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HP Pavilion x2 10-j000 - 軽量化と使い勝手を両立した2 in 1 (実機レビュー)

HP Pavilion x2 10-j000 サイドビュー
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。低価格でポップなデザインのノートPC、Streamシリーズが好評でタブレットユーザーからの注目度も高いHP。もともと世界最大のPCメーカーだったわけで、製品のラインナップも豊富です。今回は10インチの2 in 1(HPではハイブリットPCと呼んでいます)「Pavilion x2 10-j000(以下、本機といいます)」の実機を試用してのレビューです。本機については以前紹介記事を書いています。

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HP Pavilion x2 10-j000 - キーボード込みで930gの軽量2 in 1 PC、しかも安いよ!

紹介記事で書いた内容のうち、実機レビューでチェックしたいのは

・独特の2 in 1筐体の脱着ギミック
・キーボード込みで930gの軽量筐体
・Atom Z3745D搭載による性能

などです。このうち性能面についてはだいたい予想がつきそうな気もしますし、なんでもかんでも数値化するのがいいとも思えなくなってきたので、おもに「外観」「操作感」について書いていきたいと思います。

1.外観

HP Pavilion x2 10-j000 外観
以前書いた紹介記事では「腹巻みたい」と揶揄するようなことを書いてしまいましたが、実機を見るとカバーの色が落ち着いたグレー(ムーンストーングレー)なこともあり、違和感は大きくありません。ただ、それがあるから美しい、ということでもないと思いますけどね。筐体はプラスティックですが安物感はなく、好感が持てます。

HP Pavilion x2 10-j000 収納時サイドビュー
また、先端部にかけてスリムになっていくデザインで必要以上に丸みを帯びているという印象もないので、見た目シャープな感じがします。

HP Pavilion x2 10-j000 スピーカー
スピーカーの位置はタブレット部分を横持ちしたとき両サイドのベゼル部分になります。ちょっと前の大画面テレビみたいな位置ですが、当然音響効果的にはベストポジションといえるでしょう。

HP Pavilion x2 10-j000 キーボード接続部分
タブレット本体とキーボードはBluetoothではなく、コネクタで物理的に接続するタイプ。本機もそうですが、このクラスの2 in 1は本体とキーボードを物理接続するものがほとんど、という感じになってきました。キーボードは動作不良があると本当にムカつくので物理接続のほうがありがたいですね。

本機はキーボード込みで930gしかない、というのがセールスポイントなので、キーボード部分は非常に薄く軽くなっています。入出力インターフェースはタブレット本体のみに集中しており、キーボード部分には一切の入出力ポートはありません。

10インチサイズだけあり、USBポートはフルサイズのものが1つとmicroUSBが1つ、あとはmicroHDMIにmicroSDスロットとヘッドフォン/マイクジャックがついています。ボタン類も8インチタブレットと同様に電源、Windows、音量上下の各ボタンがあるだけです。Windowsボタンはセンサー式ではなく、物理ボタンですね。

カバー部分は繊維素材(綿かポリエステルか、というのはわかりません。多分強度が必要なのでポリでしょうね)で手触りは非常にいいですが汚れやすい可能性があり、また長期間の使用でほつれが出てくる可能性もありそうです。なのでメリット・デメリット五分五分ってところでしょうか。

2.使用感

HP Pavilion x2 10-j000 ディスプレイ角度1
HP Pavilion x2 10-j000 ディスプレイ角度2
本機はヒンジがついているわけではなく、キーボードと一体化したカバーのようなものを使ってタブレットを立てかけるタイプですが、このカバーがかなり小ぶりになっていて(もはやキーボードカバーではない)、タブレット本体とマグネットで固定する仕組みになっているため、ヒンジ付きのタイプに匹敵するくらいの安定性があります。上の画像のようにディスプレイの角度調整も可能です。

HP Pavilion x2 10-j000 膝の上で使用
奥行きも小さく、タブレットとキーボードがしっかり接続されるので、ひざ上での操作も十分可能になっています。もちろんクラムシェルのノートPCとかヒンジつきの2 in 1には安定性では勝てませんが、その分軽量化に成功しているというのは強みですね。

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HP Pavilion x2 10-j000 キーボード
キーボードの方は一見すると頼りない印象がありますし、キーストロークも浅めですが、見た目と裏腹にかなり気持ちよく入力できます。キーピッチがしっかり取られたアイソレーションタイプなのでミスタッチも起きにくいです。また、タッチパッドはただのフラットなものに見えますが、タッチパッド全体がクリックボタンになっています。私はあまりタッチパッドは使わないのですが、慣れれば十分な実用性がありそうです。

このキーボードの欠点をあげるとすれば、右側のキーがかなり小さくなっていて、個人的によく利用する「Delete」や「Backspase」が押しにくいことでしょうか。方向キーも同様にかなり窮屈です。その分アルファベットキーが大きくなっているので仕方ないかもしれません。

