こんにちは。かのあゆです。今回は中華8.0インチAndroidタブレット「PIPO N8」の実機レビューです。アンダー1万円クラスの低価格タブレットでありながら、高級感が感じられる筐体と美しい高解像度の液晶を搭載した高品質な製品となっています。この製品は中国の通販サイト「Banggood」に提供していただきました。Banggoodにはこの場でお礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。
1.スペック
OSはAndroid 7.0”Nougat”。Android 8.x”Oreo”が登場した今となっては最新バージョンでこそなくなってしまったものの、2018年2月現在最も普及しているバージョンのAndroid OSです。CPUはMediaTek MTK8163Aで、性能的には2013年に発売したGoogle Nexus 7(2013)に近いものとなっています。
RAMは2GB、内蔵ストレージは16GBと、2018年現在では控えめなスペックとなっています。ただし使用感に関しては後述しますが、エントリークラスとはいえ十分な性能を確保しています。microSDによるストレージ拡張も対応しているので動画などの大容量データは外部ストレージに保存し、アプリなども必要なもののみに絞り込めば十分活用していけるでしょう。
ディスプレイにはアンダー1万の低価格タブレットながら高解像度で美しいWUXGA(1,920×1,200) IPS液晶を搭載しています。そして、さらにGPSや今となっては珍しいmicroHDMIポートも装備されます。特にmicroHDMIポートはテレビにPIPO N8をつないで動画コンテンツを楽しむといったこともできるので、非常に便利に使えるのではないでしょうか。
2.デザイン
低価格帯のタブレットではあるものの、数年前に販売されていた同価格帯の中華タブレットとは異なり、金属素材を採用した非常に高級感のある筐体を採用しています。PIPO N8を試用していると、「この価格帯のタブレットも高品質になってきたんだなあ」と強く感じられます。
同梱物です。タブレット本体のほか、マニュアル、ACアダプター(海外仕様なので、日本で使うためには変換アダプターが必要です。通常Banggoodは変換アダプターを同梱してくれます)、microUSBケーブル、USB OTGケーブル、検査合格証が付属しています。
最低限必要なものはそろっているので、手元に届いたその日からPIPO N8をフル活用することができます。特にUSB OTGケーブルが付属しているのはありがたい限りです。
前面は標準的な8インチAndroidタブレットのデザインとなっています。
背面は前述の通り金属素材となっており、デザイン的にはiPhone風味に感じられました。とにかく安っぽさは一切感じられません。
かつての低価格中華タブレットは非常に傷つきやすいプラスチックを素材として採用していましたが、それを思うと低価格中華タブレットもここまで進化したのかと感心してしまいます。
左側面には何もありません。
右側面には電源ボタン、ボリュームボタンがあります。このへんはオーソドックスですね。
上面にはmicroSDカードスロット、3.5mmイヤホンジャック、microHDMIポート、microUSBポート、モノラルスピーカーが配置されています。スピーカーの音質に関しては特別高品質というわけではないものの、十分な音質は確保されています。
底面には端子類は一切配置されていません。
3.使用感
システム
搭載されているAndroid 7.0 “Nougat”はメーカーによるカスタマイズが行われていない「素の」Androidそのものになります。独自のカスタマイズも一切行われていないピュアなAndroid OSそのものであるため、システムに関しては完全に日本語化可能となっています。
プリインストールされているアプリはAndroidシステム標準アプリとGoogle検索アプリ、Gmailなど必要最小限のGoogleアプリ、中国語IMEとなっています。
中国語IMEに関してはシステムアプリとしてインストールされているため、完全にアンインストールをすることはできませんが、無効化は可能なので使わないのであれば無効化してしまってもいいでしょう。それ以外のメーカー独自アプリは一切プリインストールされていません。
今回試用したPIPO N8にインストールされているファームウェアでは2017年5月5日までのAndroidセキュリティパッチが適用済みとなっています。システムアップデートの項目も無効化されておらず、ファームウェア修正やセキュリティパッチがPIPOからリリースされた際には通常通り適用できるものと思われます。
初回起動時のシステムは16GB中599MBが使用中となっていました。素のAndroid OSに最小限のアプリしかプリインストールされていない分システムのサイズも小さくなっており、ある程度空き容量も確保されています。
大容量のアプリをたくさんインストールするには厳しいですが、必要なアプリを厳選してインストールする分には十分対応できるのではないでしょうか。
ゲームプレイ
PIPO N8に搭載されているMediaTek MTK8163Aに使われているGPUはARM Mali-T720。このGPUは2013年に発表された当時のミッドレンジスマートフォン・タブレット向けの製品で、決して最新のGPUというわけではありませんが、かのあゆが普段プレイしているレースゲーム「Need For Speed No Limits」に関しては上記スクリーンショットのように美しいグラフィックで快適にプレイすることができました。
