こんにちは、natsukiです。今回は、マニアックな機体までカバーし、種類も豊富に取りそろえるPDA工房の保護フィルムを、長期に使ってみた立場からレビューしてみたいと思います。また、PDA工房の保護フィルムは非常に種類が多く、はじめから目的を持って買う人はいいんですが、とりあえず保護されればいいんだけど、という人にとっては選ぶのが面倒かもしれません。どんな種類のフィルムがいい? という話題は、前にも記事にしたことがありますが、スマホやタブレット用と限定するなら、個人的には「9H高硬度フィルム 光沢タイプ」がファイナルアンサーだと考えています。まあ、無難な結論といえばその通りですけども。
全体的に、やったら細かい話をしていますが、保護フィルムへのこだわりだとどうしてもそうなるのでご容赦ください。大雑把でいいなら、「100円ショップのでいいじゃん」で、終わってしまいますからね。
目次
1.長期使用でも変わらない品質
ここが重要なところですね。はじめはいいとして、長く使ってどうなのか。
実際、1年半以上にわたってPDA工房の「9H高硬度保護フィルム 光沢タイプ」を貼り、かなり酷使してきた「UMI Z」です。ご覧のとおり、パッと見て分かる劣化はありません。はがれもまったく無し。なお、UMI Zはディスプレイの縁が曲面になっていて、その部分には保護フィルムはかかっていません。
100円ショップの保護フィルムだと
100円ショップのフィルムだとどうなるかというと、手持ちの例でいうと……
例えば、このように接着面のノリが収縮してしまったり、
ちょっと分かりづらいですが、フィルム面が微妙に波打っています。これは、かなり初期からでした。また、白い粒は、ホコリではなくて傷です。貼ってからは、約2年半といったところ。まあ、この程度で済んでいるので、100円ショップのフィルムでもたいしたもんだとも言えます。
傷つくときは傷つくが……
さて、9H硬度といっても、傷つくときは傷つきます。
これは、何をやったかというと、この夏に海に行ったときに、防水ケースの中に砂が入ってしまったようで、その状態でジャリジャリ操作しちゃったんですね。
ただし、傷ついたといっても、反射の角度によってはまったく目立ちません。もちろん、傷の付け方によるとは思いますが。
画面を点けてしまえば、まず見えないレベルです。この傷が付くまでは、ほぼ完全に傷が無いと言ってよい状態でした。さすがに、先ほどの100円ショップの、傷ついた部分が白く濁って目立つのとは大きな差があります。
2.汚れを落としやすい
先日レビューした、Teclast M20にも、PDA工房より保護フィルムを用意していただきました。Teclast M20のレビューにあたっては、はじめ5日間ほど保護フィルムを貼らずに使用し、その後フィルムを貼って使用を続けています。種類は、やはり「9H高硬度フィルム 光沢タイプ」です。
タブレットに保護フィルムを貼って、すぐ感じたのは、指紋を落としやすいということです。タブレットは、面積が広い分、スマホ以上に使っていて指紋が目立ちますから。ペンで書いたりとか、どぎつい汚れについての実験はしていませんが、日常的な汚れとして避けられないのは、手の脂です。それを拭き取るとき、ガラスのままの状態より、明らかに落ちやすいです。
スマホでの体験だと、とっさに人に見せることがあって、「あっ、汚い」と思ったとき、ワイシャツの腕でこするだけでかなりきれいになります。指紋が気になるというのも、保護フィルムを貼る大きな動機になるかと思います。なお、「指紋防止」をうたう保護フィルムもありますが、後述のように、それらはアンチグレアタイプで、指滑りの感触も違うので、使用感が「別物」になってしまいます。そこを許容できるならいいんですけど。
3.貼るための特殊なギミックはないので、風呂場へGO
少し脱線になりますが、PDA工房の保護フィルムは、貼るための特殊なギミックは何も付いていません。接着面のシートをはがして、貼り付ける。ただそれだけです。従って、特にサイズが大きいディスプレイに貼るには、ある程度の「工夫」は必要です。せっかくいいフィルムを買ったのに、貼り損ねたら空しいですから。
ずばり、いわゆる、十分に湿度の高い「風呂場で全裸で」作業することを、強くお勧めします。下準備としては、手をきれいに洗い、ディスプレイの汚れを念入りに拭き取っておくのはもちろんのこと、接着面のシートをはがす前に、ディスプレイにあててみて、当たりを付けておくのも忘れずに。特に、ディスプレイが湾曲しているスマホではこの作業は重要です。
道具としては、メガネ拭きなどの、できるだけホコリの出ない布、それから、接着面に付いてしまったホコリ取りには、ピンセットだと傷が付くので、爪楊枝がお勧めです。私の場合、これで、15.6インチでも完璧に、気泡やホコリなどを挟むことなく成功させています。面倒かもしれませんが、こういう作業を通してこそ、ガジェットに愛着がわくってもんですよ。
4.スマホ・タブレットに「9H高硬度保護フィルム 光沢タイプ」を勧める理由
さて、ズラッと多様な種類が並ぶPDA工房の保護フィルムですが、特にこだわりがないなら、つまり「裸の状態と変わらない使い心地」を求めるなら、初めに触れたように、今回、詳しく見た「9H高硬度保護フィルム 光沢タイプ」をお勧めしたいと思います。ちなみに、私個人が今まで使ってきた保護フィルムは、PDA工房製のだと「Perfect Shield アンチグレア(非光沢)タイプ」「ブルーライトカット保護フィルム 光沢タイプ」「ペーパーライク保護フィルム」そして「9H高硬度保護フィルム 光沢タイプ」、他社のだと「キズ自己修復」をうたう保護フィルム(すいません、メーカー名忘れました)、100円ショップの保護フィルム、があります。
スマホやタブレットには光沢タイプの相性がよい
