ドスパラ(会社名はサードウェーブ)が8インチのデジタイザー搭載Windowsタブレット「raytrektab RT08WT」を発表しました。「お絵かきタブ」ですね。ドスパラはこのジャンル(Windowsタブレットに高性能なペン入力機能を搭載し、価格を比較的手頃にしたもの)に強く、10.1インチサイズの「raytrektab DG-D10IWP」「raytrektab DG-D10IWP2」は人気となっています。
今回ご紹介するRT08WTはディスプレイサイズが8インチと小さくなって持ち運びが容易となり、しかし高品質なワコムデジタイザーは健在、という非常に魅力的な製品です。
raytrektab 8インチモデル RT08WT 三菱鉛筆9800デジタイザペン付属:ドスパラ
1.スペック
raytrektab RT08WT | |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | Celeron N4000 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 8インチ (1,280 x 800) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB3.2 Gen1 Type-C(給電兼用)、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | なし |
バッテリー | 稼働時間 約6.5時間 |
サイズ | 210.0 × 124.5 × 9.6 mm |
重量 | 434 g |
RT08WTのOSはPro版、CPUはCeleron N4000です。エントリークラスのWindows PCによく見られるCPU型番ですが、N4000(2コア2スレッド)とN4100(4コア4スレッド、raytrek 10.1インチ版に搭載されている)はかなり大きな性能差があります。なので、できればN4100にしてもらいたかったなあ、というのが正直な感想です。
RAMは8GB、ストレージは128GB SSDと、8インチのWindowsタブレットとしては大容量です。この製品は「お絵かきタブ」なので、この容量は歓迎できます。
ディスプレイは8インチの1,280 × 800解像度です。中華製品を始めとして、最近は1,920 × 1,200解像度のものが主流になっていると言えるなか、少し解像度が抑えられていますが、これはPC負荷であるとか、ペン入力のしやすさとか、そういったものを勘案して決められたものと思います。いいか悪いかはここでは何とも言えません。
ペン入力関係の仕様は「デジタイザ:Wacom feel IT Technologies、スキャンレート360Hz、傾き検知、筆圧4096段階」となっていて、絵描きさんのニーズに応えられるものと思います。
また、「raytrektab Stylus S2」というスタイラスペンが付属します。メーカーによれば「一般的なスタイラスよりもペン先が細く、鉛筆などの文具と視覚的に近い専用スタイラスを採用。バッテリーレスで充電も不要な文具らしいスタイラスペンです。」とのことで、他のraytrektabと同様、描き味にこだわったものです。その反面、しっかりしたサイズになっているので、ペンをタブレット本体に内蔵することはできません。
入出力ポートの貧弱さは8インチWindowsタブレットに共通する弱点と言えますが、RT08WTも「やっぱり貧弱」です。ただし、たった一つのUSBポートはUSB 3.2 Gen1 Type-Cなので、ハブを使えばある程度の拡張性は確保できそうですね。製品ページに説明がなかったのですが、このType-Cが映像出力に対応するのか、という点は気がかりです。
それと、「カメラ廃止」です。もともとタブレット製品で高性能カメラのニーズは小さく、使う機会も少なかったと思うのですが、ここは思い切りましたね。
サイズは一般的な8インチタブレットとしてはやや厚く、重くなっています。特に重量434 gは8インチの割にけっこう重いですね。それでも10.1インチタブレットよりはかなり軽量ですし、絶対的なサイズも小さいので、とても扱いやすいサイズだと思います。
2.筐体
前面です。一般的な8インチタブレットと大きくは違いませんが、ホームボタンのように見えるところは指紋センサーです。また、液晶保護フィルムも貼付け済みで出荷されるとのことです。
