こんにちは、natsukiです。AndroidをOSとするBOOXシリーズの新製品「BOOX Palma2」の実機レビューをお届けします。この機種は、「スマホサイズの電子ペーパータブレット」というのが、とりあえずの紹介ですが、他のBOOXシリーズとは大きく異なる特性を持った独特な製品です。ほぼ1年前に登場した「BOOX Palma」の後継機で、私は初代についてもレビュー記事を書かせていただいた上で、現在まで継続運用しています。従来の電子ペーパータブレットとは相当に毛色が違うだけに、読者の皆さんには「確かに面白いんだけど、実際どう使うの?」という疑問もあるかと思います。本記事では、「BOOX Palma2」の特徴はもちろん、これまで「BOOX Palma」を使ってきた経験から、その適した用途についても詳しく紹介します。なお、今回のレビューは電子ペーパー専門店SKTNETSHOPから製品をお借りして行っています。
・スマホサイズで片手で扱える電子ペーパータブレット
・ボタンやジェスチャーによる多彩な操作カスタマイズに対応
・BOOX Super Refreshで、スクロールにも耐えうる反応速度
・カメラ搭載で、初代に比べカメラ周りのシステムが成熟
・多様なクラウドストレージに連携
・AIアシスタント搭載
得意分野はこれだ!
・電子書籍閲覧
・WEB小説閲覧
・文字中心の文書作成
一手間かければ有用な使い方
・Xなど、文書主体のSNS
・ウインタブなど、文書主体サイトの閲覧
・ニンジャスレイヤー
・カメラによるOCR(文字認識)
・カメラを使った紙資料のPDF化
注意点
・LTEには非対応
・ペン入力には非対応
・マンガや多くのPDF資料とは縦横比が合わない
・合うアプリの導入やアプリごとの表示設定など、良くも悪くもカスタマイズは必須
販売サイトはこちら
BOOX Palma2 6インチ スマートフォンサイズタブレット:SKTNETSHOP
BOOX Palma2 6.13インチ 電子ペーパータブレット:Amazon
BOOX Palma2 6.13インチHDモバイル電子ペーパータブレット:楽天市場
目次
1.スペックと特徴
スペックは次の通りです。
BOOX Palma2 | |
OS | Android 13 |
SoC | Qualcomm 8コア (Qualcomm Snapdragon 750G?) |
RAM | 6GB(LPPDDR4X) |
ストレージ | 128GB UFS2.1 |
ディスプレイ | 6.13インチHD Carta1200(1,648×824ピクセル) モノクロ電子ペーパー BOOX Super Refresh対応 |
LTEバンド | なし |
SIM | — |
ネットワーク | 802.11 b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー |
カメラ | アウト側のみ16MP |
指紋認証 | あり |
バッテリー | 3,950 mAh |
サイズ | 159×80×8.0mm |
重量 | 本体170g、ケース25g |
基本的な特徴
電子ペーパータブレットとしては、かなり特殊なため、そのポイントをまとめておきます。
Android電子ペーパータブレット
BOOXのなんたるかを知っている人には、言うまでも無い話ですが、この製品はまず「OSにAndroidを搭載した電子ペーパータブレット」です。同じ電子ペーパーのKindleタブレットに比べて、汎用性の高いOSであるAndroidを搭載することで、多様なファイルの閲覧や、クラウドストレージとの連携に対応します。ただし、Androidは本来的に電子ペーパー向けのOSではないため、BOOXオリジナル機能以外については、ユーザーが合うアプリや設定を模索する必要があり、そこが面倒でもあり楽しくもあるBOOX最大の魅力です。
スマホサイズと多様な操作カスタマイズ
一見して分かる特徴は、スマホと同じサイズ感。その上で、このBOOX Palma2は、カスタマイズ可能なマルチファンクションボタンや、音量ボタンへの機能割り当て、ジェスチャー、ナビボールなど、ハード面システム面ともに、操作性のカスタマイズの自由度が非常に高くなっています。まずはスマホ感覚で操作しつつ、各自の用途に合わせて、自分好みの操作性を作っていきましょう。
