天空がポータブルゲーミングPC「GPD WIN 5」の国内正規販売を開始します (天空はGPD社の正規代理店です)。CPUにRyzen AI Maxシリーズ (Strix Halo)を搭載する非常に高性能かつ「バッテリーが外付け」という、ちょっと特殊な構造の製品です。
1. スペック
スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen AI Max 385/Ryzen AI Max+ 395 |
RAM | 32GB/64GB ※LPDDR5X 8000 MT/s |
ストレージ | 1TB/2TB/4TB SSD ※M.2 2280 PCIe Gen4 ×4接続 |
ディスプレイ | 7インチLTPS (1,920 x 1,080) タッチ、120Hz ※100%sRGB |
無線通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
ポート類 | USB4 Type-C USB 3.2 Gen2 Type-C (映像出力対応) USB 3.2 Gen2 Type-A オーディオジャック microSDカードリーダー |
カメラ | なし |
バッテリー | 80 Wh (外付け) |
サイズ | 267 × 111.6 × 24.21mm |
重量 | 565 g |
外付けバッテリー
容量 | 80 Wh |
駆動時間 | 連続高負荷動作:約2時間 通常使用:約3~4時間 軽作業:約6時間 ※使用状況や環境条件に大きく依存 |
サイズ | 110.76×110.3×18.1 mm |
重量 | 350 g |
バリエーションモデル
・Ryzen AI Max 385/32GB/1TB
・Ryzen AI Max+ 395/32GB/2TB
・Ryzen AI Max+ 395/64GB/4TB
2. OS/CPU
OSはWindows 11 HomeでCPUはRyzen AI Maxシリーズ (Strix Halo)のRyzen AI Max 385/Ryzen AI Max+ 395です。いずれも最大50TOPのNPUを内蔵するCopilot+ PCの性能要件を満たす型番ですが、CPU/GPU性能も非常に高く、特にRyzen AI Max+ 395のグラフィック性能はGeForce RTX 4060に匹敵するとも言われています。
テスト環境:AMD Ryzen AI Max+ 395 / 32GB(LPDDR5x 8000 MT/s )/ 1TB(NVMe SSD)/ TDP 55~75W / 1080P@120Hz / Windows 11 Home 64bit / DX 12
これは天空の製品ページにあった人気ゲームタイトルのフレームレート一覧です。この中で私がよくプレイしているのはForza Horizon 5ですが、「高画質設定で平均98fps」ということなので、非常に快適にプレイできると思われます。ポータブルゲーミングPCはサイズと電源確保という制約があり、GeForceなどの外部GPUを搭載するのは難しいのですが、Ryzen AI Maxシリーズ搭載機であれば外部GPUいらず、と言えるかもしれませんね。
3. RAM/ストレージ
RAMは32GBと64GBが設定されています。LPDDR5Xで「4チャネル」なので超高速です。また、SSDは1TB/2TB/4TBの3種類ですが、1TBはRyzen AI Max 385モデルのみに、4TBはRyzen AI Max+ 395モデルのみに設定されます。
GPD WIN 5は高性能なmicroSDカードリーダーも搭載していますが、さらに「Mini SSDスロット」も備えています。よって、ストレージの増設は容易…、ではあるのですが、Mini SSDというのは新しい規格で、この記事執筆前に調べてみたのですが、販売店 (販売サイト)は見当たりませんでした。なので、「いつ買えるのか、いくらで買えるのか」という点については不明です。
4. ディスプレイ
ディスプレイは7インチと、このジャンルの製品としては標準的なサイズで解像度はFHD (1920×1080)、リフレッシュレートは120Hz、そしてAMD FressSYNC Premiumに対応します。
5. 筐体
見た感じ、よくあるポータブルゲーミングPC (ゲーミングUMPC)ですが、実はかなり個性的です (後述します)。
ポート類・ボタン類の構成です。USBポートは合計で3つ、上でも説明しましたがMini SSDスロットとmicroSDスロットを備えています。
また、「トリガースロトーク切替スイッチ」もついていて、トリガーボタン (LTおよびRT)のストロークを「ロング (256段階の入力に対応)」と「ショート (2段階、つまりオン/オフのみ)」に切り替え可能なので、繊細なトリガー操作が必要なゲームではロングに、素早い入力が必要なゲームではショートに、といったゲームタイトルにあわせた調整ができます。
冷却ファンは2つ搭載しています。
GPD WIN 5の筐体で最も個性的なのは「着脱式バッテリー」です。バッテリーを本体に装着して使うこともできますし、本体から離れたところに置いて有線接続で使うこともできます。
ただし、本体とバッテリーを一体化して使う場合は合計重量が915 gに達しますので、一般的なポータブルゲーミングPCよりも重くなります。一方で有線接続で使う場合は本体重量565 gのみとなるので、かなり軽量と言えます。
バッテリー容量は80 Whと大きいものの、高負荷時のバッテリー駆動時間は約2時間と開示されており、バッテリー駆動での長時間駆動はちょっと厳しいかもしれません。しかし、バイパス電源供給にも対応しており、「バッテリーなし、電源に直接接続して使用」することも可能なので、電源が確保できる場所であれば快適に長時間のゲームプレイが可能です。
なお、バッテリー、バッテリー・本体接続専用コネクター、電源アダプター、電源ケーブルは「付属品」です (予備バッテリーは単品購入可能)。
6. 価格など
GPD WIN 5は12月27日の発売予定で、すでにGPDダイレクト、ハイビーム公式オンラインストア、Amazonなどで予約販売がスタートしています。価格は下記の通り。
・Ryzen AI Max 385/32GB/1TB:268,000円 (263,000円)
・Ryzen AI Max+ 395/32GB/2TB:308,000円 (303,000円)
・Ryzen AI Max+ 395/64GB/4TB:368,000円 (363,000円)
※カッコ内は先行予約価格
また、下記の周辺機器も発売されます。
GPD WIN 5 専用スマートドック:15,000円
GPD WIN 5 専用バッテリー:15,000円
GPD WIN 5 専用ハードケース:5,500円
GPD WIN 5は「超高性能なWindows PC」でもあるので、専用ドックとPCモニター、キーボード、マウスなどのポインティングデバイスを接続すればデスクトップPC (ミニPC)としても使えます。この価格だとガチゲーマーの人はともかく、一般人的には非ゲーミング環境での使い道みたいなものをある程度イメージしておく必要があるかもしれないですね。
7. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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