こんにちは、近郊ラピッドです。ASUSが「ユニークなデザイン」が特徴のデスクトップPC、U500MAの2022年春モデルを発売しました。搭載APU(CPUとGPUを統合した製品)をZen 3ベースのRyzen 5000GシリーズAPUに刷新しており、一般ユーザーの普段使い用PCとして十分な性能となっています。
1.U500MA スペック
スペック表
ASUS U500MA | |
本体カラー | ブラックのみ |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 5 5600G / Ryzen 7 5700G |
チップセット | AMD B550 |
GPU | Ryzen APU内蔵のAMD Radeon Graphics 外部GPUは無し |
メモリー | 8GB / 16GB DDR4-3200(デュアルチャネルかどうかは不明) |
ストレージ | SSD:512GB (PCIe 3.0 x2接続) HDD:なし |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(2層ディスク対応) |
ディスプレイ | 別売 |
ネットワーク | 有線LAN:1000BASE-Tまで対応 無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n/ac対応 Bluetooth4.2対応 |
正面インターフェース | USB3.2 Gen1(Type-A)×2、USB2.0×2 ヘッドホン出力×1、マイク入力×1 |
背面インターフェース | USB3.2 Gen2(Type-A)×2、USB3.2 Gen1(Type-A)×4 PS/2ポート×1 HDMI(バージョン不明)×1、DVI-D×1、D-Sub 15ピン×1 ラインイン×1、ラインアウト×1、マイク入力×1 RJ45(有線LAN)×1 無線LANアンテナポート |
拡張スロット | PCIe3.0 x16 スロット×1(空きスロット×1) PCIe3.0 x1 スロット×2(空きスロット×1) M.2コネクター×1(空きコネクター×1) SSD用M.2コネクター×1(空きコネクター×0) |
ドライブベイ | 3.5インチドライブベイ×1(空きベイ×1) 2.5インチドライブベイ×1(空きベイ×1) |
電源 | 200W(80PLUS BRONZE) |
サイズ | 幅160mm×奥行き307mm×高さ373mm |
重量 | 約5.59kg |
主な付属品 | ワイヤレスキーボード・ワイヤレスマウス・無線LANアンテナ・製品保証書 |
バリエーションモデル
・U500MA-R75700G:Ryzen 7 5700G/16GB
・U500MA-R55600G:Ryzen 5 5600G/8GB
※CPUとメモリー容量のみ異なります。その他は同一の仕様です。
コメント
記事の最初に掲載した画像からも分かる通り、U500MAは前面が幾何学模様の凹凸が付いた独特な外観となっており、本機種の最大の特徴となっています。また、ASUSによると「従来のスプレー塗装を使用せず、高精度な成型技術と研磨技術により特徴的なデザインを実現しました」とのことです。この点からも本製品はデザイン性を重視していることが分かります。
そのため、職場やリビングスペースなど、様々な場所に置くことが出来るようになっています。デザインの雰囲気が良い意味であまりPCらしくないため、部屋の雰囲気作りを重視する方に合っている製品だと思います。
また、PCの筐体は単に見た目がユニークなだけではなく、MIL-STD 810G規格に準拠しており、振動・落下・衝撃のテストや、ポート耐久性のテスト、温度・湿度等のテストをしているとのことです。個人向けデスクトップPCでMIL規格準拠は珍しいと思います。
このように、U500MAは筐体面の特徴が目立っている一方で、性能面でも一般ユーザー向け製品として十分なものとなっています。今モデルではZen 3ベースのAPUを搭載することによって、Zen 2ベースのAPUを搭載していた以前のモデルに比べてCPU部分の性能が向上しています。
Zen 3ベースに刷新されたことによって特にシングルスレッド性能が向上しています。またマルチスレッド性能も順当に向上しているため、ある程度のクリエイティブ作業にも対応できると思います。
参考までに、Ryzen 5 5600GとRyzen 7 5700Gの平均的なPassmarkスコアを載せておきます。一般ユーザー向けとしては十分な性能で、大半の方に十分な性能を有していると言えます。シングルスレッド性能も十分な水準です。
また、デスクトップ向けのRyzen APUは内蔵GPUとしては高めのグラフィックス性能を持っており、軽めのゲームならばそこそこ快適にプレイできるとされています。ただし、外部GPUで言うとGT1030程度とされる性能のため、ゲーム性能には過度の期待はしない方が良いでしょう。しかし、Steamで販売されている軽めのインディー(インディーズ)ゲームやブラウザゲーム、発売から年数が経っていて今となっては軽いゲームをプレイできれば十分、という方には十分な性能となっています。
