MSIが「CPUもGPUもAMD」のゲーミングノート「Delta 15, AMD Advantage Edition」を発表しました。MSIは以前からAMD製のGPUを搭載するゲーミングノートを手掛けている、国内では数少ないメーカーで、これまでに「Alphaシリーズ」「Bravoシリーズ」をリリースしています。「次は『C』でしょ?『C』はどこなの?」というのは冗談として、「C」を飛ばして「D(Delta)」がリリースされました。
1.Delta 15 スペック
スペック表
Delta 15, AMD Advantage Edition A5 | |
OS |
Windows 10 Home ※Windows 11アップグレード対応 |
CPU | AMD Ryzen 9 5900HX |
外部GPU | AMD Radeon RX 6700M(10GB) |
RAM | 16GB(最大64GB) |
ストレージ | 512GB M.2 NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ(1,920 x 1,080)240 Hz |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB 3.2 Gen2 Type-C(映像出力対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen2 × 2、HDMI、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 82Whr/5,280mAh、最大12時間 |
サイズ | 357 × 247 × 19 mm |
重量 | 1.9 kg |
バリエーションモデル
10月7日現在、スペック表を掲載した「Delta-15-A5EFK-030JP」の単一バリエーションです。
コメント
Delta 15は「AMD Advantage Edition」というのが製品名についているように「AMD Advantage」準拠の高性能マシンです。AMD AdvantageというのはMicrosoftの「モダンPC」とか、Intelの「Evo プラットフォーム」と同じ概念です。モダンPCはMicrosoftが特定のPCに、Evo プラットフォームはIntelが特定のPCに与える「お墨付き」のようなもので、それぞれが定めるシステム仕様を満たしていると「名乗る」ことができますが、AMD Advantageもそれと同じです。詳細な要件は私にもわかりませんが、国内販売されているノートPCでAMD Advantage準拠の製品はほかに「ASUS ROG Strix G15 Advantage Edition」があります。
出荷時のOSはWindows 10ですが、Windows 11への無償アップグレードにも対応しています。ただし、Windows 11で「Ryzen搭載のPCで性能低下の問題」が指摘されており、現在Microsoftが対応中とのことなので、あと1カ月くらいはWindows 10のまま使うほうがいいかと思われます。
「Windows 11」、AMD Ryzenで性能の問題あり Microsoftが対応準備中:IT Madia
CPUはノートPC用のRyzenとしてはハイエンドとなるRyzen 9 5900HXで、オーバークロックも可能な型番です。GPUのRadeon RX6700MはRadeon RXシリーズの中でも上位に位置する型番ですが、最上位ではなく、ひとつ上にRX6800Mというのがあります。具体的にどのくらいのパフォーマンスなのかは(試用したことがないので)何とも言えませんが、VRAMが10GBもあることから想像できるように、相当に高性能なGPUだと思います。
なお、Radeon RX6000Mシリーズについては、こちらの動画の説明が非常にわかりやすいです。
ゲーミングノートでもRadeon最強!RTX3080を超えるRX6800M登場!新しいノート用GPUであるRX6700M、RX6600Mも比較紹介!:YouTube
RAMは16GBで空きスロットはありませんが、換装で最大64GBまで搭載可能です。また、ストレージは512GBのM.2 NVMe SSDです(MSI製品はユーザーが内部を開口すると保証が切れてしまいますので、カスタマイズする際はMSI指定販売店にご相談ください)。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度、リフレッシュレートはさすがの240 Hzです。ちなみに240 HzというのはeSports大会で使用される機材のリフレッシュレートと同じ、とのことなので、大会出場レベルのゲーマーも納得の水準だと思います。
通信周りではWi-Fi6に対応し、入出力ポートではUSBポートが合計で4つ、すべてGen2(データ伝送速度10Gbps)と高規格です。ただし、CPUがRyzenということでThunderboltはありません。それと、SD(microSD)カードリーダーと有線LANポートもありません。
2.Delta 15 筐体
筐体は従来モデルのBravo 15とは異なります。というか、Delta 15はBravo 15の後継機という位置づけではなく、上位モデルであると理解するほうがいいですね。
正面から見ると、AMD搭載のハイエンド機としては割とシンプルな印象です。
天板もシンプルですね。ゲーミングノートっぽい装飾が全くなく、右上に「Thunderbird(サンダーバード)」のロゴがあるのみ。ちなみに、MSIといえばドラゴンロゴですが、AMD製のCPU/GPU搭載のモデルのみドラゴンではなくサンダーバードになります。
筐体はアルミ合金製で高級感のあるものに仕上がっているとのことです。また、ゲーミングノートでは非常に重要な「冷却システム」も「Cooler Boost 5」が搭載されていますので、発熱による性能低下の心配もいりません。
キーボードです。この画像では英語配列になっていますが、日本仕様は「マルチカラーバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード」となります。バックライトについては「シングルゾーン」という説明がありました(バックライト色の変更は可能だが、キーボード面全体が同じバックライト色になる、という意味です)。
また、キーボード面上部にスピーカーグリルのようなものが見えますが、この製品はステレオ2スピーカー搭載で、底面にスピーカーがありますので、キーボード面のグリルはスピーカーではありません。しかしこのグリル、結構派手ですよね。ここは好みがわかれそうに思います。
3.Delta 15 価格など
MSI Delta 15, AMD Advantage Editionは10月14日の発売予定で、10月7日現在、MSIストアとAmazonに製品ページがあります。価格はMSIストアで税込み217,800円(ただし、10月7日現在、予約販売はまだスタートしていませんでした)、Amazonでは税込み219,804円(2,198ポイントつきで、予約注文可能)です。
Radeon RX6700Mの性能についてウインタブ的にはまだ不透明なのですが、上にリンクした動画の解説をもとに無責任予想をすると「GeForce RTX3070 Laptopと互角か若干上くらい」なのではないか、と思っています(プレイするゲームタイトルにもよると思いますけどね)。それが正しいと仮定するとCPUのRyzen 9とあわせ、ゲーミングノートとしてはかなりの高性能マシンと言えますので、税込み21万円台というのはお買い得と言えるでしょう。MSI製なので冷却面の不安もありませんしね。
4.関連リンク
Delta 15, AMD Advantage Edition A5:MSI公式サイト 製品紹介
Delta-15-A5EFK-030JP:MSIストア
Delta-15-A5EFK-030JP:Amazon