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DELL Inspiron 17 5000(5770)レビュー - 17.3インチの大型スタンダードノート、性能も価格も魅力(実機レビュー)

DELL Inspiron 17 5770
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はDELLの大型ノートPC「Inspiron 17 5000(5770)」の実機レビューです。DELLのInspironシリーズはノートPCだと11.6インチから17.3インチまでラインナップするワイドバリエーションな製品ブランドですが、17.3インチの製品はこの「Inspiron 17 5000」のみとなります(正確には5767と5770の2種類)。「3000(エントリー)」とか「7000(プレミアム)」はなく、中位の「5000」しかない、ということです。

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DELLというのは米国のメーカーですから、アメリカンサイズとも言える17.3インチのこの製品は、ある意味「DELLらしい」とも言えますが、実はかなりのハイスペックマシン、ハイコスパマシンでもあります。

1.スペック

DELL Inspiron 17 5770 スペック表
CPUは第8世代のCore i5もしくはCore i7のみとなります。CeleronとかCore i3の設定はありません。またRAMも8GBのみ、ストレージは1TB HDD(Core i5搭載機の一部のみ)か128GB SSD + 1TB HDDのいずれかとなります。Core i5以上の高性能CPUを搭載しているため、SSDがないとちょっともったいない感じがします。

また、この製品は高性能なCPUだけでなく、Core i7搭載機には外部GPU「AMD Radeon 530」もセットされます。Radeon 530はAMDのGPUとしては下位クラスとなりますが、IntelのCPUとの組み合わせでどのくらいパフォーマンスが出るのか興味深いところではあります。

CPU、GPU、RAM、ストレージの構成を見ていただくと、この製品は単に大きいだけでなく、性能面でもかなりの高水準にあることがわかりますよね。

ディスプレイは17.3インチのFHD解像度で4K解像度の設定はありません。また、スペック表にはありませんが、液晶はIPSです。入出力ポートは17.3インチだから特に数か多い、というわけではありませんが、スタンダードノートとして必要十分な内容になっています。それと、光学ドライブもしっかり搭載されます。DVDをレンタルして大画面で映画鑑賞なんていいですよね!

サイズはさすがに大きいです。17.3インチというのはもはや「狭ベゼルにしてサイズをコンパクトに」とか「薄型で持ちやすく」とかの発想にはならないんでしょうね。横幅は堂々の40センチオーバー、重量も2.79 kgと、15.6インチのスタンダードノート(横幅360~380 mm程度、重量2.2 kg程度)と比較しても一回りは大きく、そして重いです。

DELL Inspiron 17 5770 システム構成
DELL Inspiron 17 5770 ストレージ構成
レビュー機のシステム構成です。「プラチナ」という最上位グレードで、Core i7/Radeon 530/RAM8GB/128GB SSD + 1TB HDD」という構成でした。

2.筐体

DELL Inspiron 17 5770 同梱物
同梱物です。左上の「お客様各位」というのはオンラインでの製品登録案内とカスタマーサポートの電話番号が書かれたもの、左下が「安全および認可期間に関する情報」の冊子、その横が「クイックスタートガイド」です。

ACアダプターはケーブル込みで重量334 gと、17.3インチ製品用としては比較的小さめで軽量でした。

DELL Inspiron 17 5770 天板
天板です。サイズが大きいのでDELLのロゴマークが心なしか小さく見えます。筐体素材はおそらくプラスティックですが、質感はいいですね。ちょっと見た感じだと金属製に見えます。

DELL Inspiron 17 5770 右側面
DELL Inspiron 17 5770 右側面
右側面です。この製品は厚さが25 mmありますので、特に薄型ということはないですが、タテ・ヨコサイズが大きいので、相対的に薄型に見えます。右側面には光学ドライブが装備されているほか、画像左からSDカードリーダー、USB 2.0、そして右端にセキュリティロックスロットがあります。

DELL Inspiron 17 5770 前面
前面(開口部)です。この面にはポート類はありません。また、中央部にヒンジ開口用の「手がかり」となる凹みがあります。

