こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。AGMのタフネススマホ「Glory PRO」の実機レビュー2回めです。すでにライターのかのあゆさんがレビューしていて、スペックやベンチマークスコア、カメラ性能について掲載済みなのですが、レビュー機がかのあゆさんから私の手元に届きましたので、少し自由に使用感を書いてみようと思いました。
なお、Glory PROの筐体やシステムUI、ベンチマークスコアなど包括的な製品レビューについてはこちらの初回レビューをご覧ください。
AGM Glory PROの実機レビュー -「搭載CPU」だけですべてを語るべきではない、本物志向のタフネススマホ、サーマルカメラも面白い!
目次
1.Glory PRO スペック
スペック表
AGM Glory PRO | |
OS | Android 11 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 480 5G |
RAM | 8GB |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 6.53インチ(2,340 x 1,080) |
LTEバンド | 5G:n1/2/3/5/7/8/28/41/66/77/78 FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13 17/18/19/20/25/26/28A/28B/66 TDD-LTE:B34/38/39/40/41 |
SIM | nanoSIM x 2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、microSDカード、3.5mmイヤホンジャック |
カメラ | イン16MP/アウト48MP+20MP+2MP+サーマル |
バッテリー | 3.7V/6,200 mAh |
サイズ | 174.8 x 84.2 x 17.5-23 mm |
重量 | 360 g |
コメント
AGM Glory PROは価格(約94,000円)の割にCPUスペックが高くはありません。初回レビューでAntutuスコア34万点をマークしているので、決して低性能ではありませんが、9万円といえばSnapdoragon 888なんかを搭載する製品が購入できる価格ですからね。
しかし、「いや、そういう芸風のスマホじゃないから」ということです。PCやスマホのニューモデルをチェックするときに、真っ先にCPUの型番を見てしまいます(私もそうです)が、そもそもゲームをやりたいのならGlory PROを購入する必要は皆無なわけです。そのかわり、Glory PROにはゲーミングスマホにはない魅力が満載です。
今回のレビューでは
・サイズ感
・特徴的な筐体と機能
・カメラ
について見ていきたいと思います。
2.サイズ感
左がiPhone SE(第2世代、4.7インチ)、真ん中がGoogle Pixel 5(6インチ)、そして右がGlory PRO(6.53インチ)です。iPhone SEとPixel 5にもサイズ差はありますが、Glory PROと比べてしまうと「どっちも同じくらい」に見えてしまいます。デカイですよ、Glory PRO…。
厚みも比べてみました。後述しますがGlory PROは背面が平坦ではないので、普通に置いただけでもこのように傾いてしまいます。まあね、もはやサイズを比べてコメントをする意味もない、という感じです。
手に持った感じも明らかに大きくて重いです。もちろん「重くて手がしびれる」というほどじゃないですけどね。一応ワイシャツとカジュアルシャツ(いずれもMサイズ)の胸ポケットに入れてみましたが、「ギリ入ります」。ただし、普通のスマホ2台分の重量がありますので、生地が伸びたり型崩れしそうですし、シャツの着心地にも影響しますので、胸ポケットには入れないほうがいいでしょう。
3.筐体の特徴
筐体の全体像については初回レビューでご説明済みですが、実物を目にするとやはり個性的なので、少しだけ追加説明を。前面は水滴型ノッチが採用されていますが上下のベゼルは太めです。ただ、前面はタフネススマホとしては「こんなもんかな」くらいの印象ですね。
背面はスピーカー部分がガッツリ飛び出しています。背面を下にして置くと、上でご説明したとおり、大きく傾いてしまいます。また、スピーカー部分を取り囲むようにしてカメラのレンズが取り付けられています。
ここでスピーカーの使用感について述べます。
スピーカーの使用感
メーカーの公称値では「33mm、3.5W、110dB」となっていますが、実際に音量はかなり大きくすることができます。最大音量でダンスミュージックを流し、この製品のスピーカーから20センチほど離れた場所に別のスマホを置き、騒音測定アプリで計測してみたところ、最高で「88dB」を記録しました(概ね83~84dB程度)。感覚としては「ちょっと耐えられない」くらいの音量です。実際アウトドアでの非常時にどのくらい有効なのかは何とも言えませんが、「スマホとしてできる」最高の音量にはなっていると思いました。
音質のほう、かのあゆさんが初回レビューで「意外と音割れもなくクリア」と評していましたが、実際「そこそこ音楽も聴ける」くらいの音質だと思いました。かのあゆさんの言う通り、音割れが感じられなかった、というのが大きいですね。そもそもスピーカーが背面にあるので、動画視聴の際などに使い勝手がいいとは言えませんし、自室でじっくり音楽を聴くような場面での音質はそんなに高く評価できませんけど、屋外でのバーベキューとかキャンプの際に、みんなで音楽を楽しむような使い方であれば割とクリアに大音量が楽しめると思います。結論として「タフネススマホとして音量優先の作りながら、音質も予想以上に健闘」という評価はできます。
上側面にはデカいライトが付いています。一般的なスマホにもライト機能はありますが、それらの製品が「割とマイルドな明るさで照射面積が大きい」のに対し、Glory PROのライトは「懐中電灯かと思うくらいに明るくて、照射面積は小さい」です。枕元に置いておきたい、と感じます。
あと、このライト、デザインアクセントにもなっていると思います。普通のスマホであれば「こういうのはご免」でしょうが、タフネススマホということであれば「おお、カッコいい!」と感じられるんじゃないでしょうか?