なお、このPCはメモリーがデュアルチャネルかどうかがスペック表には記載されていません。もしシングルチャネルだった場合はグラフィックス性能が大幅に落ちてしまうことになりますので、この辺りは注意が必要なところです。
もっとも、この製品は普通のデスクトップPCなのでメモリーは容易に増設が可能です。当然自己責任にはなりますが、仮にシングルチャネルだったとしても、自分で増設することで解決できそうです。
また、このPCは外部GPU搭載モデルは無く、また電源も200Wとなっているため、外部GPUを増設するのに向いていません。外部GPUを搭載可能なPCを探している方は別のPCを選ぶ方が良いと思います。
インターフェースですが、USB端子に関しては3.2 Gen2のType-A端子が2個、3.2 Gen1の Type-A端子が合計6個、そして2.0のType-A端子が2個あり、十分な数が確保されています。昨今ではWebカメラやマイクをUSB接続したり、SSDなどの高速な外部ストレージを接続することも増えてきたため、多くのUSB端子が確保されているのは利点となります。
Type-A端子が多く搭載されている一方でType-C端子はありませんが、デスクトップPCなので特に問題は無いと思われます。もし必要ならばPCIeスロットに市販の拡張カードを増設することで追加できます。こうしたカスタマイズができるのもデスクトップPCの利点の一つです。
USB端子以外にも、オーディオ系の端子や、PS/2端子が搭載されています。長年使っているPS/2端子のキーボードを引き続き使いたいという方には便利だと思います。
外部映像出力はHDMI(バージョン不明)、DVI-D、D-Subが1個ずつ搭載されています。2022年となっては少し古い構成に感じます。マルチディスプレイ環境の構築には向いてなさそうです。
通信機能についてですが、無線LANがIEEE802.11a/b/g/n/acまで対応しています。またBluetooth 4.2、有線LANが1000BASE-T(ギガビットイーサネット)まで対応しています。こちらも2022年発売機種としては少し物足りないようにも感じますが、実用上特に問題はないと思われます。
全体的に見ると、スペック面ではCPU性能は十分高く、SSDも512GBと十分な容量が確保されている一方で、映像出力や通信機能のインターフェースがやや物足りない構成になっているように感じます。しかし、外観は洗練されており、リビングスペースや職場など様々な場所に設置できるデザインになっていると言えます。
2.U500MA 筐体
この製品は筐体が最大の特徴となっています。前面パネルを幾何学模様にする等デザイン性を重視しています。
前面パネルが凝っているだけでなく、本体の底面にスタンドが付いている等、エアフローも考えられています。また、前面の各種ポートにはカバーが設けられています。
デスクトップPCだけあってインターフェースは豊富です。沢山の周辺機器を繋ぎたい方に向いている仕様となっています。USB端子は10個もあるので不足することはまず無さそうです。オーディオ関係の端子や有線LANポート、PCIeカードスロットもあり、一通り揃っています。
3.U500MA 価格など
U500MA-R75700G:119,800円(税込)
ただし、ASUS Storeでは3月31日まで「春の新生活セール」によって5000円OFFの114,800円(税込)で販売
U500MA-R55600G:99,800円(税込)
ただし、ASUS Store では3月31日まで「春の新生活セール」によって5000円OFFの94,800円(税込)で販売
定価では、格安と言えるほどコストパフォーマンスに優れている訳ではありませんが、ユニークな前面パネルや、MIL規格準拠などの特徴を踏まえると、妥当な価格だと思います。なお、3月31日までは5000円OFFとなっているため、定価よりもコストパフォーマンスが上がっています。
更に、ASUS Storeで購入した場合、2022年3月31日までの注文分なら「ASUSのあんしん保証プレミアム3年」が付属します。水没や落下、災害による故障など、どのような原因で故障しても年に1回までは無料で修理してもらえます。それを考えるとむしろコストパフォーマンスは良いと言えます。
今回ご紹介したU500MA(2022年春モデル)は、映像出力や通信関係、電源周りなどのスペックが気になる一方で、筐体はデザインが凝っていてMIL規格準拠になっているという点や、CPU性能がZen 3ベースAPU搭載によって前モデルより高い水準になっている点、そしてUSB端子を豊富に有し、購入した後も自己責任でカスタマイズができるという点が利点となっています。
グラフィックスカードは不要だが、普段のPC作業が快適にこなせて、いざとなればSSDやHDDを増設できるようなデスクトップPCが欲しいという方や、デザイン性の高いPCを部屋に置きたいという方に向いている製品といえるでしょう。
4.関連リンク
ASUS U500MA:ASUS 製品紹介ページ
ASUS U500MA (U500MA-R55600G)(Ryzen 5):ASUS Store
ASUS U500MA (U500MA-R75700G)(Ryzen 7):ASUS Store