DELL Inspiron 17 5770 左側面
DELL Inspiron 17 5770 左側面
左側面です。こちらに入出力ポートが集中しています。画像左からDC-IN、USB Type-C、HDMI、LAN、USB 3.0 × 2、オーディオジャックとなります。

先日レビューした「Lenovo ideapad 520」もポート類が左側面に集中配置されていて、読者コメントで「特にUSBは左右に振り分けられていたほうが便利」という指摘がありましたが、Inspironに関しては一応右側面にもUSB 2.0ポートが1つありますので、いくぶん使い勝手が良くなるだろうと思います。

DELL Inspiron 17 5770 背面
背面です。この面にもポート類はありません。

DELL Inspiron 17 5770 底面
底面です。画像の上側が前面(手前側)になりますが、スピーカーは底面の前側に2つあるのがわかります。また、バッテリーは着脱式ではありません。

DELL Inspiron 17 5770 キーボード
キーボードです。17.3インチでもキーボードのサイズは15.6インチと変わりません。でも、テンキー部分が少し離れて配置されています。配置に大きなクセは感じられませんでしたが、Enterキー、右Shiftキー、スペースキー付近だけは隣接するキーとくっついて配置されています。おそらく英語キーボードと同じ枠を使いまわしているのが理由だと思いますが、この配置だからといって特に使いにくいということはありませんでした。

DELL Inspiron 17 5770 キーボード拡大
キートップはフラットで、特に加工は施されていません。手採寸ですが、キーピッチは約19 mmあり、キーストロークはノートPCとして標準~やや浅めと感じました。

DELL Inspiron 17 5770
ヒンジを開いてみます。このように写真で見るとごく普通のスタンダードノートですが、サイズはかなり大きいです…。

DELL Inspiron 17 5770 正面
正面から見てみます。やはり普通のスタンダードノート、という感じで、サイズも絞り込まれておらず、ベゼルもしっかり太くなっています。決してブサイクではありませんが、特に個性が感じられるわけでもなく、スタイリッシュということもありません。

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DELL Inspiron 17 5770 ヒンジ最大開口
ヒンジを最大開口したところです。水平位置(ヒンジ180°開口)にはなりませんが、実用上十分な開口角度になっています。また、一部のノートPCに採用されている「リフトアップ構造(ヒンジ開口時に天板が底面に潜り込み、筐体後部がせり上がる)」ではありません。

3.使用感

ディスプレイ

この製品は17.3インチなので、大画面を楽しみたいということで購入を検討している人も多いと思います。FHD解像度(1,920 × 1,080)のIPS液晶なのですが(4Kディスプレイの設定はありません)、最近のDELL製品らしく非常に高品質なディスプレイだと思います。

私は視力が低いので、ディスプレイ品質をチェックする際には手持ちのモバイルノートや外付けディスプレイ(どちらもIPS液晶でFHD解像度です)と並べてみて、どう違うかを見るようにしています。そうやって比べてみると、この製品の発色の鮮やかさがよくわかります。メリハリのある、くっきりした画像、映像が楽しめます。

欲を言えば4Kディスプレイを、ということになるのかもしれませんが、FHD解像度であってもこれだけの品質を確保しているのであれば不満はありませんね。おそらくほとんどの人が満足できるディスプレイだと思います。

スピーカー

DELL Inspiron 17 5770 WaveMaxxAuidio
高品質です。最近のDELL製品は「WaveMaxxAudio」を搭載し、画質と音質に注力をしていますが、この製品のスピーカーもかなり音質がいいと思います。また、筐体サイズが大きい、というのは音質に関してはプラスに作用すると思います。この製品の場合もステレオ感がしっかり出ていますし、音域も広いのではないかと思いました(ただ私、音楽にはあまり詳しくないです)。

バックグラウンドでYouTubeの音楽を流しながら作業をする、という使い方がすごく楽しいですよ!

