つまり、この製品、見た目の強烈なイロモノ感に反して、中身はきわめて堅実な製品なんです。
……きっちり比較検討した身からすると、「このデザインにする必要はあったのか?」と考えずにはいられないんですが、ただ、堅実ということは、「ここがウリです!」というインパクトに欠けるという見方もできるので、商業戦略的に「こうなってしまった」んでしょうかね?
・見た目によらず、実は堅実な構成のタフネススマホ
・実測約270gと、タフネススマホにしては軽量
・画質を下げれば原神もプレイ可能な「軽量タフネススマホとしては」トップクラスの処理能力
・RAM12GB(拡張最大32GB)、ストレージ256GBと基本スペックは十分
・ディスプレイがFHDで、5G通信に対応と、バランスのよいスペック
・光る!(笑)
ここはイマイチ
・カメラは通常撮影は悪くないが、拡大能力や暗所撮影能力は高くない(ただし、タフネススマホはみんなこんなもの)
・超広角カメラは5MPなのもあって低画質
・動画手ぶれ補正(EIS)はあまり効果無し
・設定のかなりの部分が日本語化されていない
販売サイトはこちら
DOOGEE Blade GT:DOOGEE Officials Store(AliExpress)
目次
1.DOOGEE Blade GTを選んだワケ ― 軽量タフネススマホ他機種との比較
購入目的は、子供用(男子)のスマホです。ここまで、5年間使ってきたArmor X5が、さすがにスペック的に厳しくなってきたのでその後継機として。ちなみに、処理能力と何よりストレージ(32GB)が厳しいだけで、ややポートがガタついてきたものの、小学生男子の5年間にわたる過酷な扱いにも、モノとしてはまったく問題ありません。さすがArmor、なんともないゼ!

さて、そこで求められるのは、できるだけ軽いこと。また、特殊な機能よりも「普通のスマホとして」の基本的な能力で比較します。最近、軽量なタフネススマホもだんだん増えてきて、Android 14世代で300g以下のタフネススマホには、ざっと以下のものがあります(完全に網羅できているわけではありません)。
・DOOGEE Blade 10/Blade 10 Pro/Blade 10 Ultra(UNISOC T606)
・IIIF150 Air3S(UNISOC UMS9230(T606?))
・Cubot KINGKONG ES(UNISOC T606)
・Cubot KINGKONG ACE 2(Helio G85)
・IIIF150 Air3(Helio G96)
・OUKITEL WP50/WP52(Dimensity 6100+)
・Ulefone Armor X32(Helio G91)
・Ulefone Armor X32 Pro(Dimensity 6300)
・DOOGEE Blade GT(Dimensity 7050)
・DOOGEE Blade GT Ultra(Dimensity 7300)
CPU(SOC)について、もともとハイスペックなラインナップは薄いのがタフネススマホですが、私が調べた限りでは、ご覧のように300g以下だとDOOGEE Blade GT Ultraが最高スペックです。なお、Dimensityのみ5G通信に対応し、その他は4G通信までです。
軽量タフネススマホの特徴として、まず当然ながらバッテリー容量は、どれも通常スマホとあまり変わらずおおむね5,000~6,000mAh台。いずれも急速充電をうたうものの、基本的に18W以下で、IIIF150 Air3が30W、DOOGEE Blade GT Ultraが33Wなくらいです。
そして、ショートカットキー以外の、付加機能が付くことも少なくなっています。IIIF150 Air3、Ulefone Armor X32、Ulefone Armor X32 Proが暗視カメラ、Cubot KINGKONG ACE 2が背面ディスプレイを持つくらい。ディスプレイ解像度は、IIIF150 Air3、DOOGEE Blade GT、DOOGEE Blade GT UltraがFHDで、他はHD解像度。
このように、軽量タフネススマホは、エントリースペックで軽量な分、なんかしらの機能を犠牲にしていることが多く、「そこそこの処理能力」「FHD解像度ディスプレイ」「5G通信対応」を満たすDOOGEE Blade GTは、見た目のイロモノ臭に反して、実は普通のスマホとして非常にバランスのよいスペックであることが分かります。CPUやカメラ性能に加え急速充電能力が33Wなど、全体的にひとまわりグレードアップしたDOOGEE Blade GT Ultraも魅力的なものの、価格が、セール時でDOOGEE Blade GTが3万円台前半なのに対して、DOOGEE Blade GT Ultraは4万円台後半と、かなり上昇するのは痛いところ。
