Googleがスマートフォン「Pixel 8 / Pixel 8 Pro」を発表しました。発表の場は「MadeByGoogleイベント」で、日本市場でも同時発売されています。2023年になってから現行モデルのPixel 7シリーズに追加されたPixel 7aが日本でも大人気になったのは記憶に新しいところですが、最新モデルPixel 8シリーズは、筐体デザインはキープコンセプトながら、随所に改善が施されています。というか、キーワードは「AI」です。
1.Pixel 8 / 8 Pro スペック
スペック表
Pixel 8 / 8 Pro | |
OS | Android(アップデート7 年間) |
SoC | Google Tensor G3 |
RAM | Pixel 8:8GB / 8 Pro:12GB |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB ※512GBはPixel 8 Proのみ |
ディスプレイ | Pixel 8:6.2インチAMOLED(2,400×1,080)120Hz 8 Pro:6.7インチAMOLED(2,992×1,344)120Hz |
バンド | LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/17/18/19/20/21 B2526/28/30/32/38/39/40/41/42/46/48/66/71 5G:n1/2/3/5/7/8/12/20/25/28/30/38/40 n41/66/71/75/76/77/78/79 |
ネットワーク | Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth5.3 |
入出力 | USB Type-C |
カメラ | Pixel 8:イン10.5MP/アウト50MP+12MP 8 Pro:イン10.5MP/アウト50MP+48MP+48MP |
バッテリー | Pixel 8:4,575 mAh / 8 Pro:5,050 mAh |
サイズ | Pixel 8:150.5×70.8×8.9 mm 8 Pro:162.6×76.6×8.8 mm |
重量 | Pixel 8:187 g / 8 Pro:213 g |
コメント
OSはAndroidでバージョンは開示されていません。しかし、PixelシリーズはGoogleのリファレンスモデルと言える製品なので、以前から最新バージョンのAndroidを真っ先に使える(ガジェット好きには)「特権」がありましたし、今後もその「特権」は維持されることでしょう。なので、購入時のOSバージョンは全く気にする必要がありません。他のどの製品よりも早くAndroid 14が使えるはずです。
10月4日にAndroid 14が正式リリースされましたので、Pixel 8 / 8 Proの初期搭載OSはAndroid 14になるものと思われます。
また、OSとセキュリティ、Feature Drop(Googleデバイスに実装されている機能アップデートプログラム)はなんと7年間提供されます。なので、OSが古くなってしまうより先にハードウェアの陳腐化のほうが心配になる、という感じですね。
SoCはGoogle製のTensor G3です。真偽の程はわかりませんが、NanoreviewによればAntutu Ver.10のスコアは1,081,944とのこと。同じくNanoreviewが公開するTensor G2(Pixel 7シリーズが搭載)のスコアが801,967ということなので、単純にスコアだけ見れば20%くらいの性能アップということになります。ちなみにSnapdragon 8+ Gen 2は1,505,716、Snapdragon 8 Gen 1は1,121,653でした(いずれもNanoreviewの公表数値)。しかしまあ、スペック厨でないのなら、あんまり気にしなくていいでしょう。
Googleのイベント(MadeByGoogle、この記事の最後に動画をリンクしておきます)ではゲームが快適にプレイできます、という話ではなく「Google AIによる各種アシスタント機能の強化、カメラ機能の強化」が「説明のほとんど」でした。
RAMはPixel 8が8GB、Pixel 8 Proが12GB、ストレージはPixel 8が128GB/256GB、Pixel 8 Proが128GB/256GB/512GBです。私は現在Pixel 7の128GBモデルを使っていますが、動画を割と多めに撮影したり、いくつか3Dゲームをインストールしたりすると容量が心もとない感じになるので、これから買うなら256GBにしようかな、と思っています。…あ、いや、ついさっき256GBモデルを注文してしまいました…。
ディスプレイはPixel 8がPixel 7よりも0.1インチ小さくなり、リフレッシュレートが90Hzから120Hzになりました。Pixel 8 Proはサイズ、リフレッシュレートとも変更がありません。また、解像度はPixel 8がPixel 7と同じ、Pixel 8 ProはPixel 7 Proよりもほんの少しだけ低解像になりました。
しかし、発色品質は大幅に向上しているようです。Pixel 8は「Actua ディスプレイ」という名称でコントラスト比は1,000,000:1、ピーク輝度は2,000nit、Pixel 8 Proは「Super Actua ディスプレイ」という名称でピーク輝度は2,400nitに達します。
また、Pixel 8 ProはPixel 7 Proが採用していたエッジディスプレイ(両端がラウンドした形状)ではなく、フラットなものになっています。
カメラ画素数については、Pixel 8はPixel 7とほぼ同じ、Pixel 8 Proは超広角レンズがPixel 7 Proの12MPから48MPになったくらいで、メインカメラの画素数(50MP)というのは変わっていません。
