音楽を聴くシチュエーションって、ドライブ中とか部屋でのPC作業中とかに、お気に入りのプレイリストをストリーミング配信サイトを使って聴いたりする事が多くなったなあというのが個人的な意見です。その時は、PCやスマホのスピーカーでは音が今一つなのでイヤフォンを使うのですが、誰かに話しかけられたり、不意の来客があっても気付かない事があったり、何時間もイヤフォンを付けているとさすがに耳が痛くなったりと、良い音で気持ちよく聴くための弊害がない訳ではありません。 そんなわけで、最近気になっていたのがBluetooth スピーカー。 余裕があるならSONYとかBOSEとか買いたい所ですが、そこまでお金を掛ける気にはなれなかったので、比較的安くて音も良いモノをAmazonで物色。よく売れているのはANKERですけど私の目に留まったのがMPOWのSOUNDHOT R6でした。たまたま週末に1,500円OFFクーポンで2,500円以下になっていて安かったのが一番の理由ですけどね。
1.スペック
連続再生時間24時間というのはこのクラスのBluetoothスピーカーではスタンダードなんですね…。ちょっと驚きました。防水規格がIPX7という事で、お風呂とかで万が一湯船に落としてしまっても大丈夫なレベルなので安心して使えるのはうれしいところ。対応コーディックはSBCのみで音の遅延は若干ありました。音ゲーなんかをするには厳しいかも。
スペック表にはありませんが、低音を補強するBASS+モードと標準のノーマルモードの2種類が選べます。音色の違いはのちほど。ここで気になるのがTWS機能に対応している所。TWS機能が何なのか、実のところ今まで知らなかったのですが、2台同時接続でLRに音を振り分けて再生出来るんですね。単品でも当然ステレオ再生できますが、これはぜひ試してみたい機能です。
2.筐体
付属品はUSB充電ケーブル、オーディオケーブル、ストラップ、説明書。本体は500mlのペットボトルほどのサイズ。
スイッチと裏の端子部分はしっかりしたゴムラバーになっていて防水仕様感があふれています(実際しっかりした防水仕様です)。
底部にはゴム足があり、低音の振動をしっかりと受け止めてくれます。技適の表示もありますね。
3.使用感
肝心の音はどうでしょう。Teclast M20とペアリングしてPrime Musicで曲を再生してみました。タブレットのボリュームとスピーカーのボリュームを合わせて調整する事で小さい音から大きい音まで細かくコントロールが可能でした。
ノーマルモードは中音域が強めですが、中高音域の音抜けが良くナチュラルな音と言うよりは少し中高音域を強調したメリハリのある音でした。女性ボーカルの歌声が心地よく聴こえて個人的にはとても好きな音色です。音量を上げていくと派手目な音色が耳についてきますが、野外でバーベキューなんてシチュエーションには逆に良いかもしれません。
BASS+モードにすると、低域が強調されパッシブラジエーターがユニットの振動を発生させます。中高域の派手な音色が抑えられてマイルドな味付けになります。長い時間聴いていると、派手な音色のノーマルモードよりこちらのBASS+モードの方が耳当たりが良くて、BGMで小さく音楽を流しておくならこっちの方が向いている気がします。
音量を上げていくとユニットの振動が増し、小さいユニットに似合わない低音がテンションを上げてくれます。 16Wの出力って結構大きな音になるんですね、正直驚きです。
約3,000円程度の安い値段と小さな筐体を考えると十分に良い音なのですが、小さいためにどうしても音の広がりを再現する事は難しいです。このサイズでよりベストな音の状態で聴くには正面10cmくらいの距離にスピーカーを置かないと音の広がりや臨場感が出ません。その距離で使用するにはリクライニングシートに身をゆだね、胸の上にスピーカーを置くスタイルで聴くとこのスピーカーのポテンシャルを存分に楽しめます(そんな使い方する人はいないでしょうけど)。そう考えると、音楽をスピーカーで一人楽しむならネックスピーカーがベストなのかもしれません。今回取り上げているBluetoothスピーカーの存在意義は二人以上で手軽に音楽を楽しむツールといったところでしょうか。
リスニングポイントの狭さは、この手のBluetoothスピーカーに共通する弱点だと思いますが、逆に指向性の狭さが良い事もあります。家族のいるリビングの一角で小音量で聴く場合、周りへの音漏れが最小限に抑えらる利点があります。 この辺りは、本格的なオーディオスピーカーにはないセールスポイントではないでしょうか。
4.TWSをどうしても試してみたくて
スピーカー単体でのポテンシャルは非常に満足のいくものでした。ただリスニングポイントの狭さから気持ちよく音楽を聴くには2台にしてLRの距離を広げてあげる必要があります。TWS機能は、Bluetoothで2台接続した場合に左右の音を2つのスピーカーに振り分ける事が出来るので,「このスピーカーを2台にして使ったらどの様に聞こえるのか。」という好奇心がムクムクと湧きあがり、後日2台目を注文していました。
はい、2台め到着です。 今回も週末の1,500円OFFクーポンで購入できたので、2台合わせても5,000円以内で納まりました(なんてお買い得なんでしょう、ありがとうAmazon)。ワクワクしながら本体の充電をしつつ、早速Bluetoothで2台接続をしてみます。
まず、2台のスピーカーの電源をON。その後、一方のBluetoothボタンをダブルクリック(2回押し)する事で2台のスピーカーがまず接続されます。その後、タブレット(スマホ)とBluetooth接続します。成功すると両方のスピーカーから「ピコ」っと音がして接続完了を知らせてくれます。 最初はなかなか上手くいかずに初期不良かと思って焦りましたが、2台のスピーカー間の接続が完了する時間が多少かかるのと、タブレットとのBluetooth接続が完了してから2台目のスピーカーの通信が安定するのにしばらくかかる事が原因のようでした。2回目からは、2台のスピーカーの電源をONにするだけでTWS接続されます。この時も1台目がまず接続されて、15秒位後から2台目が繋がる感じになりますので、すぐに音が出ないから故障だとは思わないでください。
そしてじっくり試聴。
「おおっ、いいじゃん!音が気持ちいい。」
2台になると途端に音の広がりが増して快適な音楽環境に激変しました。 まさに激変、こんなにも変わるのかってくらい凄く良いです。完全ワイヤレスなので部屋のどこに置いても配線の取り回しが必要ないので実用性も抜群です。これ、結構ハマりますよ。TWSで聴いてしまうと、もう1台では物足りなくなってしまいます。好奇心から同じものを勢いで2つ購入して「やらかしたかな。」とも思いましたが、結果大正解でした。 ちょっと興奮気味になってしまいました。
ちなみに、写真のスピーカーに三脚スタンドがついていますが、スピーカーに三脚固定ねじは付いていません。これは、ダイソーの100円三脚にアクリル板を貼り付けてスピーカーを乗せているだけです。机の上でPC作業のBGMに使うには、これ位の高さがあると丁度よかったので試しで作ってみました。
5.まとめ
Bluetoothスピーカーの中では安い部類に入るMPOW SOUNDHOT R6ですが、比較的音も良くコストパフォーマンスの高いモノでした。特にTWSでの2台接続でそのポテンシャルを120%発揮してくれます。TWS機能をサポートしたBluetoothスピーカーはたくさんありますが、その中ではこの製品が最安値だと思います。TWS再生を前提にスピーカーを選ぶのであればこのMPOW SOUNDHOT R6は最善の選択ではないでしょうか。