こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。最近「ロマン」という言葉を多用してまして、「あまりにも革新的すぎて製品のよさがじゅうぶん理解できないし、価格も妥当なのかよくわからないけれど、ガジェット好きなら思わず買ってしまいそうな、理屈では説明できない衝動」くらいの意味で使っています。我ながらボキャブラリーが乏しいなあ、と思いつつ、また今回もすこしだけ「ロマン」が感じられる新製品を紹介することになります。
Lenovoはドイツ・ベルリンで開催される展示会「IFA 2016」にあわせ、4つの小型デバイスを発表しました。そのうちのひとつが「Yoga Book」です。そしておそらくこの製品が最も衝撃的な製品だと思います。トップ画像見ていただければわかりますよね?
1.スペック
OS: Windows 10 Home(Pro選択可)/ Android 6.0.1
CPU: Intel Atom x5-Z8550
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.1インチIPS(1,920 × 1,200)
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、3G、LTE
カメラ: イン2MP /アウト8MP
入出力: microSDのほか詳細不明
バッテリー: 8,500mAh(13時間/15時間)
サイズ: 256.6 x 170.8 x 9.6 mm / 690 g
トップ画像にある通り、この製品の最大の特徴は「物理キーボードの廃止」にありますが、それは置いてといて、まずスペックの確認をしてみます。OSはWindows 10とAndroid 6.0.1のいずれかを選ぶことができます。デュアルブート機ではないので念のため。CPUはCherryTrail世代のAtom中位モデルかつリファイン版のZ8550が搭載されています。RAMは4GB、ストレージ64GBと、低価格帯の10インチタブレットよりもワンランク上、かつ64ビットOSを使う上である程度は納得できる内容になっています。
ディスプレイは10.1インチですがFHD液晶(1,920 × 1,200)を搭載しており、10インチタブレットとしては普通ですが、ノートPCとの比較ではごく高精細です。また、この製品は少なくとも海外版ではSIMを搭載しており、LTEデータ通信が可能です。これはぜひ日本でも採用してもらいたいところ。
バッテリーについてはWindows版が13時間、Android版が15時間となっており、額面通りであれば相当な長寿命といえます。バッテリー容量も大きいのである程度信用できるかな…。
サイズ感ですが、Lenovoのリリースでは「the Yoga Book is 9.6mm closed」と書いてあって、閉じた状態で9.6 mmだということです。画像を見る限り、「いくらなんでも…」と思うんですけどね。深センメーカーじゃあるまいし、Lenovoがプレスリリースに適当なことは書くはずがないので、そういうことなんでしょう。また重量の690 gというのは物理キーボードを廃止した恩恵だと思うのですが、これは「驚異的」と言っていいと思います。
2.筐体
筐体で一番最初に説明すべきはキーボード面です。ご覧のように本来物理キーボードがあるべきところに「巨大なタッチパッド」というべき一枚板がついているのみです。この面は2,048段階の筆圧に対応したデジタイザーペンを使って手書き入力が可能になっています。なお、デジタイザーペンは電池式ではないということなので、本体側にデジタイザー機能が搭載されていると思われます。
このイメージ画像を見ていると、かなり使いやすそうですね。
キーボードはセンサータイプのものを表示させて使います。当然「キーストロークはゼロ」なので、一般的に物理キーボードよりもかなり使用感が落ちることになります。しかし、Lenovoによれば、バイブレーション機能を使って「可能な限り物理キーボードの感触に近づけた」ということで、かなりのこだわりを持って仕上げたようなんです。実際に使ってみないとなんともいえませんが、少なくとも従来からあった類似のセンサーキーボードよりは格段に使用感が上がっているものと思われます。
筐体色は3色あり、「カーボンブラック」「シャンパンゴールド」「ジェネラルグレー(画像はありません)」ですが、Windows版はカーボンブラックのみ、Android版はシャンパンゴールドとジェネラルグレーから選ぶことができます。
ヒンジはLenovoの他のYoga製品に使われている「ウォッチバンドヒンジ」です。
スペック表ではポート類について「不明」と書きましたが、この画像を見るとある程度は確保されているようです。でもこれ見ても「閉じた状態で厚さ9.6 mm」には見えないでしょ?
ただ、こうやってスタイラス(電池式じゃないので細いと思います)と並べてみると「そう言われれば…」くらいには思えますね。
3.価格と発売時期
Lenovo Yoga Bookは9月上旬から「グローバル」に販売が開始され、Windows版の価格は599ユーロ(約69,000円)から、Android版が499ユーロ(約58,000円)からとなっています。日本でも発売されると思いますが、キーボードの仕様と技適の件があるので、少し遅くなりそうな気がしますし、価格も若干上がると思います。
この製品も、特にキーボードの使い心地とかに絞ってケチをつけることは簡単なんだろうと思いますが、その革新性は高く評価したいと思います。特にイラストを描く人とか、手書き入力を重宝している人なんかにはすごく期待できる製品なんじゃないでしょうか?また、手書き入力なんかしないくせに、どうしても欲しいと思う人も、ウインタブ読者の中にはいそうな気がしますw
4.関連リンク
LENOVO REVEALS THE YOGA™ BOOK – THE 2-IN-1 TABLET FOR PRODUCTIVITY AND CREATIVITY:Lenovo公式サイト プレスリリース(英語)
コメント
これ凄いね。700g弱でキーボード付いてて折り畳んでもタブレットとして普通に使える。本当の意味で2in1と呼べる初めてのガジェットかも。
Surface以来の衝撃。今後他社も真似するだろうね。
キーボードをディスプレイにする事で薄く軽く出来るのが凄いメリット。後キーボードのUI替えられるから海外製でも日本語キーボード使えるだろうし自分の好きな配置にも出来る。
あとはキーボードの使いやすさだけかな?
