こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。2017年になったこともあり、モバイルノートの機種比較特集をしようと思い、先日こんな記事を書いています。
モバイルノートPC 機種比較 ー 「3万円以下」で買えるモバイルノートを探してみました(2017年新春版)
今回はその続編ということで「もう少し高価なもの」で記事を書こうと思いました。しかし、ノートPCの場合、CPUやRAM、ストレージ、ディスプレイ解像度などの構成が多岐にわたり、正直絞り込むのが非常に難しいです。なので、この記事では私が実機を試用し、「どっちも素晴らしい」と思った2機種の比較をしてみたいと思います。
なお、10万円以下で購入できる良質なモバイルノートは他にもたくさんあります。この2機種のみが素晴らしい、ということではありません。なので、私の主観にもとづくオピニオン記事であるとご理解ください。
1.Lenovo ThinkPad 13
OS: Windows 10 Home/Pro 64ビット / Windows 7 Pro 64ビット
CPU:Intel Celeron 3855U / Core i3-6100U / i5-6200U / i7-6500U
RAM: 4GB~16GB
ストレージ: 128GB~512GB SSD
ディスプレイ:13.3インチIPS(1,920 x 1,080)/ TN(1,366 × 768)
ネットワーク: 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1
入出力: USB 3.0 x 3、USB Type-C、HDMI、OneLink+、SDカードリーダー
バッテリー駆動時間: 最大約11時間
サイズ: 322.4 x 222.8 x 19.8 mm / 1.44 kg
ウインタブのほとんどの記事はこの製品で書かれています。私は昨年夏にこの製品をメインのノートPCとして購入しました。実機レビューについては下記をご覧ください。
Lenovo ThinkPad 13 - 我が選択に一片の悔いなし!13.3インチモバイルノートPC(実機レビュー)
私が購入したThinkPad 13は「Core i3、RAM4GB、ストレージ128GB SSD、FHDディスプレイ」という構成なのですが、これだと後述するAltair F-13よりも低価格、低スペックになってしまうので、「Core i5-6200U、RAM8GB、ストレージ256GB SSD、FHDディスプレイ」に仕様変更したモデル(週末クーポンで税込み99,360円)をイメージしながら比較していきたいと思います。
※ご存知の通り、Lenovoの直販サイトは週末ごとにクーポンセールを開催しており、ThinkPad 13は20%オフで購入できることがほとんどです。そのため、この記事ではThinkPad 13の価格を「20%オフのクーポン価格で購入する」前提で記載しています。
2.ドスパラ Altair F-13
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU:Intel Core i5-7200U
RAM: 8GB
ストレージ: 256GB SSD
ディスプレイ:13.3インチIPS(1,920 x 1,080)
ネットワーク: 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2
入出力: USB 3.1 x 2、USB Type-C、HDMI、SDカードリーダー
バッテリー駆動時間: 約7.7時間
サイズ: 327 x 220.6 x 19.6 mm / 1.35 kg
こちらは昨年の暮れに発売された、待望のドスパラ製13.3インチモバイルノートです。発売が新しいぶん、CPUは最新のKabylake世代になっており、RAM、ストレージ、ディスプレイの構成も上級モバイルノートにふさわしいものとなっています。ウインタブでも実機レビューをしており、その品質の良さには高い評価をしています。
ドスパラ Altair F-13 ー 13.3インチでKabylake、これがドスパラのモバイルノートの実力だ!(実機レビュー)
この製品はシステム構成のカスタマイズはできず、単一スペック、単一グレードで価格は91,584円(税込み)となっています。
