GMKtecがミニPCのニューモデル「NucBox K12」を発売しました。ここのところハイエンドスペックの「EVOシリーズ」のリリースが続いていたGMKtecのミニPCですが、このK12は製品名に「EVO」がつきません。EVOシリーズよりも若干CPU性能が低めながら、「高性能なミニPC」です。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 H 255 |
RAM | 32GB/64GB (DDR 5600, 最大96GB) |
ストレージ | 1TB SSD ※M.2 2280 PCIe 4.0 ×2接続×2 ※M.2 2280 PCIe 4.0 ×4接続×1 |
ディスプレイ | なし |
無線通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB4 Type-C、USB 3.2 Gen2 Type-C (PD/DP対応) USB 3.2 Gen2 Type-A×3、USB2.0 Type-A×2 OCuLink、HDMI 2.1、DisplayPort1.4 LAN(RJ45)×2、オーディオジャック×2 |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 不明 |
重量 | 不明 |
※USB Type-Aポートの規格は正確ではない可能性があります
2. OS/CPU
OSはWindows 11 ProでCPUは「Ryzen 7 H 255」です。最新型番ではありますがAMD公式サイトにはまだ製品情報が掲載されておらず、Webで収集できる情報も限定的です。また、Passmarkにはベンチマークスコアが掲載されていたものの、サンプル数はわずかに1しかなく、スコアもRyzen 7 250よりも低かったので、現時点では全く信用ができません。
おそらくRyzen 7 250の高TDP版と思われます。GMKtecの製品ページでは8コア16スレッド、Zen4アーキテクチャという記載もありましたが、これらの数値はRyzen 7 250と同じです。また、「ピークTDP70W」という記載もあり、Ryzen 7 250のコンフィギュラブルTDPが「15-30W」なので、それよりもTDPが高いと考えて良さそうです(GMKtecの言う70WというのはAMDの公称値ではない可能性があります)。
また、内蔵GPUはRadeon 780Mとのことなので、Ryzen 7 250と同じです。
3. RAM/SSD
GMKtecで販売されているモデルのRAM/SSDは「32GB/1TB」と「64GB/1TB」の2種類です。RAMは2スロットあり(空きなし)、最大で96GBまで搭載可能、SSDはM.2 2280スロットを3つ搭載しています(空きは2つと思われます)。また、3つのスロットの仕様は「PCIe 4.0 ×2接続のものが2つ」と「PCIe 4.0 ×4接続のものが1つ」とのこと。「×2接続」というのは見かけないですよね…。
4. 筐体

前面

背面
前面と背面です。筐体サイズは不明ですが、明らかに「高さ」は既存のNucBoxシリーズよりも大きそうです。USBポートはType-Cが2つ、Type-Aが5つと充実していますが、ポート規格についてはメーカー開示が不十分なので特にType-Aポートの規格が今ひとつ不明。
それと、筐体はEVO-X1に似ていて、樹脂製の本体に金属製のカバー(半カバー)がついています。
GMKtecの上位モデルらしく、冷却ファンは2基搭載しています。ウインタブの経験上、GMKtecのミニPCは冷却性能が非常に高いです。
本体にはファンモードを切り替えることのできる物理ボタンがつきました!ウインタブでGMKtecのミニPCをレビューしていて「パフォーマンス(電力供給)モードを切り替えるためにいちいちBIOSを開かなくてはならない」という点が不満だったのですが、できればファンモードではなくパフォーマンスモードの切り替えができる物理ボタンが欲しいところです。
NucBox K12はOCuLinkポートを搭載しているので、eGPU(外付けのGPU)を接続することもできます。
5. 価格など
GMKtec NucBox K12はGMK公式サイトで販売中で、8月1日現在の価格は下記のとおりです。
ベアボーン:409.99ドル (61,500円)
32GB/1TB:549.99ドル (82,500円)
64GB/1TB:609.99ドル (91,498円)
※円価格は1ドル=150円としてウインタブが計算したもの
おそらく近日中に日本のAmazonや楽天でも購入できるようになると思いますが、公式ストアでの現在価格はかなりお買い得感があるように思われます。あと、Ryzen 7 H 255の性能がもう少しはっきりイメージできればいいのですが…。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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