こんにちは、オジルです。今回は昨年末に発売されたTeclast F6 Plusの実機レビューをお届けします。紹介記事もありますので併せてご確認ください。もはや中華〇〇というカテゴリで看過できないほどに昨今の中国製品は素晴らしいものが多く出てきましたよね。これまで馴染みが薄かったり、敬遠していた方でも一見の価値があるジャンルになってきました。
なお、本記事の執筆にあたり、Gearbestより実機をサンプル提供していただきました。この場をお借りしてGearBestにはお礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
まずは紹介記事のおさらいも兼ねて順番に見ていきます。
CPUはGemini Lake世代のCeleron N4100です。ウインタブでもこのCPUを搭載した製品をたびたび取り上げている、低価格帯の製品に多く搭載されている省電力CPUですね。一昔前は「遅い、使いものにならない」と言われたり「セロリン」と揶揄され評価が低かった時期もありましたが、今やCeleronも4コア(N4100の場合)時代、ここ最近はネガティブなイメージも払拭されつつあります。ヘビーな使い方には向かないものの、Webブラウジングや動画視聴、サラリーマン・学生が簡単な文書作成をする程度であればストレスを感じることはないでしょう。
RAMは8GB、底面部を開封して確認したわけではありませんがオンボードと思われます。またストレージは256GB SSDとなります。後述しますが「換装」可能です。
ディスプレイは13.3インチのIPS液晶、解像度はFHDです。本製品はディスプレイが360°回転するコンバーチブルタイプですのでタッチにも対応しています。また、別売りのスタイラスペンを使用して1,024段階の筆圧に対応したペン入力が可能になっています。今回はスタイラスペンは付属していませんでしたので詳細は割愛します。
入出力ポートはType-C含めUSB3.0が3つなど、個人的には充実しているかなと思います。
重量については、1.6kgという重さをどう捉えるかによるとは思うんですけど、私としては持った瞬間に「軽いな」と感じることはまずないです。ただ、ノートパソコン全般で考えた時に重量級の部類には入らないので、持ち運びは十分許容範囲です。私なら、機会があればいくらでも気軽に持ち出します。
初期状態はこのようになっていました。PCというユーザー名が作成されており、Chromeがプリインストールされていました。
2.筐体
同梱物です。シンプルに2つのみ、説明書などのペーパー類は見当たりません(後日、提供元より説明書は入れ忘れたとの連絡がありました。購入品には付属するはずです)。
まずACアダプターですが、専用のDC-IN端子に接続するCタイプのコンセントとなります。つまり、日本ではそのままの状態で使用することはできません。ただし、本製品はType-C端子からのUSB PD充電が可能ですので、既に対応した充電器をお持ちの方や購入する余裕がある(2~3000円程度で買えます)のであれば、そちらを使う方が便利かもしれませんね。私は恥ずかしながらどちらにも当てはまらず、変換プラグをすぐに購入しました。
そしてマウスです。これ、過去のTeclast製品には付属していなかったのでは?しかしメーカーロゴもなく「Intel」のプリントのみで、ペーパー類が入っていない=当然このマウスについても説明がなされていないという事実。察するに充電式のワイヤレスマウスということはなんとなく理解できますが詳細は不明です。Gearbest側でも付いてくる旨の説明はありませんので、ないものと考えておいた方が良さそうですね。今回のレビューでも特に触れません。
天板です。申し訳ありません、ロゴが逆になっています。ロゴ主張は控えめですね。でこぼこしているわけではないので、嫌だったらステッカーを貼るなどすれば済みます。欲を言えばTeclast F6 Proはロゴなしなんだからそのままで良かったのに…というのはありますけどね。
底面部です。右下にM.2スロットがあります。
開封してみると、2242サイズのSSDが装着されていました。2280サイズまで対応しているので、換装の際には選択の幅が広がりそうです。
ディスプレイ部分です。やはりというか、メーカー画像と比べると実物の方がベゼルは太いですね。とはいえ測ってみるとディスプレイ部で10mm、筐体部分も合わせると12mmでしたのでそれほど太いわけでもなく、さほど気になるようなレベルではありません。むしろ法人向けのビジネスノートなんかの方がよほど太いかな、というのが正直なところですし、実際に私が普段使用している会社のPCはベゼル幅2cm近くありますからね。また、プラスに捉えるのであれば、テントモードやタブレットモードで使う際には必然的にディスプレイ部分を持ってぐるっとヒンジを回すことになりますから、ベゼルが太い方が誤操作の発生は低減されそうです。
右側面です。左から、電源ボタン、microSDスロット、USB 3.0、オーディオジャック、電源端子です。たまに電源ボタンを誤って押してしまうということがありました。
左側面です。左から、Type-C、microHDMI、USB 3.0です。左右の振り分けは良いと思います。
厚さに関しては、想像していた通りメーカー画像とはちょっと違いました。ただですね、MacBook Airクローンタイプなので全体的に緩くラウンドしていて、手前にいくほど薄く(閉じた状態での最薄部は8mm)なっています。最厚部では確かに18mmと決して薄くはないものの、ひと目で厚いと感じることはないでしょう。余談ですが、メーカー画像で見るとフラットなのかと思ってしまいます…。あと、ポート配置の間隔が…。
