ASUSが8月12日に発売したゲーミングノート「ROG Strix G15 G513RM(エレクトロパンク)」の実機レビューです。既存モデルのバリエーション追加なのですが、より「ゲーミング性能を高めた」モデルと言え、筐体にも迫力がある、「ゲーミングPCらしい」製品です。
・最新型番、Ryzen 7 6800Hを搭載
・ASUSの独自技術による、RTX3060搭載機とは思えない高いパフォーマンス
・まさにエレクトロパンクな外観
ここはイマイチ
・性能の割にストレージ容量がやや小さめ
・Webカメラなし
販売サイトはこちら
ROG Strix G15 G513RM (G513RM-R76R3060PINK):ASUS Store
目次
1.ROG Strix G15 スペック
スペック表
ROG Strix G15 G513RM | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 6800H |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX3060 Laptop |
RAM | 16GB(DDR5-4800) |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe4.0 x4接続) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ (1,920×1,080) 300Hz |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB 3.2 Gen2 Type-C(映像出力、PD対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送のみ)、USB 3.2 Gen1 × 2、オーディオジャック、HDMI、LAN(RJ45) |
カメラ | なし |
バッテリー | 90Wh(約13.3時間) |
サイズ | 354.9×259.9×22.69-27.2mm |
重量 | 2.3kg |
コメント
ROG Strix G15 G513RMという製品には既存モデルがあります。この3月に発売され、「日本でトップを切って(ウインタブ調べ)」Ryzen 6000番台が搭載された高性能な製品で、今回のレビュー機とは主にディスプレイの仕様と筐体デザインが異なります。
今回のレビュー機はCPUにRyzen 7 6800Hを、GPUにGeForce RTX3060を搭載する、ROGシリーズとしては中位クラスの製品ですが、CPUグリスにはThermal Grizzly社製液体金属グリスを、また大風量と静音性を両立した独自のArc Flow Fansを採用するなど冷却性能も万全、またGPUと映像ポートを直結する「MUXスイッチ」を搭載するなど、パフォーマンスを最大限に引き出せる構造となっています。
RAMは16GB、ストレージは512GB SSDです。ゲーミングノートでストレージが512GBというのは「標準的」な容量なので、決して悪いわけではありませんが、この製品のシステムスペックや「見た目の雰囲気w」を考慮すると、1TBあっても良かったように思われます。今回のレビューにあたり、いくつかのオンラインゲームをインストールしてみたのですが、例えばFORZA HORIZON 5は「容量111GB」もあるんです。この製品の場合、AAAタイトルを高画質でプレイすることも可能ですが、512GBだと「AAAタイトルを3-4本インストールしたらおしまい」になってしまうんですよね。ちなみに私がいま私物として使っているゲーミングノートのストレージも512GBなのですが、もはや重量級のゲームをインストールするだけの空きはありません…。
ディスプレイは既存モデルから変更されています。15.6インチのFHD(1,920 × 1,080)解像度となりました。既存モデルが2,560×1,440解像度なので、ここだけ見るとスペックダウンしたかのように思われますが、実はそうでもありません。このニューモデルのリフレッシュレートはなんと300 Hzです(既存モデルは165Hz)。なので、「よりゲーミングに特化した仕様」になったと言えるでしょう。
では、新色「エレクトロパンク」の筐体から見ていきます。
2.ROG Strix G15 筐体
同梱物
同梱物です。ペーパー類は画像左下の「必ず初めにお読み下さい」の一枚もの(初期不良時の連絡先などが記載されています)、保証書(薄いグレーの冊子)、取扱説明書(濃いグレーの冊子)、そして画像左上に設定アプリMyASUSの案内が入っていました。取扱説明書はかなり厚みがあり、内容も親切なものでした。
ACアダプターは240W出力で、電源ケーブル込みの重量は716 gでした。この製品に限らず、ゲーミングノートのACアダプターは総じて高出力で大型のものになっていますので、外に持ち出す際は結構な負担になってしまいます。
天板と底面
天板です。左上に大きなROGのロゴが入っており、通電時には発光します。また、ヒンジがやや前方(この画像では上方)に取り付けられており、ヒンジ下の部分右側にはデザインアクセントとなる「ピンクのカバー」が取り付けられています。
筐体素材は「天板が金属製、それ以外の部分は樹脂製」です。
ひとつ上の画像だと天板の装飾がよくわからないのですが、光の当たる角度を変えるとこのように「透かしっぽい」模様が現れます。ゲーミングノートらしい、といいますか「エレクトロパンク」らしい、といいますか、ASUSらしい、凝ったデザインです。
底面です。画像下部(こちらが使用時の手前側です)両側にスピーカーグリル、中央に通気口があり、さらに右上に「BACK ON TOP」と書かれた装飾プレートがついています。また中央右のゴム足の部分に「18-15-07 06/06」という謎の数字が書かれています。これ、ちゃんと意味があります。「18-15-07 06/06 ASUS」などの検索ワードでググってみて下さい
側面
前面です。こちらにはポート類・ボタン類はありません。筐体下部に白い帯のようなものが見えますが、これはLEDライトです。ライティングについては後ほど…。
