こんにちは、natsukiです。今回は、スマホでおなじみの中国メーカーUMIDIGIから発売された10インチクラスAndroidタブレットUMIDIGI A11 Tabを紹介します。10インチクラスのAndroidタブレットというのは、中国メーカーの超激戦区で、Teclast、ALLDOCUBE、BMAXなど、コスパ良好な製品がひしめいています。
先日、Teclast T40 Plusを実機レビューさせていただきましたが、大満足の仕上がりでした。そんな中に、コスパ抜群のスマホで定評のあるUMIDIGIもぶち込んできました。そして面白いのは、このUMIDIGI A11 Tab、基本スペック上だけ見ると、はっきり言って他社製品に見劣りするんですが、かなり独自の個性を備えています。他社製品が差異を探すのが難しいくらい似通っているのに対して、なかなか興味深い特徴を備えた構成となっているんです。
基本スペックだけ見てスルーせずに、用途を考えてじっくり検討してあげたい製品です。ちなみに、UMIDIGIには「UMIDIGI A11」シリーズのスマホもあるので、名称が非常にややこしい。ご注意ください。
1.UMIDIGI A11 Tab スペック
UMIDIGI A11 Tab | |
OS | Android 11 |
CPU | Helio P22 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 10.4インチIPS(2,000×1,200ピクセル) |
LTEバンド | FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28A/28B/B66 TDD-LTE:B34/38/39/40/41 |
SIM | Nano SIM×2(SIM2はmicroSDと排他?) |
ネットワーク | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac、 Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C(Gen1)、microSDカードリーダー |
カメラ | イン8MP/アウト16MP |
スピーカー | 4 |
バッテリー | 8,000mAh |
サイズ | 247.2mm×156.96mm×厚さ7.95mm |
重量 | 527g |
ポイント
・処理能力は、ライバル機種に比べて低め
・アウトカメラ解像度16MP、インカメラ8MPと、カメラはタブレットとしては高解像度
・LTE対応で、バンド19も含め幅広い周波数をカバー
・指紋認証搭載
・大容量バッテリー
・専用キーボードあり
コメント
基本的な性格としては、Android 11世代の10インチサイズタブレットです。代表的なライバル製品としては、「Teclast T40 Plus」「BMAX MaxPad I11」「ALLDOCUBE iPlay 40 Pro」があります。先にUMIDIGI A11 Tabの価格をいっておくと、セール価格でアバウト20,000円。
これは、Teclast T40 Plus、BMAX MaxPad I11とほぼ同価格か少し安いくらいです。ALLDOCUBE iPlay 40 Proは、ストーレジが大きい分、少し高くなります。
これら製品とスペックを比較した場合、ストレージ128GBはTeclast T40 PlusやBMAX MaxPad I11と同じ(ALLDOCUBE iPlay 40 Proはストレージ256GB)。ディスプレイ解像度の2000×1200ピクセルも、4製品とも同じ。ところが肝心のCPU(SOC)を見ると、Teclast T40 PlusやBMAX MaxPad I11、ALLDOCUBE iPlay 40 ProがAntutuスコア20万点台のUNISOC T618を搭載しているのに対して、UMIDIGI A11 TabはHelio P22です。Antutuバージョン9でのスコアは、おそらく10万点に届くかどうかといったところ……。また、RAMも4GBとなっています。
あ、ちょっとまって下さい、まだ帰らないで! ここまで見ると、コスパ最高のスマホで鳴らしたUMIDIGIともあろうものが、タブレットではダメじゃん、とスルーしそうになります。が、注目すべきはここから。同クラスの他社タブレットにない、もしくは少ない個性を色々と備えているんです。
まず、指紋認証に対応しています。このクラスのタブレットではめずらしい。それからLTE対応で、そのバンドの範囲が広く、バンド19にも対応しています。これも他社タブレットにない特徴で、すでに日本でのスマホ展開が長いUMIDIGIの面目躍如といったところでしょう。
そして、アウトカメラは充実の解像度16MP。私はUMIDIGIのスマホについては、やや古い製品ながら「UMI Z」と「UMIDIGI Z2」をヘビーユースしてきました(UMIDIGI Z2は家族が使っていてバリバリ現役です)。その経験上、カメラ性能については「そこそこ」と評価しています。通常の環境ではけっこうきれいに撮れる一方、光量が足りないと色味がおかしかったり、カメラアプリはベーシックなものだったり、特殊な状況には弱いという感じ。しかし、基礎能力は十分です。