ディスプレイはモノクロで、BOOX Super Refresh対応
電子ペーパーディスプレイは、モノクロです。従って、基本的には文字を読むのに適します。また、BOOX自慢のBOOX Super Refresh機能を備え、「電子ペーパーとしては」高速な反応速度を実現します。
ペン入力非対応
一方でペン入力機能はなく、7.8インチクラス以上のBOOXシリーズの特徴でもある、手描きノートのような使い方はできません。
カメラを備える
スマホのように、アウトカメラを備えるのも、大きな特徴です。また、初代BOOX Palmaでは、システム面でカメラを持て余している部分があったのですが、さすがにそこは成熟してきています。もっとも、モノクロ電子ペーパーディスプレイは、そもそも画像を閲覧するのには向かないため、画像を撮影するというよりは、スキャン機能のためのカメラと考えた方がいいでしょう。
LTEに非対応
一見スマホのように見えるBOOX Palma2ですが、LTEには対応しません。スマホとのテザリングによって利用の幅が大きく広がるので、BOOXシリーズを扱う上での基本的なテクニックとして抑えておきたいところです。電子ペーパーで扱うコンテンツは、一般的にそれほど通信容量を喰わないので、通信速度はテザリングでも十分です。
microSDカードによるストレージ拡張に対応
microSDカードスロットを備え、ストレージの拡張に対応しています。もともとのストレージ容量が128GBあるので、電子ペーパーで扱うデータを考えれば(動画を扱うことは考えにくい)これでも十分ですが、容量拡張と言うよりも、例えばパソコンからまとまったデータを持って来るなど、データ管理上の手段として非常に有用です。
前世代機「BOOX Palma」からの改善点
前世代機「BOOX Palma」からは、一見地味ながらも、実際の使用感に大きく関わるものが多く改善されています。ハード面では、指紋認証を備え、処理能力もスペックアップしました。システム面では、ベースとなるAndroidのバージョンが上がったほか、上記のように、カメラ周りがずいぶん成熟しました。AIアシスタント機能の導入は、大きな違いです。なお、システム面については、BOOX Palmaも、アップデートで改善済みの部分もあります。
CPU
CPUは、公式には非公開で、CPU-Zの判定ではQualcomm Snapdragon 750Gと出ました。
一応、Geekbench 6のスコアを貼っておきますが、電子ペーパータブレットという性質上一般のスマホと比較する意味はありません。また、一般的なQualcomm Snapdragon 750G搭載のスマホより、はるかに低いスコアです。
2.筐体
では、いよいよ実機を見ていきます。このデザインいいですね!箱が「2」になってる。
同梱品一覧です。左側から、本体、充電ケーブル、カードスロットイジェクター、マニュアル。そして右側の大きいのは、SKTNETSHOPから購入した際についてくる、BOOXシリーズQ&A集。以前はペラ紙だったのが、ついに簡単な冊子になりました。BOOXを知り尽くしたSKTNETSHOP謹製だけに、これ、値千金です。
今回、レビューする機体のカラーは「ホワイト」。画像は、照明の具合もあってやや黄味が強くなっていますが、実際の色も完全な白ではなく薄いクリーム色です。カラーバリエーションは他に「ブラック」もあります。また、今回のレビューでは借りていませんが、SKTNETSHOPから購入する場合は、シンプルなシェルケースか手帳型のフリップケースが付属します。
カメラ部分のアップです。シングルカメラとフラッシュ。極めてシンプルなデザインです。表面はコンクリートのようなザラつき加工で、指紋は付きません。BOOXシリーズは、スタイリッシュかつしっかり個性を主張するデザインも魅力ですね。
側面です。ディスプレイ向かって左側面に、任意の機能を割り振れるスマートボタンと、microSDカードスロット、右側面に、電源ボタンと音量ボタン。
上側面にマイク、下側面にスピーカーとUSB Type-Cポートが配置されています。
microSDカードスロットも備えます。
前世代機「BOOX Palma」との比較です。黒い方が「BOOX Palma」です。筐体サイズと形状は、ざっと見る限り同じです。
