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Blackview WAVE8C レビュー - 約1万円で買えるエントリースマホ。性能面で割り切りは必要ですが、とにかく安い!

Android

Blackview WAVE8C レビュー
Blackviewのスマートフォン「WAVE 8C」の実機レビューです。Amazonのセール価格が1万円強と、とても安価に購入でき、2024年12月に発売された「WAVE 8」の廉価版という位置づけの製品です。エントリークラスの製品の中でもボトムレンジの性能で、使い方を割り切る必要はありますがBlackviewらしく筐体品質やカメラの画質では予想以上に頑張っていると感じます。

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なお、このレビューはメーカーよりレビュー機のサンプル提供を受け、実施しています。

ここがおすすめ
・とにかく安い!
・予想以上にきれいに撮れるアウトカメラ
・質感の高い筐体
・日本では珍しくなったAndroid 14 Go Edition搭載。検証用にぴったりかも?
ここがイマイチ
・性能は厳しい。通常タスクでもっさりする場面も
・背面のダミーレンズは不要。むしろがっかりなのでやめてほしい。
販売サイトはこちら
Blackview WAVE8C:Amazon

1.スペック

スペック表

   Blackview WAVE8C
OS Android 14 Go Edition
CPU UNISOC SC9863A
RAM 2GB(拡張機能により最大6GB)
ストレージ 64GB
ディスプレイ 6.56インチ(1,612 x 720)60Hz
バンド FDD-LTE:B1/3/7/8/19/20
TD-LTE:B38/40/41
SIM nanoSIM × 2
ネットワーク 802.11b/g/n、Bluetooth 4.2
入出力 USB Type-C、MicroSDカード、3.5mmイヤホンジャック
カメラ イン8MP/アウト13MP
バッテリー 4,700 mAh
サイズ 163.2 x 75.16x 8.75 mm
重量 193 g

コメント

OSはAndroid 14 Go Editionです。国内でAndroidスマートフォン・タブレットを展開している大手メーカー製でGo Editionを搭載する端末は見かけなくなりましたが、SoCの性能がかなり低い端末でも実用的な速度で動作するよう、OSのコンポーネントとプリインストールされている一部のGoogleアプリが軽量化されています。

Android Go EditionではメーカーによるカスタムUIの搭載は許可されていないため、搭載されているOSはBlackview独自のカスタムUI、Doke OSではなく、「素の」Androidそのものです。

SoCはSC9863Aです。上位モデルのWAVE 8に搭載されているTIGER T606よりもさらにスペックが落とされていて、AnTuTu Benchmark v10での総合スコアは10万点程度となっています。RAMは2GB、ストレージは64GBです。RAMはメモリ拡張機能により最大6GBまで増設可能です。MicroSDカードによるストレージ拡張もサポートしています。

一部キャリアではエンジニアリングモードからVoLTEを有効化する必要あり
モバイルネットワークは4Gのみとなりますが、ドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルの主要バンドに対応しています。ただし、他のBlackview端末と同じく、工場出荷時の状態だと一部キャリアでVoLTEが有効にならず、音声通話が行えないため、エンジニアモードから設定を変更する必要があります。

VoLTE有効化についてはこちらの記事をご覧ください。

UNISOC製SoCを搭載するスマートフォン・タブレットでVoLTE・音声通話が利用できない場合の対応策
10月に実機レビューを実施したBlackviewのOSCAL TIGER 13 5Gは現在かのあゆの手元にあり、au(KDDI)が提供する格安プラン、povo 2.0のSIMを挿入してサブ端末としての運用を開始しています。不満点が全くないと...

無線LANは802.11 b/g/nのみのサポートとなり、WI-FI7(802.11 be)やWi-Fi6(802.11 ax)はもちろんのこと、Wi-Fi5(802.11 ac)も非対応となります。今となっては逆に珍しい仕様ですが・・・。

バッテリー容量は4,700 mAhです。

2.筐体

付属品
付属品はTPUケース、マニュアル(日本語表記あり)、ACアダプター、USB-C to Aケース、SIMピンです。純正ケースはよく見られるクリアタイプではなく、ラバー素材を採用したしっかりしたものが付属しています。

大手メーカー製端末とは異なり、ケースの選択肢も限定されるので、長期的に使っていると自然に黄ばんでしまうクリアタイプではなく、ラバータイプのケースが標準で付属しているのは実は地味にありがたかったりします。

