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GMKtec NucBox M7 Pro レビュー - Ryzen 9 PRO 6950H/32GB/1TBで価格は6万円台半ば。コスパ抜群のミニPC、OCuLinkポートもついてます!です

GMK NucBox M7 Pro レビュー
GMKtecのミニPC「NucBox M7 Pro」の実機レビューです。この製品はウインタブで先日レビューをした「NucBox M7」とは「同一筐体でスペック違い」で、M7がCPUにRyzen 7 PRO 6850Hを搭載しているのに対し、このNucBox M7 ProはRyzen 9 PRO 6950Hを搭載しており、ワンランク上のパフォーマンスが期待できます。

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このあと筐体の外観や内部の仕様をご説明し、ベンチマークスコアを掲載しますが、M7とM7 Proは同一筐体のため、外観や内部の説明はほぼ同じ内容になります。そのため、すでにM7の実機レビュー記事をご覧頂いている場合は下記の「4.性能テスト」のところを見ていただければ、と思います。

NucBox M7(無印)のレビューはこちらです
GMKtec NucBox M7 レビュー - Ryzen 7 PRO 6850Hを搭載してお値段5万円台前半、コスパ抜群のミニPCです
なお、このレビューはメーカーからのサンプル機提供によって行っています。

ここがおすすめ
・コストパフォーマンスは抜群!
・Ryzen 9 PRO 6950Hは現在でも十分に高い性能
・2つのファンを筐体上下に搭載、冷却性能に優れている
・筐体の開口は容易、RAMやSSDの増設・換装がしやすい
・ポート類は充実、USB4を2つ、OCuLinkポートも搭載
ここはイマイチ
・サイズがやや大きめ
・ファン音が気になる人がいるかも…
・Ryzen 7 6850H搭載モデルとの性能差は小さい
販売サイトはこちらです
NucBox M7 Pro(Ryzen 9)
NuxBox M7 Pro:GMKtec公式サイト
Nucbox M7 Pro(32GB/1TB):Amazon
Nucbox M7 Pro(32GB/2TB):Amazon
NucBox M7 Pro(32GB/1TB):楽天
参考:NucBox M7(Ryzen 7):
NucBox M7:GMKtec公式サイト
Nucbox M7:Amazon
NucBox M7:楽天

1.製品概要

スペック表

  GMKtec NucBox M7/M7 Pro
OS Windows 11 Pro
CPU AMD Ryzen 7 PRO 6850H/Ryzen 9 PRO 6950H
GPU なし
RAM 16GB/32GB/64GB(DDR5 4800, 最大96GB)
ストレージ 512GB/1TB/2TB SSD(M.2 2280, PCIe3.0, 最大4TB)
※M.2 2280 スロット×2
光学ドライブ なし
ディスプレイ なし
ネットワーク Wi-Fi6、Bluetooth 5.2
入出力 USB4 Type-C(40Gbps)× 2、USB3.2 Gen2 Type-A × 2、USB2.0 Type-A × 2、HDMI2.1(4K@60Hz)、DisplayPort2.0(4K@60Hz)、LAN(RJ45)× 2、OCulink、オーディオジャック
カメラ なし
バッテリー  なし
サイズ 132 × 125 × 58 mm
重量 不明

バリエーションモデル

M7(Ryzen 7):
・ベアボーン(OS/RAM/SSDなし)
・RAM16GB/512GB SSD
・RAM32GB/1TB SSD
M7 Pro(Ryzen 9):
・ベアボーン(OS/RAM/SSDなし)
・RAM32GB/1TB SSD
・RAM32GB/2TB SSD
・RAM64GB/2TB SSD
※今回のレビュー機は「M7 Pro:Ryzen 9/RAM32GB/1TGB SSD」という仕様です。

OSはWindows 11 Proで、レビュー機のライセンスは「OEM_DM Channel」でした(つまり、正規ライセンスです)。CPUはRyzen 9 PRO 6950Hで、現行型番は「Ryzen AI 300シリーズ」「Ryzen 8000シリーズ」なので、少々古い型番(2022年リリース)です。ただし、TDPの高い(45W)H型番ですし、性能はメインPCとして使うのにふさわしい水準だと思います(後ほどベンチマークスコアを掲載します)。