3.基本的な使用感
使用時に知っておくべき諸設定
まずは、BOOXを使う上での初期設定と、BOOX Palma2の操作についての基本を確認しておきます。
GoogleアカウントとONYXアカウント
BOOXシリーズを十全に使うには、GoogleアカウントとONYXアカウントの両方にログインしておく必要があります。なお、初回起動は、通常のスマホなどでは求められるGoogelアカウントへのログイン無しで可能でしたが、このあたりはシステムアップデートによっても変化したりします。いずれにしても、Googel Playなどの使用のために、Googleアカウントへのログインは必須と言ってよいでしょう。
さらに、BOOXのメーカーであるONYXアカウントのログインもしておきましょう。アカウントは、電子メールか携帯電話番号で登録可能。設定画面から登録するのが分かりやすいかと思います。ONYXアカウントへのログインで、リーダーアプリなどの機能をフルに使えるほか、AIアシスタントの利用にはONYXアカウントへのログインが必須になります。
まずは日本語キーボードを導入
BOOXを使う際に、いまだにまずはじめにやることはこれ。日本語キーボードの導入です。BOOXデフォルトのキーボードは、日本語対応が不完全で、実用に耐えません。Google Playから、Gboardなど、適宜日本語キーボードをインストールし、設定の「その他設定>言語と入力」から導入しておきます。
リフレッシュモードを使いこなせ
BOOXを使いこなす上で重要なのが、「リフレッシュモード」です。これは、電子ペーパーの反応速度の遅さや残像といった特性をコントロールするもので、アプリごとに好みに応じた設定が必須です。「E-Ink設定(E-Inkセンター)」機能から選択します。デフォルトでは、右下からのフリックで起動と、右上からのフリックメニューに格納されているかと思います。この機能は、必ず、起動しやすい操作に割り振っておくことを強くお勧めします。実際使うのは、以下の3種でしょう。
・HD ― もっとも表示が美しいが、反応速度は遅く残像も大きい
・超高速 ― 二階調表示になる代わりに、反応速度を劇的に向上。WEBブラウジングやテキスト入力はこれ。
・Regal ― 美しく、残像も抑える。電子書籍やPDFファイル閲覧など静的なコンテンツは、基本これ。ただし、設定できるアプリは限られる(上の画像は設定できない例)。
WEB小説のような、「時々スクロール」なコンテンツは、「Regal」(設定可能な場合)か「超高速」か、かなり迷いどころです。こういうのを試して悩むのも、BOOXシリーズの醍醐味ですね。
ボタン設定を使いこなせ
音量ボタン
音量ボタンへの機能割り振りは、BOOX Palma2を快適に使う上で非常に重要な機能です。必ずチェック。設定から「その他の設定>音量ボタン」で設定します。長押しなども設定できますが、最も重要なのは「短押し機能」。アプリごとに「ページめくり」「音量」「スクロール」を設定できます。「Kindleアプリ」や「読書尚友」など、アプリ側の機能で音量ボタンをページめくりに割り振れるものは「音量」のままで、ブラウザなどの操作にスクロールが必要なアプリには「スクロール」を設定しておくとよいでしょう。特に、WEB小説アプリは、「スクロール」設定によって利用の快適性が大きく向上します。ちなみに、上のスクリーンショットはカラーですが、実際のディスプレイはもちろんモノクロです。
一点だけ惜しいのは、音量キーがやや固めなこと。とはいっても一般的なスマホと同程度ですが、極めて多用するため、もうちょっとソフトな押し心地でもよかったように感じます。ちなみに、ケースをつけると、押し心地が軽くなって快適になります。
スマートボタン
設定の「スマートボタン」で設定するスマートボタン(マルチファンクションキー)には、「短押し」「ダブルクリック」「長押し」の3種に、アプリの起動など、かなり自由度の高い機能割り振りが可能です。個人的には、短押しはフルリフレッシュ一択ですが、この辺はお好みでどうぞ。ただし、上述のリフレッシュモードをコントロールする「E-Ink設定」は、ここか、下記フリックのどちらかに割り振っておくことをお勧めします。また、AIアシスタントを割り振っておけば、他のアプリと重ねて使うのに便利です。