背面です。ROG Strix G15 G513RMには背面にもポートがあります。画像左からUSB Type-C(データのみ)、USB Type-C(映像出力及びPD対応)、HDMI、有線LANポート、DC-INです。
左側面です。こちらにはUSB Type-Aポートが2つにイヤホンジャック。
そして、右側面にはポートがありません。
ROG Strix G15 G513RMはポート構成は充実しているものの、「右側に何もない」という、ちょっと変わった配置になっています。据え置きメインで使う場合は「一度配線してしまえば大丈夫」のような気もしますが、それでも「いやマウス接続では右側にUSBポートいるでしょ!」という声も聞こえてきそうです。ゲーミングPCだとマウスも有線にしたい、という人が多いと思いますので…。まあ、左側のUSBポートでもケーブルを回してしまえばそんなに問題ないですけど、「右利きでゲームプレイ中にマウスを大きく動かす」使い方だとイマイチかもしれません。
ディスプレイ
ディスプレイはこのニューモデルの大きな特徴です。とはいえ、この画像だけだと「どうすごいのか」わからないです。リフレッシュレート300 Hzを誇る、ゲーミング特化の品質になっていて、Dolvy Visionにも対応します。
ベゼルは下部が太く、上部と左右が非常に細くなっていますが、これだけ細いとゲームプレイ時の没入感も高くなりますね。なお、この製品にはWebカメラはありません。
ディスプレイの画質ですが、IPS液晶(メーカーではそのように開示していませんが、ほぼ確実にIPS相当の液晶です)としては発色品質は悪くないと思います。ただし、最近ASUSがモバイルノートやスタンダードノートで力を入れている有機ELやミニLEDの発色品質には(当然ですけど)及びません。また、後述するアプリ「Armoury Crate内のGame Visual」で発色のモードを変更できますが、これは有用だと思います。モードを変更すると、「しっかり見え方が変わり」ますし、FPSやレースなど、ゲームジャンルごとにモードを切り替えられるのもいいですね。
キーボード
キーボードです。ご覧の通り、WASDキーがピンクになっていて、右側にエレクトロパンクな装飾も施されています。「92キー日本語キーボード (4ゾーン RGB イルミネートキーボード)」と開示されています。また、この製品は15.6インチサイズですがテンキーはありません。キーピッチは手採寸で約19 mmと標準的な幅、キーストロークはメーカー開示値で1.9 mmとやや深めですが、浅い押し込みでも正確にキー入力を認識できるOverstroke技術が使われています。ただし、アクチュエーションポイント(キーが入力を認識する位置)の数値については開示がありませんでした。それと、上部にはキーの割り当てをカスタマイズできる5つのホットキーがついています。
このキーボードは見かけによらず「静音」ですw といいますか、ゲーミングノートのキーボードは一般にモバイルノートやスタンダードノートよりもずっと頑丈に作られていて、強打に耐えられる仕様です。静音なのはその副産物と思われ、静かな場所で使っても周囲に気を使うことはありません。
打鍵感についてはメーカー説明のとおりだと思います。ノートPCとしてはややストロークが深めなので、ゲームプレイ中の打鍵感(手応え)も悪くないでしょう。
筐体その他
ヒンジの開口角度は実用上まったく問題ないレベルとは言え、あまり大きいほうではありません。
設定アプリ
ASUSのゲーミングPCに必ず搭載されている設定アプリ「Armoury Crate」は、最も優れたゲーミングPC用アプリのひとつです。これはシステムモニターの画面ですが、画像左下でパフォーマンスモードの選択ができます。ゲームプレイ中は「Turbo」に、バッテリー駆動中は「サイレント」にするなど、利用シーンに応じたモードにすることができます(なお、バッテリー駆動中は自動的にサイレントモードになり、パフォーマンスモードやTurboモードにはできません)。また、画像右側にはGPUモードの選択肢もあり、もっぱらゲームを、という場合には「Ultimate」にしておくといいでしょう。
ディスプレイの画質モードもArmoury Crateで行います。「Game Visual」という機能(メニュー名)になっており、ゲームジャンル別の設定もできます。
キーボードの「ホットキー」の機能割り当てはここから。
マイク(入力)及びスピーカー(出力)のノイズキャンセリング機能も搭載されています。
音響アプリは「Dolby Access」が搭載されています。ROG Strix G15 G513RMは「素」のままでもクリアな音質になっていますが、Dolby Accessをオンにする(デフォルトでオンになっています)と、特に低音に迫力が増し、よりバランスの取れた音質になります。
Armoury Crate内でもライティングの設定ができますが、ライティングを細かくカスタマイズする場合は「AURA Creator」という別アプリを使用します。この製品は「4ゾーンRGBキーボード」と「前面と側面前方のLEDライト」を搭載しており、それぞれについてお好みのパターンにすることができます。
画像の画質が悪く大変申し訳ありません。ライティングのイメージです。室内の正面をなくし、ほぼ真っ暗な状態で撮影しました。ゲーミングの雰囲気もバッチリかと…。ちなみにこれは「初期状態」のライティングです。「このままでいい」という人も少なくないでしょうねw
おそらくASUSのすべてのPCに初期搭載されている「MyASUS」も入っていました。スタンダードノートやモバイルノートの場合、MyASUSでパフォーマンスモードの調整などもできますが、ROG Strix G15は細かい設定は基本的にArmoury Crateで行い、MyASUSでは主に製品登録やバッテリーの充電モードなど、限定的な用途で使用します。
3.ROG Strix G15 性能テスト