特にこのゲームの場合、ゲーム開始時の最初のレースイベントが派手な演出も相まって非常に処理が重く、1年前のエントリークラスのタブレットではグラフィックを落とした設定でも処理落ちが発生していましたが、PIPO N8に関しては目立ったフレーム落ちが起きることもありませんでした。
もちろんハイエンドクラスのスマートフォンを前提にしているような重量級の3Dゲームは動作しない可能性もありますが、「Need For Speed No Limits」や「Asphalt 8」クラスのゲームであれば十分プレイできるレベルになっています。
カメラ
アウトカメラは前述の通り5.0MPです。現在エントリークラスのスマートフォンでも8.0MPクラスのものが標準的になっているので性能的にはかなり控えめなものと言えます。
カメラアプリのUIはMediaTek系CPUを搭載したスマートフォンでもよく使われている標準的なもので、HDR撮影モードやフィルター機能など最低限の機能は押さえてあります。
明所での画質は予想していたよりもきれいに撮れている印象です。
逆に暗所ではかなりノイズが目立ってしまう結果になってしまいました。暗所での撮影はかなり厳しい面がありますが、明所に関しては十分な画質は確保しているのでSNSやブログで使う分には十分活用できそうです。
4.性能テスト
性能テストはいつも通りAntutu Benchmarkで行いましたが、Antutu Benchmarkアプリのバージョンが6.x系から7.x系にアップデートされており、テスト項目が一部変更されたことにより、スコア体系も変わってしまいましたので、v6.x系で計測してきた以前の実機レビュー結果との比較も兼ねてv6系の最終バージョンであるv6.2.7と現在の最新バージョンであるv7.0.4での掲載結果を記載しています。
- Antutu v6.2.7
参考:
LeEco Le Pro 3(Snapdragon 821): 161,331
LeEco Le Max 2(Snapdragon 820): 135,484
Lenovo ZUK Z2(SnapDragon 820): 132,410
UMI Z(Helio X27): 110,070
Vernee Apollo(Helio X25): 93,251
Elephone S7(Helio X25): 92,543
Ulefone T1(Helio P25): 67,409
Ulefone Armor 2(Helio P25): 66,331
Ulefone T1 Premium(Helio P25): 64,775
Xiaomi Mi A1(Snapdragon 625): 63,577
Blackview BV8000 Pro(Helio P20): 63,473
DOOGEE MIX(Helio P25): 61,975
DOOGEE Y6 MAX(MT6750): 45,070
CoolPad Max A8(Snapdragon 617): 43,832
Elephone P8 Mini(MT6750T): 42,593
VOYO i8 Plus(MT6753): 39,030
Nomu S10 Pro (MT6737T) : 37,349
Xiaomi Redmi Note 5 (Snapdragon 435) : 36,439
※マウス MADOSMA Q501(Snapdragon 410): 35,663
ZOJI Z7(MT6737); 30,616
Ulefone U008 Pro(MT6737): 30,103
※Cube WP10(Snapdragon 210): 29,273
VKWorld Mix Plus(MT6737):27,127
※ドスパラ Diginnos Mobile(Snapdragon 210): 23,785
※FREETEL KATANA 01 (Snapdragon 210) : 22,724
※印はWindows 10 Mobile機
- Antutu v7.0.4
参考 :
Samsung Galaxy S8 Duos SM-G950FD (Exynos 8895) : 194,363
Samsung Galaxy S8 SC-02J (Snapdragon 835) : 194,096
Sony Xperia X Performance F8132 (Snapdragon 820) : 157,502
Huawei P10 Lite(Kirin 658) : 78,986
Nomu S10 Pro (MT6737T) : 51,425
VKWorld Mix Plus (MT6737) : 44,558
Antutu v6.2.7、v7.0,4ともにスコア的には同じMediaTekのスマートフォン向けエントリーCPUであるMT6737とほぼ同等のスコアを記録しました。
この性能は2013年に発売したGoogle Nexus 7(2013)に搭載されているQualcomm Snapdragon S4 Pro(実際にはSnapdragon 600のダウンクロック版)とほぼ同じスコアになりますが、画面解像度もほぼ同じNexus 7(2013)というタブレット自体が今でも十分活用できる性能になっていることを思うと、アンダー1万でついにこの性能のタブレットが購入できるようになってしまったのか!と感慨深いものを感じてしまいます。
