BTOパソコンメーカー「FRONTIER」が最新ゲーミングノート「NZシリーズ」に「CLIP STUDIO PAINT推奨モデル」を追加しました。数年前から、ゲーミングPCとは別に「クリエイター向けのPC」という製品ジャンルが確立され、ドスパラでは「raytrek」、マウスだと「DAIV」という製品ブランドを冠した高性能PCが次々に発売されています。
FRONTIER NZシリーズはこの6月にリニューアルされたばかりのゲーミングノートで、第8世代(Coffee Lake)のCore i7とGeForce GTX1050を搭載しています。
FRONTIER NZシリーズ(2018)- Coffee LakeとGTX1050を搭載する15.6インチゲーミングノート、お値段も手頃
この製品がベースとなり、絵描きさん(PCでイラストなど絵を描く趣味があったり、絵を描く仕事をしている人)から人気のソフトウェア「CLIP STUDIO PAINT(以下、クリスタ)」の動作確認を行った上で、FRONTIERの推奨するシステム構成にしたものが、今回紹介する製品です。
1.スペック
最初に身もふたもない話をしてしまいますと、NZシリーズというのはBTO製品なので、注文時に構成のカスタマイズは可能です。また、あえて「クリスタ推奨」と謳わなくとも、「どう考えてもクリスタは動く」スペックです。その意味ではこの製品は「NZシリーズに新規追加されたベースモデルのひとつ」ということができます。「CPU/GPU/RAM/ストレージ」の組み合わせをする上での「基礎部分」、という意味ですね。
OSはWindows 10 Homeで、カスタマイズによりPro版を選べます。CPUは第8世代、ここ最近発売されるゲーミングノートのほとんどに搭載されているCore i7-8750Hです。GPUはゲーミング用としてはエントリークラスのGeForce GTX1050となります。便宜的にGTX1050をエントリークラスと表現していますが、性能は非常に高く、これを搭載しているというだけで劇的にグラフィック性能は向上します。あくまで「ゲーミング用として」のエントリークラスとご理解ください。CPUとGPUはカスタマイズ項目ではなく、注文時に型番を変更することができません。
RAMは標準で16GB(2つのRAMスロットに8GBが2つ装着されています)、最大で32GBまで増設可能です。ストレージは250 GB SSDと500GB HDDの2基が搭載されていますが、カスタマイズにより1TB SSDとか2TB HDDなどに変更することもできます。
ディスプレイは15.6インチでFHD(1,920 × 1,080)と十分なものになっていますが、ここで注意したいのは、この製品は「タッチ対応ではない」ということです。つまり、Microsoft SurfaceシリーズやiPad Proなどのように、画面に直接ペン入力をすることはできません。絵を描く場合は別途ペンタブレット(板タブとか液タブと呼ばれる周辺機器です)が必要になります。購入時にワコムの「Intuos Pro Medium PTH-660/K0」もしくは「 Intuos Pro Large PTH-860/K0」をセットで注文できるようになっていますが、これらのペンタブレットはAmazonなどでも簡単に購入できますので、製品比較や価格比較をして好きなものを選べばいいでしょう。
入出力ポートは非常に充実しています。もともとゲーミングノートというのはUSBポートや映像用ポート(HDMIやD-sub、DisplayPortなど)が十分な数装備されていることが多いのですが、この製品も例外ではありません。この先この製品を使っていて、「ポートの数が足りない」という事態になる可能性は低いと思います。
なお、この製品は「クリスタ推奨」ではありますが、「クリスタ付属」ではありません。したがって、イラストなどに使用する場合、クリスタも含め、ソフトウェアを別途購入する必要があります。
2.筐体
この製品はNZシリーズの1バリエーションなので、筐体サイズも外観もNZシリーズと同様です。そのため、ここから先はNZシリーズの筐体説明と同じになります。
筐体の形状は一般的な15.6インチのスタンダードノートと比較するとやや角ばっていて、ゲーミングノートっぽさがあります。しかし、筐体色はブラウンがかったグレー(もしくはグレーがかったブラウン)なので、ゲーミングノートとしては少し落ち着いた配色になっており、非ゲーマーでも抵抗を感じにくいと思います。
また、筐体サイズも15.6インチとしては標準的で、特にコンパクトであるとか薄型であるとかはありません。
15.6インチとしては標準的といいますか、テンキー付きのものが装備されます。メーカー公称値ではキーピッチは約18 mm、キーストロークは約1.15±0.2 mmとなっているので、キーストロークはやや浅めながら、サイズ感は十分に余裕があると思います。また、バックライト(色はホワイト)も装備されます。
側面の画像です。左側面(画像上です)に映像系を含むほとんどのポートが装備されていますが、右側面にもUSBポートがありますので、周辺機器の接続はしやすいと思います。また、15.6インチサイズですが大きな通気口がありますので、光学ドライブは(カスタマイズによっても)装備できません。光学ドライブを接続する場合は外付けのものとなります。
3.価格など
FRONTIER NZシリーズ CLIP STUDIO PAINT推奨モデルはFRONTIERの公式サイトで販売中で、8月6日現在の価格は119,800円(税込み129,384円)です。なお、記事中に記載したとおり、この製品を使ってイラストなどを描く場合、別途ペンタブレットとソフトウェアが必要です。
この製品のシステム構成は「推奨モデル」でなくとも実現できます。つまり、任意のベースモデルを選び、この製品とまったく同じRAM、ストレージ構成にカスタマイズすることができます。しかし、私が試してみたところ、他のベースモデルをもとに、この製品と同一のシステム構成にカスタマイズした場合、この製品よりも価格が高くなります。イラスト用途だけでなく、ゲーム用あるいは一般的なビジネス利用の場合であっても、この製品のシステム構成は非常に魅力的と感じられますので、「安くて高性能なパソコンが買える」ということになります。
なので、クリエイター用というだけでなく、みんなにとってうれしいモデル追加、と言えそうです。
コメント
前回紹介してたiiyamaのクリスタモデルは、スペックがひどすぎた(セレロン・グラボ非搭載でクリスタ推奨モデル名乗っちゃうかあ)ので、このくらいは無いとね…っていうスペックですね。