Blackview WAVE8C 前面
前面です。このクラスのスマートフォンではよく見られる、ティアドロップノッチが中央に配置されたデザインですが、左右ベゼルは狭くなっていて安っぽさは感じられない見た目になっています。

Blackview WAVE8C レビュー

背面


背面はWAVE8と共通で、アウトカメラは一見するとデュアルレンズ構成・・・に見えますが、下のカメラはダミーなので実際にはシングルレンズです(後述します)。デザインとしてダミーのカメラを配置するのはいい加減やめてほしいと思っているので、この点のみ非常に残念ですが(正直個人的には本当にやめてほしいです・・・)、大理石調のテクスチャー加工が施されたデザインは高級感があり、安っぽく見えないのは素晴らしいと感じました。

Blacivkewから提供された実機は「ダスク・ブラック」で、そのほか「サンセット・パープル」「ドーン・ブルー」が用意されています(Amazonではダスク・ブラックとドーン・ブルーのみ販売されています)。

Blackview WAVE8C 左側面
左側面にはSIMトレイがあります。

右側面
右側面にはボリュームボタン、電源ボタン(指紋認証センサー内蔵)があります。

Blackview WAVE8C 上面
上部は何もありません。

Blackview WAVE8C 下面
下部には3.5 mmイヤホンジャック、マイク、USB-Cポート、スピーカーが配置されています。

3.使用感

システム

ホームランチャー

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Blackviewといえばバージョンアップを重ねるたびにどんどん使いやすくなっている「Doke OS」・・・なのですが、前述の通り原則Android Go Editionを採用する端末ではメーカー独自のカスタムUIの搭載が認められていないので、WAVE8Cでは「素の」Android 14 Go Editionが搭載されています。

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プリインストールアプリ一覧

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プリインストールアプリも最小限で、Android OS標準アプリとGoogle純正アプリのみという構成になっています。

ほかの「Go」アプリは日本では配信されていないため、地域設定を日本に設定した場合置き換わるのは「Google」アプリのみ

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「Google」アプリのみ軽量版の「Go」バージョンに置き換わっています。

Google Discoverのホームランチャー統合など、一部利用できない機能はありますが、検索アプリとして使う分には通常の「Google」アプリとそこまで使い勝手は変わりません。

軽量版とは言え、新機能も利用可能

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軽量版とは言え、Android 12以降で利用できるようになったカスタムテーマ機能やアプリごとの言語設定といった機能はほぼすべて利用可能です。逆に言えばDoke OS独自要素は一切無いので、Blackview端末としては物足りなさを感じてしまいました。

ストレージ情報

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工場出荷時のストレージの空きは約57.4GBほど確保されています。使い方によって異なるとはいえ、ゲーム以外のAndroidアプリの容量も年々大容量化している関係で64GBではもはや厳しいと言われていますが、端末の性能上インストールするアプリを厳選して運用する形になるかと思われますし、写真や動画などの大容量データはMicroSDカードに保存できるので、WAVE8Cについては特に容量不足に困ることはないでしょう。

システム情報

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工場出荷時にインストールされているソフトウェア情報です(出荷時期によってファームウェアのバージョンは異なる場合があります)。この記事を執筆している2025年2月時点ではAndroid 15ベースの「Android 15 Go Edition」はまだリリースされていないので、最新バージョンが搭載されていることになります。Androidセキュリティパッチは2024年10月5日付けのものが適用済みでした。

ディスプレイ

ディスプレイは6.56インチサイズで、解像度はHD+(1,612 ×720)です。パネルの仕様は公式サイトやAmazonの商品ページでは開示されていませんが、実機を確認したところIPS液晶を採用しているように見えます。

WAVE8とは異なり、リフレッシュレートは90Hzではなく60Hzですが、通常利用で特に気になることはありませんでした。エントリーモデルながらディスプレイの品質は素晴らしく、写真や動画も美しい画質で楽しめます。

10年ほど前の超低価格端末だと解像度だけでなく、パネルの品質もかなり低く、使うだけでも嫌になってくるものが多かったので、このクラスの端末でも高品質な液晶の採用が当たり前になってきたのはうれしいですね。