もちろん「素の画質」も改善されているはずですが、「AIによる写真・動画の編集機能および画質改善機能」がセールスポイントです。
例えば、「5人で記念撮影をする」場合、高確率で誰かが目をつぶってしまったり、撮影の瞬間に動いてしまったりして、なかなか5人とも納得のできる表情になりません。これ、「あるある」ですよね?しかし、Pixel 8シリーズでは「5人とも納得できる、『いい表情』に加工できる」んです。また、従来からある消しゴム機能だけでなく、写真に写っている一部のオブジェクトの位置や大きさを変更できたりします。
下にリンクした動画、また製品ページからこれらの機能を確認できますが、個人的には「これならアリバイ写真とかも作れちゃうよね」などと思ってみたり…。まあ、「一人だけ変顔」の記念写真というのも思い出に残ると思うんですけどね。
2.Pixel 8 / 8 Pro 筐体
Pixel 8 Proです。筐体色は「Bay」「Obsidian」「Porcelain」の3色です。前面ガラスはゴリラガラス・ヴィクタスで中央にパンチホール、背面は「マット加工のガラス」です。なお、筐体色Obsidianのみストレージ128GB/256GB/512GBを選べ、他の色は128GB/256GBのみです。
こちらがPixel 8。筐体色は「Hazel」「Obsidian」「Rose」の3色です。前面にゴリラガラス・ヴィクタスが使われているのはPixel 8 Proと同じですが、背面は「サテン仕上げを施した最新のデザイン」とだけ説明されており、Pixel 8 Proとは素材や質感が異なるようです。Pixel 8でも筐体色Obsidianのみストレージ128GB/256GBを選べ、他の色は128GBのみが設定されます。
私はPixel 7ユーザーですが、Pixel 8シリーズの外観は「正直がっかり」というくらいに変化が小さいと感じます。
サイズを比較してみましょう。
Pixel 8:150.5×70.8×8.9 mm / 187 g
Pixel 7:155.6×73.2×8.7 mm / 197 g
Pixel 7a:152×72.9×9.0 mm / 193.5 g
Pixel 8 Pro:162.6×76.6×8.8 mm / 213 g
Pixel 7 Pro:162.9×76.6×8.9 mm / 212 g
Pixel 8 Proのほうはほとんど同じですが、Pixel 7のほうはずいぶん小さくなったような…。
よく見ると背面はちょっと変わりましたね。Pixel8のほうがカメラバンプの位置が上になっているのと、ケース上部の曲率が違います。あと、イベント動画で「Pixel史上、最も美しい」と自賛してましたので、筐体の質感なんかもかなり上がっていると思います。
Proのほうは結構変わりました。Pixel 7と7 Proはカメラ周りのデザインが明らかに異なりますが、Pixel 8と8 Proはデザインの共通性が高まったと思います。それと、Pixel 8 Proのカメラバンプ右側に「なんか丸いもの」がついていますが、これは「温度計」です。「フライパンや飲み物などの温度を測定できます」とのことで、この機能はPixel 8にはありません。
3.Pixel 8 / Pixel 8 Pro 価格など
Google Pixel 8 / 8 ProはGoogleストアで販売がスタートしており、価格は下記のとおりです。
Pixel 8:
128GB:112,900円
256GB:122,900円
Pixel 8 Pro:
128GB:159,900円
256GB:169,900円
512GB:189,900円
Pixel 7 / 7 Proから「ざっくり3万円」上がっちゃいましたね…。なお、購入特典として、Pixel 8を購入すると次回以降使える30,000円分のストアクレジットが、Pixel 8 Proを購入すると次回以降使える50,000円分のストアクレジットがプレゼントされます。なので、ストアクレジットが付与されてからになりますけど、Pixel Watch 2の購入にも充てられますね。特にPixel 8 ProならPixel Watch 2(51,800円)をタダ同然で入手できます。また、Google ストア 限定グッズのGoogle Pixel ポーチもプレゼントされます(なくなり次第終了)。
記事中でちらっと触れましたが、私、この記事を書きながらPixel 8(Proじゃないほうです)を注文してしまいました。昨年Pixel 7を購入した際のストアクレジット21,000円分が10月5日で期限切れになってしまうのと、Pixel 7が最大43,100円で下取りしてもらえるということだったので…。
製品ページや動画で説明されていた「AIによる新機能」、どのくらい使えるのか実際に試してみたいと思います。
4.関連リンク
Pixel 8:Google
Pixel 8 Pro:Google
コメント
ストアクレジットと下取りで毎年機種変しようと思ってる人にとっては毎年4万で最新機種が手に入るのだからそこまで高く感じないのかもな。
私はまさにそれだったと思います。記事中に書きましたが、昨年Pixel 7を購入した際にもらったストアクレジットが21,000円分あり、それが10月5日で期限切れになることと、Pixel 7の下取り見積もり額が43,100円だったので、本体価格から64,100円の割引が受けられること、そして30,000円のストアクレジットがもらえるということで、実質の負担額がエントリースマホ並みで済んだ、というのが大きいです。でも「次回使える3万円クレジット」というのがクセモノでして、また来年同じことになるんじゃないかと。はっきり言ってPixel 7のままでも不満はないんですけどねえ。