レビュー機のRAMは32GB、SSDは1TBで、RAMは換装が可能(空きスロットなし)で最大64GBまで搭載可能(メーカー発表だと96GBとなっていますが、AMDによればRyzen 9 PRO 6950Hの最大メモリは64GBです)、SSDはM.2 2280の空きスロット(PCIe 4.0サポート)があります。

また、入出力ポートでOCuLinkを搭載しているのも大きな特徴です。今回のレビューではOCuLink対応デバイスが手元になくテストはできませんでしたが、外付けGPUの接続が可能で、しかも外付けGPUの性能をフルに発揮できます。

2.筐体表面

GMKtec NucBox M7 Pro 同梱物
同梱物です。右上にHDMIケーブル、その左に電源ケーブルがあり、右下にはACアダプターがあります。ACアダプターの出力は120W(NucBox M7と同じ)で、TDP45WのRyzen 9 PRO 6950Hの動作には十分な余裕があります。

電源ケーブルの左にVESAブラケット(モニターの後ろに取り付けるためのもの)とネジ、ネジの下に取扱説明書と保証書があります。取扱説明書には日本語も含まれていましたが、「設置の仕方」程度の内容で、それほど親切とは言えません。ただし、海外製のミニPCでしばしば戸惑う(やり方を知っていれば全く問題ない)「言語設定とキーボード設定」についてはしっかり説明がありました(他の海外製のミニPCと同様に、NucBox M7シリーズも初期状態では英語キーボードになっていますので、多くの方は日本語キーボードに設定を変更する必要があります)。

GMK NucBox M7 Pro 天板
上面(天板)です。ここはNucBox M7 Proの大きなアクセントと言えます。表面に半透明のアクリル板がついていて「まさに天板」という感じ。うっすらと冷却ファンも見えます。

GMKtec NucBox M7 Pro 底面
底面です。通気口とゴム足があります。ただ、この製品の開口部は底面ではありませんので、よくある「底面のゴム足を外すと筐体開口用のネジが出てくる」ような構造ではなく、ゴム足を外す意味はありません。外しても何もありませんので、外さないようにしましょう。なお、底面には技適マークの記載もありました。

GMKtec NucBox M7 Pro 前面
前面です。前後左右の側面はすべて金属製です。画像左からOCuLink、USB4 Type-C、USB3.2 Gen2 Type-A × 2、イヤホンジャック、電源ボタンです。

GMKtec NucBox M7 Pro 背面
背面です。画像左からUSB2.0 Type-A × 2、DisplayPort(上段)、HDMI(下段)、有線LAN(RJ45)× 2、USB4 Type-C、DC-INジャックです。NucBox M7は最大4画面に4K出力ができます(DP・4K@60Hz、HDMI・8K@60Hz、USB4 Type-C × 2)。また、下部に排気口があります。

GMKtec NucBox M7 Pro 側面
側面です。左右全く同じデザインなので一側面のみ画像を掲載します。左右側面にポート類やボタン類はなく、通気口があるのみ。

GMKtec NucBox M7 サイズ比較

NucBox M7(無印)の画像です

GMKtec NucBox M7 サイズ比較

NucBox M7(無印)の画像です

他のミニPCとサイズを見比べてみました。なお、この画像に写っているのはNucBox M7 Proではなく、NucBox M7です(見た目は全く同じなのでご了承下さい)。画像左からNucBox M7、Beelink SER8GEEKOM GT13 Proです。ご覧の通り、この3機種の中ではGEEKOM GT13 Proが断然小さく、タテ・ヨコはNucBox M7とBeelink SER8が同じくらい(Beelinkのほうが若干大きい)、高さに関してはNucBox M7が最大です。

