こんにちは。かのあゆです。中国の通販サイト「Banggood」よりUlefoneの最新タフネススマホである「Ulefone Armor 5」を提供していただいたのでレビューさせていただきたいと思います。この製品はタフネス系スマホながら近年のトレンドである「ノッチ」を採用したスタイリッシュなデザインが特徴となっていますが、中身も十分に高性能な一台となっています。
また今回もPDA工房より専用フィルムを製作・提供していただいているのでこちらに関してもレビューさせていただきたいと思います。製品を提供していただいたBanggood、および専用フィルムを製作していただいたPDA工房にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
1.スペック
搭載OSはAndroid 8.1 “Oreo”。現在はすでにAndroid 9.0 “Pie”がリリース済みとなっていますが、まだGoogle PixelシリーズやEssential Phone PH-1、Xperia XZ3など一部の機種にしか提供されておらず、普及し始めるまでしばらく時間がかかりそうなこともあり、Android 8.x系最終バージョンであるAndroid 8.1を搭載したことは評価できると思います。
搭載CPUはMediaTek Helio P23。Helio P23に関してはクロック数2.0GhzのMT6763Vと2.5Ghzで稼働する上位版のMT6763Tが存在しますが、Ulefone Armor 5に採用されているのは2.0Ghz版のMT6763Vとなります。
この辺に関しては同じ「Helio P23」という型番で2種類のCPUが存在するため、スペック表だけではクロック数まで記載していない場合ややこしい部分ではあります。
Ulefone Armor 5に関しては下位のMT6763Vが搭載されていますが、液晶解像度がHD+に抑えられていることもあってスペック的には日本で正規流通している同クラスのスマートフォンであるHuawei P20 liteとほぼ同等の性能となっています。
またHelio P23ではGPUにHuaweiのKirin 970やSamsungのExynos 8895で採用されていたものと同じ「Mali-G71」が採用されています。
ただし、Kirin 970に搭載されているものが「Mali-G71 MP12」、Exynos 8895に搭載されているものが「Mali-G71 MP18」であるのに対し、Helio P23に採用されているものは「Mali-G71 MP2」と一番下のグレードのものになるため、さすがにハイエンド向けCPUに搭載されているものと同じグラフィック性能というわけではありませんが、ミッドレンジクラスのCPUの中では高いグラフィック性能となっています。
ディスプレイは5.85インチサイズで近年のトレンドになっている「ノッチ」を採用した18.9:9縦横比サイズとなっています。
液晶解像度は先日紹介したOppo R15 Neoと同じくHD+(1,520 x 720)となっています。せっかくノッチディスプレイを採用したのであればぜいたくを言えばFHD+以上の解像度を採用してほしかったというのは正直な感想ではありますが、HD+でも画質が著しく劣るということはありませんし、Ulefone Armor 5の場合あえてHD+に抑えたことでMediaTek Helio P23の一番下のグレードであるMT6763Vを採用しながら後述するベンチマークテストではHelio X20やKirin 659に迫るスコアをたたき出していることもあって、画質と性能のバランスを考えたいい選択肢だったと思います。
カメラに関してはインカメラが13MP(ソフトウェアで16MPに補間)+5MP、アウトカメラが8MP(ソフトウェアで13MPに補間)となっています。こちらに関しても使用感のところでサンプルを何枚か掲載しますが、予想以上に美しい写真を撮影できる性能になっており、普段使いであれば十分活用できると思います。
バッテリーは5,000mAhと大容量のものを搭載しています。
もちろん中華スマートフォンだと10,000mAh搭載!というものも多数存在はするものの、あまりにも大容量すぎるとスマートフォンというよりは液晶の付いたモバイルバッテリーという感覚になってしまって常時持ち運びには困ってしまうので、筐体のサイズとバッテリーの持ちのバランスを考えるとUlefone Armor 5の5,000mAhという容量のチョイスは非常にバランスの取れた選択肢だったと思います。
実際かのあゆの使用例では一度の充電でバッテリーを35%使うまで13時間程度と、かなり長い時間利用することができました。また付属するACアダプターは5V/9A出力の急速充電に対応しているため、2時間30分程度でフル充電を完了することができます。
