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Windows 10 S ー 一般ユーザーには縁がないか?教育市場向けのWindowsが登場!

Windows 10 S
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。Microsoftは5月2日、新しいOS「Windows 10 S」を発表しました。この記事に先立ち、Surfaceシリーズの最新クラムシェルノート「Surface Laptop」の紹介記事を書いていて、この製品に搭載されるOSがWindows 10 Sであることから、俄然興味が湧いてしまった、という人も多いと思います。結論から言うと、Windows 10 Sは「社会人の一般ユーザー」にはあまり関係がないかもしれません。Microsoftのプレゼンテーションは「教育現場での活用」に特化しており、最近(米国の)教育市場で存在感を増しているChrome OSの対抗馬、という位置づけが色濃くなっています。

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Windows 10 S アプリはWindowsストアから
ニュースサイトなどでも報じられていますが、Windows 10 Sの特徴として真っ先に挙げられるのは「Microsoftストア経由でないとアプリをインストールできない」という点です。私も当初誤解していたのですが、これは「ユニバーサルアプリ」という意味ではなく、「Microsoftストアに出品されているアプリ」という意味のようです。Androidの場合、Google Playに出品されていないアプリのことを「野良アプリ」と呼び、セキュリティに注意すべきものとされていますが、Windows 10 Sの世界でも同様に、好きなサイトから好きなソフトウェアをダウンロード・インストールできないことによって、よりセキュアなPC環境が作り出せる、ということをMicrosoftは言っています。Windows 10 Sの「S」は「Secure」という意味を持ちます。

Windows 10 S 軽量
次にWindows 10 Sは軽量です。上の画像はWindows 10 ProとWindows 10 Sに同時にサインインし、起動速度を比較したものですが、Windows 10 Sの場合15秒程度でサインインが完了し、使用可能になります。Windows 10 Sは単にフルWindowsの機能を制限したものではなく、軽量に作られており、高速に動作するということになります。Windows 10 Sの「S」は「Superior Performance」でもあります。

Windows 10 S セッティングの簡易化
また、Windows 10 Sは、例えばWi-Fiの設定など、各種のPC設定をUSBメモリーで多くのPCにコピーできます。教室で先生が生徒にPC設定が記憶されたUSBメモリーを渡し、生徒がそれをPCにセットして数十秒で設定をコピーし、次の生徒にUSBメモリーを回す、みたいな使い方が可能です。

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Windows 10 S デバイスの集中管理
また、Windows 10 SはPCの機能を管理者が集中管理できます。例えば「カメラ機能をオフにする」など。つまり、Windows 10 Sの「S」は「Streamlined(合理化)」の意味もあります。

Windows 10 S その他
Windows 10 Sを搭載する教育市場向けのPCはこの夏に189ドル(約21,000円)から、という低価格でacer、ASUS、DELL、富士通、HP、Samsungから発売される予定です(全てのメーカーが189ドルのPCを発売するかどうかはわかりません)。

また、Windows 10 Sには「Minecraft Education Edition」や「Office 365 for Education with Microsoft Teams」のサブスクリプション(利用権)もついてきます。ちなみにOffice 365は今後Microsoftストアにも出品されるようになります。

なお、Windows 10 Sに関しての「FAQ」は日本語版も用意されており、これを見るとWindows 10 SはWindows 10 Homeの簡易版という位置づけではなく、ある意味Windows 10 Proにも近い性格が与えられていることがわかります。ドメイン参加によるデバイスの集中管理機能なんかはそうですね。
Windows 10 S に関してよくあるご質問:Microsoft(日本語)

そして、このFAQにはさらりと重要なことが書かれています。「あくまでも既定(のブラウザー)は Microsoft Edge になります (.htm ファイルを開く場合など)。また、Microsoft Edge と Internet Explorer の既定の検索プロバイダーは変更できません。」だそうです。つまり、MicrosoftストアにあるEdge以外のブラウザーをインストールすることはできますが、「既定」はEdgeから変更できず、EdgeでGoogleを既定の検索エンジンにも出来ない、ということですね。結構痛いかもしれません。

Windows 10 SがプリインストールされているPCを購入した場合、Windows 10 Proにアップグレードすることが可能です(49ドル)。しかし、Windows 10 Homeにはアップグレードできません。上に書いたように、Windows 10 SにはWindows 10 Homeが実装していない機能も含まれていることがその理由と考えられます。

ここまで書いてきたとおり、Windows 10 Sのキーワードとして「Secure」「Superior Performance」「Streamlined」そして「Soul(これは意味わかりません)」というのが挙げられています。ですが、「Superior Performance」というのは低スペック機向けにはありがたいとして、それ以外の機能は個人ユーザーにはあまり関係がない、といいますが、組織的に運用してはじめて輝く機能といえます。このOSは当然安価に提供され、その結果PCも割安で購入できるようになると思うのですが、個人的には失うものが多すぎ(つまり、自由にソフトウェアをインストールできないということです)なので、「それならあと5,000円払います」と感じてしまいます。

Windows 10 S搭載の製品はこの夏以降に登場すると思いますが、果たして個人向けの製品もあるのか、また価格帯はどうなるのか、といったことが気になりますね!

関連リンク

Introducing Windows 10 S:Microsoft(英語)
Windows 10 S に関してよくあるご質問:Microsoft(日本語)
Windows 10 S is Microsoft’s answer to Chrome OS:THE VERGE(英語)
※この記事はTHE VERGEの記事を引用元として書いています。
↓THE VERGEが公開しているプレゼンテーション動画(Surface Laptopなども紹介されています)

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コメント

  1. アゲオ より:

    Windows 10 S入りのPCを買ってProにアップグレードするのが、最も安いフル機能PCの入手法になるのでは?

  2. Re:Pu (@Repu6) より:

    Windows 10 Sのノート安くて欲しくなっちゃいますね
    https://www.microsoft.com/en-us/education/devices/default.aspx

    これでもっとストアアプリが増えるといいなあ

  3. 匿名 より:

    実際に使用する児童、生徒にとって使い勝手が良く、更に堅牢性に配慮があることを期待したいです。給食の食器並みに落として壊れると多感な年ごろの、特に児童には心の傷になりますので。

    後はメンテナンスが容易であれば、学校ICT支援員や教員の負担が減ります。

    教育現場への導入が生徒、児童、教員にとって良い事であれと望みます。

  4. 匿名 より:

    ていうかコレ携帯電話にのっけてほしいわ。

  5. 匿名 より:

    これをきっかけに、ストアアプリの盛り上がりに期待!

  6. 11Lの匿名 より:

    8インチタブレットを格安で出して欲しい。