2017年後半以降、中国メーカーから続々と登場している高性能なAndroidタブレット。基本的に「Helio X20/RAM4GB/ストレージ64GB/10.1インチもしくは8.4インチで2,560 × 1,600解像度のディスプレイ」というのがこれらの製品の標準的なスペックなのですが、最近になってCPUにより高性能なHelio X27を搭載したり、RAMとストレージの容量を3GB/32GBにしてそのぶん価格を抑えたりといった製品も現れています。
今回紹介する「CHUWI Hi9 Plus」も、「中華の高性能Androidタブレット」のひとつですが、従来にない、ビジネス利用も意識した製品になっています。
1.スペック
OSはAndroid 8.0と新しく、CPUはHelio X20ではなく、より高性能なHelio X27が搭載されます。RAM/ストレージは4GB/64GBで、ここまでは典型的な中華の高性能タブのCPU強化版、という感じです。しかし、ここからは少し違っています。まず、ディスプレイが10.8インチと少し大きめになっていて(解像度は2,560 × 1,600)、専用キーボードを接続して使うことを強く意識しています。
こんな感じです。後述しますが、このキーボードはBluetooth接続ではなく物理接続で、筐体にはキーボード接続用のインターフェイスが装備されます。
また、Helio X27を搭載しているため、LTE対応します。対応バンドもタブレットとしては多いほうです。一応メーカー側ではDSDS対応(SIM2枚挿しによる同時待ち受け)ということを言っていますが、中華製品の場合、DSDSに対応すると言いつつも日本では使えないケースも多いので、DSDSについてはあてにしないほうがいいでしょう。
また、SIMの形状とスロットについては今のところ詳しい情報がありません。Banggoodの製品ページに「Micro SIM × 2」となっていましたが、メーカーサイトにはその説明がなく、またSIM2がmicroSDスロットと排他利用なのかどうか、ということもわかっていません。ただ、この製品はタブレットなので、SIM2枚を挿しての運用はあまり必要ないかもしれないですね。
カメラは性能がアップしていますが、正直なところちょっと中途半端ですよね。ただし、ビジネス用途であれば十分使えるとは思います。
筐体サイズは少し大きめです。ただこれ、ディスプレイサイズが10.8インチに大型化しているので、やむを得ないとも言えます。
2.筐体
タブレット本体はごくプレーンなデザインだと思います。背面もロゴの位置やカメラ位置が異なるものの、CHUWI Hi9 Airによく似たデザインになっています。筐体素材についての説明はありませんでしたが、Hi9 Airが金属製だったので、おそらくこの製品も金属製なのではないか、と思います。また、最近のCHUWI製品の筐体品質は非常に高いので、この製品の質感も高いものと思われます。
下面(横持ち時)の画像です。このようにキーボード接続用のコネクターとガイド穴が装備されています。Windowsタブレットの場合はこのような構造になっていることが多いですが、Androidタブレットでこのような構造になっているのは非常に珍しいです。
筐体サイズですが、厚さ8.4 mmというのは悪くないとはいえ、最薄とかではないです。しかし、大型のディスプレイサイズになっていることもあり、見た感じは十分に薄型です。それと、重量についてはCHUWIのスペック表だと「0.55 kg」、同じくCHUWIの製品説明画像だと「500 g」と記載されていましたが、ウインタブでは保守的に「0.55 kg」としてスペック表を作成しています。
キーボードを接続したところです。ディスプレイサイズを若干ながら大型化した関係で、Androidタブレットとは思えないくらい本格的な印象ですよね。
キーボードはこんな形状です。キーボード面にパームレストやタッチパッドのないタイプで、もちろん英語配列です。また、ヒンジもなく、最近ちょっと復活傾向にあるカバー面を変形させて台座にするタイプですね。
それと、この製品は筆圧(1,024段階)対応の手書き入力が可能です。方式については不明ですが、ワコムではないでしょう。
3.価格など
CHUWI Hi9 Plusは中国の通販サイト「Banggood」と「Gearbest」に製品ページがあり、ともに「入荷お知らせ」というステイタスになっていて、9月25日現在販売はスタートしていません。参考価格はBanggoodが259.99ドル(29,738円)、Gearbestが281.85ドル(31,990円)で、この価格にはキーボードとスタイラスペンは含まれていません。
実売価格がどのくらいになるのか、というのが非常に気になるところですが、ウインタブとしてはキーボード、スタイラス込みで3万円以下に収まるのではないか、と予想します。
これまで中華の高性能Androidタブレットは、タブレット単体での利用、かつゲームなどのエンタメ用途が強く意識されていたように思います。しかし、これだけの性能を持っているのなら、ビジネス用とかクリエイティブ用を意識した製品が出てきてもおかしくないですよね?現状Android機をビジネスで使う場合、ExcelやWordのフル機能に対応しないとか、キーボード+マウスでの利用に最適化されたアプリがあまり多くないなどのデメリットもありますが、ある程度用途を絞れば軽量な筐体や高速な起動(Windowsでいうスリープ復帰)など、Windows PCにはないメリットもたくさんあると思いますので、今後に期待です。
4.関連リンク
Hi9 Plus:CHUWI公式サイト 製品紹介
CHUWI Hi9 Plus:Banggood
CHUWI HI9 PLUS:Gearbest