Microsoftが2024年10月にWindows 11 バージョン24H2を一般ユーザー向けに配信開始しました。6月にはRTM版(製品開発の最終段階で、量産工程に入ったもの)が完成し、2024年6月に販売開始となったCopilot+ PC対応PCには先行でインストールされています。
Copilot+ PCでのみ利用できる生成AI関連以外にも既存ユーザーが恩恵を受けることが出来る便利な機能が利用可能になっていますし、かのあゆもWindows 11をインストールしているPCはすべて24H2に更新して運用していますが、安定した環境で利用したいのであればしばらく前バージョンの2023 Update(23H2)のまま更新せず、様子を見た方が良いかもしれません。
1.(現時点では)不具合が多すぎる・・・
前述の通り、半年前にCopilot+ PCには先行搭載されていたWindows 11 バージョン24H2ですが、現段階ではMicrosoftの公式サポートページでは公表されていないものも含め、不具合が多数発生しています。
現時点で修正されていないものだとチート防止機能「Easy Anti-Cheat」が組み込まれているゲームを起動した際にブルースクリーンが発生する、一部のASUS製PCでインプレース(上書き)アップグレードに失敗する、「ディスク クリーンアップ」で削除できる領域が誤った容量で表示されるといった事象が報告されています。
更新プログラムですでに修正されていますが、公式サポートページに掲載されていないものだと、「ALT + Tabキーでウィンドウを切り替えると画面が一瞬ブラックアウトする」「システムファイルチェッカー(SFC.EXE)で破損したシステムファイルを修復できない」といった不具合が報告されていました。
Windows 11、バージョン 24H2 の既知の問題と通知:Microsoft
2.上書きアップグレードに失敗する可能性も・・・
Windows 10 May 2020 Update(バージョン1903)以降、毎月配信されている更新プログラムに新機能を無効化した状態であらかじめ適用しておき、正式リリースされたタイミングでOSバージョンを切り替える小さなアップデートを適用することによって短時間かつ安全に更新が完了する「イネーブルメントパッケージ」で大型アップデートが提供されています。
ただし、Windows 11 バージョン24H2ではOSの基礎部分であるカーネルなども更新され、Windows 11 2022 Update(22H2)・2023 Update(23H2)からビルドナンバーが大きく変更されたため、イネーブルメントパッケージの適用でのバージョン切り替えではなく、Windows 10からWindows 11へのアップグレードと同じく「インプレース(上書き)アップグレード」での更新をおこなうことになります。
基本的にユーザーデータや既存のアプリ環境などはそのまま引き継がれますし、アップグレード完了後10日以内であればWindows 11 2023 Update以前のバージョンに戻すことも可能ですが、PCの環境によってはアップグレードに失敗することがあります。
前述の「一部のASUS製PCでアップグレードに失敗する」という事象がまさにその例となりますが、ASUS以外のPCでも環境によってはインストールに失敗する可能性はあります。
そのような環境ではそもそもWindows Update経由でのWindows 11 バージョン24H2の配信がブロックされているので、勝手に更新されてしまう心配は不要ですが、Microsoft公式サイトからダウンロードした更新アシスタントやメディアクリエイションツールで作成したインストールUSBを使用して今すぐアップグレードしたいと考えている方は念のため、重要なデータのバックアップを作成しておくことをお勧めします。
3.まとめ
近年更新プログラムの不具合やMicrosoftアカウント・OneDriveの押しつけなど、あまりユーザー目線ではない改悪が目立つようになってきたWindows 11ですが、正直バージョン24H2は6月に出荷段階に達したとは思えないほど不具合報告が多いので、どうしても最新バージョンでないと困るという方を除き、あと2〜3か月待って安定してきてから更新したほうが良さそうです。
Windows 11 2023 Updateは2025年10月1日まではサポートされるので、今すぐバージョン24H2に更新する必要はありません。
Windows 11そのものはリリースから3年目を迎えて使いやすくなっている部分も多く、個人的にも気に入っているのですが、今年になってからWindows Insider Programでのユーザーからのフィードバックがきちんと反映されていないような印象もあります。
生成AI関連の機能を推したり自社クラウドサービスとの連携を強制する前にまず「普通に使える」状態になってからリリースして欲しいところです・・・
4.関連リンク
まもなく一般ユーザーにもリリースされる予定のWindows 11 バージョン24H2の新機能をご紹介します
初めてしゃべった言葉が「ソニー・TDK」という筋金入りのガジェットマニア。中学生時代NEC PC-98シリーズに出会ったのをきっかけに本格的にPDAやスマートフォン、PCの世界にはまり込む。リュックには常にPC 2台 + タブレット 1台 + ゲーミングUMPC 1台 + スマホ4台を常備。
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