ショートカット機能を把握せよ
その他にも、設定「システムナビゲーション」からは、画面底辺からのフリックもしくはボタン、画面左右端からのフリックや上下のジェスチャーへの機能割り当てが可能です。
また、設定「その他の設定>ナビボール」からは、多様なメニューを格納する「ナビボール」も利用可能です。私は、7.8インチクラス以上のBOOXでは、このナビボールをフル活用しています。ただ、画面の小さいこのBOOX Palma2では、相対的にナビボールが大きく邪魔になるので、Palma2に限ってはあまりお勧めしません。
BOOX Super Refreshによるスクロール
スペックで触れたように、このBOOX Palma2は電子ペーパーとしては高速な反応速度を実現するBOOX Super Refreshを実装しています。これにより、「スクロール」をともなうコンテンツを快適に閲覧することが可能です。この反応速度は、スクロールや外部キーボードによる入力には十分耐えうる、タッチの文字入力では遅れを感じる、動画再生は無理、というくらいの速度です。
リーダーアプリ「Neo Reader」
PDFなどを閲覧するリーダーアプリ「Neo Reader」は、PDFなどの基本的なファイルにデフォルトで紐付いています。BOOXの根幹とも言えるアプリで、直感的な使用感と高機能を両立しています。
従来機種からの大きな変化としては、AIアシスタントを組み込み、ファイルを閲覧しながら、AIで調べ物をすることが可能です。
「ライブラリ」は主要なクラウドストレージと連携
「ライブラリ」機能は、内部ストレージのファイル参照はもちろんのこと、多様なクラウドストレージにも対応します。もちろん、各クラウドストレージの純正アプリを使ってもいいんですが、こちらの方が管理しやすいでしょう。また、ペン入力機能を持たないBOOX Palma2ではあまり重要性が高くないかもしれませんが、「ライブラリ」機能を経由すれば、「Neo Reader」を使ってクラウドストレージ場のファイルを直接編集することが可能です。
AIアシスタントは便利だが、インターネット接続が必須
新機能のAIアシスタントは、アプリとして単独で起動することも出来れば、上記のように「Neo Reader」使用時にフローティングウインドウで呼び出すことも可能です。利用には、ONYXアカウントへのログインが必要となります。
また、単独で起動した場合でも、左上の三本線からフローティングウインドウに切り替えられるので、「Neo Reader」以外の他のアプリとの併用が可能です。
ただし、当たり前ながら、AIアシスタント機能は、インターネット接続下でのみ利用可能です。
4.改善されたカメラ機能
BOOX Palma(前世代)では、システム的に未成熟だったカメラ機能ですが、ずいぶん安定しました。
はじめからカメラアプリを搭載
大きな変化として、はじめからカメラアプリが入っています。もっとも、機能面では特に見るべきものはありません。ただ、前機種「BOOX Palma」では、当初サードパーティー製アプリとの相性が悪く(現在はアップデートで大きく改善)、単純に写真を撮るのにも苦労したことを考えると、デフォルトの状態で写真撮影ができるというのは、当たり前ながらも便利なものです。
スキャンアプリのOCRがはじめから日本語対応、ただし使い勝手は未だイマイチ
プリインストールされているスキャンアプリ「ドックスキャン」のOCR(文字認識機能)が、日本語にも対応しました。これも、BOOX Palmaでははじめ日本語非対応で、後からアップデートで対応した経緯があります。ただし、スキャンアプリそのものはまだ未成熟です。実用上の大きな問題点として、撮影した画像の編集機能が貧弱です、切り抜きと回転反転くらいしかできず、コントラスト、ゆがみ補正などの機能はありません。なお、OCR機能はインターネット接続が必須になります。
サードパーティー製アプリとの相性もよし
幸いにして、BOOX Palmaで当初問題であったサードパーティー製アプリとカメラの相性問題は、試した限りかなり解消されているようです。スキャンを行うなら、「ドックスキャン」を使うよりAdobeなどの一般的なアプリを使った方がいいでしょう。OCRなら、後述のように、「一太郎Pad」を強くお勧めします。
5.特にお勧めの用途はこれだ!