各種ベンチマークテスト、及びゲームプレイ中はレビュー機を電源に接続の上、Armoury Crateのパフォーマンスモードを「Turbo」に、GPUモードを「Ultimate」にして測定しています。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。また、このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H、RTX3080Ti)7,943
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):7,773
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H、GeForce RTX3070Ti):7,720
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):7,417
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX、RTX3070Ti):7,347
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):7,129
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):7,054
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS、RTX3070Ti):6,881
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):6,827
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):6,744
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060):6,675
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):6,544
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H、RTX3060):6,488
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):6,225
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q):6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):5,810
スコアのほう、Ryzen 7 6800H/RTX3060搭載機としては「ものすごい」ものになりました。ウインタブの過去の実機レビューではまだRyzen 6000番台のデータが少ないのですが、過去データ上位でスコア7,000点オーバーとなっているのはすべてGeForce RTX3070Ti以上のGPUを搭載していますので、ちょっと異常な印象すらあります。ASUSの設計(MUXスイッチなど)の勝利と言えるのかも知れません。
続いてはグラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングPCでは最も重要になるテストですね。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):12,849、28,768、7,999
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):12,070、26,488、7,622
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,730、24,606、7,513
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX、RTX3070Ti):11,088、26,107、6,904
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H、GeForce RTX3070Ti):10,974、25,158、6,562
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):10,698、19,394、7,346
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H、RTX3080Ti)10,614、23,960、6,520
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):10,516、23,619、6,589
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):10,393、23,177、6,394
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS、RTX3070Ti):10,259、24,084、6,277
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080):9,276、20,063、5,873
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,981、21,434、5,488
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、5,049
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H、RTX3060):8,273、18,927、-
Lenovo Legion 750i(Core i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,156、18,070、-
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060)):8,023、18,153、4,491
