こんにちは。かのあゆです。今回はCUBEのAndroidタブレット「CUBE iPlay」をレビューしたいと思います。現在では日本国内でも希少になってしまった印象がある10.6インチの大型Androidタブレットで、2万未満で購入可能でありながら高精細なFHD液晶と十分な性能を備えた、CUBEらしいコストパフォーマンスに優れた製品となっています。今回のCUBE iPlayはBanggoodからの提供品となります。Banggoodにはこの場で御礼申し上げます。ありがとうございます。
1.スペック
OS: Android 6.0
CPU: MediaTek MT8163
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 10.6インチIPS(1,920 × 1,080)
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n、Bluetooth 4.0
カメラ: イン0.3MP / アウト2MP
入出力: microUSB 2.0、microHDMI、microSD、オーディオ、DC-IN
バッテリー: 6,000mAh
サイズ: 267.7 × 168 × 9.53 mm / 600 g
OSはAndroid 6.0 Marshmallow。現時点の最新バージョンである7.1.2 Nougatではないものの、昨年まで中華タブレットのほとんどで採用されていたAndroid 5.1.1と比較するとバッテリーの省電力機能「Doze」が実装されるなど様々な部分が改良されているため、十分使いやすくなっています。
搭載SoCはMediaTek製のMT8163。日本で正式に発売されている端末ではAmazon Fire 8やASUS ZenPad 8.0 Z380Mに採用されています。後述するAntutuベンチマークの結果はこれら2機種よりも高いスコアをただき出しており、軽めの3Dゲームであれば十分プレイできる性能となっています。もちろんWEBブラウズや動画鑑賞利用であればまずストレスが出ることはないかと思われます。
RAMは2GBと、最新のAndroidスマホ(の中上位機種)と比較するとややさびしい感じがありますが、CPUとのマッチングを考えると妥当なものと言えそうです。また、ストレージは32GBと、Android機としては十分な内容で、Google PlayやOneDriveなどのクラウドストレージやmicroSDカードを活用し、内蔵ストレージによほど多くのアプリをインストールしない限りは容量不足の心配はしなくてよさそうです。
なお、サイズ感ですが、Windows タブレットと比較してもそれほど軽量という印象はありません。10.6インチと「少しだけ大きい」サイズになっていて、重量も600 gですから、「普通」というレベルだと思います。バッグに入れての持ち歩きは特に辛いわけでもないでしょう。
2.筐体
商品の付属品はマニュアル類、USBケーブルとシンプルな構成になっています。なお、画像には写っていませんが、この製品のACアダプターはEUプラグでした。そのため、日本のコンセント形状に合わせるための変換アダプターを購入(100均でも売ってました)するか、パソコンのUSBポートから充電するか、USB接続の充電器を使用することになります。
前面デザインは特に変わったことはなく標準的なAndroidタブレットという印象です。液晶はIPSパネルで視野角も広く解像度がFHDということもあって非常に美しい表示を実現しています。
入出力ポート類は左側面に集中しています。画像左からオーディオジャック、microHDMIポート、microSDカードスロット、DCジャック、microUSBポートです。
右側面にはステレオスピーカーが搭載されています。音質のほうは意外と悪くはないのですが、ボリュームを最大に上げても音量が小さい点が気になりました。
本体上面は電源ボタンとボリュームキーがついていて、オーソドックスな感じです。
本体下面は特に何もありません。Windows タブレット、特に中華タブの場合、10インチサイズ以上になるとキーボード接続用のコネクターがついていることが多いですが、この製品はAndroid機ということもあり、キーボード接続は前提となっていないようですね。もちろんコネクターがなくともキーボード接続は可能です。
背面はアウトカメラが配置されています。筐体はプラスチック製と思われますが、安っぽさは感じられず、好印象でした。ただしメーカー名ロゴが簡体字中国語で大きくデザインされているのが気になる人もいるかもしれません。ある意味ではCUBEらしいともいえますが…。
3.使用感
前述のとおりOSはメーカーによるカスタマイズが一切行われていない素のAndroid 6.0がそのまま搭載されています。もちろん日本語ロケールも搭載されており、翻訳のほうもほぼ完全に行われているため日本人ユーザーでも特に迷うことなく使うことができるのではないでしょうか。
購入直後のストレージの使用率はこのようになっています。プリインストールアプリが少ないこともあって、システムで利用している領域が445MB程度となっており、十分な空き容量を確保しています。
プリインストールアプリは素のAndroidに含まれている標準アプリ、Google Play Store、Gmail、独自の中国ストアアプリ、動画検索アプリと非常にシンプルなものとなっています。