またNFCや無線充電「qi」にも対応しています。
NFCに関しては公式サイトではGoogle Pay対応という記載がありますが、残念ながら日本で利用できるサービスに関してはおサイフケータイで採用されている「NFC Type-F(Felica)」に対応している必要があるため、海外端末のUlefone Armor 5では利用することができません。しかし、海外での買い物時に役に立ってくれるかもしれません。
なおUlefone Armror 5に関しては「MIL-STD-810G」準拠にはなっていませんが、Ulefone公式YouTubeチャンネルではかなりハードな落下テストなどの動画がアップロードされているのでタフネス性能に関しても安心して使っていけるものと考えてよさそうです。
2.デザイン
付属品はUSB-C変換ケーブル、USB-Cケーブル、OTGケーブル、ACアダプター、SIMピン、純正液晶保護フィルム、マニュアルとなっています。
Ulefone Armor 5はタフネススマホという性質上、専用TPUケースはパッケージには付属していません。
Ulefone公式サイトなどで使用されている製品画像と比べると若干ベゼルが目立つものの、タフネス系スマホでは世界初となるノッチディスプレイを採用していることもあって、非常にスタイリッシュなデザインとなっています。
正直届いた実機を見たら一目ぼれしてしまいました。タフネス系スマホはその性質上デザイン面に関してはあまり重視されていない一面がありましたが、これは本当にカッコいいと思います。
背面デザインも一見するとタフネス系スマホとは思えない光沢感のあるものとなっています。今回提供していただいたUlefone Armor 5は筐体カラーがブラックのものとなりますが、これに関しては本当に大人のデザインと感じられるものになっていて、非常に所有欲を満たすものになっています。
ただ背面パネルに関しては公式サイトでは「耐久性の高い複合材を採用している」とのことで耐久性面では問題がなさそうですが、使っているうちに傷が目立ってきそうなうえに本端末の専用ケースは「まず探すのが大変」でしょうから後述するPDA工房の保護フィルムなどを装着しておくとより安心して使っていけると思います。
左側面はSIMカード/microSDカードスロットが配置されています。
右側面は電源ボタンとボリュームキーが配置されています。
本体上部は3.5mmイヤホンジャックが配置されています。
Ulefone Armor 5に関してはオーディオチップに「AW8736」を搭載しており、スピーカー出力に関してはモノラルながらかなり高音質になっているのですが、ヘッドフォン出力に関してはボリュームを最大に上げても全体的に音量が小さめなのが気になる点ではあります。
ただし、後述しますがUlefone Armor 5はBluetoothヘッドフォンでLDACやaptX HDなど高音質なオーディオコーデックを選択可能になっているのでヘッドフォンを利用したい場合はBluetoothヘッドフォンを活用したほうがベストかもしれません。
本体下部はUSB-Cポートが配置されています。
残念ながらキャップレス防水ではないのでUSB-Cポート経由で充電を行う場合パッキンの劣化が気になるところですが、幸いUlefone Armor 5の場合無線充電にも対応しているのでこちらをメインに活用していくのがベストかもしれません。
3.使用感
Ulefone Armor 5に初期搭載されているAndroidのバージョンは8.1 “Oreo”。
ついに中華スマートフォンでもAndroid 8.xが普及し始めました。このバージョンではGoogleマップなどを小窓に表示できるPicture in Pictureやアプリのパスワードを自動入力してくれる機能などを搭載しており、前バージョンのAndroid 7.x “Nougat”より使い勝手が向上しています。
基本的にUI面では一切カスタマイズが行われていない素のAndroidそのもので、プリインストールされているアプリも独自のアウトドアツール類を除けばAndroidシステム標準 + Googleアプリのみという非常にクリーンなシステムになっています。
現時点で最新のファームウェアのAndroidセキュリティパッチは2018年5月5日のものとなっています。ショップROMではなくUlefone純正ROMなのでOTAアップデート機能もしっかり搭載されています。
また現時点ではUlefone Armor 5用のものは用意されていませんが、Ulefoneでは純正ROMも配布しています。
ROM Download: Ulefone
初期セットアップ完了直後のストレージの使用容量は64GB中8.48GB使用となっています。これだけ容量が空いていれば大容量アプリのインストールなどにもしっかり対応することができるのではないでしょうか。
