ASUSの13.3インチモバイルノートにして「設立30周年記念モデル」でもある「ZenBook Edition 30 UX334FL」をご紹介します。この製品に関しては、ライターのゆないとさんが下記の記事で紹介してくれています。
ASUS ZenBook 14 UX434FL - タッチパッドがサブディスプレイ!ZenBookの14インチにニューモデル、30周年記念モデルも!
しかし、「記念モデル」でありながら、通常モデルとは大きく異なるパッケージングになっていますし、サイズ的にもウインタブ読者のストライクゾーンに入る製品と言え、さらに赤坂のASUS Storeで実機に触れる機会もありましたので、改めて記事にさせていただきます。
1.スペック
「記念モデル」とか「限定モデル」とかの場合、基本的に通常モデルの外観(筐体色など)が少し変わったり、付属品が豪華だったりすることがほとんどですよね?ZenBook Edition 30に関してもそれは当てはまります。しかし、この製品と同じスペックの通常モデル、というのはありません。もっと言うと、13.3インチでScreen Pad 2.0を搭載する最新ノートというのは他にないんです。その意味でこの製品は単なる「記念モデル」ではありません。
OSはWindows 10 Proです。Home版ではありません。このへんはプレミアム感の演出なのかもしれないですね。CPUなどに関しては、下記の2つのバリエーションモデルから選ぶことになります。
UX334FL-30ASUSi5:Core i5/MX250/RAM8GB/512GB SSD
UX334FL-30ASUSi7:Core i7/MX250/RAM16GB/1TB SSD
ASUSはBTOメーカーではありませんので、注文時にCPUやRAM、ストレージを任意に組みわせることはできません。ZenBook Edition 30の場合、Core i7を選ぶとRAM16GB/ストレージ1TB SSDに、Core i5を選ぶとRAM8GB/ストレージ512GB SSDに決まってしまいます。どっちにせよ特に不満が出るようなスペックではありませんけどね。また外部GPUのGeForce MX250も標準搭載されますので、クリエイターの人にも向くと思いますし、オンラインゲームでもライトなものであれば十分プレイできると思います。ゲームプレイの頻度が多めな人はCore i7モデルにしたほうがいいかもしれません(というか、本来ゲーム用で購入すべき製品ではないです)。
ディスプレイは13.3インチのFHD解像度で、実機を確認した限りIPS(IPS相当)のものになっています。それと、この製品の特性を考えると「ディスプレイは当然タッチパネル」だと思っていたのですが、実は非タッチです。後述するScreen Pad 2.0の使用感も左右するような話なので、注意して下さい。
入出力ポートはType-Cを含め、合計で3つありますし、HDMIもついていますので、拡張性は悪くはありません。特にいいわけでもないですけど。また、この製品のType-Cポートは本体への給電用としては使えず、給電にはDC-INが必要、つまりACアダプターを持ち歩かなくてはなりません。
サイズのほう、タテ・ヨコは「相当小さい」ですね。世界最小の13.3インチ、DELL XPS 13と横幅が同じ、奥行きに関してはXPS 13(199 mm)よりもさらに小さくなっています。ただし、厚さ18.5 mmと重量の1.35 kgというのは競合他社の製品と比較して薄いとも軽いとも言えません。まあね、この製品の場合は「記念モデル」ということで外観も凝ってますんで…。
2.筐体
ASUS Shopで実機を見てきましたので、ここからは私が撮影した画像を交えてご説明します。
筐体色は美しいホワイトで、ご覧のようにベゼル幅が「めっちゃ細い」です。特に下部ベゼルがほとんど目に入らないですね。
この製品はヒンジ開口時に天板(つまりディスプレイ面)が筐体下部に潜り込み、キーボード面に適度な角度がつく「エルゴリフトヒンジ」構造を採用しています。ヒンジ開口時に下部ベゼルがほぼ視界から消えてしまうのはこの構造によります。
エルゴリフトヒンジはキーボード面に角度がついて打鍵しやすくなるだけではなく、底面に空洞ができるため、冷却効率が高まり、スピーカー音質も向上するというメリットがあります。
「記念モデル」らしさが感じられるのは天板です。これ、「レザー張り」です。
拡大してみました。このように「見るからにレザー」でして、ステッチは「熟練の職人による手作業」です。また、ロゴマークは「ASUS30周年記念ロゴ」が使われています。レザー張りというのは重量面では少し不利かと思われますが、記念モデルとして所有者に「持つ喜び」を与えてくれるでしょう。
