HPが開催中の「26周年大祭り」、現在は「第2弾 ノートパソコン&デスクトップ祭り」が開催されています。ウインタブでは少し前から「大祭り」の情報記事を掲載しているのですが、このセールは通常のセールよりも安くなっているセール品が目立ちますね。
1. 搭載CPUについて
この記事で紹介するセール品はCPUの種類が非常に多くて戸惑います。そのため、最初にセール品の搭載CPUの特徴を説明します。
この表はPassmarkが公表しているベンチマークスコアで、セール品の搭載CPUのうち「Core 5/Core Ultra 5」について比較してみたものです。
ここでの「シングルスレッド」 「マルチスレッド(CPU Mark)」のスコアは「狭義のCPU性能(OSやアプリの起動や各種計算など)」を指しており、型番ごとに結構なスコア差があるのがわかります。
一方、現代のCPUは「狭義のCPU性能」だけでなく、グラフィック性能(内蔵GPUの性能)、AI処理チップのNPU性能についても注意しておく必要があります。グラフィック性能とNPU性能については、この表にはほとんど反映されていません。
以下に、型番(コードネーム)ごとの特徴を説明します
Core 5 210H:Coreシリーズ2(コードネーム:Raptor Lake)。コードネームは第13世代と同じ(Raptor Lake Refreshとも言うが、Intel公式にはRaptor Lakeです)、つまり、型番としては新しいですが、構造的にはやや古いです。Passmarkスコアでは他の型番にあまり遅れを取っていないように見えますが、グラフィック性能は低めで、NPUも内蔵していません。ただし、ビジネス用途では十分な性能です。
Core Ultra 5 225U:Core Ultraシリーズ2(コードネーム:Arrow Lake)。AI処理チップのNPUも内蔵しますが性能は最大12TOPSと高くなく、Copilot+ PCの要件は満たしません。またグラフィック性能も後述するCore Ultra 5 225H, Core Ultra 5 226Vには及びません。
Core Ultra 5 225H:Core Ultraシリーズ2(コードネーム:Arrow Lake)。Core Ultra 5 225Uと同じコードネームですが、型番の末尾がH(Arrow Lake-Hとも呼ばれます)なのでコア数/スレッド数やPBPが異なるなど、仕様は大きく異なります。表にあるように狭義のCPU性能は最も高く、グラフィック性能もCore Ultra 5 225Uよりもずっと上です。総合的な性能は表中の型番では最も上ですが、NPUは内蔵しているものの、最大13TOPSと性能は高くなく、AI処理性能についてはCore Ultra 5 226Vよりも劣ります。
Core Ultra 5 226V:Core Ultraシリーズ2(コードネーム:Lunar Lake)。Lunar LakeはIntel CPUの中で最もNPU性能が高く(最大40TOPS)、唯一Copilot+ PCの要件を満たしています。ただし、省電力設計のためコア数/スレッド数は少なく、マルチスレッド性能はやや低く、Core Ultra 5 225Hに及びません。そのかわり、バッテリー持ちは「素晴らしい」です。ウインタブでは「モバイル利用ならLunar Lakeがベスト」だと思っています。
では、おすすめのセール品を紹介します。
2. OmniBook 7 14-fr/fs

OmniBook 7 14-fr
セール価格 (fs):94,800円(税込)
※HP希望販売価格より77,900円OFF
セール価格 (fr):99,800円(税込)~
※HP希望販売価格より77,700円~113,200円OFF
スペック例:fs・139,800円モデル
OS:Windows 11 Home / CPU:Core Ultra 7 255H
RAM:32GB / SSD:1TB
ディスプレイ:14インチIPS(2240 x 1400)
重量:1.41 kg
スペック例:fs・94,800円モデル
OS:Windows 11 Home / CPU:Core 5 210H
RAM:16GB / SSD:512GB
ディスプレイ:14インチIPS(1920×1200)
重量:1.41 kg
OmniBook 7 14には「fs」と「fr」があり、fsはRaptor Lake(Core 5 210H)、frはArrow Lake(Core Ultra 5 225UやCore Ultra 7 255H)を搭載しています。さらにfrのみ、2.2K(2,240×1,400)解像度のディスプレイを選べるようになっており、CPUとディスプレイの両面でfrが上位モデル、fsが下位モデルと言えます。
ウインタブが特におすすめなのがfrの最上位モデル(139,800円)ですね。このモデルのCPU性能とディスプレイ品質は一般的なモバイルノートやスタンダードノートの水準を越えており、コンテンツクリエーションやPCゲームもこなせます。そして、その割に「非常に安い」です。
なお、14インチサイズながら、筐体重量は約1.4 kgと少々重いです。そのため「据え置き、ときどきモバイル」的な使い方に向きます。
3. OmniBook X Flip 14-fm
セール価格:139,800円(税込)~
※HP希望販売価格より72,500円~92,920円OFF
スペック例:179,880円モデル
OS:Windows 11 Home / CPU:Core Ultra 7 258V
RAM:32GB / SSD:1TB
ディスプレイ:14インチOLED(2880 x 1800)
重量:1.39 kg
14インチの2-in-1 PCで、人気モデル「Envy x360 14」の後継機です。搭載CPUはLunar Lakeなので、「Copilot+ PC対応」です。また、ディスプレイは全モデル2.8K(2,880×1,800)解像度の有機ELで発色品質はDCI-P3 100%、リフレッシュレートも最大120Hzと素晴らしい品質です。
従来モデルのEnvy x360 14は「HPの上位モデルであるにも関わらず、非常にコスパが高くて購入しやすい価格」で人気となりましたが、このOmniBook X Flip 14-fmもその特徴をしっかり受け継いでおり、スペックからみた価格は非常にお買い得です。なお、セールページには「ペン付きモデル」もあり、こちらは「プラス5,000円で筆圧対応のペンがセットになる」ので、絵描きさんに歓迎されそうです。
4. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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