設定にある「インテリジェントアシスト」の項目ではナビゲーションバーの配置の変更や各種ジェスチャーなどの設定などが行えるようになっています。
そのほか設定メニューには近年の中華スマートフォンでは標準搭載されることが多くなったMediaTek標準バックグラウンドアプリ管理ソフト「DuraSpeed」も用意されていますが、そもそもAndroid 8.0ではバックグラウンドアプリの管理に関しても改善されているので原則あまり使う必要はないかなと感じました。
Bluetoothヘッドフォンの対応コーデックにソニーの「LDAC」や「aptX HD」にしっかり対応していたことには驚きました。これらのコーデックを使うことでBluetoothヘッドフォンでもハイレゾクラスの音質で音楽を楽しむことができるようになっています。
これらのコーデックに関してはAndroid 8.0で標準対応するようになったのですが、すべての端末で実装されているわけではなく、安価なエントリー機などでは実装していないケースもあったので本当に予想外でした。
Ulefone Armor 5に関しては前述の通り3.5mmヘッドフォンジャック出力が微妙という弱点を抱えていますが、LDACやaptX HD対応Bluetoothヘッドフォンを活用すればこの辺に関してはカバーすることが可能です。
Ulefone Armror 5に唯一搭載されている独自アプリの「Outdoor Toolbox」はタフネス系スマホらしくアウトドア活用時に便利なコンパスやフラッシュライトなどのツールをひとまとめにしたアプリで、起動時のメニュー画面に関しては機械翻訳感があるものの一応日本語にローカライズされています。
ただしツール本体は日本語に翻訳されていません。しかし、起動すれば直感的に使い方がわかるようなツールばかりなので、あまり困ることはないでしょう。
カメラに関しては「いつもの」MediaTek標準カメラアプリではなく、独自カメラアプリが搭載されており、さらに標準設定ではHuaweiのPシリーズなどのように「Shot On Ulefone Armor 5」の透かしが入る設定になっています。
スペック的には13MP + 5MPという構成で、ソフトウェア補間で16MPまで引き上げられているということだったので、最初はあまりそこまで大きく期待はしていなかったのですが、予想以上にきれいに撮れるカメラで、レビュー開始からUlefone Armor 5でもよく写真を撮影するようになりました。
暗所でのカメラ性能はハイエンドクラスと比べてしまうと酷ですが、前回レビューしたHuawei P20 liteと比べても劣らない画質になっているのではないでしょうか。
ただし食事の写真に関しては若干赤みが強い印象かなというのが正直な感想なので、飯テロ写真を撮る場合は撮影後に画像編集アプリで色合いを調整してあげるとベストかもしれません。それでも十分おいしそうに撮れているんですけどね。
4.性能テスト
今回も性能テストはAntutu Benchmark v7.1.0で行っています。
参考 :
Samsung Galaxy S9 SM-G960F (Exynos 9810): 250,018
Samsung Galaxy S8 Duos SM-G950FD (Exynos 8895) : 194,363
Samsung Galaxy S8 SC-02J (Snapdragon 835) : 194,096
Sony Xperia X Performance F8132 (Snapdragon 820) : 157,502
Chuwi Hi9 Air(Helio X20): 95,498
Chuwi Hi9 (MT8173) : 88,330
Huawei P20 lite (Kirin 659); 86,761
ALLDOCUBE X1(Helio X20): 85,170
Vernee V2 Pro (Helio P23); 79,410
Huawei P10 lite(Kirin 658) : 78,986
HOMTOM HT70(MT6750T): 59,460
Blueboo S3(MT6750T): 57,837
Nomu S10 Pro (MT6737T) : 51,425
Vernee M6 (MT6750); 50,186
T-bao X101A (MT8783): 40,933
VKWorld Mix Plus (MT6737) : 44,558
PIPO N8(MT8163A):39,785
前述の通りUlefone Armor 5に搭載されているMediaTek Helio P23は一番下の構成となる2.0Ghz稼働のMT6763Vとなりますが、解像度がHD+に抑えられてCPUへの負担が軽くなっていることもあってかベンチマークのスコアとしてはHelio X20やKirin 659に近いスコアを計測しました。