…とはいえ、サイズにこだわってミニPC選びをされる方にはNucBox M7/M7 Proのサイズはマイナスポイントになるかもしれませんが、個人的には「所詮ミニPC」なので、使用感とか設置場所に大して違いはない、と感じます。

3.筐体内部

GMKtec NucBox M7 Pro 天板を外す
筐体の開口は「上から」です。最初に天板(アクリル板)をひねって外します。この操作は結構な力が必要で、当初軽くひねってみてもびくともしなかったので、外し方がわからずに途方に暮れてしまいましたが、意を決して強くひねると無事外せましたw

GMK NucBox M7 Pro 天板
アクリル板を外してもまだ開口はできていません。このように「第二の天板w」があり、四隅にネジがあります。アクリル板はデザインアクセントになっているほか、ファンのホコリ侵入を防ぐ役割もあります。

GMKtec NucBox M7 Pro 内部

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開口しました。画像左側にヒートシンクで覆われたM.2 2280 SSDが、画像右側にRAMが2枚刺さっています。RAMスロットには空きがなく、中央(赤枠で囲んだ部分)にM.2 2280スロットの空きがあります。なので、SSDの増設は容易です。

GMKtec NucBox M7 Pro 内部

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RAMとSSDを外したところです。SSDスロットの下にWi-Fiモジュールがついていました。型番は「Intel Wi-Fi6 AX200」です。

GMKtec NucBox M7 Pro SSD
M.2 SSDのヒートシンクを外したところです。HWiNFOの情報だと「ZETTASTONE CP200」というものでした。

GMKtec NucBox M7 Pro RAM
こちらはRAM。Crucialの「CT16G48C40S5」という、DDR5-4800、16GBのものが2枚です。内部構造とRAM/SSDの型番は(容量は異なりますが)NucBox M7と同じです。

なお、ウインタブではこれ以上の開口はしません。CPUはノートPC用なので換装は困難ですしね。

GMKtec NucBox M7/M7 Pro

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これがメーカー開示の内部構造です。非常に大きな特徴として「冷却ファンが上部と下部にある」ということが挙げられます。上部にあったファンは「RAMとSSD用」で、今回開口していない筐体下部にCPU用のファンがあります。SSDにもしっかりしたヒートシンクがついていましたし、GMKtekの「冷却面への配慮」がうかがえます。

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4.性能テスト

ベンチマークテスト

GMKtec NucBox M7 Pro BIOSのパフォーマンス設定>
NucBox M7 ProにはLenovoやHP、ASUSの製品に見られる専用の設定アプリは入っていませんが、BIOSでPower Modeを変更できます。ベンチマークテストにあたり、ここを「Performance」モードに設定しました。HWiNFOでベンチマークテスト中のCPU温度を測定したところ、PerformanceモードでもCPUの最大温度は約93℃、サーマルスロットリングの発生なし、であったためです。

GMKtec NucBox M7 Pro PC Mark

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※NucBox M7(無印・Ryzen 7 PRO 6850H搭載)のスコアは6,858

表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。

参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):9,187
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):8,057
ASUS ROG Zephyrus G14 GA403(Ryzen 7 8845HS、RTX4060):7,946
GEEKOM NUC AE7(Ryzen 9 7940HS):7,521
ASUS Zenbook S 16 UM5606WA(Ryzen AI 9 HX 370):7,511
Beelink SER8(Ryzen 7 8845HS):7,446
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H、RTX4060):7,298
HP EliteBook 635 Aero G11(Ryzen 7 8840U):6,949
HP EliteBook 860 G11(Ultra 7 155H):6,849
Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14(Ryzen 5 8645HS):6,708
Lenovo Legion Go(Ryzen Z1 Extreme):6,691
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):6,654
ASUS S500SER(Core i7-14700):6,589
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):6,542
MSI Claw A1M(Ultra 5 135H):6,485
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H):6,411
HP EliteBook 830 G11(Ultra 7 155U):6,392
ASUS Zenbook S 13 OLED UX5304MA(Ultra 7 155U) :6,163
GEEKOM Mini IT13(Core i9-13900H):6,096
Lenovo Yoga 7 Gen 8(Ryzen 5 7535U):6,021
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
DELL Inspiron 14 5430(Core i7-1360P):5,929
DELL Inspiron 14 5435(Ryzen 7 7730U):5,915
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):5,774
HP EliteBook 840 G11(Ultra 5 125U):5,741
DELL Inspiron 13 5330(Core i5-1340P):5,677
VAIO F14(Core i7-1355U):5,553