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):6,974、15,408、4,088
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、3,150
※左からTime Spy、FireStrike、Port Royalのスコア
テストを終えて、思わずGPUの型番を再確認してしまいました。というか、テスト結果の画面でしっかり「RTX3060」って書いてあるんですけどね…。このスコアはワンランク上のGPU、RTX3070といい勝負くらいです。また、Port Royal(リアルタイムレイトレーシング性能を測定するテスト)で5,000点オーバーとなったRTX3060搭載機はウインタブで過去に見たことがありません。
次に個別ゲーム「ファイナルファンタジー15」のベンチマーク結果です。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):11,839
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,658
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):10,966
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H、RTX3080Ti):10,605
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):10,371
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H):10,260
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS、RTX3070Ti):10,039
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):9,451
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):9,063
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080):9,004
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,946
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,879
Lenovo Legion 750i(i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,431
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
MSI GP75 Leopard(i7-10750H、RTX2070):7,995
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,869
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060)):7,513
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):7,138
ここでも素晴らしいスコアが出たと思います。RTX3060の過去データは少ないですが、「CPUがRyzen 6000番台ではないRTX3070搭載機」よりも高いスコアが出ていますので、「すごく満足できる」結果だと思います。
続いてはCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGPU(GeForce)の搭載有無は影響を受けないとされています。
参考:
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H):1,918、17,827
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H):1,916、19,344
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H):1,891、17,881
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H):1,800、15,593
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):1,797、8,791
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P):1,659、13,793
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS):1,543、13,832
ASUS Vivobook 15 OLED K512EA(Core i7-1165G7):1,497、5,555
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H):1,491、12,210
ASUS Vivobook Pro 15 OLED(Ryzen 7 5900HX):1,482、12,108
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):1,477、5,526
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H):1,422、11,241
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H):1,348、11,419
