米国ラスベガスで開催されているCES2019に合わせ、各社から意欲的なニューモデルが続々と発表されていて、ウインタブの記事公開ペースだと到底追っつかないくらいになっています。また、もはや日本市場というのはそれほど重要視されていないのかもしれませんが、米国で発表されたモデルが必ずしも日本で発売されるとは限りませんし、発売される場合でも(例えばHP製品によく見られますが)米国での発売から数カ月遅れとなるケースもあります。
個人的に、比較的日米の発売ラグが短いのがDELLとLenovo、逆に「いつ日本で発売されるのかよくわからない」くらいなのがacerやASUS、というイメージがあります。で、今回紹介するのはASUSのニューモデルで、「日本発売うんぬんよりも、どうしても紹介記事を書かずにはおれない」くらいの超個性派です。トップ画像を見ていただければ「Surfaceっぽい」と思われるかもしれませんが、製品特性は似ても似つかないです。
1.スペック
OSはWindows 10 HomeもしくはPro、CPUはモバイル用としては最高峰と言えるCore i9-8950HKが搭載されます。GPUも最新のハイエンド、GeForce RTX2080です。RAMは最大64GB、ストレージは512GB M.2 SSDを3基搭載し、RAID0(ストライピング、複数のストレージにデータを分割して読み書きするので超高速。ただしバックアップとしての機能はない)構成になっています。
ディスプレイは17.3インチのIPS液晶、FHD解像度で、リフレッシュレートは144 Hz、応答速度は3msです。ただし、「タッチ対応ではありません」。ここびっくりしますよね?Surfaceっぽい筐体構造なんですけど、タッチパネルでタブレット的に使うという発想は全くありません。同様に、どうやらバッテリーも内蔵していないようなんです。電源接続しないと使えないです。
この製品の形状は「デタッチャブル2 in 1」ですが、そういうわけで外出先(屋外とか電車の中とか)で使うことための仕様ではなく、あくまでもスペース効率を考えた結果、ということです。
通信は「Wi-Fi6(ax規格)」に対応しますし、もちろん有線接続も可能です。ほかの入出力ポートも数が多く、もはやノートPCの構成とは言えないレベルです。そして、サイズのほうもすごいですね。17.3インチなのでタテ・ヨコサイズはかなり大きいいですし、重量も5キロ近いです。
2.筐体
トップ画像でもそう感じましたが、こうやって画像を見ているとSurfaceっぽい、というのはあります。しかし…
これも同じくROG Motorshipです。こうやって見ると、SurfaceではなくAIO(オールインワンPC)ですよね。この製品のキーボードは折りたたみ式で、展開するとSurfaceのタイプカバーっぽい感じで本体と接続でき、折りたたむとAIOのキーボード、というかデスクトップ用のキーボードのようにして使えます。
アングルを変えてみました。このキーボードは有線・無線のいずれにも対応し、キーストロークは2.5 mmと深め、Nキーロールオーバー対応でRGBバックライトを装備します。また、画像を見ると、テンキー部分がタッチパッドを兼ねる「ROG ZEPHYRUS」と同じ構造になっているのがわかります。
なぜこのような構造にしたのか?だって、そもそも電源がないと動かないのであればそれはもはやノートPC形態である必要はないし、あえてSurfaceっぽいデザインにする必要もないのでは?と思いますよね。ASUSのニュースリースにはこんな説明がありました。
「ゲーミングノートを使うゲーマーの多くは外部ディスプレイと外部キーボードを使用していることがわかった。また、ゲーミングノートは接地面積が大きいのでデスクのスペースを多く必要とするし、キーボードを傾けるなどのポジション変更が難しい。」
つまり、筐体を縦型にして必要な設置スペースを小さくし、キーボードを着脱式にすることによって快適なポジションでゲームをプレイできるようにした、ということなんです。
また、これだけのモンスタースペックですから、冷却性能も非常に重要になってきますが、ノートPC形態のように底面が常にデスクに密着した状態よりも、ROG Mothershipのような縦型のほうが冷却面では有利です。この製品はセルフ・クリーニング機能のついたファン2基と、合計で375フィンのヒートシンク、8本のヒートパイプを装備し、万全の冷却性能を発揮します。
筐体はCNC加工のアルミ・ユニボディとなっており、ディスプレイ面下部にはクワッド(4)スピーカーを装備し、ESS Sabre HiFi DACによるハイレゾ対応の音質も楽しめるなど、随所に高い技術が投入されています。
3.価格など
ASUS ROG Mothership (GZ700)は2019年第2四半期(4月~6月)に発売される予定で、価格はまだ公表されていません。また、日本での発売についても不明です。だれもが想像できる話ですが、価格のほう、「相当すごい」ことになりそうな気がします。
最初、「コンセプトモデルかな?」と思ったんですけど、販売予定があるということなので少々驚きました。もちろん日本でも発売してほしいですが、値段を見て萎える、という可能性が高そうです。
4.関連リンク
ASUS Republic of Gamers Unveils Mothership (GZ700):ASUS ニュースリリース(英語)
ROG Mothership (GZ700):ASUS 製品ページ(英語)
コメント
これを見て思いましたがAcerが実際にタブレットにもなるPredator Triton 900という機種を発表してましたがあちらの価格をみるとこちらは多少はお安いんでしょうか。
見習いプログラマーさん、すみません、まだPredatorの紹介記事書いてません。ウインタブ読者のニーズはあると思うので出来るだけ早く書きます。
長時間使うだろうからそれに合わせて角度も調整できるものが良いと・・・なるほどなあ。
PYUさん、こんにちは。この製品はモバイルとか全然考えてないですね。結果的にSurfaceみたいなデザインになっちゃったと。ただ、おっしゃるように理にかなっていると思います。
これでタッチ対応かつバッテリー付きなら新しい持ち運べるゲーミングパソコンの一角になりそうですよね
気になる点としては、ヒートパイプの重量から、上部に集中した重量で不安定になりそうなこと
それと、いくらエアフローが通常のクラムシェル型より有利でも、サイズから来る絶対的な冷却力不足に対応するための外付け冷却ファンが必要そうなことですね
こんにちは。実際どうなんでしょうね。どのくらい一般受けするんだろう…。価格の方も気になりますよね。とても買える値段じゃなさそうな気が。
タブレットとして作っていないのが惜しい
コンテンツが無いのだからゲームPCとしては不要なタッチ機能ではあるけど
液タブCintiqとHTC VIVEと連携のデモが行われているように
制作でタブとVRの連携は有望だと思うんですよね
現在のGPU性能はVR界では過渡期というよりごく初期段階です
この先GPU性能をTITAN RTX比で数十倍に引き上げて
数百TFLOPSまでもっていかないといけない事を考えると
据え置きタブはジャンルとして継続できる潜在需要があると考えています
こんにちは。この製品の場合はゲーム特化ですね。世の中クリエイター向けとゲーマー向けの製品差別化が進んできているので、よく似た筐体でクリエイター向けのものが出てくるといいかも。おっしゃるようなVRとの連携を視野に入れるとプロユースということになると思うので、価格的にもある程度許容範囲が大きくなりそうですし。
タッチもないバッテリーもない
なんで小さい筐体にしたんや