残念ながらWidevineは「L3」なので、Amazon Prime VideoやNetFlixなど動画サブスクリプションサービスでHDコンテンツの再生はできません(SD画質になります)。

スピーカー

スピーカーはモノラル出力です。本格的に音楽や動画コンテンツを楽しむには若干物足りなさは感じるものの、音質そのものはバランスがとれていてPCやタブレットで作業しながら音楽を流し聴きする用途であれば十分です。

対応Bluetoothコーデック一覧

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Blletoothのコーデックは「SBC、AAC、LDAC」をサポートしています。MicroSDカードを使用すれば最大2TBまでストレージ拡張できるので、音楽を楽しむのであればワイヤレスイヤホンの利用がお勧めです。

カメラ

標準カメラアプリUI

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カメラはイン8MP、アウト13MPです。Android Go Editionを採用するスマートフォンの場合、カメラアプリもAOSP標準のものを採用している場合が多いのですが、WAVE 8CではBlackview独自のカメラアプリが搭載されています。日本語ローカライズがおかしい部分は見られるものの、低速度撮影やプロ撮影モードなど、利用できる機能も充実しています。

カメラサンプル1

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カメラサンプル2

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実はカメラの性能は上位モデルのWAVE8と共通です。Blackviewは中華スマートフォンメーカーの中ではカメラのチューニングも力を入れていて、WAVE8Cも若干ぼやけ気味ではあるものの、美しい写真を撮影できます。

光が少ない場面での撮影は厳しいものの、ある程度光がある場所であれば夜景もきれいに撮れます。ただ、後述しますが端末そのものの性能が低いため、カメラアプリの起動に時間がかかりシャッターチャンスを逃してしまう機会が多かったのは残念に感じました。その点を除けば端末価格を踏まえるとカメラ性能は予想以上に素晴らしい性能になっています。

4.性能テスト

AnTuTu Benchmarkスコア

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AnTuTu Benchmark v10での総合スコアは104,558点でした。同じくエントリーモデルとして販売されているシャープのAQUOS wish4の総合スコアが372,990点、WAVE8Cの上位モデル、WAVE8に搭載されているT606が約230,000点を計測するので、2025年に販売している端末としては「非常に低い」スコアとなります。

Go Editionの採用により軽量化されているとはいえ、Android OSも近年バージョンアップで重くなっていて、カメラアプリやタスクの切り替えでかなり待たされる場面があるなど、通常利用でもストレスを感じてしまう場面がありました。メモリ拡張機能もありますが、RAM 2GBという容量もマルチタスクでアプリを立ち上げて使うには少なすぎる印象で、3つ以上アプリを立ち上げるとバックグラウンドで起動しているアプリが強制終了してしまうことも多々あります。

ただ、Google Chromeは一度立ち上がってしまえば問題なくWEBサイトの観覧が可能ですし、プリインストールされている「ギャラリー Go」「Google Go」といった軽量版アプリはサクサク動作します。

5.まとめ

Blackview WAVE8CはAmazon内Blackview公式ストアにて2月14日から23日までセールを実施中で、10,900円で購入できます(製品ページの5,000円OFFクーポンを使用した価格)。全体的にスマートフォンの価格が高騰してきた今、セール価格とは言え1万円強で購入できる新品のスマートフォンというだけでもかなり貴重な存在です。

軽量版OSが搭載されているとはいえ、通常タスクでもストレスを感じる場面があるため、アプリもプリインストールされているものだけに限定するか、本当に必要なもののみ導入するなど、かなり割り切った使い方が必要になってしまいますが、今となっては珍しいAndroid 14 Go Editionを搭載しているので、検証用端末としてはちょうど良いかもしれません。

使い潰してもそこまで痛くはない価格なので、割り切ってカーナビ代わりとして車に常備して使うのも良いかもしれません。「割り切り」が必要ですが、人によってはいろいろと面白い使い方ができる端末だと思います。

6.関連リンク

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執筆者:かのあゆ
初めてしゃべった言葉が「ソニー・TDK」という筋金入りのガジェットマニア。中学生時代NEC PC-98シリーズに出会ったのをきっかけに本格的にPDAやスマートフォン、PCの世界にはまり込む。リュックには常にPC 2台 + タブレット 1台 + ゲーミングUMPC 1台 + スマホ4台を常備。
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