PC Markのスコアは6,987でした。一応数回テストしましたが、もう少し私が頑張って試行回数を増やしたら7,000点に届いたかもしれませんねw とはいえ、このくらいのスコアであればビジネス用とかご自宅でのエンターテイメント用、またそこまで専門的ではないクリエイティブワークであれば全く不満を感じないレベルです。

Intel CPUとの比較ではCore UltraのU型番をしのぎ、H型番(Ultra 7 155H)と比較しても遜色のないスコアと言えますが、Ryzenの新しめの型番であるRyzen 7 8845HSやRyzen 9 7940HSには差をつけられています。

先にレビューしたNucBox M7(無印)、Ryzen 7 8845HS搭載機(Beelink SER8)およびRyzen 9 7940HS搭載機(GEEKOM AE7)と、もう少し詳しく比較してみましょう。

NucBox M7 Pro:10,657、9,508、9,137
NucBox M7:10,421、9,386、8,950
Beelink SER8:10,950、10,579、9,672
GEEKOM AE7:10,843、10,760、9,896
※左からEssentials、Productivity、Digital Content Creation

Essentialsの項目には「アプリの起動、ビデオカンファレンス、Webブラウジング」があり、ここではそこまで大きなスコア差は見られません。最も大きなスコア差になっているのはProductivity(スプレッドシート、ライティング、つまりOffice系の作業)です。ただ、スプレッドシートにせよライティングにせよ、もともと大きなCPU負荷がかかるものではありませんので、おそらく実用上の体感差はほぼないと思います。

Digital Content Creation(画像編集、レンダリングとビジュアライゼーション、動画編集)については特にレンダリングと動画編集で差がつきました。しかし9,137というスコアはCore Ultra 7 155H(HP EliteBook 860 G11・スコア8,938)と同等、Core Ultra 7 155U(ASUS Zenbook S 13 OLED UX5304MA・スコア6,554)よりもずっと上です。

あと、NucBox M7(無印)とは「思ったほど大きな差にはなっていない」と感じました。一応M7 Proのほうが高いスコアではありますけどね…。

GMKtec NucBox M7 Pro 3D Mark
※NucBox M7(無印・Ryzen 7 PRO 6850H搭載)のスコアは
 Time Spy:2,660
 Fire Strile:6,601
 Night Raid:26,920
 Steel Nomad Light:2,348

グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。

参考1(Core Ultra搭載機):
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H):3,959、8,363、29,843
HP Spectre x360 14-eu(Ultra 7 155H):3,924、8,338、24,476
MSI Claw A1M(Ultra 5 135H):3,454、7,235、24,791
HP EliteBook 860 G11(Ultra 7 155H):3,388、6,785、23,662
HP EliteBook 830 G11(Ultra 7 155U):2,319、5,162、19,024
ASUS Zenbook S 13 OLED UX5304MA(Ultra 7 155U) :2,280、5,121、19,020
HP EliteBook 840 G11(Ultra 5 125U):2,081、4,826、19,421
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
※Prestige 16は外部GPUを動作させずに測定したもの

