iiyamaが14インチノート「14FH054-i7」シリーズに外付けのGPU BOXをセットしたモデルを発売しました。GPU BOXとは「周辺機器の一種」で、内部にデスクトップPC用のGPU(GeForceやQuadroなど)と搭載でき、ノートPCと接続することによって大幅にグラフィック性能を向上させることのできるものです。
はじめにお断りを。iiyama製品の直販サイトであるパソコン工房で「14FH054」と検索すると、大量の製品がヒットします。そう、この製品はワイドバリエーションで、iiyamaの製品ブランド「LEVEL(ゲーミング)」「SENSE(クリエイター向け)」「SOLUTION(ビジネス向け)」それぞれにモデルが存在します。もちろんGPU BOXがついていないものもありますし、CPUがCore i5-8250Uになっているものもあります。
キーワード:14FH054 検索結果:パソコン工房
そこで、この記事では「LEVEL-14FH054-i7-RNSS」「SENSE-14FH054-i7-QZSS」「SOLUTION-14FH054-i7-QVRX」の3モデルを中心に、必要に応じて他モデルの構成にも触れながら紹介してきます。
1.スペック
iiyama製品は注文時に構成のカスタマイズが可能です。まずは上記3モデルの標準構成から。CPUはすべて第8世代(Kaby Lake R)のCore i7-8550Uです。注意したいのは、ゲーミングノートなどに採用されているCoffee Lakeの高性能CPU(Core i7-8750H)ではなく、モバイルノートやスタンダードノートに広く使われている省電力タイプのものである、という点です。GPU、RAM、ストレージは下記の通り。
LEVEL:GeForce GTX1060(6GB)/8GB/240GB SSD
SENSE:Quadro P2000(5GB)/16GB/240GB SSD
SOLUTION:Quadro P4000(8GB)/16GB/250GB SSD
※GPUはデスクトップPC用のものです
GeForceやQuadroは本体内蔵ではありません。GPU BOX内にありますので、GPU BOXを接続していない状態だと外部GPUではなく、CPU内蔵のIntel HD Graphicsが効く、ということになります。また、このシリーズに付属するGPU BOXは「空箱」ではなく、あらかじめGeForceかQuadroが搭載された状態で出荷されます。ゲーミングラインであるLEVELにはGeForce、SENSEとSOLUTIONにはQuadroがセットされています。
記事の冒頭で、「ワイドバリエーション」と書きましたが、そうなってしまっている理由は「搭載するGPUをかなり自由に選べる」という点にあります。
LEVEL:GeForce RTX 2080 Ti(11GB)まで
SENSE:Quadro P5000(16GB)まで
SOLUTION:Quadro P5000(16GB)まで
こんな感じで、デスクトップPC用のハイエンドGPUまで選択ができます。ただし、「どれか1つのベースモデルを選べば、カスタマイズ画面で好きなGPUを選べる」というわけでもなく、記事の冒頭にリンクした「14FH054」の検索結果から希望の構成に近いものを選び、それからカスタマイズしていく必要があります。
しかし、個人的にはRTX2080Tiと省電力タイプのCore i7の組み合わせというのは少々もったいない気がします。RTXなら最低でもCoffee Lakeクラスが欲しくなりますよね。
PC本体とGPU BOXはThunderbolt 3 接続です。この製品のメリットはPC単体だとモバイルノートとして出先で使え、自宅に戻ってGPU BOXを接続すればハイスペックなゲーミングPCあるいはクリエイターPCに早変わり、というところにあります。
では、GPU BOXのほうはこのくらいにして、ノートPC本体のスペックを見ていきましょう。RAMは標準で8GB、最大で32GBまで増設可能ですが、一部モデルは16GBまで、となります。ストレージは2基搭載可能で、標準で240GBもしくは250GBのM.2 SSDとなります。M.2 SSDだけでも最大で1TBまで増量できるのであまり必要ないかもしれませんが、セカンドストレージとしてはHDDもしくはSSDを搭載可能になっています。
ディスプレイは14インチのFHD解像度となっていますが、IPSなのかTNなのかは開示されていません。また、入出力ポートはiiyama製品らしく充実しています。有線LANとかMiniDisplayポートも装備されます。
サイズは14インチであることを差し引いても(一般的なモバイルノートは13.3インチなので、それよりは少し大きめ、という意味です)ちょっと大きめですね。見た感じモバイルノートとして使えそうなんですが、重量も1.5 kgありますので、モバイルノートとしては決して軽量であるとは言えません。ただし、私自身「ほぼ1.5 kg」のノートPCを持ち歩いていますので、モバイルノートとして特に使いにくいということもないでしょう。1 kgそこそこの製品が羨ましく感じられますけどね。
2.筐体
LEVEL、SENSE、SOLUTIONとも外観は同じ、サイズも同じなので、この記事ではLEVELの画像を使って説明します。ご覧のようにベゼルはそこそこ太く、特に絞り込まれているという印象はありません。筐体素材はアルミ合金製で表面にはサンドブラスト加工が施されています。
天板です。中央にロゴがあるだけのシンプルなもので、LEVEL、SENSE、SOLUTIONを見分けることができるのはこのロゴくらいだと思います。
キーボードです。よく見ると「マウス仕様」ですね。ENTERキーの周辺にある記号キーがやたらと大きいです。ただ、いつも書いていますが、この配列、見た目ほど使いにくくはないし、むしろ自然な感じで入力できるんですよね。
側面と入出力ポートです。電源ボタンが側面にあるのが特徴ですね。ポートの数と種類は十分だと思います。
3.価格など
iiyama 14FH054シリーズはパソコン工房で販売中で、この記事で紹介した3モデルの価格は下記のとおりです(12月20日現在)。
LEVEL-14FH054-i7-RNSS:174,980円(188,978円)
SENSE-14FH054-i7-QZSS:194,980円(210,578円)
SOLUTION-14FH054-i7-QVRX:239,980円(259,178円)
※カッコ内は税込価格
なんかSOLUTIONの価格がえらく高く感じますが、ほぼ「搭載GPU」で価格が決まってくる印象です。GeForceを搭載するLEVELが最も価格をイメージしやすいので、その観点で言うと、一般的なGTX1060搭載のゲーミングノートよりは若干高い印象です(でもこの製品のGPUはデスクトップ用なんですけどね)。ただ、「みなまで言わんでも」若干高い理由というのは十分理解できます。
「モバイルノートも欲しいしゲーミングノートも欲しい、けど2台は買えない」という人にはいい選択肢かと思います。
4.関連リンク(パソコン工房)
LEVEL-14FH054-i7-RNSS
SENSE-14FH054-i7-QZSS
SOLUTION-14FH054-i7-QVRX