背面です。こちらはかなり個性的ですね。筐体素材はアルミ合金と思われます。エッジが立っている、というかやや角張ったデザインになっていて、昔のiPhoneを思い出してしまいました。
側面と入出力ポートの配置です。画像上が下側面、画像下が右側面です。カチッとした雰囲気ですが、ポートの数が増えた、というわけではありません。
1月14日までの期間限定で、「三菱鉛筆9800 デジタイザペン」もセットされます(この画像と異なる色・デザインとなる可能性があります)。標準で同梱されるraytrektab Stylus S2とあわせ、2本のペンが付属するということですね。
なお、ソフトウェアでは「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」が付属します。そのため、これからPCでイラストやマンガの制作を始めたい、という人にとって「必要なものが一通り揃う」ということになります。まあ、ソフトウェア(またハードウェアも)は後々いろんなものを試すんだろうと思いますが、当座はRT08WTだけ買えばいい、ということですね。
3.価格など
raytrektab RT08WTは12月10日発売予定で、ドスパラ公式サイトでは予約注文をスタートさせています。12月5日現在の価格は49,800円(税込み54,780円)です。この価格は冒頭にちらっと説明させていただいた10.1インチタブレット「raytrektab DG-D10IWP」と同価格です。スペックはD101IWPのほうが少し高く、また(当然ですが)画面サイズも大きくなっています。その反面、「いつでもどこでもサッと描ける」気軽さは8インチのRT08WTが上でしょう。あとはニーズに合わせて、ということだと思います。
このような価格帯で本格的なワコムデジタイザーを搭載する小型Windowsタブレットというのは、現状競合製品が見当たりません。性能面から推測すると、この製品で制作の全工程を賄う、というのは厳しいかもしれませんし、実際メーカーもそこまでは考えていないでしょう。しかし、本格的な機材を「気軽に持ち出す」のは無理な話で、それがraytrektabなら可能、というのは大きいでしょうね。いつでもどこでもイメージが湧いてきたらすぐに形にできる、というのがこの製品の真骨頂だと思います。
コメント
これでAndroidだったらなぁ
CeleronN4000だと、Sai2は大丈夫として、クリスタで引っかかりなく線が引けるか、実機を触らないと何とも言えないですね
でもWacomデジタイザを搭載したWinタブの新製品を今出してくれることはホント感謝
ついにやっとまともなCPUのwindowsタブレット8インチが来たのか。。。
クリスタは、基本動作ならAtomでも十分動いちゃうくらい軽量なソフトで、どのお絵かきソフトもそうですが、だいたい次のような要素で重くなります。
・キャンパスサイズがでかい
・レイヤーが多い(これはRAMの方が影響大きいか?)
・レイヤーにエフェクトがいろいろかかっている
・イラストにエフェクトをかける
・ブラシが太い
・ブラシにかすれやにじみの効果が付いている
・ブラシが傾き検知対応
すると、解像度1280×800ピクセルで、高度な機能をオミットしたCLIP STUDIO PAINT DEBUTというのは、分相応かと。
3000×2000ピクセル程度のキャンバスで、レイヤー10枚くらいで、
線画なら、サクサク。
塗りは、デフォルトの油彩水彩などの濃淡のみ程度なら十分使える、
ただし、平筆や、滲み・かすれなどをともなうブラシを使いまくるのは厳しい、
てなとこだと思います。
つまり、8インチ1280×800ピクセルという枠の中で行える作業については、十分だと思います。デジタイザーの性能は、実績ありで信頼できるし。ロマン追及というよりは、実用的に8インチのライトなお絵かきタブとして、磨き抜かれたスペックといっていいんじゃないでしょうか。(この厚さなら、USB Type-Aポートは欲しかったですが)
それと、raytrektabシリーズは、今まで黙って傾き検知対応だったのが、ようやく対応を公言しましたね(笑) もっとも、傾き検知って案外マシン負荷が大きいので、これは、このスペックで使いこなすには工夫が必要そうです。
Gemini Lakeの生産終了も近づいてるしそろそろ新型も出ませんかね
N5100とか載っけて