実際試用中にゲーム以外の動作テストも一通り行ってみましたが、特にストレスを感じるようなことはなく快適に使用することができました。
5.PDA工房製「ブルーライトカット保護フィルム」について
今回もPDA工房よりPIPO N8専用の高品質な液晶フィルムを制作していただいています。試用機に装着されていたのは「ブルーライトカット保護フィルム」です。
このフィルムは目に有害なブルーライトを35%カットしてくれるのが特徴となっています。フィルム自体は光沢タイプのものとなっており、非常にクリアな表示を実現しています。この手のフィルムにありがちな色合いの変化も違和感ないレベルになっており、非常に高品質な液晶フィルムだと思います。
精度も日本製らしくぴったりフィットしており、本端末の液晶保護フィルムを選ぶのであれば真っ先にお勧めできる製品になっています。もちろんこれ以外にも9H高硬度タイプのフィルムやのぞき見防止機構がついた「Privacy Shield」など、用途によってさまざまなフィルムがフルカバーされています。
6.まとめ
PIPO N8はBanggoodにて85.99ドル(約9,377円)で販売中です。
昔からこの価格帯の中華タブレットは存在しており、かのあゆも個人的に何台か購入して使ってきました。CPUの性能が足りなかったり、タッチ精度が甘かったり、あるいは液晶や筐体が安価なプラスチック製ですぐに傷ついてしまったりと「価格なり」な部分が多かったのですが、2018年最新の低価格中華タブレットであるPIPO N8は高級感ある金属製筐体、美しいIPS WUXGA液晶、重量系の3Dゲームをプレイする用途でなければ十分すぎるCPU性能など、非常に高品質な製品になっており、かつての「安かろう悪かろう」感は全く感じられません。
性能的にもかのあゆが個人的に今でも十分使えるスペックで名機だと思っている「Nexus 7(2013)」とほぼ同スペックになりますが、Nexus 7(2013)が発売当時27,800円で販売されていたことを思うとPIPO N8の9,377円という価格は本当に破格だと思います。
あくまでエントリークラスのタブレットなのでストレージ容量は16GBと少なめですが、Nexus 7とは異なりmicroSDカードによるストレージ拡張も対応しているので、インストールするアプリを必要なものだけに絞り、大容量データはmicroSDカードに保存するようにすれば十分快適に利用可能です。
とにかくPIPO N8の品質は予想以上に素晴らしいものになっています。低価格で十分使える性能のタブレットが欲しい方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
7.関連リンク
PIPO N8 Android 7.0 Tablet PC : Banggood
コメント
最近の中華タブだとBook Walkerアプリが起動しない場合が多いのですが、本製品では起動しますでしょうか?
CMとかPhoenix OSとかが軒並み拒否られる状態です
Android端末については正直あまり深く掘ってなくて、現状家にあるのがnexus7の2012版だったりします···
流石に古い端末なんでRoot化して強引にAndroid7.1.2インストールしていじくり回してるんですが
そろそろ買い替えてもいいかなw
Debian noroot が起動するなら欲しい。
>>m.os.otaさん
初代Nexus 7(2012)は当時最新のTegra3にHD液晶で衝撃的な安さでしたよね!
公式ではAndroid 5.1.1までアップデートされましたが、今でもカスタムROMとしてAndroid 8.xまで移植されてるのはさすがだと思いますw
ただそろそろバッテリー寿命的にも厳しくなってるころだと思うのでどうせならPIPO N8に乗り換えちゃうのもありだと思いますw
>>匿名さん
root化なしでDebian動かしちゃうアプリですね!
今PIPO N8で動作確認いたしました。
一応Xサーバーの起動に時間がかかりますけどちゃんと起動することを確認しました!
GIMP For AndroidもそういえばAndroid端末でX環境動かしてLinux版をそのまま起動するというアプリでしたが、これと同じ仕組みっぽいですね…
>>ももだんごさん
中華タブレットだとデフォルトでroot化済みの端末もあったりしますし、カスタムROM環境でもroot取られてる場合がほとんどなのでroot化対策されて起動できないのかもしれませんね…
ただいまPIPO N8にてインストールを行い、初期コンテンツとして入っているマニュアルを開くところまで動作確認しましたが、問題なく起動できましたよ!
ご確認ありがとうございます
そこまで行ければ使えそうです
ダメな時は起動直後に弾かれるので…
BookWalkerは最近のバージョンでroot無くてもはじく端末増えてしまったので、中華タブ系だと事前に動作確認されてると安心感があります
バッテリーの持ちや、充電時間はいかがでしょうか?
freeさん、こんにちは。普通という感じですね。特に充電時間は急速対応ではないのでそこそこ時間がかかります。すみません、詳しく測定してないです。