LenovoがThinkPadブランドでもなく、idepadブランドでもなく「Lenovoブランド」で13.3インチのモバイルノートを発売しました。ちなみにLenovoブランドの位置づけは「ビジネスに最適なスタンダードノート」となっていて、よりパーソナルマシン的な性格を帯びているideapadブランドと比較すると少しビジネス寄りです。製品詳細を見ていくと、やはりビジネスユースを意識しているように思われます(ただし、法人専用という感じではありません)。
1.スペック
この製品はThinkPadシリーズとは異なり、注文時に構成のカスタマイズができないレディーメードのPCです。OSはHome版、Pro版が選べますが、カスタマイズで選択するのではなく、ベースモデルのOSを確認して選ぶ格好です。CPUはCore i3、i5、i7の3種類がありますが、すべて第7世代となります。このあたりは最新CPUを搭載していることの多いideapadシリーズ、ThinkPadシリーズとは違います。
RAMは8GBもしくは16GB、ストレージは最小で128GB、最大で512GBで、すべてSSDとなります。ディスプレイは13.3インチのIPS液晶でFHD解像度です。また、この製品にはTPM(Trusted Platform Module、セキュリティチップ)が搭載されていて、このあたりにビジネス用としての特徴があります。
この製品の先代となる「V720」はモバイルノートであるにもかかわらず「NVIDIA GeForce 940MX」が搭載されていて、それが強い個性と感じられていたのですが、残念ながらV730は外部GPUの設定はありません。
入出力ポートも薄型のモバイルノートとしては充実しているほうで、USB Type-Cポートも装備されますが、通常のフルサイズ(Type-A)のUSB 3.0ポートが2つ、HDMIそして有線LANポートと、レガシーな規格のものを多数備えていて、ビジネス利用には便利かと思います。この製品とよく似たサイズ感のideapad 720SがHDMIや有線LANを装備していないことと好対照ですね。
では、そのideapad 720S(13.3インチ)とサイズを比較してみましょう。
Lenovo V730: 305 x 218 x 15.9 mm / 1.2 kg
ideapad 720S(Intel): 305.9 x 213.82 x 13.6 mm / 1.14 kg
このように、かなり似通ったサイズ感ですが、V730のほうが厚みがあり、若干重くなっています。おそらく入出力ポートの関係が大きいと思われますが、これだけ僅かな差でも、なんとなく用途の違いが感じられなくもないです。
2.筐体
筐体の横幅305 mmというのは世界最小ではありませんが、最小クラスと言ってもいいくらいにコンパクトです。正面からの画像を見てもベゼル幅が非常に細くなっていて、デザインも美しいと感じられます。
筐体色は「シャークグレー(濃いグレー)」で、「プラチナ(薄いグレーあるいはシルバー)」のideapad 720Sとは異なる雰囲気です。V730のほうがよく言えば重厚、悪く言えば重苦しい色です。
天板です。筐体素材は不明ですが、ほぼ同クラスと言っていいideapad 720Sがアルミ製なので、この製品もアルミ製の可能性が高いと思います。
この画像だと英語配列になっていますが、キーボードは日本語配列となります。バックライトも装備され、キートップはideapadやThinkPadによく似た、下側が丸みを帯びたタイプになっています。
入出力ポートの配置です。先日Lenovoの「ideapad 520」の実機レビューをした際、入出力ポートが「徹底的に左側面」というのが読者に不評でしたが、この製品はそういうこともなく、割とバランスよく配置されていると思います。
3.価格など
Lenovo V720はLenovo直販サイトで販売中で、6月17日現在の価格は税込み87,480円から、となっています(クーポン割引後のものです)。同じメーカー製のライバルと言えるideapad 720Sとほぼ互角か、ほんの僅かに高いかな、という印象です。第8世代のCore iプロセッサーを搭載し、パーソナルユースに向くideapad 720Sに対し、CPUは第7世代にとどまるものの、TPMを搭載し、入出力ポートが充実したビジネスマシンと言えるV730。購入を検討されている人は大いに悩んでしまうことになりそうです。