Android OS搭載スマートウォッチにニューモデルです。このジャンルの製品を手掛けているのはほとんどが中国メーカーで「Zeblaze」や「Kospet」などがありますが、ウインタブがチェックしている限り、この2社にLEMFOを加えた3社が最も精力的にニューモデルを投入しているように思われます。
LEMFOのOS搭載スマートウォッチでは2020年末に「LEM 14」というニューモデルが発売されたばかりなのですが、それから短期間で「LEM15」の発売となりました。ただし、LEM14を置き換えるようなニューモデル、とかLEM14の上位モデル、と言う感じでもないですね。ということで、これからLEM14と比較しながらご説明していきます。なお、LEM14についてはウインタブで実機レビュー済みです。こちらもあわせてご覧ください。
LEMFO LEM14の実機レビュー - 新たな時代を感じさせる、エントリースマホ並みスペックのAndroidスマートウォッチ
1.LEMFO LEM15 スペック
スペック表
LEMFO LEM15 | |
OS | Android 10 |
CPU | MediaTek Helio P22 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 1.6インチ(400 × 400) |
LTEバンド | B1/2/3/5/7/12/17/20 |
SIM | Nano SIM |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n、Bluetooth 5.0(ウインタブ推定) |
入出力 | POGO Pin |
カメラ | 2MP(前面)/ 5MP(側面) |
バッテリー | 900 mAh |
サイズ | 文字盤長50.5 mm、厚さ16 mm、バンド長272 mm |
重量 | 73.5 g |
コメント
ウインタブだけが使っている表現ですが、この製品は「次世代スペック」のOS搭載スマートウォッチです。「Android 10/Helio P22/RAM4GB/ストレージ64GB」というスペックのことをこう呼んでいるわけですが、この構成はLEMFO、Kospet、Zeblazeのニューモデルで共通です。
しかし、ストレージに異変が…。LEM15のストレージは64GBではなく、128GBです。これはもう、完全にエントリースマホの構成を越えていますよね。スペックだけなら「重量級のゲーム以外はサクサク」と感じられます。
しかし、すごいのはここまで。ディスプレイは従来のOS搭載スマートウォッチと大差なく、1.6インチで解像度は400 × 400にとどまります。結局のところ、このディスプレイサイズと解像度がOS搭載スマートウォッチの性能面、機能面でのボトルネックになってしまいますので、スマホと同等の性能、機能はありますが、スマホと完全に同じように使うことは出来ません。また、ディスプレイ解像度が低いため、システムスペック以前にアプリ側で対応しないものも多数あると思います。
LEM14との比較だと、必ずしも全てのスペックが上回っている、という感じではありません。主な相違点では下記です。
・ストレージ:64GB/128GB
・ディスプレイ:1.69インチ(450 × 450)/ 1.6インチ(400 × 400)
・カメラ:8MP+13MP / 2MP+5MP
・バッテリー:1,600 mAh / 900 mAh
・筐体厚さ:18.5 mm / 16 mm
・筐体重量:90 g / 73.5 g
左からLEM14 / LEM15のスペック
LEM15が優れているのは「ストレージ容量」と「筐体サイズ」で、ディスプレイ解像度、カメラ画素数、バッテリー容量についてはLEM14のほうが上です。特にカメラ画素数については無視できないくらいの差になっていますね。なので、LEM15はLEM14を置き換えるニューモデルというよりも、LEM14を軽量化し、ストレージを大きくした、LEM14とは並列の製品と考えるべきかと思います。
なお、LEM14の実機レビューでも登場していた「Power Bank(専用の充電台にバッテリーを内蔵したもの)」はLEM15でも用意されます。本体のバッテリー容量900 mAhに加え、Power Bank側でも900 mAhのバッテリーがありますので、外出時にこれを一緒に持ち出せば、バッテリー駆動時間は大きく伸びるでしょう。
それと、「スマートウォッチとしての健康管理機能」ですが、これははっきり言って褒められたものではありません。というか安価なヘルストラッカーといい勝負(あるいは負け)くらいです。一般的なスマートウォッチと同様に、母艦スマホとペアリングして使うこともできますが、OS搭載、という点に意義を見いだせない場合、「やたらと高い割にたいして使えないヘルストラッカー」という評価になってしまいます。
蛇足ですがBanggoodの製品ページにOSが「Android 10.7」という記載がありました。「そんなバージョンあったっけ?」ということです。ただ、Android 10であるのは間違いないと思います。
2.筐体
Android OS搭載スマートウォッチを初めて見る人には新鮮に映るかもしれませんが、実は割とオーソドックスなデザインです。前面上部にインカメラがあり、ビデオチャットやWeb会議などで使えます。また、OS搭載機ということでどうしても筐体サイズが大きめ、厚めになってしまいますので、ちょっとスポーツウォッチっぽい外観に仕上げられています。
右側面にはボタンが2つ、そしてボタンの間にサイドカメラがあります。LEM14ではこの位置のカメラが13MPと高画素数でしたが、LEM15では5MPになっています。
また、背面(裏面)にはPOGOピン(充電及びデータ伝送用)と心拍数センサーがあります。
SIMスロットは左側面ですね。SIMを入れれば電話機として使えますし、単独でインターネット接続をしてゲームをインストールしたりできます(ネット接続はWi-Fiでも可能です)。
3.LEMFO LEM15 価格など
LEMFO LEM15は中国の通販サイト「Banggood」に製品ページがあり、5月30日現在プレオーダーセール中で、先着150台までは189.99ドル(21,240円)で購入できます。また、プレオーダー期間中はPower Bankも無償です。
この記事では従来モデルのLEM14と比較しながらご説明してきましたが、結局のところ「薄くて軽くなった」「ストレージが128GBになった」というメリットと「カメラ性能が低くなった」「ディスプレイ解像度が下がった」というデメリットをどう評価するか、ということになると思います。ちなみに5月30日現在だとLEM14とLEM15のプレオーダー価格はほぼ同じです。
私ならAndroid OS搭載スマートウォッチに128GBのストレージは不要ですし、それならカメラの画素数が高いほうがいいと思うので、LEM14を選びますが、読者の皆さんはいかがでしょう。
4.関連リンク
LEMFO LEM15:Banggood