それでは、いったいこの「BOOX Palma2」はどんな用途に向いているのか、前機種BOOX Palmaの運用経験から紹介します。
文字主体の電子書籍アプリ
「Kindle」などの電子書籍アプリ
言うまでもなく、文字主体の電子書籍は最適です。なお、横書きレイアウトにも対応しているアプリだと、さらに使いやすいかもしれません。「Kindleアプリ」「楽天Koboアプリ」などは横書き非対応、「honto」などは横書きに対応します。
Amazon Kindle: 電子書籍、マンガ、雑誌:Google Play
楽天Kobo:電子書籍アプリ:Google Play
honto:マンガ、小説、ラノベ/電子書籍リーダー:Google Play
「読書尚友」
青空文庫をオフラインで楽しめ、汎用テキストリーダーアプリとしても使えるのが「読書尚友」です。個人的には、BOOXシリーズともっとも相性のよいアプリの1つだと思っています。フル機能版は有料ですが、Free版でも十分に使えます。また、横書きに対応しているのは、特にこのBOOX Palma2に適しています。
読書尚友(青空文庫ビューア):Google Play
ダウンロード可能なWEB小説アプリ
WEB小説アプリは、このBOOX Palma2のもっとも得意とする分野といってよいでしょう。WEB小説は、どうしても読み進むのにスクロールをともなう場合が多く、従来の6インチ、7インチクラスのBOOXとは、スクロール時の電子ペーパー特有の反応速度の遅さから、やや相性が悪いものでした。しかし、BOOX Palma2はBOOX Super Refreshを備えるので、スクロールを苦にしません。また、WEB小説が、そもそもスマホで読むことを想定した文章やレイアウトになっていることも、相性の良さの一因です。
なお、できるだけダウンロードが可能でオフラインで読めるアプリを選びましょう。
「カクヨム」公式アプリ
「カクヨム」公式アプリは、WEB小説をダウンロードしてオフラインで読むことが可能な上、広告もスクロールすると隠れてしまうので、BOOX Palma2とは非常に相性のよいWEB小説アプリです。断然お勧め。
カクヨムViewer – Web小説もライトノベルも読み放題:Google Play
「小説家になろう」用アプリは、各自で探そう
記事執筆現在、「小説家になろう」は、公式アプリが用意されていません。そのため、現在使えているアプリでも、なろう側の仕様変更で使えなることがままあり、実際私も経験しているので、あえてお勧めアプリはあげません。各自で使いやすそうなものを試してみてください。オフラインをあきらめるなら、テザリングで直接サイトを見るのが一番確実ではあります。
テキストエディタ
ポメラのように、キーボードをつないでテキストエディタとして使うことも可能です。BOOX Super Refreshのおかげで、リフレッシュモードを「超高速」にすれば、文字入力には十分な十分な反応速度を獲得します。
オフィスアプリ
「Word」「Googleドキュメント」「WPS Office」などのオフィスアプリも、文字入力のみであれば十分快適に使用可能です。ただし、高度な編集機能を使おうとすると、電子ペーパーの表示特性とは合わない場合もあります。
Microsoft Word: Edit Documents:Google Play
Google ドキュメント:Google Play
WPS Office – オフィスソフト/PDFファイル閲覧:Google Play
「Jota+ (Text Editor)」
個人的には、テキストエディタアプリとしては「Jota+ (Text Editor)」をお勧めします。ただし、このアプリは有料になります。
Jota+ (Text Editor):Google Play
6.ネット接続さえ解決すればマッチする用途
Wi-Fi環境下か、テザリングを使いこなすのが前提
BOOX Palma2は、LTEを備えていません。従って、インターネットに接続するには、Wi-Fiか、スマホなどからテザリングする必要があります。が、この条件をクリアすれば、さらに世界が広がります。やはり、BOOX Super Refreshによりスクロールを苦にしないのは大きい。