Glory PROは当然のように「IP68/IP69k/MIL-STD-810H」の防水・防塵・堅牢性を有していますが、この画像のようにSIM/microSDスロットとUSB Type-C/イヤホンジャック部分がパッキンで覆われています。
この構造のタフネススマホは、しばしば読者から「パッキンが劣化したら防水機能がなくなるよね」という指摘があります。たしかにその通りだと思いますが…、
Glory PROには予備パッキン(SIMスロット用×1、USBポート用×1)が付属しています。ウインタブのレビュー経験上、こういう配慮のあるタフネススマホは他にはなかったのではないか、と思いますね。これでパッキン劣化の心配もいりません(確認していませんが、AGMに頼んだらパッキンだけでも売ってくれそうに思います)。
あと、バッテリーまわりの装備についても簡単にご説明しておきます。この製品は18WのQuick Cahrge 3.0対応のACアダプターが付属しています(画像が汚く見えますが、保護用のフィルムが付いた状態です)。また、ワイヤレス充電にも対応します。バッテリー容量も6,200 mAhと十分に大きく、普通に使っているぶんには終日バッテリー切れを気にしなくても大丈夫です。
4.PDA工房のフィルムで万全を期す
Glory PROはゴリラガラスなどの強化ガラスが使われている、という説明がありませんが、MIL-STD-810H準拠ということなので、ディスプレイガラスは十分に頑丈なものになっていると思います。ただ、かのあゆさんが「ゴリラガラスだろうとなんだろうと、傷が付くときは付く」と記事中でよく言っているように、ガラス面の保護はしっかりやっておきたいところ。
今回もPDA工房にお願いして保護フィルムを貼ってもらいました。フィルムタイプは時節柄うれしい「抗ウイルス抗菌保護フィルム」です(すみません、製品特性上、どのくらい「抗ウイルス」なのかの検証はできません)。
ご覧のように「完璧」な仕上がりです。
さらに、背面のカメラレンズ用のフィルムもつけていただきました。Glory PROのカメラまわりの造形は結構複雑なのですが、ピッタリ合うようになっています。
「タフネススマホなんだから傷ついてなんぼ」と言えなくもないですが、Glory PROの実売価格を考えれば、「傷がついても気にしない」とも言いにくいですよね。なので、PDA工房のフィルムでしっかりガードしておきたいところです。
5.ナイトビジョンカメラとサーマルカメラ
AGM Glory PROには「ナイトビジョンカメラ」と「サーマルカメラ」があります。ナイトビジョンのほうは中華タフネススマホで搭載例が増えていて、「モノクロになるが暗闇でも撮影ができる」というもので、夜景がキレイに撮れる「ナイトモード」とは異なります。
まず、夕方6時くらいでしたか、公園で写真を一枚。ほぼ真っ暗ですが、ナイトモード(夜景モード)で撮影しています。このアングルは本当に真っ暗で、この写真の景色は肉眼で見たのとあまり変わりません。
次にナイトビジョンで撮影してみました。ひとつ上の画像と全く同じアングルです。「おお!これはすごい!」と思いました。暗闇の中に何があるのが全てわかります。これなら「落としたコンタクトレンズ」は探せないと思いますが、暗闇でも探しものができるくらいです。ちなみに自宅で「こたつの中」を撮影してみましたが、これもバッチリ写っていて、子供たちに叱られました…。
なお、ナイトビジョン撮影の際、このように赤いフラッシュライトが点灯します(画像では白っぽく見えますが、実際は真っ赤です)ので、暗闇で撮影できるとは言っても、周囲に人がいる場合、Glory PROで撮影をしている、というのは周囲の人にも伝わると思います。
使用頻度は高くないと思いますが、暗闇を歩く際などにも頼りになる、とても便利な機能だと思います。なお、ナイトビジョンカメラを使用する際の画素数は約20MP(5,120 × 3,840ピクセル)で、アスペクト比(画面の縦横比)の変更はできません。
次に「サーマルカメラ」です。この機能は最近になって一部の中華タフネススマホに搭載され始めました。AGM Gloryシリーズだと、最上位モデルの「PRO」のみに搭載されています。