「遊べる」という意味では、暗視カメラのついたIIIF150 Air3(FHDディスプレイ、5G通信非対応)や、Ulefone Armor X32 Pro(HDディスプレイ、5G通信対応)も面白い選択肢です。ただ、今回の用途からは暗視カメラは度外視。
以上のような検討から、「とりあえずスマホとして最低限使える」UNISOC T606搭載機で、細かいスペックのバランスがよいDOOGEE Blade 10 Pro(セール価格で1万円台後半)か、価格が約2倍で、大幅に全面的にスペックアップしたDOOGEE Blade GTかで迷い、最後は勢いで決めました(笑)。
2.スペック
詳細なスペックは、以下の通りです。
DOOGEE Blade GT |
|
OS | Android 14 |
SoC | MediaTek Dimensity 7050 |
RAM | 12GB(拡張機能により最大32GB) |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 6.72型(2,400×1,080)120Hz |
バンド | 5G:n1/3/7/8/28/38/41/77/78/79 FDD:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18 B19/20/25/26/28ab/66 TDD:B34/38/39/40/41 |
SIM | nano SIM × 2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11 ac/a/b/g/n/ax、 Bluetooth |
入出力 | USB Type-C、microSDカードスロット |
カメラ | イン20MP アウト48MP(メイン)+5MP(超広角) |
バッテリー | 5,500mAh 18W急速充電 |
サイズ | 178.5 × 83.5 × 10.5 mm |
重量 | 260g(実測272g) 専用ケース込み実測305g |
スペックシートを見ると、まさしく「普通のスマホ」です。ただ、「軽量タフネススマホ」としては、5G通信対応でFHD解像度ディスプレイというのは、わりかし希少な存在だというのは、上記の通りです。
3.筐体
サイズは、思っていた以上にデカいです。箱を開けてひと目見たとたん、デカっと思いましたから。右側は私のメインスマホXIAOMI 12Tです。XIAOMI 12Tも、一般的なスマホとしては大ぶりな方だと思うんですが、ご覧の通り。
4.使用感
システムや独自機能
デフォルトでインストールされているアプリ一覧です。ちなみに、ホーム画面のデフォルトのテーマは、ご覧の通り、かなり厳つい、いかにもタフネスな雰囲気です。基本的には、最小限のアプリしかインストールされていません。一般的な基本アプリ以外のものとしては、タフネススマホ定番の「ツールキット」、それからこのスマホの目玉機能である照明をコントロールする「Light Elf」、AIによる画像加工アプリ「AI Album」があります。
カメラ
基本的な撮影
DOOGEEブランドのカメラは、日本企業のmorphoとタイアップして、AI処理による画質向上を掲げています。ウインタブとして、DOOGEEのmorphoカメラを試すのは初なので、期待が高まるところです。私がメインスマホとして使っているXIAOMI 12Tと比較してみます。前提として、メインカメラ画素数は、DOOGEE Blade GTが48MPに対して、XIAOMI 12Tは108MPで、ソフト処理以前に、ハードの基礎スペックでXIAOMI 12Tの方が上です。従って、XIAOMI 12Tの方が撮影能力が優れるのは当然で、そこにDOOGEE Blade GTがどこまで食い下がれるかということになります。撮影日は、あいにくの雨がパラつく天気でしたが、光量の少なさは、むしろカメラ性能を見るにはよいでしょう。いずれも、解像度はデフォルトの12MPで撮影し、AIアシストはONにしています。
総じて、ハードとしてのカメラスペックに差があることを考えると、以上のような通常撮影では、DOOGEE Blade GTはよく食い下がっていると言ってよいと思います。
特殊撮影
あと、動画撮影には、EIS(デジタル手ぶれ補正)による手ぶれ補正機能も備えるんですが、はっきり言って、全然ブレを直してくれません。はじめは、そもそも機能していないんじゃないかと疑ったくらいなんですが、一応、EISをONにすると視野角が狭まるので、機能はしているようです。しかし、歩きながら撮っても、ほとんど揺れを吸収してくれません。定点撮影での手ぶれを多少は吸収するかな程度で、歩きながらの撮影に耐えうる品質ではまったくありませんでした。解像度を4Kから1080Pに落としても変わりません。
