アイリスオーヤマが同社としては初となる「ノートパソコン」を発表しました。プレスリリースによれば「ニューノーマルな生活様式をサポート テレワークやオンライン授業に最適なノートパソコン」とのことです。その実態はエントリークラスのモバイルノートで、GIGAスクール構想を強く意識した製品特性および価格設定になっています。
1.スペック
LUCA Note PC | |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | Intel Celeron Nシリーズ(4コア) |
外部GPU | なし |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチ(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2 |
入出力 | USB3.2 Gen1 Type-C、USB3.2 Gen1 × 2、miniHDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(100万画素) |
バッテリー | 5,750 mAh(約9時間) |
サイズ | 323.15 × 219.4 × 19.3 mm |
重量 | 1.3 kg |
バリエーション
3月22日現在、単一バリエーションです。
コメント
OSはWindows 10 Proです。法人や教育現場(特に後者)での利用を想定したものと思われます。CPUの型番は明示されていませんでした。しかし「Gemini LakeのCeleron Nシリーズ、4コア」という記載がありましたので、ほぼ間違いなくCeleron N4100と思われます。N4100はノートPC用のCeleronとしては高性能な部類と言え、Wordでの文書作成やExcelの表作成(マクロや大量の関数が使われていないもの)くらいであれば特にストレスなく動作します。私も実際にCeleron N4100を搭載するPCを使っていますが「動画の編集」「オンラインゲーム」などシステム負荷の高い作業をしない前提であれば問題ないですね。
RAMは4GB、ストレージは64GB eMMCです。これも「使い方による」のですが、2021年に新しく購入するPCとしては少々不満な構成です。特にRAMに関しては小中学校の授業用であれば大丈夫(ここ、私もよくわかりませんが、小中学校の授業で大量のRAMが必要な場面ってどのくらいあるんでしょう?)かな、と思いますが、個人購入で、かつ「PCでいろんなことを試してみたい」という場合には厳しいだろうと思います。
ストレージもCPU性能から見てeMMCで不満を感じる場面は多くないと思いますが、64GBというのは昨今ではミニマムですね。ただし、この製品は2280もしくは2240サイズのM.2 SATA SSD(最大512GBまで)を増設可能であるとのことです。増設用スロットの位置やDIYによる増設が可能かどうかなど、詳しい説明はありませんでした。
ディスプレイは14インチのFHD解像度ですが、IPSなのかTNなのかの説明はありませんでした。アイリスオーヤマと初のノートパソコンとなりますので仕方のないところもあるんでしょうが、スペックに関して、もう少しわかりやすい説明だと良かったかな、と思います。
サイズは14インチのエントリーノートとしては悪くありません。モバイルノートとして十分に使えるくらいのサイズ感だと思います。
2.筐体
正面から見たところ。ベゼル幅が比較的細く、スタイリッシュに見えます。ただ、(中華PCを含め)最近のノートパソコンはみなナローベゼルでデザイン性が高くなっていますので、その意味では「割と普通」ですね。
天板です。ここもシンプルで、良くも悪くも個性は感じられません。筐体素材は開示されていませんでしたが、画像を見る限り金属製ではないか、と思います。
キーボードです。ご覧の通り日本語配列で「16.3 × 17.2mmのキートップ(サイズ)」という説明がありましたので、おそらくキーピッチは19 mm程度(つまり標準サイズ)が確保されていると思われます。
Enterキーがかなり大きいですよね。これはまあいいとして、右SHIFTキーがちょっと小さいかな…。
側面と入出力ポートの配置です。有線LANポートはありませんが、エントリークラスのモバイルノートとしては悪くないと思います。
3.GIGAスクール構想
この製品の仕様や価格設定についてはGIGAスクール構想の影響が大きい、言い換えるとGIGAスクール構想で謳われている仕様に則ったものと思われます。
GIGAスクール構想の実現について:文部科学省
(リーフレット:追補版)GIGAスクール構想の実現へ(令和2年度補正):文部科学省
GIGAスクール構想の実現パッケージ:文部科学省
誠に申し訳ないのですが、ウインタブではGIGAスクール構想について論評する立場ではなく、また、これまでGIGAスクール構想に関連する説明記事・紹介記事の執筆もしておりませんので、断片的なご案内となります。
上に3本のリンクを張りました。このうち、真ん中のリンクを見ていただくと「児童生徒の端末整備支援」として「補助金の上限が4.5万円」という記述が見えます。また、3つ目のリンクはPDF資料ですが、この資料の3ページめに「学習用端末の標準仕様」が記載されていて、LUCA Note PCが、この仕様に準拠していることがわかります。
GIGAスクールという構想は素晴らしいと思います。いま手を打たなければ、この先の日本は本当に大変なことになるとも思います。一方で私達の税金を原資とするGIGAスクールの予算規模や予算の内訳は妥当なのか、ということに関して、私達も「ガジェット好きとして」しっかりウォッチしていきたいですね。
4.価格など
LUCA Note PCは3月25日の発売予定で、参考価格は税別で49,800円(税込みで54,780円)と開示です。これはあくまで参考価格なので、実売価格がいくらになるのかは3月25日以降でないとわかりません。
メーカーの信頼性とか故障率などを無視して言わせていただくと、LUCA Note PCの参考価格は安いとは言えません。この製品はホームセンターなどでも販売されるそうなので、実売価格に期待しましょう。
5.関連リンク
LUCA Note PC:アイリスオーヤマ 製品紹介ページ
ニューノーマルな生活様式をサポート テレワークやオンライン授業に最適なノートパソコン「LUCA Note PC」を新発売:プレスリリース
コメント
スペックのわりに値段高い印象
いつの間にか株式会社天空さんが新しいノートPC発売してたけどそっちの方がマシかな
ネットのセレロン叩きが酷い。
セレロンなのはともかく(型番を書かないのはどうかと思うが)4GBのメモリと64GBのeMMCで5万円は流石に無いと思います。
GIGAスクール?とかの仕様が曖昧ですね。こんな曖昧な仕様だから、低スペックで高価格の製品が出るのでしょう。
例えばCINEBENCH R15でいくつ以上とか具体的に書けばよいのに、なぜかそれをしないのが無能な文科省