これねー、やってみたかったんですよ!この画像は現在レビュー用にお借りしているゲーミングノートのキーボード面の画像で、ベンチマークテストを終了した直後のものです。最も温度が高いところが50.8度、中央部分が41.0度、最も温度が低いところが12.4度と表示されていますが、この画像の中にキーボード面以外の場所も写っていますので、最も温度が低い部分の12.4度というのはキーボード面のものではないです。
次にデスク周りの写真です。私、いま足元に電気ヒーターを置いていますので、ヒーターの発熱する部分の温度148.1度というのが表示されています。
サーマルカメラは標準のカメラアプリとは別です(別アプリです)。日本語化はされていませんが、たまにある未知の英単語を調べながら使えば特に難しいということはありません。また、中央の画像の下側に「パレット」を表示させていますが、色味を変更することもできますし、通常の写真と「デュアル」で撮影することもできます(ただし、通常の画像のサイズは1MPになります。)。さらに、このアプリでは「特定の場所(点)の温度を表示する」「選択した範囲の温度を表示する」機能もありますので、特に「温度が知りたい」場合にはかなり便利に使えると思います。さらに動画も撮影できます。
ただし、難点もありました。サーマルカメラは縦向きにも横向きにも使えますが、温度の表示は縦向きのみです。なので、横向きで使う場合は温度を非表示にするか、あるいは温度表示が横向きになってしまうのを我慢することになります。
それと、ここに掲載した画像を見ていただければわかると思いますが、画質はお世辞にも鮮明とは言えません(画像サイズ1.5MP)。個人的には「被写体がキーボードであることがわかる」程度の鮮明さがあれば十分だと思っていますが、おそらくサーマルカメラ専用機には及ばない画質だと思います。
ナイトビジョンカメラにせよサーマルカメラにせよ、決して使用頻度が高い機能ではないと思いますが、タフネススマホらしい、アウトドアで役に立ちそうな機能だと思います。個人的には「PCの実機レビューの際に、サーマルカメラでキーボード面の発熱状況を確認する」「ナイトビジョンで心霊写真の撮影に挑戦する」といった使い方をしてみたいですね。
「普通のカメラ」ですが、機能は少ないです。例えば「この製品のポートレートモードというのは『インカメラを使う』という意味で、一般的なスマホのポートレートモードとは異なる」とか「そもそも広角レンズを搭載していない」とか…。かのあゆさんの初回レビューにあった通り、撮影画質は悪くありません。しかし、ナイトモード(夜景モード)の画質はPixel 5には及びません。普段使いで飯テロ画像を撮影するとか、ちょっと気になるものを撮影してSNSにアップするとかなら問題はありませんし、アウトドアで記念撮影をするにも十分な画質だと思いますが、「撮影に凝る」人にはあまり向かないと思います。
6.AGM Glory PRO レビューまとめ
AGM GloryシリーズはAGM公式サイトで販売中で、1月16日現在の価格は最廉価版のGlory SE(ワイヤレス充電なし、ナイトビジョン・サーマルなし)が399ドル(約46,000円)、中位モデルのGlory(サーマルなし)が519.99ドル(約59,500円)、今回レビューしたGlory PROが819.99ドル(約94,000円)です。
かのあゆさんが初回レビューをしてくれたこともあり、今回はベンチマークテストとかゲームの使用感とか、細かい筐体説明などをすることもなく、フリーダムに実機を試させてもらいました。筐体デザイン、筐体品質はタフネススマホ好きな人には「たまらん」だろうと思います。一方で、さすがに普段使い用として持ち歩くのは「好きな人でないとちょっと辛い」サイズ感ですね。その意味では好き嫌いがはっきりわかれると思います。
記事中に書かせていただいた通り、私はこの製品にニーズがあります。特にサーマルカメラとナイトビジョンカメラ。また、個人的にいまのところ予定は立っていないのですが、頑丈で対応バンドも広いので、海外渡航時(COMPUTEX行きてえ…)に使うスマホとしても役立ちそうです。
カメラの諸機能をはじめ、大音量が出せるスピーカーとか、非常に明るいライトなど、タフネススマホとしては「超本格派」な製品だと思います。
7.関連リンク
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