DELLが他社に先駆けて発売した第10世代のCore iプロセッサー搭載PCのうち、今回は13.3インチのコンバーチブル2 in 1「Inspiron 13 7000 2-in-1(7391)」をご紹介します。同じ型番(7391)のクラムシェルノートについては、この記事に先立って紹介記事を掲載済みなので、こちらも合わせてご覧ください。
DELL Inspiron 13 7000(7391) - 第10世代のCore iプロセッサーを搭載、重量も1キロを切った13.3インチモバイルノート
コンバーチブル2 in 1版とクラムシェル版は筐体構造だけでなく、いろんなところが異なっています。もっと言うと、セールスポイントが全然違ってます。
1.スペック
Inspironの7000というのはInspironシリーズの中で最上位に位置します。そのため、この製品のスペックもかなり高くなっています。CPUは第10世代、Comet LakeのCore i5とCore i7が設定されていますが、Core i3の設定はありません。また、クラムシェル版(の一部)に搭載される外部GPU、GeForce MX250の搭載はありません。
RAMとストレージについては後述するとして、先にディスプレイの方から。コンバーチブル2 in 1筐体なので、全モデルがタッチ対応します。それだけではなく、上位モデルは4Kディスプレイも設定されます。タッチパネルや4Kディスプレイはクラムシェル版のInspiron 13 7000には設定がありません。また、4,096段階の筆圧に対応するアクティブペンも付属します。
この製品はOSのバージョン以外に構成のカスタマイズはできず、下記のベースモデルからひとつを選ぶということになります。
プレミアム:Core i5/RAM8GB/256GB SSD/FHDディスプレイ
プレミアム:Core i5/RAM8GB/512GB SSD/FHDディスプレイ
プラチナ:Core i7/RAM8GB/512GB SSD/FHDディスプレイ
プラチナ:Core i7/RAM16GB/512GB SSD/4Kディスプレイ
さすがにInspiron最上位だけあって、最低構成でもビジネスマシンとしては十分なスペックです。また、4KディスプレイはCore i7モデルのみに設定されています。
入出力ポートの構成は基本的にクラムシェル版と同じですが、USB Type-CがThunderbolt 3です。規格としては高水準ですが、やはり絶対数は少々不足感があります。
サイズのほう、クラムシェル版と比較してみましょう。
2-in-1:306.76 × 215.92 × 13.66-15.9 mm / 1.39-1.4 kg
クラムシェル:307.6 × 204.7 × 14.9-16.5 mm / 955 g
コンバーチブル2 in 1という筐体構造のためか、奥行きはクラムシェル版よりも大きくなっていますが、横幅と厚さはわずかに小さくなっています。ただし、重量は歴然たる差になってしまいましたね。構造上クラムシェルよりも少し重くなってしまうのはやむを得ないとしても、ずいぶんと差があります。
2.筐体
この製品についても、9月8日まで開催されていたDELL LOUNGEで実機を確認できましたので、その際に撮影した画像を元に説明します。
DELLのハイスペックモバイルマシンということで、ベゼル幅は非常に細く、とてもスタイリッシュです。
この製品、クラムシェル版とは違い、筐体色はブラックのみです。また、重量1キロを切るクラムシェル版は筐体素材もマグネシウム合金製でしたが、2-in-1のほうはアルミ製です。
キーボードです。日本語配列のものが用意され、キーピッチは 左右方向に18.70mm、上下方向に18.05mmと、クラムシェル版と同じサイズになっています。モバイルノートのサイズとしては十分だと思います。しかし、どうしても英語配列の香りが残ってしまいますね(Enterキーの周辺とか、スペースキーのサイズなど)。
この製品は全モデルでスタイラスペンが付属します。そして、ペンを収納できる構造になっています。DELL LOUNGEでご担当者に質問したところ、方式はMicrosoft Pen Protocol(旧N-trig)とのことでした。その場で試し書きをさせてもらいましたが、筆圧の効きも非常によく、滑らかなペン入力ができましたので、イラストやマンガなどを制作するのにも向くと思います。
ペンホルダーはこんな感じ。この形状だとペンがないとかっこ悪く見えちゃいますね。また、純正のペンでないとうまく収納できないように思われます。
テントモードとタブレットモードにしてみました。やはり気になるのがペンの位置ですが、実際こんな感じです。展示機を振り回したりとかはできませんでしたが、ペンはしっかり固定され、不用意に外れてしまう心配はなさそうです(使い方にもよりますけどね)。
側面と入出力ポートの配置です。クラムシェル版とほぼ同じですが、microSDカードリーダーの位置が異なります。やはりポートの絶対数は少ないですね。
底面です。スピーカーが両側についていますが、この製品は2スピーカーを搭載しています。他社の上位モデルだと4スピーカーだったりもしますが、音質のほうは上位モデルらしく期待しても良さそうです(ただし、展示機の音質は試せませんでした)。
3.価格など
DELL Inspiron 13 7000 2-in-1(7391)はDELL公式サイトで販売中で、9月10日現在の価格は95,433円(税込み103,067円)から、となっています。この最低価格はクラムシェル版と同じで、CPU、RAM、ストレージ構成もCore i5/8GB/256GBと変わりません。そうなると、「2 in 1筐体で、タッチディスプレイ、そしてペンも付属するぶんお買い得」と考えてしまいますが、「クラムシェル版のほうは重量が1キロを切っている」という点も見逃せません。
要は「軽さを取るか、コンバーチブル2 in 1筐体を取るか」という選択肢になります。また、クラムシェル版の上位モデルはGeForce MX250も搭載する一方、2 in 1のほうは4Kディスプレイを選べる、というのがありまして、そう簡単には意思決定ができないでしょうね(ニヤリ)。
クラムシェル版の紹介記事でも書きましたが、個人的には「毎日PCを持ち歩くので、軽いほうがいい」と考えます。しかし、絵描きさんなどはペン入力ができる、というのが非常に魅力的だと感じるでしょうし、本格的に(PCに直接)絵を書くならコンバーチブル2 in 1筐体でないと無理、というのもあります。あとはニーズに合わせて決めるしかないですね。