やはりというかなんというか、ご覧のように、明るいところで普通に撮影する分には、なかなか悪くないものは撮れます。しかし、特殊な撮影をしようとすると、国際大手メーカーとは歴然とした差が出ます。特に、ソフト面での処理が重要と思われる、暗所撮影、デジタルズーム、動画のデジタル手ぶれ補正などは、いずれをとっても、XIAOMI 12Tどころか、手元にある機種だと4年前のrealmeミドルレンジ機種realme 7 5G(カメラセンサーはDOOGEE Blade GTと同じ48MP)にも及びません。ここ1年くらいのDOOGEEブランドのスマホは、本体のカメラ部分にもロゴを付けているようにmorphoとのタイアップでソフト面の処理の向上をうたいますが、残念ながら、XIAOMIやrealmeなどの国際大手メーカーとの間には、なお大きな隔たりがあります。むしろ、国際大手メーカーのカメラ技術ってのは、やっぱりスゴいというのを見せつけられる結果に終わってしまいました。
と、わりと酷評しましたが、そもそも国際大手メーカーは「軽量タフネススマホ」というジャンルを出していないので、「軽量タフネススマホ」という枠の中では十分な能力という評価もできます。
AI加工
音響
スピーカーはモノラルです。音質も、まあ、お察し。別に聴けないようなものではないですが、音楽鑑賞にこだわるには物足りないというくらい。ただし、タフネススマホらしく、スペック上は118デシベルという大音量が出せます。すいません、試してません(笑)。音声を聞くには十分だし、大音量を鳴らすなら細かい音質にはさほどこだわらないと思いますので、タフネススマホとしては十分でしょう。
充電
充電は最大18Wとのことですが、UGREENの充電器で低残量時のみ18W近く、残量20%以上だとおおむね12Wでの充電でした。20%くらいから満充電まで、約2時間といったところです。
5.性能テスト
6.上位機種DOOGEE Blade GT Ultraとの比較
同じ筐体で、上位機種にあたる「DOOGEE Blade GT Ultra」との比較を行っておきます。公式のスペック比較は以下の通り。
要するに、処理能力がちょっとアップ、ストレージは2倍、カメラ性能も画素数がアップ、急速充電能力もアップということです。処理能力のアップは、もちろん高いに越したことはありませんが、このくらいだと、一般的な操作の体感上はほとんど変わらないと思います。カメラ性能は、画素数のアップによって、より詳細な描写が期待できる一方、ソフト面の処理能力はさほど変わらないでしょう。ストレージが大きいのは嬉しいものの、容量が足りなければmicroSDカードも使えるので、実際必要かどうかは重量級ゲームをやりたいかどうかになると思います。急速充電33Wは、シンプルに使い勝手が向上します。
で、セール時の価格が、私がモニターしていた限りでは、Aliexpressで、DOOGEE Blade GTはおおむね3万円台前半、DOOGEE Blade GT Ultraは、4万円台後半です。ざっと4割増しなんですよね。率直に言って、DOOGEE Blade GT Ultraは、スペック上のコスパはあまりよくありません。その上で、上記のメリットが必要かどうか、というところだと思います。あと、単純に「300g以下のタフネススマホで一番良いのをくれ!」ということであれば、DOOGEE Blade GT Ultraになります。



7.まとめ
DOOGEE Blade GTは、どうしても見た目の強烈なイロモノ感が印象深いスマホですが、実のところ、ミドルレンジスマホとして過不足ない性能を持つ、堅実な機種です。記事のはじめに「軽量タフネススマホ」の比較を行いましたが、個人的な意見としては、買うなら、エントリークラスのUNISOC T606搭載機で我慢するか、そこそこのスペックを求める場合は、IIIF150 Air3(Helio G96)、Ulefone Armor X32 Pro(Dimensity 6300)、DOOGEE Blade GT(Dimensity 7050)の3択かなと思います。それぞれの一長一短はすでに述べたとおりで、この3機種の中でも、DOOGEE Blade GTは、「5G通信対応」「FHD解像度ディスプレイ」のように、「普通のスマホとしてのスペック」をバランスよく備えています。ついでに言えば、普通のスマホとしてはミドルレンジの処理能力ですが、「軽量タフネススマホ」の中ではトップクラスです。カメラ性能は、通常の撮影能力はそれなりにあり、一方、宣伝文句としてmorphoとのタイアップによるAI処理を強調するものの、このソフト処理面は、正直なところ大手国際メーカーにまったく及びません。ただしそれは、大手国際メーカーが参入していない「軽量タフネススマホ」というジャンルの中では、どれでも同じ事です。
価格は、セール時でおおむね3万円台前半。私は、Aliexpressアニバーサリーセール(1年でも最大級のセールの1つ)で32,630円で購入しました。スペックに対するコスパも上々。300g以下のタフネススマホを探しているなら、意外にももっとも無難な選択肢であり、また、他の製品を検討する際のひとつの基準となる製品かと思います。
8.関連リンク
下記の出品者は、実際に私が購入した出品者です。




コメント