MinisforumがミニPC「NPB7」を発売しました。CPUに第13世代(Raptor Lake)のCore i7-13700Hを搭載しており、非常に高いパフォーマンスが期待できます。また、この製品は先行して発売されている「NAB6(Core i7-12650H搭載)」と同じ筐体が使われていると思われ、外観はほぼ同じです。
NAB6についてはこちらの記事をご参照ください。
Minisforum NAB6 - Core i7-12650H搭載のミニPC。筐体内部へのアクセスも非常に簡単です
1.Minisforum NPB7 スペック
スペック表
Minisforum NPB7 | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel Core i7-13700H |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB/64GB(DDR5/2スロット/最大64GB) |
ストレージ | 512GB/1TB PCIe4.0 SSD(M.2 2280) ※2.5インチSATA HDD空きスロットあり |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | WI-Fi、Bluetooth(仕様詳細不明) |
入出力 | USB4 Type-C × 2、USB3.2 Gen2 Type-C(データのみ)、USB3.2 Gen2 Type-A × 2、USB3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI × 2、オーディオジャック、LAN(RJ45)× 2 |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 127 × 127.5 × 54.7 mm |
重量 | 不明 |
※このスペック表はベアボーンモデルを含んでいません
バリエーションモデル
・ベアボーン(OS/RAM/SSDなし)
・RAM16GB/512GB SSD
・RAM32GB/512GB SSD
・RAM32GB/1TB SSD
・RAM64GB/1TB SSD
コメント
OSはWindows 11 Pro、CPUはCore i7-13700Hです。最新世代の型番でゲーミングノートにもよく使われる、非常に高性能なものです。
Passmarkが公表しているベンチマークスコアです。先行して発売されているNAB6が搭載しているCore i7-12650Hと比較してみました。13700Hと12650Hは世代が異なる(13700Hは第13世代、12650Hは第12世代)だけでなく、コア数/スレッド数や内蔵GPUも異なります。スコアの方も13700Hのほうが20%ほど高くなっていますね。
NPB7は外部GPUを搭載していませんので、内蔵GPUがIris Xeである、という点は大きいと思います。このCPU(と内蔵GPU)であればゲームなどグラフィック性能が重視される用途でもそこそこ快適に使えると思います(ただし、オンラインゲームなど高度なグラフィック性能が要求される用途が主目的の場合は素直にGeForceなど外部GPU搭載の製品を選ぶべきです)。
RAMは16GBから最大64GBまでを選べ、すべてデュアルチャネル、DIYで増設(換装)が可能です。また、RAMの規格はDDR5で、DDR4のNAB6よりも高規格になっています。ちなみにDDR4とDDR5はハードウェア的な互換性がないのでご注意ください。
SSDは512GBと1TBを選べます。SSDもM.2 2280 PCIe4.0規格なので高速です。また、2.5インチSATAの空きスロットもありますので、SATA規格のHDDもしくはSSDの増設が可能です。
2.Minisforum NPB7 筐体
NPB7もNAB6も、非常にメンテナンス性の高い筐体になっています。この画像にあるように上部(天板)をワンプッシュで開口できます。この構造はPC初心者か上級者かにかかわらず、とても便利だと思います。
この画像を見る限り、上部を開口すればRAMとSSD、2.5インチスロットに容易にアクセスできますね。
前面、背面とポート構成です。見た目はNAB6と同じですが、USBポートの規格が大きく異なります。このNPB7ではUSB Type-Cポート3つのうち2つがUSB4規格となり、他の1つもGen2規格です。なお、USB4とThundebolt 4は他の製品のスペック表でしばしば「USB 4(Thunderbolt 4)」などと表記されますが、別規格です。どちらも端子形状がUSB Type-Cで最大の伝送速度が40Gbps(USB4は20Gbpsのものもあります)なのですが、映像出力系の性能が異なり、またPCIe接続の対応有無(Thunderbolt 4のみ規格上対応が必須)も異なります。例えばThunderbolt 4と明記されていれば外付けGPU(eGPU)の接続が可能ですが、USB4の場合はPCIe接続はオプション扱いとなるので外付けGPUが接続できるとは限りません。
なお、USB4とThunderbolt 4の違いについては、こちらのサイトの説明がわかりやすいです。
最新規格「Thunderbolt 4」 USB4との違いはどこ?:MONO TRENDY
NPB7のUSB4ポートについては製品ページの説明から「最大伝送速度40Gbps、映像出力可(4K@60Hz)」とのことですが、PCIe接続については説明がありませんでした(※4月16日追記:読者の方から情報をいただき、この製品はeGPUには対応しないとのことです)。
NPB7はHDMIポートも2つ装備していますので、USB4ポート2つとあわせ、最大で4画面の映像出力が可能です。また、(どのくらいニーズがあるかはわかりませんが)有線LANポートも2つあります。
筐体の各側面の画像もありましたので、参考までに掲載します。
NPB7の筐体はミニPCとしては普通くらいです(ちょっと厚みが大きいかな、という感じではあります)。VESAブラケットも同梱されますので、モニターの背面に設置することもできます(モニターがVESA規格対応の場合)。…どうでもいいんですけど、この画像のモニター、ちょっと面白い形ですよね…。
3.Minisforum NPB7 価格など
Minisforum NPB7はMinisforum公式サイトで予約販売中(出荷は5月上旬の予定)で、4月13日現在の価格は下記のとおりです。
・ベアボーン(OS/RAM/SSDなし):74,320円
・RAM16GB/512GB SSD:93,520円
・RAM32GB/512GB SSD:101,520円
・RAM32GB/1TB SSD:107,920円
・RAM64GB/1TB SSD:122,320円
なお、Minisforum公式サイトは日本語で買い物ができ、日本語のサポートも受けられますが、「海外配送」となりますので、上記価格に加え輸入消費税がかかります(一般に製品を受け取る際に配送会社の人に支払います。税額の目安は製品代金の6%プラス配送会社の手数料約1,000円程度です)。
NAB6(Core i7-12650H搭載)との比較ではベアボーンモデルで19,000円弱、16GB/512GBモデルで25,000円程度高くなっています。
この製品の購入を検討される人は、高いシステムスペックを望んでいるはずですが、個人的にはスペックから見た価格は悪くないと思います。あと、内蔵GPUがNAB6とは異なりIris Xeであるという点も魅力ですね。
4.関連リンク
Minisforum NPB7:Minisforum
Minisforum NAB6:Minisforum
コメント
>USB4の場合はPCIe接続はオプション扱いとなるので外付けGPUが接続できるとは限りません。
US/UKのみFAQに記載がありました。(JP/EU/HKのFAQには書かれてなかった)
・The NAB6/NPB7 does not support eGPU.
情報ありがとうございます。記事に追記しておきました。
実際に購入して使ってますが、普通にeGPU使えてますよ??