文字主体のWEBサイト閲覧
ウインタブのような、文字主体のサイトの閲覧は、BOOX Palma2と相性のよい用途の1つです。
「X」などの文字主体のSNS
同様の理由から、「X」も相性良し。
X:Google Play
ニンジャスレイヤー
そしてもちろん、主に「X」で連載されているサイバーパンクWEB小説「ニンジャスレイヤー」との相性は最高です。特に、インターネット常時接続さえ解決すれば、ニンジャスレイヤー閲覧専用アプリ「NJRecalls」は必ずインストールしましょう。
NJRecalls:Google Play
OCRアプリ
テキストエディタとして使う際などに、心強い味方となってくれるのが、現実の文字を読み込むOCR(文字認識)アプリです。ただし、利用にインターネット接続が必須になるのが惜しいところ。
「一太郎Pad」
OCRアプリなら、個人的にはこれ一択だと思います。BOOX Palma2で使うと、やや処理が重いんですが、直感的な操作性の良さと、シンプルながら欲しい機能はそろっている使いやすさは、唯一無二です。
一太郎Pad:Google Play
「Google レンズ」など
スキャンアプリというところでは、もちろん、「Google レンズ」のようなアプリも利用可能です。ただ、このあたりは「利用可能」というだけで、わざわざBOOXで使う意味は、いかに他の機能と合わせて使うかという、ユーザーのアイデアによるでしょう。
Google レンズ:Google Play
7.悪くないが、他のBOOXシリーズの方がマッチする用途
スマホのような縦長のディスプレイと相性がいまいちなコンテンツもあります。これらがメインの用途を想定する場合は、例えば「BOOX Go6」なども検討してみるとよいかもしれません。
電子書籍のマンガ
電子書籍マンガの閲覧にあたっては、ディスプレイの縦横比の関係から、無駄な余白が増え、画像が小さくなってしまいます。使えなくはありませんが、まあ、ご覧の通りです。
PDFファイル閲覧
一般的なPDFファイルは、縦横比が紙のA版B版に準拠するため、やはりディスプレイの縦横比が合いません。ものによっては、表示が非常に小さくなってしまいます。
8.閲覧専用のBOOXシリーズ他機種「BOOX Go6」「BOOX GoColor7」との比較
BOOXシリーズの現行機種で、ペン入力に対応しない閲覧専用のものは、この「BOOX Palma2」の他には、「BOOX Go6」と「BOOX GoColor7」があります。上の画像は、「BOOX GoColor7」です。これら2機種は、特性が非常に似ていて、いずれも約6インチと7インチというサイズ差はあるものの、おおむね縦横比4:3のディスプレイを備えます。ただし、反応速度を高めるBOOX Super Refreshは対応していません。「BOOX GoColor7」は、名称通りのカラー電子ペーパーディスプレイを備え、ページめくりボタンが付くなど、基本的には「BOOX Go6」と同様の特性を持つ上位互換と言える製品です。
これらに対して、「BOOX Palma2」が決定的に違う点は、特に2つ。第1に、BOOX Super Refreshに対応しているということ。閲覧においてこれは、「快適なスクロールが可能か」という差になり、対象コンテンツの幅を大きく広げています。また、副次的効果として、キーボードをつないでのテキスト入力も快適に使えます(BOOX Super Refresh非対応機でも、リフレッシュモードを「X」モードなどにすることでそれなりの反応速度を獲得できますが、画質の劣化が極めて激しく、またかなりの勢いでバッテリーを消費するため、常用は現実的ではありません)。第2に、カメラを備え、主に文字情報のスキャンを行えること。この2点において、「BOOX Palma2」は、サイズだけでなく機能面でも大きく差別化されているといってよいでしょう。
BOOX Go6:SKTNETSHOP
BOOX GoColor7:SKTNETSHOP