キーボード

17.3インチサイズではありますが、キーサイズとかキーピッチについては15.6インチと変わりません。上にも書きましたが、手採寸でキーピッチは約19 mmでした。またストロークはやや浅めで「典型的なノートパソコンのキーボード」という感じの、パチパチ系の打鍵感です。打鍵音はやや大きめと感じました。打鍵の音質は心地いいものですが、周囲の人には少し気を使う必要があるかもしれません。

それと、テンキー部分がやや独立した感じで配置されています。通常のキー間は約4 mmですが、テンキーとテンキー以外の部分を隔てるキー間は6 mmほどあります。テンキーのほうはキーサイズが若干小さめになっていますが、この配置はよりデスクトップ用のキーボードに近いものと言え、個人的には好感を持ちました。

配列について大きな不満はありませんが、あら捜し的に書くと、EnterキーとBackspaceキーがやや小さめです。ただ、個人的にはこのキーボードは試用開始直後から戸惑いなく使うことが出来ましたので、配列に慣れるのに苦労するとかの心配はないと思います。

バッテリー

17.3インチサイズということもあり、基本的には据え置き型で使うことになるとは思いますが、一応バッテリーの稼働時間も確認してみました。

・ディスプレイ輝度を40%にして1時間動画視聴→23%バッテリーを消費しました
・ディスプレイ輝度を100%にして音楽を流しつつ、30分間テキストライティングとWebブラウジング→12%バッテリーを消費しました。

いずれのケースでも単純計算で4時間から5時間程度の稼働時間となります。ただ、バッテリー消費という点では不利な使い方をしていると思いますので、節約を意識しながら作業すればまだまだバッテリーの稼働時間は伸びそうです。例えばディスプレイ輝度を50%程度にして音楽を止め、ExcelやWordなどを使う場合であれば6~7時間くらいまではいきそうに思います。

4.性能テスト

この製品は第8世代のCore i7とAMD Radeon 530を搭載しているので、ベンチマークスコアがどうなるのか関心がありますよね。「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」「3D Mark」「PC Mark」をやってみました。

DELL Inspiron 17 5770 ドラクエベンチ
参考:
ドスパラ GALLERIA GKF1050TNF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 16,156
ドスパラ GALLERIA GKF1050TGF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 15,598
ドスパラ GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): 14,964
ドスパラ GALLERIA QSF965HE2(Core i7-6700HQ、GTX965M): 12,830
ドスパラ GALLERIA QF960HE(Core i7-4710MQ、GTX960M): 12,791
HP Pavilion Power 15(Core i5-7300HQ、GTX1050): 12,285
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 12,172
ドスパラ GALLERIA QHF960HE(Core i5-4210M、GTX960M): 10,136
DELL Inspiron 15 7000(7570)(Core i7-8550U、GeForce MX130): 7,783
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,706
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,571
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 4,210

すみません…、一応掲載しますが、このスコアはRadeonが効いてないですね。おそらくCore i7に内蔵されているIntel HD Graphicsのスコアになっています。ドラクエベンチはGPUの設定を手動で切り替えてやらないと内蔵グラフィックチップのほうが優先されてしまうので、GeForceの時はいつも切り替えをしてからテストしていますが、なにぶんRadeonは不慣れでして…。あと、このスコアを最初に見たときに、「低めだけどGPUは効いてる」って錯覚しちゃったんです。ごめんなさい。

DELL Inspiron 17 5770 3D Mark
参考:
GALLERIA GKF1050TNF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 2,492、6,858、18,179
NEXTGEAR-NOTE i4400GA1(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 2,449、6,852、20,453
GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): –、5,344、16,987
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 1,826、5,553、17,109
HP Pavilion Power 15(Core i5-7300HQ、GTX1050): 1,797、5,230、14,052
ドスパラ GALLERIA QSF965HE2(Core i7-6700HQ、GTX965M): 1,372、4,128、13,910
GALLERIA QF960HE(Core i7-4710MQ、GTX960M): –、4,014、11,109
GALLERIA QHF960HE(Core i5-4210M、GTX960M): –、3,680、10,771
DELL Inspiron 15 7000(7570)(Core i7-8550U、GeForce MX130): 718、2,179、7,476
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): -、1,161、4,719
HP Spectre x2(Core i5-7260U): -、1,114、4,389
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): -、1,097、4,471
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): -、1,017、4,350
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア

気を取り直して3D Markです。3D Markは何もしなくてもきちんと外部GPUを認識してくれますので、このスコアは正当です。「GeForceのGTXシリーズには及ばず、GPU非搭載機よりはずっと上」という結果になりましたが、正直なところ、「思ったほどではない」と感じました。気になるのは同じような位置づけの「GeForce MX130」との比較結果でしょう。サンプル数が少ない(それぞれ1機種のみ)ので、この結果だけで判断するのは早計ですが、今回のテストに関してはMX130に及ばない、という結果になっています。

DELL Inspiron 17 5770 PC Mark
参考:
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 2,873
DELL Inspiron 15 7000(7570)(Core i7-8550U、GeForce MX130): 2,824
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 2,822
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 2,763
ドスパラ Critea DX-KS H3(Core i3-7100U): 2,198

最後にPC Markです。このベンチマークソフトはグラフィック性能だけではなく、PCの総合的な性能を見るもので、経験上、外部GPUの搭載有無はあまり大きくスコアには影響しません。CPUの性能差が素直に現れるという感じです。Inspironのスコアは第8世代のCore i7としてはトップクラスのスコアになっていると言えますが、Radeonがどのくらい寄与しているのかという点についてはなんとも言えません。もちろん全く関係ないわけではありませんが、GTX1050を搭載した製品がGPU非搭載機よりも低いスコアになることもあるので、外部GPUの影響力はそれほど大きくないと考えるのが妥当だと思います。

5.まとめ

DELL Inspiron 17 5000(5770)はDELL公式サイトで販売中で、3月23日現在の価格は下記のとおりです。

プレミアム(Core i5/HDD):81,583円(税込み88,109円)
プレミアム(Core i5/SSD+HDD):84,983円(税込み91,781円)
プラチナ(Core i7/Radeon/SSD+HDD):101,983円(税込み110,141円)
※それぞれOffice付属モデルあり

この価格はセール価格(クーポン価格)ですが、DELLはクーポン割引が常態化していますので、時期によって多少違いはあるものの、概ねこのくらいの価格から買えると思っていいでしょう。なお、クーポンはDELL公式サイトの製品ページに記載があります。

ウインタブの意見として、ストレージがHDDのみのモデルは購入をおすすめしません。システムやソフトウェアの起動、データの保存などが低速になり、せっかくの第8世代 Core i5がもったいないです。SSD搭載のCore i5モデルとCore i7モデルですが、価格差が税込みで約2万円あり、意外にバカになりません。予算があれば高速で外部GPUも搭載するCore i7モデルのほうがいい、というのは確かですが、個人的にはCore i5モデルでも一通りのことは快適にできるし、主たる用途がExcelとかWord、動画視聴やWebブラウジング、ということであればCore i5にしておいて、浮いたお金でなにか別なものを買ったり美味しいものを食べたり、ということでもいいと思います。

Inspiron 17 5000の魅力はなんと言っても17.3インチで品質の良いディスプレイだと思います。13.3インチのモバイルノートや15.6インチのスタンダードノートには真似の出来ないところでもあります。一方でこのディスプレイサイズを実現するために筐体サイズも大きくなっていますので、PCを外に持ち出す機会が多い人には向きません。たまに室内で移動するくらいの半据え置き型、と考えるのが現実的でしょう。

また、図体がデカいから動きが鈍い、ということもありませんね。HDDモデルは評価しませんが、それ以外であればどのモデルを購入しても日常の仕事やエンタメ用途で不満を感じるような場面はまずないと思います(専門的なソフトウェアの利用やオンラインゲームは除きます)。価格に関しても、「サイズが大きいから少し高いのは仕方ないよね」という先入観をふっとばしてくれる程度には割安感があります。同性能の15.6インチノートと比較しても同等か、それ以下くらいの水準だと思います。

15.6インチのスタンダードノートの購入を検討されている人は、このInspiron 17 5000も有力な選択肢になると思います。少しサイズは大きくなりますが、置き場所に困る、というほどの大きな違いはないと思いますし、価格面でも15.6インチ製品といい勝負です。

6.関連リンク(DELL)

New_Inspiron_17_5000_5770(2017/10/3発売)

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