MinisforumがミニPCのニューモデル「UM590」を発売します。以前記事で紹介した「UM560/UM580」や「UM480」と同じく「Venus Series」に属する製品で、シリーズ中の最上位モデルとなります。
UM590とCPUの型番が異なる「UM690」が発表されました。UM690はCPUにRyzen 9 6900HXを搭載しています。両者の相違点についてご説明している記事を用意しましたので、こちらもあわせてご覧ください。
Minisforum UM690 - CPUにRyzen 9 6900HXを搭載する高性能なミニPC、UM590とどっちにするか悩みどころか?
1.Minisforum UM590 スペック
スペック表
Minisforum UM590 | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 9 5900HX |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB/64GB(DDR4/2スロット/最大64GB) |
ストレージ | 512GB PCIe SSD(M.2 2280) ※2.5インチSATA HDD空きスロットあり |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | WI-Fi、Bluetooth(仕様詳細不明) |
入出力 | USB3.2 Type-C(PD、映像出力対応)、USB3.2 Type-C(データのみ)、USB3.2 Gen2 × 2、USB2.0 × 2、HDMI × 2、オーディオジャック、LAN(RJ45) |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 127 × 128 × 47mm |
重量 | 約600 g |
※このスペック表はベアボーンモデルを含んでいません
バリエーションモデル
・ベアボーン(OS、RAM、SSD非搭載)
・16GB/512GB
・32GB/512GB
・64GB/512GB
※左からRAM/SSD
コメント
UM590にはベアボーンモデルも設定されていますが、OSのライセンス(パッケージ版もしくはDSP版)をお持ちでない場合は明らかに割高になってしまいますので、ここでは取り上げません。
搭載OSはWindows 11 ProでHome版はありません。CPUはZen3アーキテクチャのRyzen 9 5900HXで、ノートPC用Ryzen 5000番台としては最上位クラスの型番です。オーバークロックにも対応するCPUですが、ウインタブの経験上、Minisforumは独自の設定アプリを搭載しておらず、BIOS(UEFI)でのオーバークロックが可能かどうかも不明です。オーバークロックを無視してもノートPC用CPUとしては非常に高性能であることは間違いありません。
RAMは16GBから64GBまで容量を選べ、DIYによる増設・換装も可能です。ただし、16GBモデルでも8GB×2という構成なので空きスロットはなく、初期搭載のRAMを取り外しての増設(要するに換装)となります。SSDは512GBのみで、こちらも換装は可能、2.5インチSATAの空きスロットもありますので、増設も容易です。
通信まわりではWi-FiとBluetoothに対応しますが、詳細は不明です。リンクス扱い分の下位モデル、UM480では「Wi-Fi5(ac)規格対応」となっていましたので、UM590でも同様の仕様になっている可能性があります。
筐体サイズは他のVenus Seriesと同じです。また、重量は「600 gくらい(製品ページの表記のまま)」としか開示されていませんでしたが、UM480が586 gなので、それと大差ないものになっていると思います。ミニPCとしては標準的くらいのサイズと言ってよく、また製品特性から見て数ミリ程度大きいとか小さいというのは使用感にほとんど影響を及ぼさないでしょう。
2.Minisforum UM590 筐体
外観は他のVinus Seriesと同じですね。この筐体は縦置き、横置きでも使えますし、VESA規格準拠のモニターであれば背面にネジ止めして取り付けることも可能ですが、ご覧のように縦置き用のスタンドが付属しますので、「見栄え」という点ではスタンドを使っての縦置きが良さそうです。
筐体素材はアルミで、前面と背面にポートが配置されています。また、左右側面には通気口が、底面にはモニター取り付け用のネジ穴があります。
Minisforumはドライバー(精密ドライバーが望ましいです)1本で筐体を開口でき、RAMとSSD、そして増設用の2.5インチベイへのアクセスが容易です。
入出力ポートの構成です。USB Type-Cポートが2つあり、1つはUSB PDと映像出力に対応、もう1つはデータ伝送のみに対応、という説明ですが、データ伝送のみのType-Cポートには10Gbpsを示すアイコンがついていますので、おそらくGen2規格と思われます。
USBポートは合計で6つ、映像出力は2つのHDMIポートとUSB Type-Cポートのうちの1つから可能で最大3画面、ということになります。このポート構成はUM480と同じでUM560/UM580とは若干異なります。UM560/UM580はDC-INジャックがなく、かわりに「電源用と映像出力に対応するUSB Type-Cポート」がありますので、利便性という点ではUM560/UM580に一歩譲ります。
3.Minisforum UM590 価格など
Minisforum UM590は12月中旬の出荷予定で、すでに公式ストアで予約販売がスタートしています。10月23日現在の価格は下記のとおりです。
・ベアボーン:61,980円
・16GB/512GB:76,980円
・32GB/512GB:85,980円
・64GB/512GB:99,980円
なお、Minisforum公式ストアは日本語で買い物ができ、日本語のサポートも受けられますが、海外配送となりますので、購入品を受け取る際に輸入消費税及び配送会社の手数料が発生します。支払いの目安は「製品価格の6%プラス1,000円程度」です。
外部GPUの搭載こそありませんが、パフォーマンスが高く、メンテナンス性も良好なミニPCです。私もここ2年ほどMinisforumのミニPCを仕事用のメインPCとして愛用していますが、ほぼノントラブルで安定稼働しています。
4.関連リンク
Minisforum UM590:Minisforum公式ストア