9.価格など
「BOOX Palma2」は、電子ペーパー専門店のSKTNETSHOPで販売中です。SKTNETSHOPは、Amazonや楽天市場にも出品していますが、直売サイトで購入すると専用ケースが付いてくるので、よっぽどポイントなどの要素が無い限りは、SKTNETSHOP直売サイトでの購入をお勧めします。なお、シンプルなシェルカバーと、手帳タイプのフリップカバーを選択でき、両者に価格差はありません。
なお、私は前世代機「BOOX Palma」のシェルカバーに、画像のような貼り付け式のスタンドを付けて使っています。このスタンドは回転式なので、横置きも可能ですが、BOOX Palmaの特性上、基本縦置きです。特にテキストエディタとして使う場合に便利ですね。
話を戻して、「BOOX Palma 2」と、比較的特性の近い「BOOX Go6」「BOOX GoColor7」の価格は以下の通りです。
・BOOX Go6:28,900円
・BOOX GoColor7:52,800円
・BOOX Palma2:52,800円
BOOX Go6は非常に安いですが、ハード面だけでなく、CPUやメモリ、ストレージ(ただしmicroSDカードでの拡張は可能)の構成も最小限なので、この価格差は妥当でしょう。ちなみに、ペン入力可能最安値機種の「BOOX TabMiniC」は、7.8インチBOOX Super Refresh対応カラー電子ペーパーディスプレイ搭載で、69,800円となります。
レビューから分かるように、この「BOOX Palma2」は、BOOXシリーズの中でもかなり特殊な機種です。モノクロなので、文字を主体に扱う端末なのは間違いないんですが、従来の電子ペーパータブレットが、基本的に「ページめくりコンテンツ」に最適化されているのに対して、「スクロールで閲覧するコンテンツ」に最適化されているところが新しく、写真を撮影するというより「情報を取得するためのツール」としてカメラを備えているところやAIアシスタント機能にも、新世代の息吹を感じます。また、前世代機「BOOX Palma」で荒削りだった部分は、着実に改善しています。劇的な変化はないものの、全体的に、「BOOX Palma」が「どう使おうか?」という実験的な臭いの残る機種であったの対し、この「BOOX Palma2」は、「刺さる人に刺さる」アピール力のある製品へと成熟してきました。まさにWEB小説時代、SNS時代の電子ペーパータブレット、と言えるでしょう。
10.関連リンク
BOOX Palma2 6インチ スマートフォンサイズタブレット:SKTNETSHOP
BOOX Palma2 6.13インチ 電子ペーパータブレット:Amazon
BOOX Palma2 6.13インチHDモバイル電子ペーパータブレット:楽天市場
記事中で紹介したアプリ
Amazon Kindle: 電子書籍、マンガ、雑誌:Google Play
楽天Kobo:電子書籍アプリ:Google Play
honto:マンガ、小説、ラノベ/電子書籍リーダー:Google Play
読書尚友(青空文庫ビューア):Google Play
読書尚友 Lite (青空文庫ビューア):Google Play
カクヨムViewer – Web小説もライトノベルも読み放題:Google Play
Microsoft Word: Edit Documents:Google Play
Google ドキュメント:Google Play
WPS Office – オフィスソフト/PDFファイル閲覧:Google Play
Jota+ (Text Editor):Google Play
X:Google Play
NJRecalls:Google Play
一太郎Pad:Google Play
Google レンズ:Google Play
ウインタブをきっかけに、海外通販で奇天烈なガジェットを漁ることにハマる。趣味は旅行(自然も史跡も)、アマチュアオーケストラなど。自分の知識欲も満たせるので、楽しんで記事を書いています。興味を持ったもの、面白いと思ったものを、読者の皆さんと共有できれば幸いです。