中国のミニPCメーカー、MinisforumがCPUに旧世代のRyzen 5を搭載するミニPC「UM350」を発売します。Miniforumらしいメンテナンス性の高さはそのままに、「あれ?Minisforumにしてはずいぶん安いぞ、これ」と感じられる価格設定になっています。
1.Minisforum UM350 スペック
スペック表
MINISFORUM UM350 | |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 3550H |
GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB(最大16GB) |
ストレージ | 256GB/512GB SSD (2.5インチSATAスロット空き) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2 |
入出力 | USB 3.0 Type-C、USB 3.1 Gen2 × 3、USB 3.0、HDMI、Display Port、LAN(RJ45)、オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 127×127.5×51.3mm |
重量 | 0.5 kg |
コメント
UM350は2021年に発売された「UM340」の後継機種(改善版)という位置づけです。OSはWindows 10 Proで、Windows 11アップグレードについての説明はありませんでした。「さすがにこの時期のニューモデルだから大丈夫だろう」というのと、従来モデルであるUM340のメーカー販売ページのコメント欄に、Microsoftの正常性チェックツールで「Windows 11の要件を満たしている」と表示された、というものがありましたので、おそらくアップグレードできるものと思われます。
CPUはAMD Ryzen 5 3550Hです。Passmarkが公表しているベンチマークスコアを確認してみました。
「あくまでPassmarkという単一のベンチマークスコアに過ぎない」のですが、これを見ると第11世代(Tiger Lake)のノートPC用CPU、Core i3とCore i5の中間くらいの性能になっています。個人的には「特殊な業務ソフトを使わないのであれば、ビジネス用のメインPCとして十分」だと思います。
UM350にはベアボーン(OSやRAM、ストレージが搭載されていないもの)もありますが、ここでは取り上げません。RAMとストレージの組み合わせは「8GB/256GB」「16GB/256GB」「16GB/512GB」の3種類。RAMは2スロットでメーカーのスペック表では「最大16GBまで」という記載がありました(正直これって記載ミスのような気もします。32GBはいけそうですよね)。
また、ストレージはM.2 2280 PCIe SSDなので、交換は可能ですし、2.5インチのHDDスロットもありますので、必要に応じてDIYで増設ができます。
「通信まわり」および「USB Type-Cポートの規格」について、不明点があります。メーカーから送られてきた資料には「Wi-Fi6とBluetooth 5.1に対応」および「USB Type-CはGen2規格」という記載がありましたが、製品ページではそれが確認できませんでした。また、従来モデルUM340のメーカー製品ページのコメント欄に「実際はWi-Fi6には対応していなかった」という書き込みもありました。
そのため、上記スペック表では「Wi-Fi6対応」「USB Type-CはGen2」という記載をしておりません。購入される場合は「Wi-Fi6対応ならラッキー、Gen2ならラッキー」と考えていただくほうが安全だと考えます。
ポートの数は「余裕がある」とまでは言えませんが、USBポートが合計で5つあり、Type-Cポートもありますので、当座は困らないだろうと思います。
2.Minisforum UM350 筐体
筐体はUM340とほぼ同じですね(ただし、サイズは若干異なります)。よくある「Minisforumの筐体」で、特に目新しさは感じません。まあ、ミニPCなんで奇抜である必要もないでしょうけど。
入出力ポートの配置です。画像上が背面、下が前面ですが、前面にUSBポートが3つあります。おそらく背面のUSBポート2つは「マウスとキーボード用」になると思うので、Webカメラとかスピーカーの接続まで考えると、前面にもそれなりに配線することになりそうです。ハブが1つあれば格段にスッキリしそうですね。
なお、この製品のUSB Type-Cポートは映像出力に対応するので、HDMI、DPとあわせ、最大で3画面の出力ができます。
この筐体は上部(天板)の着脱が容易で、ここを外すだけでRAMやSSDにアクセスできますし、2.5インチHDDスロットも使えます。特に高いPC知識がなくともDIYでの増設・換装は簡単にできると思います(ただし、対応するRAMやSSDの仕様はパーツ購入前にしっかり確認しておく必要があります)。
3.Minisforum UM350 価格など
Minisforum UM350はMinisforum公式サイトで予約販売中(出荷は2月下旬の予定)で、1月18日現在「予約限定 11000円OFF!!」というのをやっていまして、割引後の価格は下記のとおりです。
ベアボーン:31,590円
8GB/256GB:42,990円
16GB/256GB:45,990円
16GB/512GB:49,590円
なお、Minisforum公式サイトは「海外配送」となりますので、輸入消費税がかかる場合があります(原則かかりますが、詳細なコメントは控えます)。Minisforum公式サイトでは「免税配送(2000円)」というオプションがあり、注文時にこれを選択すると輸入にかかる税・手数料(配送会社に支払うもの)はMinisforumが負担してくれますので安心です。
UM350の製品価格はMinisforumとしては非常に割安と感じられます。ウインタブの経験上、MinisforumのミニPCは品質がよく、またメンテナンス性も高いことから、他の中華メーカーのミニPCよりも価格が高めになっていることが多いんですよね。しかし、この価格なら他の中華ミニPCに負けないくらいに安いと思います。
4.関連リンク
Minisforum UM350 ミニPC:Minisforum