2018年6月30日現在、国内で販売されている「8インチのWindowsタブレットで、ワコムデジタイザー搭載のもの」は1つしかありません。ドスパラの「raytrektab DG-D08IWP」のみです。Windowsタブレットはタッチ操作に対応しますので、例えば100均で売っているタッチペンを使えば、ディスプレイに手書き入力をすることは可能です。しかし、イラストを描くなど、「リアルなペン入力」に近い感触を得るのは難しいです。強く書いても弱く書いても線の太さが同じになってしまいますし、描き味もよくありません。
これらの問題に応えてくれるのがデジタイザーです。方式は様々ですが、ワコム製のものが最も評価が高く(異論のある人はいると思います)、筆圧に対応するので強く描けば太い線が、弱く描けば細い線が描けますし、優れた描き味です。趣味でイラストなどを描いている人は皆さんこのことをご存知なので、イラスト用にはデジタイザー搭載のPC、タブレット、あるいは周辺機器を使っています。比較的低価格でサイズも小さく、WindowsPCとしても使える、つまりWindows用のソフトウェアが使える小型タブレットとして、raytrektab DG-D08IWPは非常に人気があります。
ドスパラはraytrektab DG-D08IWPにバリエーションモデル「raytrektab DG-D08IWP Siro」を追加しました。筐体色が異なるというのが最大の相違点ですが、若干機能面でも変化があります。そして、既存モデルである筐体色ブラックのraytrektab DG-D08IWPについては大幅な値下げをしています。なお、raytrektab DG-D08IWPの基本情報については過去にウインタブで複数回実機レビューをしていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
raytrektab DG-D08IWP ー 落書きするのが楽しい!と誰もが思える8インチ、デジタイザー搭載タブレット(実機レビュー)
ドスパラ raytrektab DG-D08IWP 「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」- 高品質な手書き性能!そして、プリズム、入ってるよ。(実機レビュー:あおぴ)
1.スペック
この製品は冒頭に触れたデジタイザーの他にも、一般的な8インチタブレットよりも少しだけスペックが強化されています。CPUはAtom Z8350なので、一般的な低価格帯Windowsタブレットと変わりません。しかし、RAM4GB/ストレージ64GBというのは現行の8インチタブレットとしては唯一の存在(以前はありましたので、他モデルの在庫品が購入できる可能性もあります)です。イラストを描くという用途ではCPU性能は十分とは言えないものの、RAMが4GBというのは大きいと思います。もちろん、通常のWindows PCあるいはタブレットとして使う上でもRAMとストレージ容量に余裕があるに越したことはありません。
ディスプレイは8インチで解像度1,280 × 800となります。「できればWUXGA(1,920 × 1,200)を!」という声も多いのですが、CPUがそれほどパワフルではないので、(負荷の大きい)高解像なものは使えない、ということだと思います。
デジタイザーはワコム製で、 feel IT technologiesに対応し、筆圧は4,096段階となります。また、しっかりした太さのペンも同梱されます。肝心の描き味については上にリンクしたあおぴさんのレビューをご覧いただければ、と思いますが、ドスパラとしては「仕上げに使うのは不可能ではありませんが、どちらかというとネームに使ったり、外出先でアイデアが浮かんだときにササッと描く」的な「気軽な使い方」を推奨しています。
筐体は通常の8インチWindowsタブレットとしてはやや厚く、重くなります。デジタイザー搭載という要因もあるかもしれませんが、どちらかと言うと持ちやすさを考慮したサイズ感であると思います。例えば側面はラバー状の素材になっていて、滑りにくい構造になっています。
それと、ソフトウェアについて、「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」が付属します。クリスタを使っている絵描きさんは非常に多いと思いますので、これがバンドルされるのは大歓迎でしょうね。
2.筐体
これが新色「Siro」です。一目瞭然、白いですねw ただ、一点変更点があります。既存色ブラックのほうはベゼル面にWindowsボタン(センサーボタン)がありますが、Siroにはそれがありません。つまり、ボタンが1つ減ったということです。ただし、これはイラストを描く際に誤ってWindowsボタンに触れてしまい、いきなりスタートメニューが飛び出してしまう、という事態を避けるための配慮です。
背面です。きれいなホワイトですね。以前ドスパラの方が「raytrektabを発売してから、女性のお客様の来店が増えました」ということを言われていましたが、女性に限らず男性も含めて、ホワイトの筐体色を好む人は多いと思います。なお、筐体素材については不明ですが、従来色のほうは背面がアルミ合金、側面が滑りにくいラバー製なので、おそらくSiroのほうもそれと同じだと思います。
raytrektabには本物のペンや鉛筆とよく似たサイズのスタイラスペンが付属します。また、ペン先も標準のもののほか、「マーカーのような描き心地のフェルト芯」と「より紙に描いている感覚に近い粘り気のある描き心地のエラストマー芯」がついています。
そして、画像にはありませんが、液晶保護フィルムとして「ペーパーライクフィルム」が同梱されます。こちらは期間限定プレゼントのようですが、ペーパーライクフィルムを使うと液晶が本物の紙のような感触となり、より快適に手書き入力が可能になります(ただし、これを貼ると通常のタブレットとしての視認性は若干低下します)。
3.価格など
ドスパラ raytrektab DG-D08IWP Siroはドスパラ公式サイトで販売中で、6月30日現在の価格は46,112円(税込み49,800円)です。従来の価格と変わりません。しかし、逆に従来色ブラックのほうが値下げとなりました。新価格は36,852円(税込み39,800円)です。
これは迷いますね…。おそらく「ホワイトのほうが好き」という人も多いと思いますが、「色を我慢すれば1万円安い」わけですから。どちらを選ぶかは人それぞれでしょうが、「色の選択肢」が増え、「ベース価格が下がった」のは間違いなので、総合的には「かなり買いやすくなった」と言っていいでしょう。いずれにせよこの製品の競合(8インチのお絵かきWindowsタブ)は存在しないんですけどね。
コメント
10インチ以上ででないかなあ
開発中との事です。
https://twitter.com/raytrek_pc/status/1012264345512730625?s=21
比べるのも野暮だけどワコムデジタイザ積んだ『Cube Mix Plus 』のほうが安くて性能いいな
Cube Mix Plusを愛用しております。natsukiです。
なかなか迷いどころだと思います。まず、Cube Mix Plusのコスパは狂っているといっていいレベルです。一方、同じ技術とはいえ、やはりデジタイザの書き味はraytrektabに軍配が上がります。もっとも、Cube Mix Plusも決して悪くはないので、悩ましい。
総合力なら、文句なしにCube Mix Plus。
低解像度とサイズは妥協してでも、書き味一点突破ならraytrektab、となると思います。