参考2(外部GPU非搭載のノートPC・ミニPC):
ASUS Zenbook S 16 UM5606WA(Ryzen AI 9 HX 370):3,800、8,026、31,138
GEEKOM NUC AE7(Ryzen 9 7940HS):3,362、7,776、29,076
Beelink SER8(Ryzen 7 8845HS):3,330、7,908、29,873
HP EliteBook 635 Aero G11(Ryzen 7 8840U):2,943、7,206、27,471
Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14(Ryzen 5 8645HS):2,437、6,253、24,401
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):1,956、5,440、19,477
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H):1,953、5,439、19,553
GEEKOM Mini IT13(Core i9-13900H):1,947、5,428、19,991
dynabook GZ/HW(Core i7-1360P):1,786、4,991、16,779
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):1,760、4,859、16,891
Lenovo ThinkPad X13 Gen 4(Core i7-1355U):1,658、4,709、14,122
Lenovo ThinkBook 15 Gen 5 (AMD) (Ryzen 5 7530U)1,281、3,137、13,730
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア

3D Markのスコアは「Core Ultra U型番<Ryzen 9 PRO 6950H<Core Ultra H型番」という感じでしょうか。また、Ryzen 5 8645HSよりは高いスコアとなりましたが、Ryzen 7 8845HSには大きめの差をつけられました。一方で(内蔵GPUがIris Xeの)第13世代 Intel Coreシリーズにはかなり大きな差をつけています。

GMKtec NucBox M7 Pro CINEBENCH

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※NucBox M7(無印・Ryzen 7 PRO 6850H搭載)のスコアは
 R23:シングルコア1,552、マルチコア13,619
 2024:シングルコア91、マルチコア765

CPU性能のみを測定するCINEBENCH R23と、CINEBENCH2024のスコアです。このテストではGeForceなどの独立したGPUの搭載有無は影響を受けないとされています。

CINEBENCH R23 過去データの一例:
ASUS S500SER(Core i7-14700):2,081、20,154
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):2,000、11,821
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H):1,943、12,046
ASUS Zenbook S 16 UM5606WA(Ryzen AI 9 HX 370):1,911、14,754
Beelink SER8(Ryzen 7 8845HS):1,784、16,497
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS):1,781、15,706
MSI Prestige 16 AI Studio (Core Ultra 7 155H): 1,827、 16,421
Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14(Ryzen 5 8645HS):1,678、10,800
GEEKOM Mini IT13(Core i9-13900H):1,671、12,079
dynabook GZ/HV(Core i7-1260P):1,655、7,586
ASUS Vivobook S 15 S5507QA(Snapdragon X Elite):1,119、11,960
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U):1,023、3,691
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

CINEBENCH 2024 過去データの一例:
ASUS S500SER(Core i7-14700):122、1,177
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):117、687
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H):112、705
ASUS Zenbook S 16 UM5606WA(Ryzen AI 9 HX 370):110、942
ASUS Vivobook S 15 S5507QA(Snapdragon X Elite):108、1,038
Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9(Snapdragon X Elite):107、962
Beelink SER8(Ryzen 7 8845HS):106、956
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS):106、914
MSI Prestige 16 AI Studio (Core Ultra 7 155H): 105、964
ASUS Zenbook S 13 OLED(Core Ultra 7 155U):101、533
Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14(Ryzen 5 8645HS):98、585
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

Intel CPU(第13世代まで)とAMD CPUの顕著な傾向として「シングルコアはIntel、マルチコアはAMD」というのがあり、このレビューでもその傾向は顕著です。また、Ryzen 7 8845HSとは結構大きめの差がついてしまいました。

それと、事前の予想ではCINEBENCHこそNucBox M7(無印)と最も大きな差がつくであろうテストだ、と思っていたのですが、両者の差は非常に小さいと感じました。ちょっと拍子抜け…。

GMKtec NucBox M7 Pro Crystal Disk Mark
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。十分に高速ではありますが、PCIe3.0 ×4接続のため、直近のハイスペックノートPCに搭載例の多いPCIe4.0 ×4接続よりは低いスコアです。ただ、個人的にはこれだけのスコアが出るのであればゲームプレイもはじめ、ほとんどの用途で不満を感じないと思います。