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
ここでも十分に高いスコアが出たと思います。ただし、CINEBENCHに関しては、「Ryzen 5000番台 VS Intel 第11世代」では特にマルチコアのスコアでRyzenがCoreを圧倒していたのですが、Intelが第12世代になってからはRyzenよりも高いスコアをマークするケースが増えているような気がします。
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。高速…ではあるのですが、この製品は「PCIe 4.0 ×4接続」なので、その割にふさわしいスコアになっていません。PCIe3.0と4.0では「測定誤差」では済まないくらいのスコア差になるはずなのですが、数回テストしてもここに掲載しているものと大差ない結果になっています。もちろんこれで何の支障もないというか、全然文句はないのですが、PCIe 4.0というスペックの割には不本意です。
ゲームプレイ
オープンワールドレースゲームの重量級タイトル(ソフトウェアの容量が大きく、快適な動作には高いPCスペックを要求する、という意味です)「FORZA HORIZON 5」をテストプレイしてみました。趣旨としては「ベンチマークモードを搭載しているので、プレイの快適性予測を計量化できる」ということです。
ベンチマークモード結果です。上の画像はグラフィックのプリセットを「エクストリーム」にしたもの、下の画像はプリセットを「最高」にしたものです。また、レイトレーシング効果も「高」なので、PCにかかる負荷はかなり大きいと思われます。
基本的に、普通の人ならエクストリーム品質で快適にプレイができると思います。また、ベンチマークモードでゲーム側が推奨している「最高(という名前ですが、実際は上から2番め)」であれば「よりガチな人」のプレイでも不満を感じないでしょう。というか、私のレベル(下手くそ)だと美しいグラフィックを楽しみたいので、迷わずエクストリームでプレイすると思います。
一方で、この製品の謳う「リフレッシュレート300 Hz」ですが、このタイトルでは実現できませんでした。グラフィックを「低」にしても最高フレームレートが300fpsに到達しなかった、ということです。しかし、「最高数値が出る」のと「最高数値が出せる」というのは意味合いが違うと思いますし、特により軽量なゲームではこの製品のディスプレイ品質を堪能できるだろうと思います。
ちなみに、ベンチマークテスト結果のところでも書きましたが、この製品は「とてもRTX3060搭載機とは思えない」実力がありますね。
発熱とファン音
ゲームプレイ以外、というか普通にオフィスワークをする場合などは発熱、ファン音とも気になりません。Armoury Crateで「サイレントモード」にしておけばほぼ無音と言っていいくらいです。Turboモードでゲームプレイをするとファン音は最大で60dbくらいに達しますが、音質が耳障りではないので、そんなに不満を感じませんでした。おそらくゲーム中はヘッドセットを使われる人が多いと思いますが、スピーカーでプレイしてもファン音に邪魔されているという感じはなかったですね。
また、ゲームプレイ中はキーボード上部が45℃くらいまで上昇しましたが、これ、ゲーミングノートの表面温度としては優秀な部類だと思います。おそらくキー操作などに影響をおよぼすこともないでしょう。ただし、側面からの排気は結構熱いので、マウス操作であまり本体に近づけないほうがいいかと。
4.ROG Strix G15 レビューまとめ
ASUS ROG Strix G15 G513RM(エレクトロパンク)は8月12日に発売され、ASUS Storeでの価格は税込み239,800円です。
ウインタブでよく使う言い回しで「仕事用としてもゲーム用としても」とか「仕事用として使い、息抜きにゲーム」などというものがあります。実際、ウインタブ読者の多くはゲーミングノートを購入したからと言って「ゲームしかしない」という人は少数派だと思います。もちろん仕事用にスタンダードノートを、ゲーム用にゲーミングノートあるいはゲーミングデスクトップを、という人もいるとは思いますが、庶民感覚だと「これ一台で何でもこなす」ということになりますよね。
ROG Strix G15 G513RMもまた、「これ一台で何でも」という使い方はできます。実際、ディスプレイはASUSの有機ELパネルには及ばないものの発色品質が高いですし、スピーカーも高音質、キーボードも仕事用として使いやすいものです。でも、「仕事用として使い、息抜きにゲーム」というよりは「ゲーム用として使い、合間に仕事」という感じの製品だと思いますw
ROGというブランドはASUSのゲーミングPCとしては上位に位置するので、価格が低めとまでは言えません。実際この製品も239,800円しますし。ただし、大切なところにはしっかりコストをかけていて、そのコストの掛けどころが「ゲーミングに全振り」されているといえます。顕著な例としては「ディスプレイのリフレッシュレートは300 Hzだが、Webカメラがない」というあたりでしょうか。やっぱりねえ、仕事で使うんなら「いまどきWebカメラなし」っていうのはどうかと思うんですよ。
一方で、ゲーミングノートとしてのパフォーマンスや使用感が抜群である、というのはこれまで述べてきたとおりです。RTX3060搭載機でここまでのパフォーマンスを絞り出せる製品は他に見たことがありません。また、外観の迫力も半端ないです。
ということで、「VERY ROG」な製品だと思います。
5.関連リンク
ROG Strix G15 G513RM (G513RM-R76R3060PINK):ASUS Store
コメント
ゲーミングpcの割にスペーキーがかなり小さいのが気になるなぁ
参考になるコメントありがとうございます。私はゲームコントローラーを使ってPCゲームをすることが多く、キーボードでのゲームプレイ(FPSゲームなど)はスペースキー云々以前に瞬殺されてしまうので、このようなことをしっかり記事に記載できないことが多いです。次回のレビューからはご指摘の点も取り入れていきたいと思います。