中国のUMPCメーカー「ONE-NETBOOK」の日本正規代理店、テックワンが12月15日、都内で発表会を開催し、Tiger Lake搭載のゲーミングUMPC「OneGx1Pro」の販売開始をアナウンスしました。ウインタブも発表会に出席させていただきましたので、製品紹介を兼ねて簡単にレポートさせていただきます。
1.スペック
ONE-NETBOOK OneGx1Pro | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i7-1160G7 |
外部GPU | — |
RAM | 16GB(DDR4-4266, オンボード) |
ストレージ | 512GB/1TB PCIe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 7インチIPS(1,920 × 1,200)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0、(4G/5G) |
入出力 | USB 4.0 Type-C x 2、USB 3.0、micro HDMI、オーディオジャック、(SIMスロット) |
カメラ | — |
バッテリー | 12,000 mAh/3.7V |
サイズ | 173 x 136 x 21 mm |
重量 | 約623 g |
当初この製品にはmicroSDカードリーダーあり、と記載しましたが、テックワンより訂正があり、正しくは「カードリーダーなし」です。ご迷惑をおかけしました。
CPUは第11世代(Tiger Lake)のCore i7-1160G7です。「1160」というのは超省電力版で、かつてのCore mプロセッサーの流れを汲むものです。Tiger Lakeはメーカー側でTDP(熱設計電力)を設定できる(コンフィグラブルTDP)仕様ですが、ONE-NETBOOK社では1160G7のTDPを最大20Wに引き上げています(デフォルトだと7W~15W)。このため、パフォーマンスは想像以上に高いものとなります。
また、RAMはオンボードで16GB、DDR4-4266という高速な規格のものが採用され、ストレージは512GB/1TBという大容量です。
発表会の席上では「ストリートファイターV」「モンスターハンターワールド」「フォートナイト(録画)」のデモプレイがあり、いずれも滑らかに動作していて、フォートナイトでは概ね50~70fpsほどのフレームレートが出ていました(テックワン中林社長によれば最大で120fpsくらいは出るとのことでした)。
上のほうに「ストレージ1TBを選べる」と書きましたが、M.2 2242サイズの空きスロットが1つあり、標準の512GB SSDに加え「プラス512GBのSSD」「4G通信モジュール」「5G通信モジュール」のいずれかをセットできる、ということです。なので、「ストレージ1TB+4G(あるいは5G)対応」という選択肢はありません。
ディスプレイは7インチWUXGA(1,920 × 1,200)解像度のタッチ対応、IPS液晶と、従来モデルのOneGx1から変更がありません。また、通信まわりでもWi-Fi6対応、LTEモジュール搭載可、というところは変わりませんが、5Gモデルも選択可能です。ただし、OneGx1Proは1月31日発売予定ですが、5Gモデルのみ2月下旬の発売となります。
それと、USB Type-CがUSB 4.0(Thunderbolt 4と理解していただいて大丈夫です)になりました。
この結果、eGPU(いわゆるGPUボックス)の接続も可能となりました。「こんなことする人いるかなあ」と思ったのですが、考えてみればウインタブ読者には「やりかねない人」は余裕でいそうですね。
バッテリーの仕様や筐体サイズについてもOneGx1からほぼ変更ありません。「重量が2gだけ軽くなった」「コントローラー込みの重量が少し異なる」などの違いがあります。ONE-NETBOOK日本公式サイトの表記はこうなっています。
OneGx1Pro:623g(コントローラー込み723g)
OneGx1:625g(コントローラー120g、LTEは20g)
で、これはあくまでも個人的な推測なのですが、「OneGx1のサイズを参照すべき」かと思います。まあ、本体重量の「2グラム差」というのはほとんどの人にとってどうでもいい話ですが、コントローラーがPro版になって20グラムも軽くなった、というのは「ひょっとしたら違ってるかも」と思うので…。
2.筐体
基本的に「筐体色以外はOneGx1」と同じ、と考えていいでしょう。筐体色は「艶消しメタリックブラック」で、個人的にはOneGX1の薄いブルーよりもゲーミングPCらしく感じられ、好感が持てます。なお、筐体素材はCNC加工のアルミ合金です。
コントローラー(別売り)が着脱式、というのもOneGX1と同じです。コントローラーを外してしまえば、7インチのビジネスUMPCという雰囲気になります。
ただし、「薄型でスッキリしたデザイン」じゃありません。横から見ると結構な厚みがありますし、ヒンジ後方のオーバーハングもかなり目立ちます。ちなみにOneMix3シリーズの厚さは14.9 mm、OneGx1Proは21 mmなので、数値的にもかなり違っています。まあ「こっちのほうがカッコいい」とも言えますけどね。
ちなみに、右側面にはmicroHDMIポートが、左側面にはSIMスロットがあります。
特徴的な背面。LEDライトがあり、いやが上にも目立ってしまいます。主要なポートは背面に集中しています。
テックワン扱いのOneGx1Proのキーボードは「日本語配列RGB 4色バックライト」という仕様です。これ、展示機の画像なのですが、これだと英語配列ですよね。
公式サイトにあった画像です。こちらは日本語配列ですね。まあ、ちょっと厳しいですけど…。7インチUMPCなので、ここは仕方のないところでしょう。W,A,S,Dキーはしっかり押せるんじゃないでしょうか。
3.価格など
ONE-NETBOOK OneGx1Proは1月31日の発売予定ですが、テックワンが運営するONE-NETBOOK日本公式サイトでは12月15日から先行予約キャンペーン(1月11日まで)を開催中です。15%OFFで購入できるほか、ご覧のようにコントローラーとオリジナルキャリーケースがもらえます。特ににコントローラーは本来別売りで4,000円しますし、この製品を購入するなら絶対にセットしたい周辺機器なので、「実質4,000円OFFと同じ」意味合いになると思います。
こちらが価格表です。さすがにいいお値段ではありますが、先行予約キャンペーンによる割引とコントローラープレゼントの特典をうまく活かしたいところですね。
画像が見にくくて申し訳ありません。発表会のときに使われていたスライドです。中林社長がこんなことを言われていました。「最近、ONE-NETBOOKの品質がどんどん向上していると感じる。具体的にはサプライヤー(パーツメーカー)が一流どころに切り替わっている。また、自社開発の能力もめざましく向上していて、Intelとの協業も推進されている。」
ウインタブが初めてONE-NETBOOK社の製品の紹介記事を掲載した際、まだ日本に正規輸入されておらず、中国通販のgeekbuyingにあった製品ページを参照していました。こんな記事です。
One Netbook One Mix - なんと7インチのコンバーチブル2 in 1!しかも2,048段階の筆圧対応!本当に発売されるのか?
要は、その当時は全く信用していなかったんですよね。「怪しげな中華の新興メーカー」くらいに思っていました。それを踏まえると、中林社長のお話は感慨深かったですね。日本に正規代理店があり、品質もめざましく向上しているONE-NETBOOK。20万円級のゲーミングUMPCも安心して購入できそうです。
4.関連リンク
OneGx1 Pro:ONE-NETBOOK日本公式サイト
OneGx1 Pro:Amazon(ONE-NETBOOK公式ストア)
※Amazonには複数の出品者が存在しますが、上記以外は日本正規品ではありません。ご注意ください。