3.性能、ベンチマーク

まず簡単に主要スペックを書きます。

OS: Windows 8.1 Update (32bit)
CPU: Intel Atom プロセッサー Z3745D(1.33GHz/バースト周波数1.83GHz)
カラー: アッシュシルバー/ムーンストーングレー
RAM: 2GB オンボード
ディスプレイ: 10.1インチ IPS (1280×800)
ストレージ: 32GB (eMMC)
カメラ: 126万画素
入出力: microSD、microHDMI、USB3.0×1、microUSB 2.0×1、ヘッドホン出力/マイク入力コンボポート
センサー: 加速度、周辺光、ジャイロスコープ、デジタルコンパス
サイズ: タブレット 264×170×9.6mm 約600g
     タブレット+ソフトカバーキーボード 264×175×15.5mm 約930g
バッテリ稼働時間: 約 11時間 45分

次に初期状態でのストレージは…
HP Pavilion x2 10-j000 初期の空き容量

空き容量は16GB強です。リカバリ領域が7GB強ありますし、メーカーのプリインストールソフトもかなりの数が入っています。確証はないのですが、おそらくWIMブートが使われていると思われますので、リカバリ領域の削除は無理でしょう。2013-2014年モデルのWindowsタブレットであればストレージ32GBだと空きが10GB未満だったりしたので、16GBあればまずまずかな、と思います。

もうベンチマークテストは不要だと思います。本機よりもスペックの低いタブレットでもOfficeや動画視聴、簡単な画像加工にはなんの問題もないということは折にふれて書いていますからね。本機のCPUはAtom Z3745Dで、これは明らかに最近のタブレットや2 in 1の主流であるZ3735Fよりもハイパフォーマンスです。比較的容易に測定できるドラクエXのベンチマークソフトのみ試してみました。

HP Pavilion x2 10-j000 ドラクエベンチ

参考:
Core i5のノートPC(2年落ち): 5,299
HP Stream 14-z000(AMD A4 Micro-6400T APU): 2,106
Aspire Switch(Z3735F): 1,101
10P1100T-AT-FSM(Z3775D): 1,097
ThinkPad 8(Z3795): 1,086
VivoTab Note 8(Z3740): 993

ご覧のとおり、絶対的なスコアは低いものの、他のタブレットよりは十分高速と言えます。まあ、そんなに大きく差がついてるわけでもないですけどね。

4.感想

2 in 1タイプの機種は各社からいろいろなタイプのものが出揃っています。このうち、「キーボードカバーを変形させて台座にし、そこにタブレットを立てかけて使う」タイプのものはIiyamaMSIなどで販売されており、一大勢力になっています。このタイプのメリットはなんといってもキーボードを薄型軽量化できることによる総重量の軽減にあります。逆にデメリットはヒンジつきのものに比べ物理的な接続が弱く、膝の上(ラップトップ)では使いにくい、そして台座があることによって奥行きが大きくなってしまうため新幹線の中などの小さなテーブルでは安定しない、ということがあります。

本機の場合、このタイプのメリットである総重量の軽減を実現(キーボード込みで930g)しつつ台座となる部分の形状を改善し、本体とタブレットが(ヒンジつきほどではないにせよ)強固なものとなり、奥行きも短縮することに成功しています。ヒンジなしにもかかわらずキーボード接続時のディスプレイ角度調整も可能になっています。そういう意味で本機は台座タイプの2 in 1として、現時点での完成形といえるのではないか、と思います。

タブレットとキーボードの接続もヒンジつきのものと比べてセットアップ時間はほとんど変わりませんから、実用上の不都合はほぼ解消されていると言ってよいでしょう。

あとは価格です。本機の価格は52,704円(HP Directplusにて、税込み・配送料込み)となっていますが、Microsoft Officeが付属しません。その意味では各社から続々と登場している低価格 2 in 1の中にあって、コストパフォーマンスの優位性が2014年10月の発表時よりは薄れている、と言えなくもありません。しかし、Atom Z3745DというCPUはライバル機の中にあってワンランク上のものですし、中華系メーカーが嫌いな人もいるでしょうから、HPブランドであることが魅力、というのもあるでしょう。

あとはこの考えぬかれた本機のパッケージをどう評価するかということだと思います。私はヒンジつきのAspire Switch 10を個人所有していて、大満足ではありますが、外出時には1.1kgを越える重量は少し重荷ではあります。ヒンジ付きの2 in 1の場合、キーボードをある程度重く設計しないとタブレット本体の重さを支えきれずに倒れてしまいますから、どうしても重くなってしまいます。

本機の試用にあたり、2日間ほど本機をバッグに入れて携行しましたが、わずか200g程度の差とはいいながらもAspire Switchとの重量差はしっかり感じられました。モバイルWindows、やはり軽さは正義だと思います。

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コメント

  1. このタブレットには発売された頃から注目しているのですが、なぜか実際に購入したユーザのレビューをネットで見かけないですね。

    アメリカのHPのサイトでは型番がk010nrになって、CPUがZ3736Fに変更されています。直販価格も299ドルに値下げしているので、日本でも4万円を切ったら人気がでるかも知れません。

    • wintab より:

      超遅レスで申し訳ありません。キーボートの取り回し(セットアップや収納)がかなり軽快なので、全然アリな2 in 1だと思います。ヒンジなしのハンデはほとんど感じませんでした。HPって世界シェアはすごいけど、日本の個人ユーザーの認知度がイマイチですよね。中華メーカーのほうが割安に感じられるんでしょうか。あるいは企業として法人向けにシフトしているんでしょうか。製品はいいんですけど、ちょっともったいないですね。