Google検索アプリも入っていませんが、Google Play Store自体は標準でインストールされているため必要なGoogleアプリに関しては通常通りGoogle Play Store経由で入手可能です。
もちろん中華アプリに関しては完全にアンインストールできます。CPUの性能が十分なものになっているため、パフォーマンスが低下するような箇所も見られず快適に動作していました。
3Dゲームに関しては「Need For Speed No Limits」と「Mortal Kombat X Mobile」で動作確認を行ってみました。
Need For Speedに関しては端末ごとに最適なグラフィック設定にしてくれることもあり、意外と快適にプレイできました。ゲームプレイ中に処理落ちが起きるような箇所も見られず10.6インチという大きさも相まって非常に快適にゲームを楽しむことができました。
一方割とハイエンド寄りのCPUを必要とする「Mortal Kombat X Mobile」に関してはプレイ自体可能ではあったものの、さすがにMT8163ではパワー不足なのか処理落ちが結構見られました。
内蔵ストレージはハイエンドスマートフォンで採用されている高速転送規格「UFS」ではなく、旧来の「eMMC」を採用。ベンチマーク結果は読み込みが41.46MB/s、書き込みが36.71MB/sという結果になりました。
eMMC採用製品でも機種によっては100MB/s程度出るものも存在するため、ベンチマーク的にはそこまで高速というわけではありませんが、実際には使用中特にアプリの起動やデータの保存が遅いと思うような箇所は見られず十分快適でした。
4.ベンチマーク
ベンチマークテストはAntutu Benchmark v6.2.7で行いました。
本CPU搭載機の平均ベンチマークスコアは30,000前後なのですが、本端末はOSが素のAndroidで独自UIが搭載されていないこともあり平均を上回る37,112というスコアをただき出しています。
もちろんAntutuのスコアだけがすべてというわけではありませんが、前述のとおり3Dゲームもそれなりに動きますし、動画鑑賞やWEBブラウズ端末としての利用であれば正直SnapDragon 820搭載ハイエンド機とそこまでパフォーマンス的な差は見られません。十分な性能だと思います。
参考:
LeEco LeMax 2 (SnapDragon 820) : 135,484
Lenovo ZUK Z2(SnapDragon 820): 132,410
UMI Z(Helio X27): 110,070
Vernee Apollo(Helio X25): 93,251
Elephone S7(Helio X25): 92,543
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420): 88,439
Xiaomi Mi Pad 3 (MT8176) : 81,488
Chuwi Vi 10 Plus(Remix OS、Atom X5-Z8300): 64,259
Teclast TBook 16 Pro(Atom x5-Z8300): 58,578
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 55,436
マウス MADOSMA Q601(SnapDragon 617): 48,008
Teclast X89 Kindow(Atom Z3735F): 47,495
Wink Pax G1(MediaTek MT8783) : 38,553
YOKA KB2(Amlogic S912): 36,679
マウス MADOSMA Q501(SnapDragon 410): 35,663
Teclast X10(MediaTek MT8392): 31,561
Cube WP10(SnapDragon 210): 29,273
Cube T8 Super Version(MediaTek MTK8735P):23,925
ドスパラ Diginnos Mobile(Snapdragon 210): 23,785
FREETEL KATANA 01 (SnapDragon 210) : 22,724
5.まとめ
CUBE iPlayは中国の通販サイト「Banggood」で137,99ドル(15,821円、5月7日現在)で販売中です。10インチクラスのAndroidタブレットは日本国内でもかつては多数製品が存在しており、Sony MobileもXPERIA Tabletシリーズを販売していたのですが、現在ではすでにタブレット販売からは手を引いており、その他のメーカーもより小型な7~8インチクラスに移行したため今となっては存在自体が貴重だと思います。
スピーカーの音量が小さめなのが気になるもののそれ以外は余計なカスタマイズが行われていない素のAndroid 6.0を搭載していることもあり、動作のほうも快適で高解像度ディスプレイで様々なコンテンツを楽しむことができます。
また3Dゲームのほうも本当に重量級のものでなければ意外と快適に動作するため、大型Androidゲーム機として活用するのも悪くはないのではないでしょうか。10インチクラスのAndroidタブレットを探している方は要チェックの端末となっています。
6.関連リンク
Cube iPlay - いまや中華でも希少か?10.6インチで高精細ディスプレイのAndroidタブレット
Cube iPlay:Banggood