キーボードです。タッチパッド部分にサブディスプレイ「ScreenPad 2.0」が搭載されている関係で、タッチパッド部分が大きくなっています。この画像は英語配列ですが、日本向けには「85キー日本語キーボード(イルミネートキーボード)」が装備されます。
ScreenPad 2.0を少し操作してみました。直感的にわかりやすいものとして、「メインディスプレイで開いているWindowsをマウスドラッグでScreenPadに移動できる」というのがあります。つまり、普通に外部ディスプレイを使っているのと同じ感覚ですね。
ただ、ここでちょっと違和感が…。上に書いたように、この製品のメインディスプレイはタッチ対応せず、ScreenPadのみタッチ対応します。慣れればどうということはないのかもしれませんが、私は当初、メインディスプレイもタッチ対応するものと思い込んでいて、必死になってメインディスプレイにタッチしてました…。
それともう一つ。ScreenPadをサブディスプレイとして使っている間はタッチパッドが使えません。ワンタッチで切り替えができるので、これも慣れの問題かと思いますが、日頃タッチパッドをメインに使っている人には違和感があると思います。
ASUSのご担当者と少し話してみたのですが、「この製品は基本的にマウスを併用して活きる、と言えます」とのこと。ScreenPadは確かに多機能ですが、これ一つでサブディスプレイとして、ポインティングデバイスとしてすべてを賄うのは少しきついかもしれません。しばらく使ってみると、そういう使い方も可能だと思いますが、少なくともScreenPadの基本的な操作や機能を頭に入れておく必要がありますね。ScreenPad 2.0の機能や使い方については下記のメーカーページをご覧ください。
ScreenPad:ASUS公式サイト
ショールームで少し使ってみただけですが、このScreenPad、Spotifyなど音楽アプリを表示させたり、TwitterなどのSNSを表示させたり、あるいはYou Tubeでお気に入りのYouTuberの動画を視聴したりといった、「ながら」利用がはかどるなあ、と感じました。ワンタッチでメインディスプレイとScreenPadの画面を切り替えられるので、動画などの山場では作業の手を止め、画面を切り替えて視聴する、なんてこともできますしね。
左右の側面です。エルゴリフトヒンジの構造がよく分かると思います。天板側の側面にはゴールドがあしらわれ、ホワイトの筐体色と合わせ、高級感満点!という感じです。
前面と背面です。前面にはヒンジ開口用の「手がかり」があるのみで、背面はGeForce搭載機らしく通気口がやや目立ちます。いやこれはこれで十分カッコいいと思います。
底面です。スピーカーは2つ、Harman Kardon製です。音質は確認できていませんが、大手の音響ブランドコラボなので、かなり期待していいんじゃないでしょうか。
3.価格など
ASUS ZenBook Edition 30 UX334FLはASUS Store(赤坂の直営店もしくはネットショップ)の限定販売で、正式発売は9月中旬ですが、8月25日現在でも予約購入が可能です。価格はCore i5モデルが149,030円(税込み160,952円)、Core i7モデルが179,030円(税込み193,352円)となっています。ASUS製品は家電量販店などでも購入が可能ですが、この製品は記念モデルということで、ASUS Shopでしか購入ができません。なので、そう簡単に値崩れはしないですね。そもそも限定販売(数量不明)ですし、値下げされる前に販売終了となるでしょう。
また、「記念モデル」だけあって、メーカー純正のスリーブケース、ワイヤレスマウス、レザー張りのマウスパッドが付属します。それと、化粧箱も専用の、かなり豪華なものとなります。
ScreenPadという、他社にはない独創的な機能がついていて、天板はレザー張り、特製のロゴマークもあしらわれ、付属品も豪華、ということで、「独創的だけに」割高とか割安とかを安易に言うことはできませんが、新しい物好きのウインタブ読者の皆さんには向く製品だと思います。あと、繰り返しになりますが、直営店限定の扱いなので、「買ったそばから量販店で値下げされた」みたいなこともありません。それと、赤坂まで足を伸ばせる人はぜひ実機を確認してみて下さい。きっと気にいると思います。ASUS Storeの向かいにはHOOTERSもありますし(知らんがな…)。
4.関連リンク(ASUS Store)
ASUS ZenBook Edition 30 UX334FL(UX334FL-30ASUSi7)(Core i7)
ASUS ZenBook Edition 30 UX334FL(UX334FL-30ASUSi5)(Core i5)