こんにちは、コメントありがとうございます。一度キーボードでテキスト入力試したいなあと思ってます。もし下手に快適だったりしたらすごいことになるかもしれないなあ、と。
使い道全然わからないですけどとりあえず買いたくなっちゃいます。
絵を描く人にとっては画面と同サイズのペンタブレットは使いやすそうです。
薄いのは畳んだ時にぴったりくっつくからでしょうか。
擦り傷がつきそうですが、厚いフィルム貼ると問題が起きそうな気がします。
とりあえず触ってみたいです!
takeotaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。そんなあなたはウインタブ読者の鑑ですわw
タブレットではないのですが、2010年にTOSHIBAのLibretto W100というキーボードがディスプレイというギミックな機種が出ていたのを皆さん覚えてますか?バッテリー持ちがいまいちなのと、OSが7のみ対応なので、影が薄いですが、それのパクリとしか思えません。そういう意味で、最近、元気がないですが、TOSHIBAのアイデアはすごいと思います。
dada37さん、こんにちは、コメントありがとうございます。東芝は今でもDynapad N72とか、すごい製品を作ってますよね。今元気がないのだって別に技術者の人たちのせいじゃないし。東芝もパナもソニーもNECも富士通も、モノ作りは依然として一流だと思います。
リブレット持ってます。タッチパネルが未成熟で、CPUも稼働時間か性能をひどく我慢しなければならない時代だったので、人にお勧めできるものではなかったけど。
今なら満足できる代物が作れるので、作ってはくれないかと思っていたら、レノボですか。
ちなみに、8インチタブレットの専用カバーからキーボードはがして、板タブつけて使ってます。キーボード機能はもちろん無いけど。
板タブならペン先で画面が隠れることはないので。
アゲオさん、こんにちは、コメントありがとうございます。これってレノボの先をいってるじゃないですか!ある意味すごいと思いますw
8インチで400g台のこういうの欲しい。
キーボードとタッチパッドカンタンに切り替えられるようなの。
こんにちは、コメントありがとうございます。あれ、この記事ずいぶんコメント多いなあ。さすがウインタブ読者のみなさんだけのことはあります。きっとこれ買っちゃって、予想通りキーボードが使いにくくで文句言うんだけど、結局愛用しそうな人たちですねわかります。
Force touchのような機能が入力部全面に入っていると、物理キーボードやっぱりいらないじゃんとなるのでしょうか。
電磁誘導方式が良かったり、CoreMファンレスはほしかったりしますが、値段との兼ね合いですかね。ぜひ触ってみたいです。
こんにちは、コメントありがとうございます。ここにもまた人柱候補が一人…
会社のPCもこういうキーボードにしてほしい。
キーをバシバシ叩くオッサンがいるから。
うるさいんじゃ!
こんにちは、コメントありがとうございます。爆笑…。私の近所の図書館、自習室にPC持ち込みができるんですけど、Windows XPをいまだに使っていて、しかも強打する人がいるんで、お気持ちよくわかります。
この記事を最初に見た時には、てっきりフェイク記事かと思いました。
大和研究所が関わっているんですね。ひさしぶりに、かってのIBM時代の空気を感じる気がしました。
こんにちは、コメントありがとうございます。そうなんですか?よく見てなかったです。でも「IBMの大和研究所」となれば無条件に信用しちゃいますね、私も。
うーん見れば見るほどそそられますねえ
動画(https://www.youtube.com/watch?v=fgkszsGGbY4)もありましたが
とにかく一度早く触ってみたいです
個人的にはこのキーボードやタッチパッドになる部分がよくあるDualOSタブの
別売りの物理接続キーボードとして売られてくれないかなあなんて思っちゃいました
記事の商品コンセプトからは外れてしまいますけど‥‥
読者Nさん、こんにちは、コメントありがとうございます。しかし、この記事やたらとコメントつきますね。しかも、センサーキーボードがどんなに使いにくいものかよくわかっている人たちばかりです。なぜそんなに人柱になりたいのか…。私もなりたいんですけどねw
8インチwinタブとwanomのintuosを持ち歩いている自分としてはとっても魅力的
winタブと板タブが綺麗に収まるカバーケースがあればいいだけの話なんだけど
こんにちは、コメントありがとうございます。絵描きさんならこの製品向いてるかもしれませんね。
バイブレーションを使って物理キーの感覚に近づけるとか、なにそのVR
ううっ、理屈抜きでともかく触ってみたいですね!
natsukiさん、こんにちは、コメントありがとうございます。natsukiさんならこの製品の危うさをよく理解されているだろうに…。この記事にコメントしてる人全員に当てはまるんですけどね。
次に提出しようとしている記事のコンセプトがこれにかすってます(涙)。
レノボ許すまじ!
miyukiさん。ほー、面白いですね!楽しみにしてますよニヤリ
これ流行って普及してほしいなぁ
タイピング用に、ベロっと被せて使うキーボードシートみたいのが出れば若干ましになりそう
かぜさん、こんにちは、コメントありがとうございます。流行りそうですよね。でもなあ、地雷臭も拭えないんだよなあ。
お値段出ましたね
http://ascii.jp/elem/000/001/235/1235665/
このスペックでこの軽さ薄さ、かつメーカーの後ろ盾もついてるのにこのお値段!?
安っっす!!と思ったのは私だけでしょうか
ぜひ実機を店頭で触ってみたいですね
こんにちは、コメントありがとうございます。情報もありがとうございました。追加で記事を書きました!