色々書きましたけど、総括すると十分満足できる内容だと思います。それだけにメーカー画像を信じて購入した方は「結構違うじゃん…」とがっかりしてしまいそうなのが非常に残念。正面からぶつかっても品質の良さは過去のレビュー記事からはっきりと伺い知れますし、私も実際に触ってみて良い製品だと感じています。だからこそ、これは今後ぜひとも改善していただきたいです(ウインタブ注:全く同感です)。
テントモードです。
タブレットモードです。
今回もウインタブおなじみPDA工房さんより、専用の保護フィルムを作っていただきました。誠にありがとうございます。目が心配になってきた年頃、かつPCはノングレア派ということもありチョイスしたのは「ブルーライトカット【反射低減】」。サイズもピッタリ、そして映り込みがだいぶ減ったのでかなりイイ!です。もちろん、種類も豊富ですから幅広いユーザーに対応します。
3.使用感
スピーカー
このクラスの製品にスピーカーのクオリティを求めること自体がどうなのかという話が大前提としてあると思うんですけど、その認識通りといったところでしょうか。楽器などで高音域になると若干シャリシャリした感じになるくらいで、音割れしたりとか耳障りな状況になることは特にありませんでした。スピーカー自体が底面部に配置されているわけではないので音がこもるような感じもしません。一般的なエントリークラスのビジネスノートのスピーカー、といった印象で、作業中にBGMを流す程度の使い方であれば問題ないと思います。
ディスプレイ
視野角が広く、発色に関しても特に違和感を覚えるようなことはありません。もう少し明るくてもいいかなというのは少しありますけど、全体的に目立った欠点はないと思います。グレア(光沢)タイプなので、映り込みが気になる方は保護フィルムで対策すれば良いでしょう。
キーボード
キーピッチは手採寸で19mmでした。メーカー側では21mmとなってますが、おそらくそれは個別キーの対角線の長さだと思われます。それはさておき、US配列が苦手な私でもさほど違和感なく使用することができ、快適にタイピングできました。打鍵音については若干ぽそぽそした感じはあるものの、悪い評価を下すほどのものではありません。右側に1列、PgUpやPgDnなどのキーがある構成というのがちょっと他製品(他メーカー)と違う部分なんですけど、私は過去に同じようなキーボードを使ったことがありまして、これはこれで個人的に好きなんですよね。BackspaceやDeleteキーの上に電源ボタンが配置されていないのも好感が持てます。総じて、個人的にかなり満足度は高いです。
バッテリー
明るさ最大、音量20の状態で動画再生、後述するベンチマークテスト、この記事のテキスト入力を行っていたところ、約3時間で10%のバッテリー残量となりました。輝度を下げて軽い作業をする分には5時間くらいは稼働するかな、といった印象です。前述のようにType-CからのUSB PD充電ができますので、持ち運んで長時間使用する方は対応するモバイルバッテリーを相棒にするといいでしょうね。ただし、F6 PlusのACアダプターの出力は24Wなので、低容量のモバイルバッテリーだと使えないと思います。
筐体の強度
おそらく読者の方が中国製品を検討される際に一番気になるのは「どれくらいしっかりとした作りなのか?」ということだと思います。まず筐体の堅牢性についてはこれまでお伝えしてきた通り、想像以上に頑丈というイメージ。Teclast社の品質の高さがよく伝わりました。強いて挙げるとすれば、ヒンジの開閉時にギシギシすることくらいでしょうか。これは言い換えればヒンジが緩くないという証明でもあります。テントモード時にグラつくこともなく、硬いくらいがちょうどいいのではないか、と私は考えます。…とここまではファーストインプレッションで、使っているうちにこなれてきたのか、数日間で気にならない状態になりました。
4.性能テスト
参考:
One Netbook One Mix 1S(Celeron 3865Y): 3,929
Teclast X6 Pro(Core m3-7Y30): 3,572
PEPPER JOBS GLK-UC2X(Celeron N4100): 3,127
GPD WIN(Atom X7-Z8700): 2,829
ドスパラ Altair VH-AD3(Celeron N3450): 2,652
ドスパラ Diginnos DG-CANPC(Atom X7-Z8700): 2,618
Beelink BT7(Atom X7-Z8700): 2,488
GPD Pocket(Atom X7-Z8750): 2,436
ドスパラ raytrektab DG-D10IWP(Celeron N4100): 2,348
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK5S(Celeron N4000): 2,330
Chuwi Hi 13(Celeron N3450): 2,288
マウス m-Book C(Celeron N3450): 2,075
Jumper EZBook 3 Pro(Celeron N3450): 1,965
Jumper EZPad 6 Pro(Celeron N3450): 1,914