これは使い方にもよるんですが、一般的にスマホやタブレットは、長時間ずーっと見続けるというより、短時間に集中的に美しい画像を見たい、というニーズが強いと思います。また、特にスマホの場合、どうしても細かい文字を見ることになるので、画面の「くっきり感」を損ないたくない、という事情もあるでしょう。だからこそ、サイズに対して高密度の画素数を持つディスプレイが発達してきました。この点、PDA工房を含む1,000円クラスの保護フィルムで、光沢タイプ(グレアタイプ)であれば、製品のディスプレイ品質を損なうことはまずないと考えていいと思います。
もちろん、その他の用途を考えるなら話は別です。例えば、我が愛しの特殊な筐体を持つWindowsタブレット(?)である「PIPO X10」は、タブレット的な使用もできますが、据え置きで長時間使用もするので、PDA工房の「Perfect Shield アンチグレア(非光沢)タイプ」を貼っています。余談ですが、PIPO X10を使い始めた頃は、まだウインタブとPDA工房の提携はなく、私も読者レビューという立場だったので、個人で例の保護フィルム未発売機種は無償で保護フィルムを作ってもらえるというキャンペーンに応募して、専用フィルムを作ってもらいました。アンチグレアタイプは、画像の鮮明さをやや欠くことにはなりますが、そのことで反射やギラギラ感はずいぶん落ち着きます。文書作成などの、じっくり取り組む作業もするなら、こういう「アンチグレアタイプ」もいいかと思います。もっとも、スマホくらい画面が小さいと、細部の鮮明さが損なわれることでかえって目が疲れる可能性もあります。「高精細」なディスプレイほど、アンチグレアタイプとの相性はよくない可能性があるというのは気に留めて置いてもいいかもしれません。
「ブルーライトカット」も気になる機能ですが、ちょっと注意が必要です。まず、最近のものはかなりの改善がなされているものの、当然ながらある程度色味は落ちる、というよりも変化してしまうということ。それから、PDA工房の場合、記事執筆現在、ブルーライトカットの保護フィルムは「光沢タイプ」しかバリエーションがありません。先日レビューした「YEPO 737A6」のように、元がTN液晶ではじめからギラつきが少ないならいいんですが、スマホやタブレットでTN液晶は、現在はまずあり得ないので、ブルーライトカット効果はあっても、映り込みやギラつきの軽減は期待できないということです。ブルーライトカットの医学的効果は色々いわれていますが、体感で「おお、違うぜ!」とすぐに分かるようなものではありません。一方、色味の違いは、どうしても出てしまうものです。このタイプのフィルムは、オフィスワーク向きで、一般的な使用では、スマホやタブレットとはあまり相性がよくないかと思います。
ガラスと同じ指滑り
「9H高硬度保護フィルム」の場合、何も付けないガラスの状態と、タッチ感は変わりません。「Teclast M20」のレビューにあたっては、「ギガントショック」という画面をスワイプしまくるゲームを継続してやってみたのですが、保護フィルムを貼る前と後で、私の触覚の限りでは、スワイプ感にまったく差はありませんでした。
保護強度を考えると、「キズ自己修復」タイプや「衝撃吸収」タイプも気になりますが、一般的に、これらのタイプは指滑りにゴムのような抵抗感が加わります。タッチはともかく、スワイプ操作には一定の抵抗が生じるでしょう。その点を気にしないのであればアリですが、裸状態と同じ使用感を求めるなら、「9H高硬度保護フィルム」の方をお勧めします。
なお、意図的に摩擦感を変えるフィルムもあるので、一応、言及しておきます。まず、先に触れた「指紋防止」をうたうもの。これは、今のところPDA工房にはラインナップがありません。このタイプは、サラサラした触感が持ち味で、また、要は磨り(すり)ガラスと同じなので、必然的にアンチグレアタイプになります。これは、完全にお好みで。品揃えのよい100円ショップなら、このタイプのフィルムを置いていることもありますので、見かけたら、どんなものか買って試してみるのもよいでしょう。
その磨りガラスを、あえて強烈にしたものが「ペーパーライク」タイプです。これはもちろん、極めて特殊です。「紙のような描き味」と引き替えに、ますますアンチグレアするので、「くっきり感」は大きく損なわれることになります。もちろん、指滑りは最悪です。というか、意図的に滑らないようにしているんですから。明確にお絵かき用途で、かつ摩擦の多さを求める場合のみ、選択する意味のあるフィルムです。スマホには絶対貼っちゃダメです(笑) 以前の「Cube Mix Plus」のレビュー記事もご参照ください。
5.まとめ
保護フィルムを貼る場合というのは、保護のみが目的の場合と、保護フィルムによって何らかの(アンチグレアとか紙のような書き味とか)アレンジを加えたい場合とがあると思います。後者の場合は、今回は置いておきます。正直、100円ショップの保護フィルムも、それなりの品質はあります。傷ついたりすれば、気軽に貼り替えられるのも魅力です。ただ、せっかくなら専用のフィルムにしたいという思いもありますよね。わずかに表面が波打っていたり、指滑りの感触が違ったり、傷が目立ったり、いずれもごくささいな点かもしれませんが、日常的に使うものなので、気になる人は気になるでしょう。それに、どうしても、100円ショップの保護フィルムを自分で切り抜いたものは、カメラ穴やノッチディスプレイの形状などに合わせるのは困難で、見た目も不格好になりがちですから。
というわけで、こだわりどころは人それぞれかと思いますが、せっかく保護フィルムにお金をかけるなら、PDA工房の「9H高硬度保護フィルム 光沢タイプ」をお勧めします。裸状態と変わらぬ使い心地と高い耐久性との両立を、高いレベルで実現してくれますよ。