なお、NucBox M7(無印)とはSSDの型番が同じ(容量は違います)ということもありまして、ほぼ同等のスコアとなりました。

発熱とファン音

ベンチマークテスト中に手元の騒音計だと55dB程度を記録しましたが、密室状態ではなく、多少周囲の環境音も含まれていますので、実際にはもう少し低い数値になると思います。ただ、数値ではなく体感としては「大きめ」ですね。ファンの音質がちょっとモーターっぽいというか「唸るような音」なので、多少耳障りに感じる人がいるかも知れません。また、ファン音はBIOSのモードをPerformanceにしてもBalanceにしてもほとんど変わりませんでした。なお、低負荷時(Web閲覧や動画視聴など)だとファン音は小さく、ほとんど気になりません。

発熱ですが、CINEBENC R23を測定中にHWiNFO64で確認したところ、CPUの最高温度は93.1℃でサーマルスロットリングは発生していませんでした。PerformanceモードでもNormalモードでも発熱量は同じ、ベンチマークスコアもほぼ同じだったので、あえて消費電力の大きいPerformanceモードにする必要性は小さいと思います。

筐体表面の発熱は小さいです。天板付近にファンがあるせいか、天板(アクリル板のところ)にやや熱を感じましたが、熱い、というほどではありません。また、側面はほとんど発熱を感じませんでした。背面の下部にある排気口から高温の風を感じましたが、風量は小さく、気になるほどでもなかったです。

なお、発熱やファン音の傾向および数値はNucBox M7(無印)とほぼ同じでした。

5.レビューまとめ

GMKtec NucBox M7 ProはGMKtec公式サイトとAmazonで販売中です。9月19日現在の公式サイトでの価格は32GB/1TBモデルが64,554円、64GB/2TBモデルが88,833円です。また、Amazonでは32GB/1TBモデルが69,580円、32GB/2TBモデルが87,280円です。また、楽天では32GB/1TBモデルが66,864円です。9月19日現在だと公式サイトで購入するほうが安いですね。

一方で先日レビューしたNucBox M7(無印)の9月19日現在の価格は、公式サイトで16GB/512GBモデルが54,556円、32GB/1TBモデルが64,554円、Amazonで16GB/512GBモデルが51,980円です(決済確定時にさらに5%OFFの49,381円になるようですが、決済確定入力ができないので確認していません)。

なお、ここに記載した価格は「製品ページにクーポンがあるものはそれを使用したもの」です。価格に関してはNucBox M7(無印)の16GB/512GBモデルをAmazonで買うか、NucBox M7 Proの32GB/1TBモデルを公式サイトで買うのがお得だと思います(ただし、購入される日によってどこが安いのかは微妙に変わってきます)。

CPUの型番が少し古く、ベンチマークスコアではRyzen 7 8845HSやRyzen 9 7940HSに及ばない結果となりましたが、(あくまで実施したベンチマークテストの範囲内ですが)Intel Core Ultraにも引けを取らないパフォーマンスを見せてくれました。また、絶対的なスコア(数値)は高水準で、期待以上の実力を見せてくれたと思います。

ミニPCに求められる「メンテナンス性(筐体開口の容易さ)」はよく、2つのファンによる冷却性能も良好、(今回試していませんが)OCuLinkポートをはじめとする充実したポート構成、そして「ちょっと大きめだが個性的で質感の高い筐体」も魅力です。

あとは「無印かProか」という点ですが、外観は同じですし使用感(発熱やファン音)にも差は感じられませんでした。そして、あくまで個人的な感想ですが「性能もそれほど大きくは違わない。あえてProにする必要はないのでは?」と感じました。ただし、上でご説明した通り、32GB/1TBモデルに関しては無印とProで同価格なので、「それならPro」ですよね…。

6.関連リンク

NucBox M7 Pro(Ryzen 9)
NuxBox M7 Pro:GMKtec公式サイト
Nucbox M7 Pro(32GB/1TB):Amazon
Nucbox M7 Pro(32GB/2TB):Amazon
NucBox M7 Pro(32GB/1TB):楽天
参考:NucBox M7(Ryzen 7):
NucBox M7:GMKtec公式サイト
Nucbox M7:Amazon
NucBox M7:楽天

執筆者:ウインタブ
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
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