通常動作に関しては先日レビューしたP20 lite同様サクサク軽快に動作してくれます。通常使いであればもうSnapdragon 845を搭載したハイエンドクラスではなくこのクラスのスマートフォンでも困ることはないのではないでしょうか。
GPUのスコアに関してはMali-T830 MP2を採用しているKirin 659よりも高いスコアを計測しています。実際に3Dゲームを何タイトルか動かしてみましたが、特にフレーム落ちなども起こさず快適にプレイすることができました。
「PUBG Mobile」に関しては未検証ですが、おそらくグラフィック設定「高」でのプレイは厳しいにしても、「低~中」程度に設定すれば問題なくプレイできるのではないでしょうか。
5.PDA工房製「高硬度保護フィルム」
今回もPDA工房に依頼してUlefone Armor 5専用液晶保護フィルムを製作していただいています。すでにPDA工房で取り扱っている全種類の液晶保護フィルムの取り扱いが開始されています。
Ulefone Armor 5専用液晶保護フィルム各種 : PDA工房
今回提供していただいたのはPETフィルムでありながらガラスフィルムと同じ9Hという硬度を実現した「高硬度保護フィルム」となります。今回も制作したフィルムを張り付けた状態で送付してもらうのではなく、完成したフィルムを自分で装着する形をとりました。
ノッチ採用機ですがフラットな液晶になっていることもあってノッチ部も含めフルカバーしてくれるタイプのフィルムになっています。
Ulefone Armor 5にはコーニングの「ゴリラガラス4」が採用されており、耐久性は強いのですがそれでも使用しているうちに細かい小傷が発生してしまうケースが多いため、高硬度の液晶保護フィルムを装着すると、より安心してポケットに入れることができます。
また今回は背面用のフィルムも制作していただいています。背面に関しては前述の通り衝撃に耐えられるつくりになっているとは思いますが、傷に関しては「普通につきやすそう」なうえに専用のケースも存在しないため、背面もきれいなまま使いたいのであればフィルムの装着は必須でしょう。
こちらも高硬度タイプのものとなっているのでしっかり背面をカバーしてくれます。
6.まとめ
Ulefone Armor 5はBanggoodで9月12日現在189.99ドル(約21,433円)で販売中となっています(9月17日までのセール価格)。「世界初のノッチディスプレイ採用タフネススマホ」ということでかなり期待していた製品であるのですが、実際の製品もパフォーマンス面、性能面、デザインすべてにおいてよくできた端末で、非常に気に入ってしまいました。
このところ毎日メイン端末であるGalaxy S9と一緒に持ち出しているのですが、正直Galaxy S9と同じくらい使っていて楽しいと思える一台に仕上がっています。こんなにわくわくするスマホはある意味久しぶりかもしれません。
Ulefone端末に関してはウインタブで「U008 Pro」「T1 Premium」とレビューしてきましたが、年々端末クオリティは向上しているように感じられます。
日本国内では「Ulefone Power 2」が「EveryPhone PW」として日本に投入されましたが、Armor 5に関しても日本で正式に販売しても受けるのじゃないかな…と個人的に感じています。
7.関連リンク
Ulefone Armor 5 IP68 Waterproof NFC Wireless Charge 5.85 inch 4GB 64GB MT6763 Octa core Smartphone : Banggood
コメント
ベゼルぶ厚過ぎてノッチいらないような
サイト用素材よりベゼルは広いですからね…
ただ実物見ると結構スタイリッシュでカッコいいですよ!
タフネススマホはArmorとBV8000proを持っているのですが、
両方とも充電ができなくなってしまい、文鎮と化しております。
共に一年前後でサヨナラしたので、バッテリーへたりではないと
思います。
まあArmorはそれ以前にいろいろ問題が多い楽しい機種でしたが・・・
最近のタフネス系は使い物になるのかなー。長期(年レベル)の
レビューがあるといいなぁ。
auのタフネスモデルなら知り合いがずっとつかってて
今年も毎週といっていいくらい海で使用してましたよ
充電系トラブルは中華系ではよくありますね
個体差が大きいのもなんとも
最近はよっぽどでもない限り中華スマートフォンの信頼性も向上してきているとは思うので、大丈夫だとは思いますがこの辺に関しては長期的に使ってみないとわからない部分ですよね…
本レビュー後も使わせていただいているので長期的に使った感想も記事にできればと思います。