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom X5-Z8500): 1,871
VOYO VBook A1(Celeron N3450): 1,867
BMAX Y11(Celeron N4100):1,845
Chuwi LapBook 12.3(Celeron N3450): 1,845
Onda Xiaoma 41(Celeron N3450): 1,842
Chuwi LapBook 14.1(Celeron N3450): 1,835
Ockel Sirius A Pro(Atom X7-Z8750): 1,823
ドスパラ Altair VH-AD3S(Celeron N3350):1,816
T-bao Tbook 4(Celeron N3450): 1,794
Jumper EZBook 3L Pro(Celeron N3450): 1,774
ドスパラ raytrektab DG-D08IWP(Atom X5-Z8350): 1,747
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL(Atom X5-Z8350): 1,732
YEPO 737A6(Celeron N3450): 1,696
Jumper EZpad 6 Plus (Celeron N3450) : 1,677
Jumper EZBook X4(Celeron N4100): 1,582
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom X5-Z8300): 1,570
Jumper EZBook 3(Celeron N3350): 1,540
Teclast F7 Plus(Celeron N4100): 1,537
Jumper EZPad 6(Atom X5-Z8300): 1,536
BMAX X14(Celeron N4100): 1,522
PIPO X12(Atom x5-Z8350): 1,513
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2SL(Atom X5-Z8350): 1,509
GOLE 1 Plus(Atom Z8350): 1,492
One Netbook One Mix(Atom X5-Z8350): 1,359
Chuwi UBook Pro初期状態(Celeron N4100): 1,077
ドラクエベンチの結果ですが、ちょっと物足りないですよね…。私、詳しいことはよくわからないのですが、もしかしたら以前ひつじさんがレビュー時に触れていた制御の関係があるのかもしれません。
参考までに、他のテスト結果も数値のみ掲載します。
・3DMARK:TimeSpy 95、FireStrike 293、SkyDiver 982
・PASSMARK:1408
SSDの読み書きについてもCrystalDiskMarkの結果を参考までに掲載します。
発熱について
消費電力CPUであるCeleronを搭載しているだけあって、ファンレスながらも熱いと感じるほどまで高温となることはありません。ギリギリまで負荷をかけても底面部は「ぬるい」の域を超えることはなかった一方、左側のパームレスト部には体感で45℃程度とそれなりに熱を感じるような状況となりました。
4.まとめ
Teclast F6 Plusは中国の通販サイト「Geatbest」で販売中で、2月2日現在の価格は319.99ドル(35,519円)となっています(製品ページでは329.99ドルと表記されていますが、買い物かごのページで10ドル割り引かれます)。
Celeron搭載機ということでもちろんヘビーな作業は難しいんですけど、ライトに使う分には起動も早いし相当快適なんですよね。何よりこの価格、3万円台でこのスペックのパソコンが使えるというのが最高じゃないですか。私事で恐縮ですが、今年に入り実家を出て以来初めて自分の部屋というものを与えられまして(与えられたというのも変ですが)、自室用のサブPCとして長く活躍してくれると期待しています。個人的にはやはりJIS配列キーがいいので、ゆくゆくはテントモードでキーボードを接続して、デスクトップライクにカスタマイズしていけたらな…と夢が広がります。
5.関連リンク
Teclast F6 Plus:Gearbest
コメント
alliexpressでf6plus を購入後,WindowsUpdate中に,突然再起動し,OSの起動ができなくなってしまいました。セーフモードにも入れないため,困っています。
工場出荷時の状態に戻すには,どうしたらいいのでしょう?
BIOS画面から再インストールする方法はありますか?
クリーンインストールしようにも,ドライバー等が公開されていないため,いいお知恵はないでしょうか?
オキさん、こんにちは。
既に試されたかもしれませんが、Teclastの公式(https://teclast.com/en/firmware/)からファームウェアをDLできます。ただし私の手持ちのF6 Plusに記載されているIDを入力してみても対応したものは見当たりませんでした…。となると、アップされるのを待つか、AliまたはTeclastに問い合わせてみるのが一番かと思います。解決に直結する回答ができず申し訳ありません。
返信ありがとうございます。
私の所有するpcのIDはk3j6です。公開はされてませんでした。