また、カメラアプリについても、Teclast T40はホント最低限のものでしたが、UMIDIGI A11 Tabは「ビューティー、ポートレート、透かし、タイマー、連続撮影、プロフェッショナル」モードに対応しているとのこと。要するに、カメラ性能に関しては、今どきのスマホ並を求めるのは酷でも、同価格帯のタブレットとは一線を画した「撮影にもいちおう使える性能」は期待できそうな感じです。
重量は、他社が500gを切るのもめずらしくないので、ちょっと重いな、と思いきや、バッテリー容量が他社が6,000mAh台なのに対し、UMIDIGI A11 Tabは8,000mAhの大容量。これは、CPUが低性能なのも相まって電池保ちはかなり期待できるか? もっとも、この辺はソフト面での制御も絡んでくるので、使ってみないとなんともいえないところではありますが。
スピーカーは4スピーカーで、ステレオ感が期待できそう。ただここは、Teclast T40 PlusやALLDOCUBE iPlay 40 Proも同じです。
この他、オプションで専用キーボードも用意されています。
2.UMIDIGI A11 Tab 筐体
こちらが筐体。UMIDIGIなんで、ビルドクォリティは心配要らないでしょう。ベゼル幅は7.8mと明記されていて、筐体サイズは実機レビューしたTeclast T40 Plusとほぼ同じなことから、画像の「盛り」はなく、実機も製品画像と同様の外観と考えてよいと思います。
こちらが6面図。4スピーカーなのは嬉しいですね。また、3.5mmオーディオジャックは、USB Type-Cで兼用してしまって省略されるタイプです。ここだけは、個人的にちょっと残念。
そして、メーカーサイトによれば、デフォルトでケースが付属します。これは嬉しい。
オプションのキーボードです。Aliexpressの公式ストアでは、まとめて買うことが可能です。タッチパッドがちゃんとあるし、よく見るとキーも6列あるので、「Andoroidで」という前提付きですが、オフィスワークなどもそれなりに快適に使えそうです。
以上、どの点を見ても、ハード面はこの価格帯であれば申し分なしといってよいでしょう。あ、ペンは無いか。
3.まとめと販路、価格
このUMIDIGI A11 Tabは、単純な処理能力ではライバル機種より劣るため、ゲーム向けとしてはお勧めできません。その一方、動画視聴やブラウジング、3Dグラフィックを要しないゲームなど、カジュアルな利用に必要なスペックは押さえています(ただしWidevineについての説明はなく、おそらくL3ではないかと思われます)。できれば、せめてHelio P60にしてくれれば……という思いはありますけどね。
その魅力は、指紋認証、日本の電波事情にも適合したLTEバンド対応、同価格帯のタブレットとしては高解像度なカメラ、大容量バッテリー、専用キーボードあり、といった幅広いシーンで活躍できる汎用性にあります。構成という点では、他社タブレットに全面的に差を付けたすばらしいパッケージングといえます。
価格は、記事執筆現在、Banggoodで予約販売169.99ドル(19,314円)の送料141円、ただし先着50台で、早い者勝ちで価格が上がっていくいつものパターン。こちらは、キーボードはまだ販売無し。Aliexpressの公式ストアではキーボード無しが169.99ドル(19,635円)、キーボード付きで199.99ドル(23,100円)の送料無料となっています。Aliexpressは割引がややこしいながら、数百円程度の割引クーポンは誰にでも付きそうです。キーボードが要るかどうかは想定される用途によりますが、この価格差なら一緒に注文しておいても後悔しないでしょう。
CPUを見ると残念感が先に立ってしまいますが、特徴的なハード構成で他社タブレットと明確にコンセプトを分けてきた製品なので、用途を考えて総合的に考えるなら十分に価値はあると思います。「どう使うか?」で、評価の分かれる製品ですね。
4.関連リンク
UMIDIGI A11 Tab:メーカーサイト
UMIDIGI A11 Tab:UMIDIGI Official Store(AliExpress)
UMIDIGI A11 Tab:Banggood
コメント
RAM4GBってリンク先にはあるけど8GB版もあるんでしょうか?
失礼いたしました。ミスです。該当箇所を修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。
なぜかタブレットだと重要視されないのかあまり語られないのですが、
この価格帯でセンサー全部入りですよ。
カーナビ用途なので特に周辺光と加速度のセンサーは重要です。
これで8GBだったらなぁ。
LOCATION
GPS / GLONASS / BeiDou / GALILEO
SENSOR
Fingerprint Sensor
Gravity Sensor
Gyro Sensor
Geomagnetic Sensor
Hall Sensor
Ambient Light Sensor
コメントありがとうございます。
なるほど!そういう視点もあるんですね。
ほんと、構成は素晴らしい製品だと思います。
スマホ屋さんのまかないタブレットって感じですね
コメントありがとうございます。
確かに。サイズとバッテリーを隠せば、完全にエントリー須磨ですもんね。