3.スペック表から比較
10万円以下(というか10万円弱)くらいのモバイルノートを購入する、ということになると、できるだけ高スペックのものを選びたい、というのが人情だと思います。Core i7とかGPU搭載機とか、超軽量な製品だってほしいですが、そうすると予算オーバーになってしまうので、あくまで10万円でお釣りが来て、その範囲内でできるだけ高性能なものを、という目線で記事を書いています。
まずCPUです。ThinkPadは非常に広範囲に構成をカスタマイズして注文でき、下はCeleronから、上はCore i7-6500Uまで選べますが、10万円以下で選べる最上位のCPUはCore i5-6200Uです。一方AltairはCPUはCore i5-7200Uのみとなります。
同じCore i5ですが、ウインタブでベンチマークテストをした経験上だと、明らかにKabylake世代(型番が7,000番台)のほうが高性能でした。ただし、サンプル数が少なく、普遍的にKabylakeのほうが高性能であるか否か、ということのご判断は読者におまかせします。ここはウインタブなので、私の経験に基づいて書いています。
ThinkPadもこの夏までにはKabylakeに換装されると思いますが、現時点ではAltairのほうが処理性能は上、と理解しています。
また、RAM、ストレージ、ディスプレイ解像度に関してはThinkPadにカスタマイズの余地が存在し、Altairにはそれが存在しない、ということは注意しておくべきでしょう。ただし、ThinkPadは10万円ギリギリの水準までスペックを上げていってもAltairと同水準のRAM、ストレージ、ディスプレイ構成までにしかなりません。もちろん10万円以上でもよければRAMは16GBまで、ストレージは512GB SSDまで選択することが可能です。
ポート類に関してはThinkPadがフルサイズUSBとUSB Type-Cの合計で4つ、Altairが3つとなっていますが、AltairのほうがUSBの規格が新しくなっています。USBの規格については以前、読者の方のご投稿が物議を醸しましたw が、USB3.1のほうがデータ伝送がより高速だとか電源供給能力が高いとかのメリットがあります。お使いのPC周辺環境によりますが、個人的には規格が古かろうとポート数が多いほうが快適、と思っています。伝送速度が気になるような使い方はほとんどしないので…。
私のThinkPad 13はマウスの無線USB子機が常にUSBポートをひとつ塞ぎ、USBメモリースティックとデジカメを同時に接続することも多いので、「USB Type-Cではない」普通のUSBポートが3つある、ということに重宝しています。USB Type-C用のハブも持っていますが、逆にUSB Type-Cを備える周辺機器を持っていないため、USB Type-Cポートを使う際はハブが必須になってしまうんです。お手元にUSB Type-Cの周辺機器がある、という場合はこの限りではなく、快適に使えると思いますけどね。
最後にサイズ感です。2機種のサイズを再掲します。
ThinkPad 13: 322.4 x 222.8 x 19.8 mm / 1.44 kg
Altair F-13: 327 x 220.6 x 19.6 mm / 1.35 kg
タテ・ヨコ・厚さはいい勝負、というか、大きな差はないと思います。重量については100 g弱ThinkPadのほうが重いのですが、個人的にここは見逃せません。100 gという数字だけ切り出すと「たいしたことない」ですが、PCをバッグに入れて長時間移動する場合、時間の経過とともに100 gというのが無視できなくなっていくと思います。
当然Altairのほうがいい、というのは間違いありません。あとは、持ち主の体力によって、気にするかどうか違ってきますね。私は非力なので、この差は大きいです。
4.筺体
ディスプレイサイズも同じ、筺体サイズもほぼ同じ、ということなので、例えばベゼル幅などに顕著な差は見られません。DELL XPS 13のような挟ベゼルタイプでもないです。
天板素材はAltairが金属、ThinkPadはプラスティックです。ただし、ThinkPadのほうも質感が低い、ということはなく、安っぽさを感じることはないと思います。また、ThinkPadだけに筺体の堅牢性は疑いを持つ余地はありません。
このあたりは完全に好みの問題かと思います。個人的にはAltairの「無印良品」的な飾り気のなさに強く共感しました。一方で「ThinkPad推し」を公言していますので、ThinkPadのThinkPadらしい外観も大好きです。なので、個人的には引き分けっすねw
5.キーボード
同じ13.3インチサイズながら、キーボードには大きな違いがあります。(言わんでもわかると思いますが)上段がThinkPad 13、下段がAltairです。ご覧のようにキーのサイズはThinkPadのほうが大きく、キーの間隔はAltairのほうが大きくなっています。キーストロークも明らかにThinkPadのほうが深いです。Altairのほうは薄型モバイルノートの典型というか、キーストロークが非常に浅く、「パチパチ」という打鍵感になります。
また、キーレイアウトも全般的にThinkPadのほうが素直です。なお、FnキーとCtrlキーの配置についてはコメントしません。好みの問題ですし、この記事を読んだ方がお好みで判断すればいいだけのことですから。
AltairのほうはPageUP、PageDownなどのキーが右端に配置されており、一見使いにくそうに見えます。ただ、私が試用した限りにおいて、この一列は他の列から距離が取られており、そんなに悪いとは思いませんでした。ただし、「右側にCtrlキーがない」というのは人によっては困るかもしれません。
キーボードの使いやすさという点ではAltairも決して悪くないと思いますが、やはりThinkPadに一日の長があると思います。なにせThinkPadは長年に渡り、全製品このデザインで押し切っちゃってますから。それだけ完成されたレイアウトだ、と言えるでしょう。
6.まとめ
私はもともとThinkPad推しですし、ThinkPad 13は私の所有機でもあるので、ThinkPadの評価が甘くなってしまうのですが、その不公平な目線でもAltairは引けを取りませんね。10万円以下と言ってもAltairの価格は税込みで91,584円と、「9万円ちょっと」であるのに対し、ThinkPadをほぼ同一の構成にしたら99,360円と、「ほぼ10万円」になってしまいます。差額で外付けの周辺機器(DVDドライブとかマウスとか高機能のハブとか)が手に入りますね。
また、ウインタブ的にはAltairのCPUがKabylakeである、というのも大きいと思います。繰り返しになりますが、これまでの実機レビューの経験上、Kabylakeがかなり性能アップしていると理解していますので。また、筺体のデザインも個人的にかなり気に入っています。
一方のThinkPad 13ですが、ThinkPadシリーズ中だとコスパが最もよく、構成を細かくカスタマイズできるのが魅力です。私の場合、購入時に十分な予算がなかったこともあり、CPUをCore i3に、RAMは4GB、ディスプレイをFHDにランクアップ、というカスタマイズをして7万円台で購入できた、ということに満足しています。また、いかにもThinkPadというデザインも私のストライクゾーンなんです。
この記事の結論として「もし自分がPCを購入する際に、この2機種を選べたとしたらどっちがよかったのか」ということを書きたかったのですが、結局「わかりません」。中立的な目線で選ぶとしたらAltairだったと思うのですが、好きな製品ブランドの呪縛というのは非常に強く、Altairのほうがいいと思いつつThinkPadにしていた、という可能性もあるなあ、と思います。
また、記事の冒頭に書いたとおり、10万円以下で品質の良いモバイルノートPCは各社から出ていて、読者の人たちもこの2機種以外に意中の製品というのがあるんだろうと思います。10万円コースともなると、皆さん「譲れないこだわり」があると思いますし、無理やり優劣を書くのはやめたほうがいいですね!
コメント
確かにこの2機種だと、「優劣」よりも「好み」かなと感じます。
どちらも魅力的です。
もし自分が買うとしたら…
う~ん…
と、考えるのも楽しいです。
こんにちは、コメントありがとうございます。おっしゃる通りで「好み」だけっす。なので、どっちを買っても同じだけ満足すると思いますw
ThinkpadのFnとCtrlの切り替えは確かBIOSに入れば入れ替えがrできたような気がしますが・・・・。
ふんぼさん、こんにちは、先日は記事の投稿ありがとうございました。私、どうしてもこの件にコメントしにくいです。実害を感じないので…。